2010年6月28日月曜日

0625ゼミの感想【矢野】

<バンナムプレゼン>
私たちの班は、「このようなアウトラインで」「このような意図で」という周りの部分を塗り固めてそこに最終的に核(いわゆるwhat)を入れようとしていたが、金先生にも言われた通り、この企画では核から考えていかねばならない、ということに自分自身非常に納得した。もしこれが何らかの研究であれば、最終的に考えつめて“what”がなかったとしてもその「無かったこと」自体が答えともなりうる。核以外の過程を詳しく提示し、この過程で考えると答えが出ないのだ、という結論でも問題はない。しかし今回の商品企画にあたっては核となる答えが存在しない、というのはあり得ないことなのである。「核」自体がその発表の価値である。当然と言えばそれまでであるが、今回求められているものによって思考プロセスも変えていかねばならないということを学んだ。
しかし、商品開発のアイディアを出すのはここまで難しいのかと驚くばかりである。どんなに考えても、つまらないか、一回やれば十分でリピートしようとは思えない、すでに商品化されている、のどれかである。最近科学技術によって「やりたいけどできない」ことが少なくなっている。そんな今人々の欲をどう満たすのか、そもそも欲なんてあるのか、考えさせられる。

<猪子さんのお話>
チームラボのHPを見て予習に代えていた私は、一ベンチャー企業の社長さん、としか予想できていなかったのだが、本当にいろいろな意味で面白い人で、自分にとってはとても新しいタイプの方であった。情報はほとんど入れない、字を読むのが苦手、卒業を目前にして何としても就職したくなかった、などなど驚くような発言ばかりであった。しかし、そんな中でも、善悪をはっきり分けない日本のコンテンツ(もののけ姫を例に取っていました)が世界で受ける理由などは非常に説得力があった。また、「俺の辞書に『不可能』はない」というセリフがよくありますが、これはまさに猪子さんが使うセリフなのだろうと思う。目の前に可能性や機会があった時、多くの人は「現実的に…」を考え篩にかけた上で自分の前に選択肢を並べるが、猪子さんはその「現実的に…」といういわゆる能力的、時間的、常識的、倫理的(?)制約を一度取っ払ってその選択肢をすべて並べて俯瞰し、取っていくことができるのだと思う。これはなかなか人が持つことのできない能力であろう。だからこそ、チームラボのようなユニークな会社を作りサービスを提供し、結果的に猪子さん自身も社会に大きなプレゼンスを発揮(もちろんそれが目的ではないだろが)できるのではないかと思う。
また、そんな猪子さんが人間にクリエイティビティーの差はほとんどない、と言っていたのが印象的であった。バンナムの案にも猪子さん的思考が活かせればいいなと思った。

0625ゼミ感想【斎藤】

【バンナムプレゼン】
今回、最も素晴らしかったのは三期生のプレゼンでした。具体性を持った商品提示と、それによって設ける仕組みにまで言及されており、聞いている人々にとって納得できるものでした。
また、単にプレゼンでの説得力があるだけでなく商品への着眼点が面白い物であったと思います。既存の物にはないものを考えるときに、従来から私たちが持つ一般的な感覚にとって抵抗感がある事がありますが、あえてそこに挑戦する事で新しい物が生み出されるのかなと思いました。

【ゲストスピーカー】
今回来てくださった猪子さんはとてもユニークな方であり、同時に物を生み出す事に対して強いこだわりを持っている方なのだと感じました。
お話の中で、国際競争力には文化と技術の両方を考慮する必要があると言う点が印象に残りました。現代、最も活力のある企業の一つであるグーグルが世界中の本をデジタルアーカイブ化しようとしたとこに対してヨーロッパで対抗する動きが見られましたが、それに対する答えの指標を示していただいた気がします。
また、人間にはクリエイティビティーの差は大してない、という言葉にも驚きました。問題は何かをやるとき、そこに制限をかけてしまうか否かであるようです。面白いけど間違っているという状況に直面したときに、それを切り捨ててしまうか、思い切ってやれるかどうかも大事です。しかし、時として法による規制がかかってしまう事があり、この点は著作権のによるイノベーションの阻害の問題と共通していると思います。また、寛容である事も重要だと仰っていました。ここで言う寛容とは個人レベルに限らず、行政や政治などの次元でも求められるものであるというように、様々な領域に対して言及してくださいました。やはり、物を生み出すという行為は実社会とも深く関わっているのだという、当たり前の事も再確認しました。

西洋と東洋、日本には思想も異なり、そういったことが遠因となって生み出される製品の性質も異なってきます。私達は日本に生まれ日本人として育ってきました。だからこそ持ちうる感性を生かしていけば良いのだと思います。

【0625ゼミの感想】社会への挑戦!【田島】

【バンダイナムコ】
この一週間を通してのグループワークは、意見を発散・集約する勉強になったり、新たな視点を与えてもらったり、大変実りの多いものであった。それを1週間で具体的プランに落とすことは出来なかったが、意味のある種をまくことが出来たのではないだろうか。
 他チームの発表を聞いていると、どのアイディアも「面白そう」とは思ったが、事業化の見通しがつきやすいものとつきにくいものがあった。コンペティションの中にも、斬新な発想が求められるものや、現実的な可能性まで求められるものなど様々ある。今回の企画がどこまで求められているか、しっかり意識しながら考えていかなければいけないと思った。

【ゲスト・スピーカー 猪子さん】
唯一無二の、自由な人!という衝撃を受けました。「情報をほとんど入れない」という猪子さんの発言には驚かされました。この情報洪水社会で情報を入れないなんて!けれど実際にお話を伺うと、知るべき情報はしっかり持っているし、何よりその情報を活かして自分なりの考察を持っている。猪子さんより知識を持っている人のなかで、猪子さんより「考えて」いる人はどれだけいるだろう?猪子さんが起業するとき、「これから社会はどうなるか考え、そのなかで自分がとるべきポジションを考えた」という。また、今回のプレゼンも、日本の競争力を上げるための考察と提言だった。破天荒な発言にばかり目が行くが、これからの社会の姿を考え変えようとする、猪子さんこそ「社会人」ではないのか?
いいアイディアが生まれるには「間違いの多い場所」が必要だ、という意見がとても説得力があった。間違いを許す寛容さを残しつつ方向付けがしっかりできれば、いいブレストが出来るのだと教わった。

【0625ゼミの感想】バンダイ、ナムコ&チームラボ【岸本】


 バンナムプレゼン。着眼点が面白いと思ったアイデアはいくつかあったのですが、具体的な詰めが甘かったり、明確さに欠けるなど、まだまだ磨ける箇所は多いように感じました。
 1つ1つのアイデアに関しての思いつきや補足などは大体ゼミ内で発言した or ブログで他の人が指摘してくれているので、自分なりに多くのアイデアに共通した改善点を3つ挙げます。

 - バンナムでやる理由に欠ける:自社資源の見直し/差別化の検討
 - 展開する場所が適切でない:販売・流通チャネル、タッチポイントの見直し
 - 中長期の展開が見えない:市場の規模、利益の変化を捉える

 こうした点を直すだけでも魅力は大きく増すと感じます。ちなみに、ナンバム班のMTGで共有した『The Presentation Secrets of Steve Jobs』の中に登場するエレベータ・ピッチのポイントを挙げると、

 (1)何すんの?
 (2)どんな問題解決するの?
 (3)どう(今までと)違うの?
 (4)何であたし(聞き手。消費者・クライアント)が気にしなきゃならないの?

 原典はここで確認出来ます。この4点を短く(効果的に数字を用いるなどして)魅力的に、伝えることを意識するのも1つの視点として覚えておくと良いと思います。

 また、もう1点。技術先行型にならないこと。これは過去の先人たちから近年の経営書まで共通して書いてあることの数少ない1つです。今回「デジタルネイティブの観点を活かして」という案件で依頼を受けましたが、あくまでその生活の中心にある身近な問題を解決、改善するということが商品作りを通じて目指すべき点なのではないかと考えました。

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 そしてチームラボの猪子さん。全体的な印象として、「ムダな情報を切り捨ててとにかく自分の頭で考える人」でした。(経済学者の池田信夫さんもこうしたムダな情報を切り捨てるネット利用をしているそうです
 日本文化ひとつひとつ、コンテンツ産業の概観、そして「東京ヤバい」な話から結婚観まで笑、様々なことに関して見聞きした情報や体験をベースに、説得力のある形で自分の考えを他人に伝える。(本当のところはわからないけど、少なくとも聞き手に本当だと思わせるのが本当に上手かったです・笑)このことが猪子さんが他のベンチャーなどと一線を画している部分であると考えます。
 
 また、チームラボの組織運営、マネジメントは37signalsのそれに似ていると感じました。(37signalsはアメリカのウェブアプリ企業で、少人数ながら業績を伸ばし、そのマネジメントなどが注目されている企業です。前著はここで読めます。)例えば職種を絞らずにいろいろやるという点では、37signalsでは電話に出るのも、メールを送るのも、エラーのメッセージや領収書もすべてマーケティングに入るとしています。こうした常に顧客第一の製品やサービスを開発する、そしてそのためにはいかなる手段、アイデアを選ばないという点が似通っているように感じました。 
 更に、チームラボの猪子さんのような起業形式が日本でも出来るのか、と素直に感心してしまいました。(アメリカでは上司がイヤとか、企業がイヤという理由で起業することができるそうです。)

 色々勉強になる部分が多く、ちょっと感化されました笑。お忙しい中お越し頂いてありがとうございました。

0625ゼミの感想【吉田】

【バンダイナムコプレゼン】
今日のグループ発表はまだアイデアについての報告であり、未完成のものですが収穫も多くありました。企業の方と共同で行っている以上、必要なのは抽象的な意見ではなく収益まで考慮したビジネスプランであると改めて感じました。今回のフィードバックも踏まえて次回の発表までに以下の2点を行いたいと思います。

①「なんとなく行けそう」なアイデアではなく「衝撃的に良い」アイデアになるようにブラッシュアップする。
②市場環境やニーズ、黒字化までのスパーンも考慮して、具体的なビジネスプランを提示する。

バンダイナムコ社の方から大変貴重な機会を頂いていることを忘れずに、最高のものを作り上げていきたいと思います。


【猪子ゼミ】
今日の猪子さんのお話は、非常に面白く印象的でした。その中でも特に印象に残ったことが2点あります。
一点目は、技術と文化についてです技術と文化は表裏一体であり、それが国際競争力の源泉になるというお話はとても衝撃的でした。大量生産や単純技術における優位性では、固定費用が高い日本は競争に勝てない。日本に求められるのは、技術に新しい付加価値を提供するクリエイティブインダストリーであるというお話は新しい視点を開かせてくれるものでした。客観的な(絶対的な)ものを設定せずに、妥協点を探すことを秩序の源泉とする日本文化は、絶対的正義を求める西洋社会と比較して情報化社会に適しているという話も非常に考えさせられました。
二点目は、創造性と寛容性についてのお話です。創造的になるためには失敗も認める環境である必要があり、間違いかもしれない意見から新しいアイデアが生まれる。そして、自分の倫理では絶対に許せないことでも許せないまま認める「寛容性」が「創造性」に繋がっていくという意見については自分も同感であり、今後のバンダイナムコプロジェクトにおいてもこのような創造的な環境にしていきたいと感じました。

多くのことを考えさせられるお話をありがとうございました。

100625ゼミの感想

【バンナムプレゼン】
4・5期合同の初めての本格的なワークショップということで、それぞれの班が試行錯誤を繰り返したことと思います。しかし、どの班もwhat・why・howに対する言及が甘いという指摘を先生から頂きました。自分たちの班で考えると、自分たちの中ではwhatを明確にしていたつもりでした。しかし、実際には、どのような分野を対象にするかに留まる言及しか出来ておらず、「これ!」という一つの商品としての提示が出来ていなかった。これは、次のプレゼンへの反省としなければならない。
ただ、個人的には、whatの部分が確固たる商品としての形を持っていなかっただけで、考えを詰めれば一つの商品としての価値を見い出すことが出来るのではないかとも考えている。だからといってRPGに依存する訳ではないが、一つのアイディアとして継続して考えを構築する価値はあると思う。

また、特に次の三点を考慮してアイディアを構築するようにとの指摘も頂いた。

1) what(どんな商品・サービスなのか)
2) その仕組み
3) 3年以内の収益モデル

の三つである。リアルプロジェクトだからこそ、三田論で行う様な問題意識の共有や基礎知識の共有はせず、一気に具体的な商品を提案するという体を取るため、求められるハードルも当然高くなる。それだからこその面白さもあるし、三田論とはまた異なる進め方を学べるという点でも、とても勉強になると思う。この何台をポジティブに捉えて、来週のプレゼンに取り組みたいと思う。


【チームラボ猪子寿之社長】
【サイコー】。この一言に尽きると思う。個人的に非常に楽しみにしていたので、色んな話を伺えるだけでなく、”素”の猪子さんを見れてとても楽しかった。
また、コンテンツ産業の講義の中で、情報化社会に移行したことで、コンテンツの価値に変化が起きたと説明して下さった。確かに、これまでの時代はメディアやデバイスが制限されていたので、情報を発信することが出来るのは、メディアを所有する組織だけであった。そのため、私たちは、限られたメディアを通して限定的な情報(コンテンツ)しか享受することが出来なかった。しかし、インターネットが普及して情報化社会に移行したことで、一個人でも情報の発信が可能となるだけでなく同時にこれまで以上の情報(コンテンツ)を獲得できるようになった。その結果、今のデジタルネイティブ世代と従来の世代(デジタルイミグラント)との間にはモノの価値に対するズレが生じ、これまで価値のあったモノの価値が減少し、逆に今生まれてきたモノの価値が大きくなったのである。その点、和田アキ子と初音ミクの例えは非常に分かりやすかった。

また、【クリエイティブとは?】という問いに対して、【創造的で面白いとかテンションが上がるモノ】というお答えを下さった。一見、面白ければいいのではないかという印象を受ける。しかし、チームラボが社会に提供している商品やサービスは、人々の生活を支えたり、より便利にしたりと、単に面白いだけでなく、社会に発表することに意味のある付加価値を提供できていると感じた。もちろん、視覚的な面白さも大事だが、それと同じくらい提供するモノに生活者視点の【意味付け】を行うことがクリエイティブには重要なのかなと感じた。チームラボには、この生活者視点でのアイディア構築が自然に出来ているといった印象を受けた。

最後に、お忙しい中、時間を割いて金ゼミに来て下さってありがとうございました。猪子さんのお話は聞いているだけで自然と笑ってしまうような面白いものばかりでした。また、猪子さんの招待に尽力して下さった金先生にもお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

新しい風<金光>

<バンナム!>
チーム結成早々一週間足らずで解散となってしまいました。
しかし、

What(固有名詞での商品・サービス)
 +
仕組み(革新性、不確実性の高いものに頼らないアイディア)
 +
3年以内の収益可能性
 
という今後ほかのアイディアだしをするときにも使える視点を教えてもらえたことは個人個人にとって大きな収穫だと思います。本来は先生から提示される前に自分たちで見抜くべきだった(たぶん先生は私たちにそれを期待していた)のだと思います。それだけの力がなかったことは悔しいです。
でも、指標を明示されていたからといってそんなに容易に提出できるものではありません。ぎりぎりまで考えます。

チームの反省点は、
・バンナムがやる意味
・背景情報の収集不足
・参入業界の規模・収益予測
・実現可能性
です。特に二点目は、今までは知識豊富な先輩や同級生がチームにいたことでカバーされていたものが、自分が先輩の立場になった今、それを提示できなかったことに原因があると思いました。

今回全員がまた再度3分プレゼンとなりましたが、ミクロラ21チームが最初に「もういちどプレゼンを作ってくるように」と先生から言われたとき、ほかのゼミ生はどう思ったでしょうか。
自分には関係ないと思ったのか、それとも自分たちの班にあてはめて考えたのか。
細かいことかもしれませんが、それが当事者意識であり、一人ひとりがそういう意識を持って臨むかどうかでゼミ全体の雰囲気も引き締まるし、個人も濃いゼミの時間が過ごせると思います。


<猪子さん>
猪子さんが話し始めた瞬間から、教室が猪子さんワールドになってしまいました。
自分が信じているものを軸に、時空も国境も超えた視点でいろいろな思考を巡らせた末の”本質的な”話だなと感じました。
どうしても、今夢中になっていることや当たり前のことは疑問なく捉えてしまいがちですが、「なぜそうなっているんだろう?」「そうじゃない世界はどうなるんだろう?」と考えてみること、その時に歴史やほかの国と対比して考えてみること、そしてそれらを考えるときはあくまでも事実ベースで考えること、をしている人だと思いました。
ゼミの話はもちろんですが、そのあとのご飯での話もとても面白かったです。(具体例が過激だったので、ここでは割愛します)
あと、猪子さんはよく笑う方でした。笑顔は人を惹きつけます。全くつんつんしていない、気さくな方でした。自分には真似できない風貌とオーラでした。真似するにはそれに伴った頭の良さも必要だと思いました。
金ゼミには新しい風だったと思います。ありがとうございました!

2010年6月27日日曜日

【栫井】0625ゼミの感想

【バンナム企画プレゼン】
ぼっこぼこにされたなあ、と感じました。
自分自身、そのことに納得はいっているので、これを糧にしなければと思います。

まずゼミ生の前で自分の企画をプレゼンしフィードバックをもらえる機会を軽んじていたこと、そして一週間という期間の中でやれることはたかが知れているだろうという思い込みがあったことが今回の反省点です。
日常を洗う視点を身につけ、問題意識を哲学の形に変えて、ターゲットを明確にし、フィールドワークを行い、プロトタイピングをする。
2ヶ月という短いスパンをどれだけ有効に使えるかを考えたときに、私が想定していた流れは金先生の考えているような出来の企画を作るには甘かったと感じます。
本当は一週間でダーティでもプロトタイプを作るところまでいかなくちゃならなかったのに、それをしようともしていませんでした。
それが出来なかったことの損失は、わたしたちのグループのプレゼンFBと3期生のプレゼンFBの様子を見れば明らかです。

KMDの奥出先生の仰るところに、「とにかく手を動かすべし」というものがあります。頭でばかり考えないで、とにかく作ってみて、目の前にモノを置いた上で語り合い、振り返ってみる。そしてもう一度作り直す。
トライ&エラーの精神ともいえるこのこの部分が抜けていたなあと反省しきりです。

来週もう一度プレゼンをする機会をいただけたので、それに向けて迅速に行動するまでです。

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用事が入ってしまったため、猪子さんのお話が聞けなかったことが残念で残念で仕方ありません。
TwitterのTLを追ったりゼミ感想を読む度に悔しさいっぱいです。
自分が2人いればいいのに!!

【ホンヨミ!0625①】経済ってそういうことだったのか会議【カコイ】

経済ってそういうことだったのか会議/佐藤雅彦・竹中平蔵

クリエイターでSFCの教授でもある佐藤氏と、言わずと知れた小泉改革の立役者で同じくSFCの教授、竹中氏の対談集。
おカネはなぜあるのか?株ってなんの為にあるのか?
取っ付きにくい印象の強い経済学を、易しいところから本書が著された2000年の経済状況までを網羅して解説している。

競争について、印象的な話がされていた。
市場において競争は不可欠である。寡占市場よりも、各社が凌ぎを削って競争する市場の方が、強い魅力を持った製品が生まれてくることは歴史を見れば明らかだ。
しかし、今の市場の競争は、果たして本当に必要なものなのか?増えるテレビのリモコンのボタン数を見て、果たして全てが必要な機能だったのか、考えてしまうことがある。
本書に拠ると、競争には健全なものと不要のものがある。
製品の本質を高め、切磋琢磨するものと、製品の本質を見失い、どうでも良いところで争うもの。
競争とは、本来市場に溢れる製品を洗練し、本当に良いモノを残すためのものだと思う。
とにかく他社と争うことが目的化するのではなく、製品を高めていく過程で競争が生まれるものではないだろうか。
経済を表す"エコノミクス"の語源はギリシャの"オイコノミクス"つまり共同体の在り方、だそうだ。
人びとの集まりである共同体も、それぞれが競争を目的として不要に疲弊し合うのではなく、自分自身を高めていく中で他人との比較であったり競争が生まれるものだと思う。
これからの人生、いわゆる競争と呼ばれるような場に直面することは多いだろう。しかし、それに踊らされて自分を見失うのではなく、自分自身を見つめ直し、成長していくことで競争市場に対峙したいと思った。

【0625ゼミの感想】クリエイティブ【長澤】

【バンナム】

どのグループも個性的でユニークな案だったと思います。
私のグループで提案したものは、想い出を写真という視覚のみの形で残すのではなく、匂いや音楽などの嗅覚や聴覚も取り入れて、より鮮明に想い出を残したいという思いから出来上がったものでした。グループ内ではいい案だと思って提案したのですが、具体性に欠け、かなり抽象的になってしまっていました。
他のグループはかなり具体的に商品・サービスを提案していたので、想像もしやすかったです。
次回までに1人3分で個人プレゼンをしなければならないので、今週1週間はいつもより注意深く周囲を見回して、少しでもいい案が出せればと思います。


【猪子さん】

お忙しい中、貴重なお話を聞かせて下さってありがとうございました。
もともと猪子さんには「少し変わった面白い方」というイメージがあったのですが、お話を聞いてもそのイメージはほとんどそのまま変わりませんでした。また、とても想像力の豊かな方なんだろうと感じました。
チームラボで開発したハンガーや美術館の展示、ボタンの部分まで画面になっている携帯電話など、とても面白いものを沢山見せて頂けましたが、それらを見た時に感じた「すごい!」とか「面白い!」という気持ちを、自分も他人に感じさせられるようになりたいと思いました。
「おもろハイテク」や「おしゃれハイテク」という言葉も面白い表現だなと思いましたが、猪子さんのお話の中で特に印象に残ったのは、「周囲に間違いが沢山あることによって、人も間違えることが出来る。」という言葉です。この言葉はとても納得がいくというか、自分にもよく当てはまる言葉だと思いました。
そして、これからは「技術・才能・寛容さ」を持って生きたいと思います!

2010年6月26日土曜日

【ホンヨミ!0625②】電子書籍の衝撃【長澤】

『電子書籍の衝撃』 佐々木俊尚(ディスカヴァー携書)

iPadが発売された今、世間ではiPadの知名度が急に上がったように思う。しかし、キンドルはiPadに先行して発売されているわけだし、iPadはキンドルとの差別化が出来ない限り販売量を上回ることは出来ないだろう。では、両者にどのような違いがあるのか?私は正直キンドルもiPadもどのようなものなのか知らなかった。また、電子書籍など無くとも、紙媒体の本で良いではないかと思っていた。

「本を読む」という点では、キンドルの方が使い勝手が良さそうである。しかし、iPadには有利な点が3つあるという。まずは、多用途のデバイスであるということ。次に、iPhoneOSを使用しているため、iPhoneとまったく同じ画面デザインであるということ。そして、日本でも都心部を中心に普及しているiPhoneであるため、ユーザーにとってはiPadも使い勝手が良いということ。
一方でiPadには不利な点も3つある。まず、サイズ・重量・バッテリー持続時間などのスペック。次に、目が疲れやすいということ。そして、価格がキンドルに比べて高いということ。
このように一長一短であるため、決め手はプラットフォームになるという。
そして、プラットフォームとして市場を支配するために、以下の3つの要件が必要であると筆者はいう。
①多様なコンテンツが安く豊富にそろっていること。
②使い勝手が良いこと。
③アンビエントであること。
この3つの要件を揃えたアップルが、圧倒的なプラットフォームを確立したのだ。

そして、このプラットフォームのお陰で、プロ・アマチュアを問わず誰でも自分の書いた本を出版出来るようになった。手続きも簡単で、出版社を介さずとも個人が本を出せるようになったのだ。これによって出版業界が衰退してしまうのではないか、という危惧もある。しかし、これはとても画期的で素晴らしいことだと思う。個人的に執筆をして出版社に持って行っても、そう簡単に出版することは出来ない。本を誰かに読んでもらいたいと思っても、同人雑誌として売り出すしかなかっただろう。しかし、電子書籍として個人出版が出来るようになれば、今まで世の中に出て来ることの出来なかった才能のある人を見つけることが出来るかもしれない。このように、電子書籍にはただ本が読みやすくなるというだけでない利点があるということが分かった。

【ホンヨミ!0625①】新聞社【長澤】

『新聞社 破綻したビジネスモデル』 河内孝(新潮新書)

この本を読んで私が感じたことは、安定した経営状態を保てていると思っていた新聞社の経営状態がとても不安定であるということです。
まずは購読者の獲得手段についてです。確かに日本では新聞を取る人が少なくなっていると言われていますが、それでも新聞を購読する人は沢山います。しかし、新聞社の数も地方紙まで含めると相当数になります。これらの新聞社がいかにして購読者を獲得するか、そのためなら手段を選ばないという事実に驚きました。特に購読者獲得のために新聞社各社が必死に行なっている「拡張団」の行為です。今の時代にもそのような手段が行なわれているのかと。洗剤や美術館のチケットをプレゼントする等の手法は良く聞きますが、脅して購読させるというのはあまりにもショックでした。
次に折り込み広告との関係についてです。販売店が本社からの補償と新聞代と折り込み広告で得られる収入の利害を計算して、その結果残紙が出たとしても折り込み広告からの収入を得るために多めの新聞を本社から仕入れるという事実にも驚かされました。確かに、普段新聞に挟まれている折り込み広告に宣伝効果は大いにあると思います。しかし、そのようにして出てくる残紙の量は莫大で、木材資源の無駄ではないでしょうか。これまで工業や産業が発達するとそれに比例するように環境に影響が出てきました。このままでは今回の新聞の問題もこれまでと同じ道を歩んでしまうのではないかと思います。まずは根本的に経営体制を改めるべきだと思います。
では、どのような経営体制をとればよいのでしょうか。活字離れが進んでいると言われており、インターネットの普及率も非常に高い現在であるからこそ、インターネットで新聞の情報を提供すれば良いのではないでしょうか。インターネットで情報を提供するのであれば、前の段落で述べたような残紙の存在もなくすことが出来て、木材の消費もせずに済みます。また、携帯でも読むことが出来るようにすれば、持ち運びも可能で軽量化にもなります。ただ、インターネットでの情報提供にも短所がいくつかあります。たとえば、既にインターネットではヤフーやGoogleのように情報を提供するサイトが新聞以外にも存在します。ということは、新聞をインターネットに移行した時に購読者が減る可能性があります。
新聞をインターネットに移行するにしても、紙媒体のまま存続させるにしても、経営体制を変えていかないことにはいずれ新聞社は破綻してしまうのではないでしょうか。これから新聞がどのように生き残っていくのか、新聞社から一方的に私たちに情報を提供するのではなく、私たち一般市民と相互関係を築き、購読者と共に経営体制について考えていけば良いのではないかと思います。

0625ゼミ[矢部]

[バンナム]

各グループのプレゼンを聞き、どのグループもおもしろさのある内容であったのは間違いないと思います。ただ、軸と方針に確固たるものを頭に置きながら、アイディアの発想からの仕組みを考える過程ができなっかたため、的を得たものができなかったのかなと思っています。what,why,howを入れて、具体性をより明確化させたプレゼンの重要性が多少理解はできたと思います。そして、市場原理や市場構造を数字として統計的に説明する必要があることもわかりました。万人ウケ、”売れる”ということを念頭に置かなくても、100人のうち2、3人の市場をとることができれば、それは大規模な市場となる規模の経済性を考えれば、わかることでした。来週のゼミではそのあたりしっかりと考えながらやっていきたいと思う次第です。

[ゲストスピーカー]

今回は、チームラボ社長、猪子さんにお越しいただきお話をしてもらいました。とても一般の型にははまらない異質な考え方にとても感動しました。creativitiyに人間の差はないという言葉はとても面白いと思いました。creativityというのは生まれもった天賦なものと思われがちな考えにはとても矢を射すような言葉でした。やはりこの部分は金ゼミでも言われてましたが、とにかく考えることが重要なのかなと思いました。始めからできないのではなく、ちょっとしたことにも何かヒントが含まれていることが確実にあることを回顧することができました。実際に僕も思っているというかしていることなのですが、何事においても、おもしろさ・楽しさを見出してるからこそ、そのようなことが原動力となり起業することも一念発起でできてしまうのかなと思いました。
猪子さん、今回はお忙しい中ありがとうございました。このような機会のあるゼミにも感謝です。

[ホンヨミ!]視聴率の正しい使い方[矢部]

視聴率の正しい使い方 藤平芳紀(著)

視聴率について、今現在の問題点から基本的なその調査方法、そしてこれからどうあるべきかを多様なテレビ番組の視聴率の例を用いて説明しているのでとてもわかりやすい本であった。
実際、調査方法に、こんなにも偏りがあり、正確性に欠けるものだとは思わなかった。サンプルの数は統計学的に見てとても少ないし、世帯や地域によっての偏りは絶対起こっている。
しかし、テレビ局のどこの壁を見ても、視聴率の%が書かれていることをみると、もはや各民法の視聴率主義の蔓延やNHKでさえ、不適切な商業性のある発言をしてしまうことで、放送界の未来の暗黒時代を見るようでとても悲しくなる。どうにかして私は未来のある放送界にしたいと思うばかりである。

[ホンヨミ!]テレビの教科書[矢部]

テレビの教科書 碓井広義(著)

本書は、テレビの歴史からはじまり、テレビビジネスの構造を解き明かし、いろいろと問題を指摘されることが多くなった視聴率の問題、さらにはドキュメンタリー番組の製作プロセスまで書かれていて、とてもテレビ好きの私にとっては楽しい本でした。

近年は、情報は受け取るもしくはそれに対して批判をしながら読み進めていくものではない。自らもメディアを通して、情報発信することができるのだ。ただ情報を鵜呑みにしていては、何も意味はない。賢く判別できる人こそこの情報社会でさまざまなメディアと触れる私たちにとっては重要なものではないのかと思う。まさにここにメディアリテラシーなるものの必要性を強く感じる。  

0625ゼミの感想 【黄】

各班の発表
グーチョキーパー班に関しては、三期生の本領が発揮されたプレゼンだったのでは、と思います。アイディアももちろん素晴らしかったですが、それ以前に"相手を説得させる"プレゼンでした。何が自分と違かったのかな、と考えてみたところ
・テーマが明確かつシンプル
・自分のアイディア、競合、消費者に至るまで想定し、比較している
・数字を具体的に示し市場規模まで想定
・実現性が高く具体的なところまで聞いている側がイメージ可能
などがあると思いました。
100人いて95人に受け入れられる市場は既に飽和状態。スタート段階で、3人にしか受け入れられなくても客観的にその本質の可能性をみる。
そしてバンナムでしかできない、バンナムだからこそ実現できちゃう要素の必要性。
これらをしっかりふまえた上で来週のプレゼンに望みたいと思います。

ゲストスピーカー:猪子さん
初めに見たときは、正直、驚きました。ですが話を聞いているうちに猪子さんの世界観、問題意識、ものの考え方は独特かつ人を捉える何かがあり、あっという間に時間が過ぎました。その中でもいくつか記憶に残った事は、
・日本には客観思想がない事、それが情報化社会とうまくかち合い、日本のコンテンツが世界で受け入れられる要因になったんじゃないか。
・流通経路が限られたテレビであるか、無限に広がるインターネットの世界なのかでコンテンツの価値そのものが変わる。
・おもしろハイテクとお洒落ハイテクの優位性
の3つが特に印象的でした。
いつも自分が当たり前だと考えてる事、考える余地もない、と疑問にさえ思わない事って結構あるんだなぁ、とつくづく思いました。
ゼミ後も食事をごちそうになって色々話を聞かせてくださり、充実した時間を過ごせました。



【ホンヨミ!】②【黄】バナナの皮はなぜすべるのか?

バナナの皮はなぜすべるのか?
黒木 夏美著

この本はネットが存在していなかったなら生まれて来れなかった本だ。
ネットに散在する単なる情報を収集し、吟味し、書籍資料と組み合わせ一覧性をもつ本という形にすればこんな事ができる、といった可能性を本書自体が提示していると言える。

追求、そして追求、また追求。追求こそが本書の核心を担っている。
まさに「一点突破全面展開」を具現化した本だ。

憂鬱な気持ちで散歩していた著者。
そしたら目の前にバナナの皮が落ちていた。それを見た瞬間、バナナの皮で人がすべるあの定番中の定番だったギャグが思い浮かぶ。一気に憂鬱な気持ちが吹っ飛んだ筆者は、疑問に思い始める。あのギャグっていつ生まれたっけ。
こんな感じでどんどん追求が始まっていくのである。なんかマジカルバナナみたいな感じだ。
疑問は次々と終わる事なく出現し、そのたびに色々な収穫をする。
短歌や俳句に登場するバナナやそのギャグ史、邦画、洋画、アニメーションや漫画、文学、実際にバナナですべってケガした人の記録などなど、話題のジャンルは多様で、その一つ一つが想像力をかき立て、ユニークで、感心させる何かを持っている。





ホンヨミ① 【黄】What I wish I knew when I was 20

What I wish I knew when I was 20
20歳のときに知っておきたかった事 スタンフォード大学集中講義
Tina Seelig

Tina Seeligはスタンフォード大医学部で神経科学の博士号を取得。その後、アントプレナーシップやイノベーションの講義を同大学で担当するようになる。全米の起業家育成コースの中でもトップクラスの評価を得ている。

今手元に5ドルあります。二時間でできるだけ増やせと言われたら皆さんはどうしますか?
本書の一番始めの文だ。
どうするだろう・・・。宝くじやロトはあまりにも非効率的だし、だからって二時間で5ドルって。
これはTina Seelingがスタンフォード大で実際学生に課した課題である。
クラスを14チームに分け、水曜日の午後から日曜日まで時間を与える。
5ドルが入っている封筒を各チームにあたえ、この封筒はいつ開けてもいいが開けたらそこからカウントダウンスタート。二時間以内に何かをしなければならない。
で、月曜日にスライドで発表させるという内容だ。
この結果は驚くべきものだった。多いチームでは600ドル以上を稼ぎだし、クラス平均でも4000%の投資リターンをたたきだした。
ここまでに至る過程、学生達がどんなふうに考えながら課題を解決していったのか、その独創性に感心する。
ただ感心させられるだけではもちろんない。自分に必要なのは何なのか、また問題に直面したときにどう考えるべきなのか。
講義を通して学生ととても近い目線に立って本書は展開されている。
「異質な事をする能力」。
それが呼び起こす無限大の可能性を本書は提示している。

0625ゼミ感想【高橋】

<バンナム!グループプレゼン>
3期生のプレゼンはとても具体的でWhat?Why?How?がしっかり明示されていてわかりやすく、さすがだと思いました。数的データが盛り込まれていて、消費者のニーズや収益に着眼しているのがはっきりとしていました。「万人ウケするものでなくていい」という、少しでもニーズがありそうなものに焦点を当て、そこから市場を切り開こうとしている小宮さんのアイディアに感心しました。
肝心の自分のグループのプレゼンでしたが、What?の部分が詰め切れてなかったというか、パンチが弱くて、「digital nativeの提案が欲しい」といわれたあまりdigitalにこだわりすぎていたところがありました。digitalであることが先行し、商品・サービスの軸がブレてしまっていたのが反省点です。How?を煮詰めて考えてしまい、一番大切なWhat?がありきたりなものとなってしまっていたのが否めないかと思います。コンテンツ自体は今までに新しいものでしたが、ただ「新しい」だけでは収益は見込めないし、たとえ市場に流通したとしても世間に知られることもなく、一過性のものとなって「つまらない」ものとなってしまうことを痛感しました。
今までにない新しいものであると同時に、消費者のニーズが少なからずあって収益の見込めるものを再検討する必要があることを思い知りました。そして何より「面白い」、人を楽しませるものであるということを大事に再度考え直したいです。

<Guest Speaker: 猪子寿之さん>
チームラボ株式会社代表取締役の猪子さんにお越し頂きました。正直、奇抜な発言を臆することなくなさる、とてもフランクな方だという印象を受けました。独自の世界観をもっていて、まさに「我が道を行く」、という方でした。猪子さんの考えは、普段私たちが考えもつかないようなことで、それはとても大事な視点であり、ありきたりで統一された考えを共有しがちな私たちに警笛を鳴らしているかのようでした。今まで思いもしなかったり、あまり触れたことの考えを今回たくさん取り込むことができました。
特に印象に残っているのは、日本の社会や風潮の分析力の高さでした。日本社会は妥協点を探して秩序を得る、客観的思想が存在しないという点。これが情報化社会にはよく合うから日本のコンテンツは海外でニーズがあること。そして、日本の社会全体の非寛容性、合理性の欠如についても言及なさっていて、制限がどんどん課されていく風潮にあることを挙げられていました。
たしかに、例えば昨今では児童ポルノ問題であったりで猥褻表現を含むものに規制をかけるか否かで審議がなされていて、社会全体が寛容ではなくなったきていると感じました。表現の自由から生まれるcreativeな発想に制限をかけることは、今後の日本の産業にも影響しかねない上、過剰な制限がかけられていってしまう可能性さえも含んでいます。「制限がかかるか・かからないかというだけで、人のcreativityの差は根本的にない」という考えが示している通り、日本の技術や良さを生かしたcreativeなものを寛容さをもって共有すべきだと思いました。
普段あまり接することのない考えをお持ちの猪子さんのお話は大変貴重なものでした。
お忙しいところ本当にありがとうございました。

2010年6月25日金曜日

【0625ゼミの感想】自分像【戸高】

 かなり刺激的なゼミでした。ビジネス的な視点の重要さ、自分が何をしたいのかとオリジナルに言うことの難しさ、そして自分と言う人間の魅せ方などなど、学ぶことが多かったです。


【バンナムプレゼン】
自分の班以外の4班について書きます。

①ミクロラ21/「五感で思い出を記憶する」
 はい、僕の大好物です、思い出。黄さんが指摘していたことがすごく印象に残りました。

「嗅覚と思い出をマッチングさせても、その時の思い出と、今出てくるその香りと果たして感じる印象は同じなのか?」

 知識社会学的観点からすると、自分の記憶や思い出というものは一定のものじゃないんですね。

「思い出はその場で再構成されるもの」

 という様に、自分が思い出や記憶を意識したとき、まさにその瞬間に作り替えられるというのです。
 どういうことかというと、例えば自分が修学旅行に行った時、京都の鴨川で告白をしたことが深く記憶に残っているとします。
 でもいくら深く記憶に残っていても、普段から頭の中にとどめているわけではなく、ふとした時に思い出すものであったりします。
 ある日、家でテレビを見ていると京都を舞台とした青春ドラマがやっていたとしましょう。するとその青春ドラマで鴨川が映りました。
 はい、そこです。まさしくこの瞬間にあなたは修学旅行での告白のことを思い出すわけです。
 しかし、そのシチュエーションは数年前の鴨川と、テレビで今見る鴨川とよく似ているようであって全く違うものです。
 だからその時の記憶はそのテレビを見た瞬間に再構成されるので、ただ同じ記憶というものは1つもなく、イメージするならば「記憶は積み重なって行く」感じです。
 そのときそのとき思い出した記憶がかつての記憶の上に積み重なって行き、新たな記憶、思い出になって行くといった感じですね。

 だから嗅覚とその時の思い出がそんなに感情的にマッチしなければならないということもないと思います。むしろいろんなオプションがあってもいいくらいなのかもしれません。
 あと、ネガティブなイメージのタバコも僕にとっては思い出を呼び起こすスイッチになっています。ピシェの匂いを嗅ぐと◯◯を思い出したり、マルボロだと■■だったりと、タバコの銘柄はけっこうその人の個性を表しているものではないでしょうか。

②もえもえ☆ましゅまろ
 今日コメントで言ったpixivのdrawrのことを書いておきます。

drawr:http://drawr.net/

 これはほんとにこのサイトに行くだけでお絵描きをできるというものです。CGやペンタブ等がなくても誰でも簡単にお絵描きをすることができるという、ハードルの低さがポイント。

台詞無しでリレーマンガを描くスレ:http://drawr.net/show.php?id=1490567

 このように、(ログインしないと見れないかもですが)みんなでマンガを書いて行くことも可能です。自分では思いもしないような展開で話が進んで行く、まさしくソーシャルな感覚を感じることが可能かと。
 
 やっぱりdrawrの革命的な所は専用のペン等なしで、そのままマウスで(指で)描くことができる点だと思います。
 もしペンタブ的なものを有償で提供するのならば、どうしてもそれが欲しいと思わせるような気持ちを抱かせる必要があるのではないかと、それだけで参入障壁をあげてしまうことになるので。

③ぶっとびDAI
 位置ゲーだと真っ先に思いついたのは「コロプラ」でした。(参考記事)
 コロプラの中にはコロニー内の人口やお金、慕われているかどうか等の軸で競争心も芽生えていれば、自然と助け合う仕組みができていたり、さらには東京メトロとの提携もあったりなど、かなり先を越されている感はあります。
 これに勝つためにはやはりRPG性という「冒険」「成長」「協力」といった面を強く打ち出して行かねばならないのでしょうがデジタルサイネージと掛け合わすといった手法で日常をアドベンチャーにするといった発想で差別化はいくらかは可能なんじゃないかとも思いました。
 しかし、栫井さんの指摘にもあったように、なかなかQRコードなどを読み取らせるための仕掛けは難しいので、QRコード周りをバンナムのリソースを使って面白楽しいものにしたり、もしくはARGのようにデジタルゲーム外のリアルの世界にもこちら側が物語を付け足してやる等の工夫が絶対的に必要だと思います。

④難題、Bam!Co.
 グループ名、好きです。

 パソコンの整理整頓はそこまでニーズはあるのかとか疑問に思ったりもするけども、面白い発想だと思いました。
 遥か昔にはバーコードバトラー、少し前にはモンスターファームだったり、バーコードやCDがキャラクターやモンスターになるといったものはありました。今回はいらないファイルということで、どこかバーコードバトラー、モンスターファーム世代としてはわくわくする所があります。
 個人的に整理に困っているのはサイフの中のレシートだったり、映画の半券、観光チケットなど思い出なので捨てるに捨てられないもの達だったりします。レシートバトル!とかできませんかね、アイデアベースですが。

 ジョジョ立ちプリクラはとったことがない(むしろプリクラとほとんど縁がない)ですが、大学1年の冬の制服ディズニーシーをやった時に、なんかのオブジェの前でジョジョ立ち写真を撮った記憶はあります。
 なんなんでしょう。ジョジョの面白さってもちろんジョジョ立ちとかもあるかもですが、プリクラを撮る際に、「時よ止まれ!世界(ザワールド)!」とか言ってくれるとテンション上がったりするかもですよね。
 バンダイの本社のエレベーターってすごく変わっていて、エレベーターのアナウンスがアムロ・レイの声だったり、バンダイ関係のキャラが喋ってくれるんですよね。それだけでテンション上がりました。

 バンドアプリに関しては、任天堂DSのバンドブラザーズといかに差別化を行うのか、スポーツクラブ×アーケードに関してはいまいちよく見えてこなかったですが、脱ゲームながらも楽しみながらガチ運動っていうところが肝だったのでしょうか。


【猪子さん】
 僕もかくありたいなーと思う所がある人でした。
 僕はふだん、あまり真面目な話をすることが好きではありません。馬鹿な話をしてた方が楽しいですし、気持ちいいもんです。もちろん必要に応じては真面目な話もしますし、相談とかもバンバン乗るタイプなんですが、自分から話しかける時はとにかく馬鹿な話をしておきたいのです。
 でも馬鹿なことしか考えてないわけではなく、いざ頼られた時には相手の目線に立って、なんにでも答えることができたり、自分なりの言葉で説明することができる様に日々努力をしていたい。とも思っています。

 猪子さんはまさしく能ある鷹は爪を隠すというか、ところどころ適当じゃないのか?と思わせながらも、言葉の節々に学生である僕らにもわかりやすい話し方と目線が入っていて、シャープな意見が入ってくる。まさしく理想の象でした。
 
 その域に立つにはもちろん天性の才能や、生まれ持った人柄等様々あるとは思いますが、今日ご飯の際に金先生がおっしゃっていた「頭のよさは鍛えることができる」という言葉にあった様、今自分の頭が社会で全く通じないレベルであっても、日々様々なことを考え、検証し、実行するということを意識的に繰り返していれば、いくらでも鍛えることは可能なんじゃないかと思うんで、常に何かを考えていたいと思います。

【ホンヨミ!】0625①シリコンバレー精神【吉田】

『シリコンバレー精神』梅田望夫


今週も先週に続いて梅田望夫さんの著作を読んだ。本書はシリコンバレーでコンサルタントとし働いている筆者が、関係者の視点から毎年のように新しいITトレンドを生み出すシリコンバレーという場所について書かれている
本書は、私が高校に入ったころに手にした本である。当時ちょうどライブドア事件の後であり、社会には若者が出しゃばることを否定するような風潮があった。そんな中読んだ本書は当時の自分に大きな衝撃を与えた。シリコンバレーというフィールドで年齢や人種に関係なく自分の能力から価値を創造できる場は自分にとって非常に魅力的であった。
4年の歳月が過ぎ改めて本書を読み返すと、情報が古く感じられたりシリコンバレーを美化しすぎていたりなど気になる点もありますが、筆者の視点は今でも非常に新鮮に感じられました。
ITの歴史について考えるうえでも興味深い本であると思います。

【ホンヨミ!】0625①電子書籍の基本からカラクリまでわかる本【吉田】

『電子書籍の基本からカラクリまでわかる本』 洋泉社MOOK

本書は、今話題の電子書籍について様々な視点からまとめている本である。この類の本は多く発売されているが、本書はテーマごとに細分化して論じている。各項目が完結しているため自分が調べたい分野を簡単に探すことができ、電子書籍論文を書く上で大変役に立った本であった。
しかし、本書の優れている点は、知識が体系的に整理されているだけではない。実際に電子出版を行っている作家による対談も面白かった。本書は、出版のシステム的な問題について論じているだけでなく電子出版するまでの過程も記録しており、大変勉強になった。本書で著作者・出版社の立場について考え、さらに読者としての自分の立場も加えることで電子書籍市場について詳しく知ることができた。
電子書籍について考えさせられる良書であると感じた。

【ホンヨミ】0625①すべては一杯のコーヒーから【村山】

タリーズコーヒージャパン創業者である松田公太さんの著書。多くの自己啓発本を読むより、この一冊を読んだ方がいいのではないかと思えるくらい、自分の心に刺さってくる一冊だった。

著者が一番言いたいことは、【情熱をもって物事に取り組むべし】ということであると思う。自分がやると一度決心したら、最後まで諦めずに情熱を持って取り組まなければならない、ということである。情熱・やる気があるから、自然と行動にも移す事が出来る。フットワークも軽くなる。自分がやると決めたことなのだから。でも、それはすごく難しいことだとも思う。何かをやると決心した数日間はやる気に満ちあふれていて、それを行動に表出させることが出来るだろう。しかし、その情熱を維持し続けることは思った以上に難しい。これまでの経験から、多くの人がこのことに納得できるのではないだろうか。

だからこそ、「タリーズ」を日本に進出させるという目標を達成することに情熱を持って行動し、時にはアポなしで突撃する根性と覚悟を併せ持つ著者に大きな感銘を受けた。自分もそんな人間になりたいと。情熱を絶やす事無く物事に取り組める人間になりたいと。

当然、自分がやろうとしていること・やりたいことの前には様々な困難が押し寄せてくることもあるだろう。でも、人生は一度きり。何もやらないで後悔するより、自分が出来るところまでやった上で、その結果を受け入れる方が納得できるのではないだろうか。だから、自分も挑戦し続けて最後まで諦めない生き方をしたいと思わされた。

先日、偶然、参院選に出馬する松田さんに遭遇し、1分程声を交わす機会があった。本書を読んで、感銘を受けたことを伝えると、松田さんは「ありがとう。大概のことはやる気・情熱があれば出来るものだよ」と言って握手をしてくれた。その信念を持って行動し、結果を残してきた人物の言葉には重みがあるし、彼の大きな手の握手はとても力強かった。

【ホンヨミ0625①】グローバル・ジハード【田島】

グローバル・ジハード 松本光弘

政治学科の勉強のために読みました。


本書は警察庁で国際テロリズム対策課長を勤め現在も公安課の幹部である著者が、アルカイダなどのイスラム過激派と彼らの持つ「グローバル・ジハード」とも呼ばれる思想についてまとめた本である。私は今年の夏アメリカのNYに行く予定があり、「9・11テロ」を引き起こしたイスラーム過激派の思想的実態を知りたいと思い、本書を手にした。
 日本はグローバル・ジハードの主敵である米国と緊密な関係を結んでおり、イラク開戦後、ビンラディンが列挙した攻撃対象のなかに含まれるに至った。中東問題を思想的に馴染みが薄いからと軽視するのではなく、しっかりとした対策を講ずることが必要である。

 連日ニュースで報道されていながら、なかなか理解することが出来ずにいたイスラーム過激派の思想とそのバックグラウンドを知ることが出来、非常に有意義な本であった。過激派は暴力的手段を厭わないなど非常に特殊な面を持つとはいえ、その根はやはり一般的なムスリムと同じところから発していることが理解できた。むしろ、一般的なムスリムよりもイスラームに対して純粋である、とももしかしたら言えるのかもしれない。イスラーム過激派は、イスラームという宗教の持つ限界をあらわしている気がする。イスラームは「神の唯一絶対性」を重んじているが、このような一元論的考え方は、迎合しないものとの闘争を引き起こす可能性を常にはらんでいる。ジハード主義者は「イスラームが人類唯一の生き方である」とするが、個人主義・民主主義が発達し思想の自由や信教の自由が明文化した西欧型社会にこの一元的な思想を定着させることは非常に困難である。また、マウドゥーディーなどのイスラーム主義者は、議会制などのような「人が人を支配するシステム」は神の唯一絶対性を侵していると主張するが、現実的に考えて、完全なフラットな状態では社会が機能することは困難だ。そこでウラマーなど神の意思を理解していると思われる存在が神の代わりに「指導者」となり、政治的な舵取りをすることになると考えられるが、その主張がやがて「腐敗したウラマーが神の権利を侵している」という主張に転化することは想像に難くない。
 イスラーム過激派のテロ組織を解体させるためにはどのような手段をとるべきか。武力行使でリーダーたちを殺害することは短期的には効果的かもしれないが、その死はイスラーム世界では「殉教」とみなされ、さらに反米イデオロギーに火に油を注ぐ結果になりかねない。「真のイスラーム世界と西側のジャーヒリーヤ世界」という二項対立がジハードとテロリズムを生み出すため、長期的にはそれを緩和することが必要ではないだろうか。アメリカは中東に議会制民主主義など自分たちの「正義」を根付かせようと苦心しているが、それはイスラーム世界を無視し対立を深めることでもある。西側諸国が本当にすべきことはイスラームの世界観を理解し尊重することだと、本書を通じて考えた。

【ホンヨミ!】0625②プレイフル・シンキング【斎藤】

何かを始めるとき、私たちは「自分にはできるのか」ではなく「どうやったら自分にできるか」と考える事が重要となります。前者は余裕を持ってできる仕事であれば受け入れますが、そうでない場合には失敗を怖れるあまりに仕事を拒んでしまいます。一方で後者はどうやったら、それを達成できるかどうかに思いを巡らせてその過程にドキドキすることができます。

本のタイトルになっているようにプレイフルとは、物事に対してわくわくドキドキする心にあり、どんな状況でも自分や周囲の環境を生かして新しい意味を生み出す事ができる状態の事を指します。もちろんプレイフルな状況にある事が最初からできる人ばかりであれば問題にはならなりません。むしろ、そうでない人がいかにして自分をプレイフルな状態に持っていけるかが重要なのだと思います。そのために、自分を客観的に見る事ができるメタ認知や、自分の置かれている環境を変えたりする事も必要だと思いました。

私自身なかなかプレイフル・シンキングができる人間ではないとは思うのですが、そういった状態に陥る原因として、時間、労力、技術などの不足が考えられると思います。
本書に基づいて、思考法の面から改善していければより生産性の高い人間になれると思いました。しかし、思考法というものは改善するとなると実行するのが最も困難な事かもしれません。単に思考のみを考えるのではなく、自分の生活空間の見直しなど、様々な要素を複合的に改善して行ければ良いなと感じました。

2010年6月24日木曜日

【ホンヨミ!】0625①国産はじめて物語Part2【斎藤】

本書では戦後に開発されヒットとなった商品が紹介され、その時代背景、開発秘話などが綴られている。バンナム企画の参考になるものも多くあるため、よかったら一読して欲しいと思う。その中からいくつかの例を抜粋して紹介したい。

【人生ゲーム】
このゲームでは遊びを通じて子供が文化、人生を学ぶ事ができる。例えば、ホテルのオーナーになる、ロールスロイスを購入するなどの項目がマス目に書かれている。これらは単なる遊び的要素だけでなく、人生の夢の象徴であり子供がどういった人生を歩んでいくのか考えさせるきっかけともなるのだ。また、株の購入などの項目では、子供が親に株とは何かという質問をすることになるため、親子のコミュニケーションを促進する事ができる。ルーレットの特性を生かして、勝ち組負け組が固定する事なく皆が楽しめるのもこのゲームの特徴だ。
人生といった大きなテーマをボードゲームの中に落とし込めた事でよりリアルに、そしてどこか本気で入れこんでしまうのが大きなこのゲームの魅力だと思う。

【オセロ】
10分以内に勝負がつく遊びはないかという考えた中学生達によってこのゲームが生み出された。麻雀、将棋、囲碁などは複雑であり、もっと簡単なものにできないかと考えた彼らは囲碁の白黒の駒をつかい、挟むだけで駒をとれる簡単なゲームを思いついたのだ。当初は、駒をとられたごとに白黒の駒を入れ替えていたが、手間を省くために裏表を白黒にする事でより便利化することになった。この発案者の少年が大人になってもこの遊びに対して情熱を失わず普及させた事で現在のオセロゲームの人気がある。
ルールを覚えるのに一分とかからないのに、遊びだすと奥が深いこのゲームは究極のボードゲームと言えるのではないだろうか。現在あるものを改良して、皆に愛されるものにできないかと考えてみることも面白いアプローチだと感じた。

本書では、以上のような様々な例が示されており非常におもしろいので参考にしていただきたいと思う。
本書を通じて、新商品が生まれる過程では技術的進歩によるものが多いが、それを人々の生活のなかで生かせる形にするためにはやはり人間のアイディアが必要だと感じた。また日本の物造りに対する意識を誇りに思っていいと思った。そして、ユーザの使い勝手を追求していく事で皆から愛されるデザインとなるのだと思う。

2010年6月23日水曜日

【ホンヨミ!0625②】オトナのメディア・リテラシー【高橋】

オトナのメディア・リテラシー 渡辺真由子(著)

私たちが普段当たり前だと思ってしまっていることに「本当にそれ当り前だと思ってていいの?」と疑問を投げかける内容となっている。
テレビが視聴者の考えを操作する危険性を孕んでいるように、広告にもその危険性は十分にある。大衆向け=常に責任と隣合わせであることをもっと自覚しなくてはならない、と感じた。
ジェンダーについて事細かに述べられていて、少々「女尊男卑」なところも感じられたが、メディアが女性に対してどう接しているか、改めて考え直すことができた。
私はメディアの客観性に着目し、真の意味で客観報道とは何なのか、を考えた。そして行き着いた考えは、「客観報道など存在しない」、というものだ。
テレビにせよ新聞にせよ、それぞれにイデオロギーが存在し、それがあることにより差別化をしている。同じニュースでも差別化されているということは、そこに主観性が入っていることは否定できない事実である。「客観報道」と掲げるのではなく、潔くそれぞれにイデオロギーを明示して消費者が自分たちで考え客観性を持たせていくプロセスこそ、消費者ありきの「客観報道」だと私は考える。加工された情報をたくさん知ることで多面的に考えることを可能にし、自分の力である事柄に向きあうことができるのである。
本書はマスコミ関係に進むのであればそうしたメディアの権力ゆえに気をつけなければならない「マナー」について述べられていると感じた。

【ホンヨミ!0625①】クラウドソーシング【高橋】

クラウドソーシング~世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法~ バリー・リバート、ジョン・スペクター ほか (著)

"crowdsourcing"=「インターネットを通じて社外の不特定多数の人々に対してoutsourcingを行うこと」と本書は定義していて、実際に企業が行った成功例が列挙されていた。事例が並べられていて、格言なども書いてありとても読みやすい内容であり構成であった。

技術の目覚ましい発展や、digital native・digital immigrantなどと区別される昨今、もはや企業内だけであらゆる可能性を模索して創造していくのは難しくなってきているのかもしれない。企業に長い間属していると、実現可能性にしばられてしまい、ときに行き詰ってしまうことがおきる。それを打破すべく、本書であげられたクラウドソーシングを用いれば、一見無謀に思えるものでも、それが消費者側からの生の声でニーズが多ければ実現したとき必ずヒットする。企業側でみても考え付かないことが、消費者側からみるとヒットするアイディアが見つけ出せると思う。「こんなのあったらいーな~」という感情からふと浮かぶもの。そうした考えを、いかに企業側の"下心"を前回にせず消費者と上手に関係性を築いてニーズを引き出すかがクラウドソーシングを成功させる秘訣になるのではないだろうか。

「専門知識がすべてではない」。あらゆるバックグラウンドをもった人々が集まり、色々な価値観を共有して新たなものを作りだす。繋がりそうにない関係性でもネットなら繋がることができる。ネット社会を制するものが利益を制する、といっても過言ではないと感じた。

0618ゼミの感想【大賀】

 こんばんは、大賀です。ゼミの感想が大幅に遅れてしまい大変申し訳ありませんでした。6月入ってすぐから気管支炎のような風邪のような百日咳のようなものにずっと悩まされていました。最近になってようやく落ち着いてきましたが、まだ薬のお世話になる毎日です…。みなさんも、季節の変わり目は十分に気を付けてください。一度やられてしまうとすごく厄介です。それでは、ゼミの感想、いきます!

【NC―テレビ広告費と視聴率の現状とこれから】
 プレゼンターの矢部君。コメンテータの黄さんと長澤さん、お疲れ様でした!5期生だけでおこなうNCを見たのは初めてだったので、ワクワクしていました。3人共、しっかり準備をしてきていて、またそれぞれの意見の共有もきちんとできていて、とても素晴らしいものだったと思います。
 以前(大学2年の時)に、金先生のお知り合いである佐藤耕太郎さんのご紹介で、テレビ朝日を訪問させていただいたときのことを思い出しました。社内の壁一面に、番組名と視聴率を記した紙が貼られていたことを知り、衝撃を受けました。「視聴率至上主義」という言葉は耳で聞いて理解していたものの、実際にテレビ局に赴いてその様子を目の当たりにした時は、どうしようもないやるせなさを抱かずには居られませんでした。視聴率欲しさの番組作りが、はたして本当に視聴者にとって「面白い」ものになっているのか。最近ではワールドカップ中継が盛んですが、アナウンサーや実況者だけでは物足りずに、有名ミュージシャンや芸能人までスタジオに呼び込みサッカーを応援しています。これも「視聴率至上主義」を表す良い例なのだろうと感じ、悲しくなりました。「視聴率」に縛られずに自由な番組作りをしている(することができる)NHKは、やはりどの番組も面白く、期待に答えられているように思います。「視聴率」というエサを求めていがみ合う各テレビ局の生存競争によって、テレビ番組本来の求めるべきもの、視聴者のことを考えた上での番組作りのノウハウといった基本的な事柄が失われてしまっていうように思えてなりません。
 ただ、(槇さんにお伝えさせていただいた通り)テレビは、その「面白さ」をいかに視聴者に共有してもらうか、という点で、Twitterやmixiボイス等の「ミニブログ」による迅速な情報共有は非常に画期的だと考えます。先述したワールドカップにしても、私の好きな大河ドラマにしても、それぞれの「ハッシュタグ」(Twitterの場合)があり、リアルタイムで番組を見ながら感想を言い合っている人々の様子が見られます。まるでお茶の間で見ているような感覚を取り戻せるのではないでしょうか?テレビ制作者側がこの現象を今後どのように利用していくのか、興味深いです。

【ゲストスピーカー槇さんのお話】
 金ゼミ初?!の元女子アナであるゲストの話、ということで、ゼミ生(特に男性陣!)の様子が浮足立って見えたのは気のせいでしょうか?笑 と、冗談はさておき…。お忙しい中いらしてくださった槇さんには本当に、感謝をしてもしきれません。テレビ局の裏話から、アナウンサーの実態、そして、若い世代に何を求めるか…などなど、赤裸々なお話を聞くことができ、非常に勉強になりました。
 私は就職活動中にテレビ局受験をしませんでした。テレビの未来に限界を感じたからという理由も少なからずありますが、「視聴率至上主義」の番組作りを担わされることに違和感を覚えたからです。その選択が間違っていたか正しかったか、それはわかりません。私の周りには、テレビ局に入社する予定の友人もいます。テレビの未来を、テレビ局に入社するであろう若い世代に任せておくだけでは駄目だ。槇さんのお言葉からはそんな「想い」を感じました。視聴者としての私たちも、そして、若い世代としての私たちも。しっかりと向き合うべき問題だと思います。
 個人的には「新聞の未来」についても興味があります。かつては代表格として名を馳せていた媒体が、今後どのような変化を遂げ、生き残っていくのか。是非、取り組みたいテーマです。

【戸高君・吉田君お誕生日会】
 企画してくれた菱木さん、そして、映像やケーキなどを用意してくれた4・5期の皆さん、本当にありがとうございました!そして二人ともおめでとう!!金ゼミは本当に居心地が良くて、温かい場所だなあと再確認です^^*

2010年6月22日火曜日

0618ゼミ[矢部]




 プレゼンターとして初めてのNCでした。今回は「視聴率」をテーマにやろうと決めて、身近なことでも実はほとんど知られていない視聴率とこれからの放送産業においては、まとわりついてくるであろう「視聴率」について考えていければ、と思いました。当初は「放送の公共性」についてという、広告費削減→視聴率主義→制作費削減→放送の公共性低下、このようなことについてやってみたかったのですが、如何せん5日間で仕上げられるテーマでなかったため、ミクロに視聴率という部分にスポットを当ててやらさせていただきました。ゲストスピーカーが、テレビ業界の槇さんということもあり、少しは興味の助長になればなと思いました。

 おそらく、どこの産業もこれから、不祥事というものは絶えることはないと思う。そのような不祥事というのは、情報の秘匿性と専門性の壁から必ず生じる。オープン性というのはもひゃどこの業界でも聞くようになった言葉である。政府などでは、お決まりのように口に出すが、ほとんど実行されているかは不確かである。現にカネや官僚癒着など....そのためにも、この日本の視聴率業界において、日本版第三者監視機関の必要性は確実に重要な議題点であると思う。実質ビデオリサーチ社の独占となっている中で、社会から何かを求められるわけではない。競争相手やオンブズマンがいなければ、現状満足もしくはそれ以下となることが、通説である。そのため、調査開発向上の欠如やサービスの低下が懸念される。そこで、現代、多局化と多メディア化が進んでいる中で、テレビの視聴形態やユーザーの変化が視聴率に及ぼす影響は多々ある。通常な状態でも、サンプル数の問題など視聴率調査のは不完全な点が多いので、そのような事も含めて、調査の精度が包括的な意味で向上するように、第三者監視機関は必要であるといえる。

最近はワールドカップということもあり、日本戦の視聴率などで話題が盛り上がる事が多いが、そこで面白い出来事が起きた。NHKのアナウンサーが、日本VSオランダの宣伝をW杯の試合の番組でするときに、コマーシャルはなく、ぶっ通しということをテレビ上で発言してしまったのである。実際この試合の放映権はテレビ朝日が獲得していたので、NHK側はBSでの放送となっていた。そのため、ついつい民間放送との比較をしてしまって、口から出てしまったのだろう。このことは、コマーシャルという広告収入に関係詞、公共放送と民間放送の商業性を追求しているかしていないかに論点がある。放送の公共性を考える上では、面白い題材だと思う。個人的にはテレビ好きですし(あまり関係ないですが)、失敗だから仕方ないなと思います!

槇さんのお話を聞いて、テレビ好きの一人として放送産業に未来が確固たるものとしてあり続けるように僕自身も考えながら頑張っていきたいと思いました。

【ホンヨミ!】0625①「図解思考」の技術【金光】

『頭がよくなる「図解思考」の技術』 永田豊志

”出来る人は図で考える”という帯の文字に惹かれました。
いくつか有名な整理法が整理されてて載せてあるのはわかりやすかったです。
表タイプだと、吉田くんがNCで使っていたSWOT分析のほかにもPPM分析(プロダクトポートフォリオマネジメント分析)、VRIO分析(経済価値、希少性、模倣困難性、組織)など。
サテライト型の3C分析(顧客、競合、自社)、サイクル型のPDCA(計画、実行、検証、見直し)……などこんなにいろんな手法があるとは驚きでした。
手法を知っておけばわかりやすく書けそうです。

ただし、思ったことが二つあります。
・手書きだから良い
→本書ではいろいろな図、グラフを手書きで載せてあります。pptで作るときはこういうツールを使えば良くて、出来上がりはこうなります。という見本もありましたが、手書きと比較すると圧倒的にわかりやすさが異なりました。作成にあたっても、手書きだから短時間で融通のきいたアレンジが効かせられるのでしょう。つまり、自分用のノートやメモに特に適した手法だと思います。

・内容による
→当たり前のことです。たとえば、似たような条件の品がたくさんあって整理したいときには確かに抜けや重複を避けるための表やグラフ化は適しています。でも、例えば法律の授業のノートが全て図だったら理解できないと思います。自分でノートをとるときに、「○○→××」というふうに書いただけでも、この「→」はどういう意味で使っていたんだっけ。と後から見直してわからなくなるときはしばしばあります。書いた時には確かに整理されてすっきり見えても後から何を意図していたんだかわからないようでは本末転倒になってしまいます。箇条書きにするどころか、完全な文章で書いて初めて理解できる内容もあります。図にするなら、責任持って、この図が何を意味するのか説明できなければ使ってはいけないと思います。説明できなくてもわかるくらい図をうまく書けるようになるのが理想的なのかもしれません。

表やグラフにしたい時の”方法”を探すテキストとして本書を手元に置いておきます。

2010年6月21日月曜日

【ホンヨミ!】0618②ウェブ進化論【吉田】

『ウェブ進化論』梅田望夫

本書はウェブ2.0によるイノベーションが世界にもたらす変化という切り口からウェブの新しい形に迫った本書は大変興味深い著作であった。
筆者は、こちら側(物)とあちら側(概念)という二極を対立させることでネットの世界の新しいトレンドについて分かりやすく説明している。また、new economy 対old economyという前著『シリコンバレー精神に続く』構図もグーグルについて語っていることで改めて新鮮に感じられた。
しかし、本書の中で「Googleが「ウェブ上での民主主義」を導入したと宣言する。」と述べたりするなど、Googleに対する手放しの賞賛には強い違和感を覚えた。Googleがウェブ2.0を代表する偉大な企業であることは事実であるが、同時多くの問題も抱えている。現在のインターネット業界を俯瞰的に論じている本書であるからこそ、Googleも一企業としてより中立的な視点で見ていくべきであると感じた。

【ホンヨミ!】0618①電波利権【吉田】

『電波利権』 池田信夫著


本書の主張を端的にまとめると、テレビ局が政治と深く関わって「電波利権」を独占してきたので、改善すべきということです。
政治家が自らの権力を行使して一つの地域に限られた放送局にだけ免許を与え、その対価としてテレビ局に自分に好都合な報道をさせる構図には強い衝撃を受けました。

また筆者は地上デジタル放送についても、無理やり作りだされた電波利権でおると述べている。
本書は書かれた2007年当時に日本に1億3000万台あると言われているテレビはほぼ全てがアナログのものであり、それが2011年までに全てデジタル変わるのは現実的に不可能であると述べている。そのような中でアナログ放送の停止が強行されることによって廃棄せざるを得なくなる家庭のブラウン管テレビの数は多く、多くの無駄と高齢者や低所得層の不便を生んでいると述べられている。

アナログ放送の廃止については私も個人的に強く疑問に思っており、先に結論ありきの議論の怖さを改めて実感した。

【0618ゼミの感想】テレビ!テレビ!テレビ!【岸本】


 テレビに関してのNCは新鮮でした。視聴率を軸に、1つ1つのスライド、プレゼンには知らない事実も多く、よくまとまっていて感心しました。
 
 その一方で、正直視聴率に偏り過ぎたかな、というような印象もありました。現状の測定方法なども大事ですが、その測定方法が現状にそぐわない状況になっている。(地デジ完全移行によって完璧な視聴率捕捉も可能だったのではないか?と思ったりもしますが、技術的な実現可能性が分からないので割愛します。)その現状にそぐわない視聴率の測定方法からの変化をテレビ業界は何故拒むのか。そして今後広告費が下がることが分かっている中でどのようなビジネスモデルの変化が見られるか。類似例は海外あるいは他の市場に無いか。そういうことを突き詰めて考えるとより様々な考察が得られたのではないでしょうか。

 視聴率というのは視聴者のattentionを測るもので、最初は「マスメディア」という言葉に表されるように大衆=みんなが少数のメディアに集中していました。その後、様々なメディア、コンテンツあるいはVHSやHDDのような録画機器の登場によりattentionが分散するようになりました。そして視聴率が低下し、広告費も低下し始めました。テレビ業界的には、広告費が下がっていても、既存の視聴者と広告主を手放したくない、そのために低リスク思考になるために低予算で作れる似通った内容の番組が多くなったように感じます。
 リスクを取ることが出来るのは深夜番組くらいでそのため深夜で実験的な低予算の番組がクール毎に沢山作られ、その中でうまくいったものがゴールデンへ進出する。ゴールデン進出を遂げると一気に注目されるものの、深夜ほどグダグダまたは過激な内容を扱うことができず「ポップ」になってしまうことを余儀なくされるためにすぐに陳腐化してしまうことが多々見られます。(個人的には「イノベーターのジレンマ」がテレビ業界には2つあって、1つは業界のビジネスモデルに関するもの、もう1つはコンテンツ(=番組)に関するものであると考えています。)

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 そして槇さんのお話。インサイダーとしてのテレビ業界の苦しみが伝わってきて、変化を起こすことの大変さを実感しました。特に印象に残ったのは、コンテンツのバリューがいつまで持つかという話と、テレビ局の情報ソースは基本的に他メディアか人脈頼みであるという話。後者は現在誰でも情報が発信出来るようになったため、その気になれば素人が一次ソースにあたることもできるようになりました。
 例えば、ここ数日でのジャーナリストの江川紹子さんの番組降板問題で、大手のスポーツ紙やインターネットニュースなどは一次ソースであるTwitterを情報源とせざるを得なく、その報道のあり方は情報の受け手を失望させるものでした。素人が一次ソースに直接アクセス出来たり、編集してニュースサイトやレビューを行うことで大きな旧来のメディアと張り合って行くことも十分出来るようになった時代であるように感じます。

 またアナウンサーという職業の大変さがよくわかりました。(アナウンサーへの幻想が吹き飛びました笑)
 正直、決まった原稿を読むだけであれば初音ミクとかのような音声合成技術とインターフェースとしてのキャラクター(アニメ声とか2次元だけだと受け付けない人もいると思うので、3次元など選択の幅を設けるなどするのがいいのでは)が揃っていればい実現可能(というか実現例はいくつかあります。参考)だと思うのですが、緊急の際の対応や移行コストを考えると非現実的なのも事実です。この問題を埋められない限り、アナウンサーという職業は絶対必要とされると考えています。
 原稿を読む際には自分の意見を押し殺すということが求められながらもインターフェースとして、職務を遂行するアナウンサーはさながら職人のようだなと感じました。

 お忙しい中ゼミにお越し下さって、インサイダーなりの貴重なお話をいただき、また学生の話を真摯に聞いてくださり、ありがとうございました。

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 個人的には今後のテレビには2つの方針が控えていると思います。1つは既存の同期的なテレビを活かす方法です。同期してまで見てくれるということは、言い換えればある共同体(コミュニティ)にとって有益な情報であればテレビを見てくれると考えることが出来ます。大きく2つの具体策が考えられ、1つはソーシャルメディアを利用し、離ればなれの人々を繋ぐことで擬似的な共同体をつくるということです。この場合、広告はプル型広告になることが考えられます。(視聴者が多い程プル型になる傾向はスーパーボウルの例などを思い浮かべていただけると分かりやすいと思います。)
 もう1つは完全にローカルな地域密着型のテレビを目指すと言う方法です。これは鳥取県の中海テレビという成功例があります。大きな収益は見込めませんが、「地域のNHK」となることで地域の人々の生活を向上することは出来ます。

 2つめの方針として同期ではなく、非同期(オンデマンド)があります。これには少しゼミでも触れたHuluがあります。これはアメリカの4大ネットワークのうち3つによる会社で、アメリカからしか視聴できませんが、多くのコンテンツがあり、視聴者と広告主を集めることに成功しています。(広告費はYouTubeに追いついたとする専門家の意見もあります。)またこのサイトはユーザーの利便性を中心に設計されており、CMはテレビよりも少なくなっていて、またインターフェースがYouTubeなどの動画サイトよりもずっとすっきりしています。この場合、アカウントを作るインセンティブ(オススメ動画紹介など)を設計することで、アカウントを作ってもらい、結果的にターゲット広告(プッシュ型)を打つことが考えられます。Huluに類似したビジネスモデルでは日本のアニメと韓国のドラマを扱う「クランチロール」なども挙げられます。

 もちろんこの2つの方針はどちらか片方だけでなく、うまく組み合わせることが必要であると考えます。例えばHuluはテレビと時間差を置いて番組配信をしていますし、またニコニコ動画はオンデマンドであっても疑似同期とも呼べるような同期システムを用いることでコミュニティで盛り上がっているような感覚を視聴者に与えます。いずれにしても既存のテレビ業界からすれば早いうちにリスクを取らないと、規模は縮小するばかりなのではないかと考えています。

0618ゼミの感想【吉田】

【NC】
視聴率については、私たちの生活の中に深く入り込んでいるものでありながら、その仕組みについて意外と知らなかったと改めて感じました。視聴率という不確実なものとらわれるのではなく、真に良いコンテンツを作るインセンティブになる基準が必要だと思いました。また、ネットコンテンツの視聴率という基準は非常に面白いと思いました。新しい形の評価基準を考えていかなければいけないと思います。

【槇さんのお話】
槇さんのお話、内容がとても興味深いだけでなく、プレゼンの仕方などでも勉強になることが多くありました。槇さんのお話から、テレビも華やかなでモダンなイメージに変化を迫られていると改めて感じました。
また、今回は人気番組の裏側など多くのことを聞くことができ、大変勉強になりました。本当にありがとうございました。

ホンヨミ!②【黄】 スピードシンキング 頭に9つの「劇的ショック」が起きる!

スピードシンキング 頭に9つの「劇的ショック」が起きる!
鷲田 小弥太著

著者の頭の回転が高速すぎて、ついていくのにやっとだった。いや、ついていけなかった。
もしよんで完全に理解した、と思えた人。私に説明してください。

この本には、高速思考になれるためのアドバイスが多く広く示されている。
鷲田さんは本当に高速思考を実現してるんだろうな、と本書を読めば誰でも実感できるだろう。
鷲田さんはまず、A→Cというふうに瞬時に問題から結論をはじき出す。
その結論を出した後に、じっくりBを追及していく。
個人的に思ったことをいくつか。
まず最初から結論を決めてかかってしまうと、逆に結論の可能性が狭まるのでは?
たしかに結論が分かっているとそれをサポートする過程、根拠を抽出すればいいから、結論が分からないよりは格段とやりやすいだろうが、果たしてそれが効果的なのか。単に効率的なだけじゃないかなと思った。
またBという過程の追及過程の説明は、文芸的要素がつよく抽象的なところが多い。つまり説明がお世辞にも上手とは言えない部分が目立っていた。

各章のコピーは興味をそそる非常にキャッチーなものばかりなのに実際読み進めると、表題とずれているものばかり。おまけにとても曖昧。
と思ったら「風が吹けば桶屋が儲かる」的な、突然発生する意味不明な文章内容の飛躍がちらほら…。
結局何が言いたいのだろう、と悶々と考えながら読み進めた。

あえて言うならば小出しに出てくる彼女独特の哲学論は面白く、哲学科出身の底力が光ってはいたが・・。

年間3500枚も原稿を書いているという鷲田さん。
この本も彼女のスピードシンキングを経て書かれたのだろうか。
そうなら、スピードシンキングなるものがそこまで魅力的に思えないのは私だけだろうか。

【ホンヨミ!】①思考の整理学

思考の整理学 ちくま文庫 外山 滋比古著

さまざまな本屋でよく「東大生、京大生に最も読まれている本!」とか「もっと若い時に読んでいればよかった」などのポップカードとともにひときわ目を引く本である。
実はこの本、過去に何度かブームが来ていたらしく累計100万部をとうに超えているというから驚きである。最近では帯に既に書いた「東大・京大で一番読まれた本」というキャッチフレーズによって一気に売り上げ部数が伸びたということも興味深い。

外山氏は人間の能力を「グライダー能力」と「飛行機能力」に分類する。前者は、人に教えてもらったことを身につける能力のことであり、これに対して、後者は自分で、研究や発明を行っていく能力のことを指す。もちろん一人の人間の中にこの能力は双方とも内在しているのだが、要は教えられたことだけを確実に、正確に、こなすことにだけ優秀なグライダー人間の養成所に今の教育はなってしまっていると筆者は指摘する。しかし今、コンピューターというグライダー人間よりさらに優秀なものが登場した。
つまりこれからはどう飛行機人間になるかを模索すべきなのである。
ではどうすれば飛行機人間になれるのか、そのヒントが本書にはいたるところに記述されている。
知的行動をどう実践していけばいいのかなど様々な事がが書かれているわけだが、ここでストップ。
このまま書かれていた通りにやったらやはりパラグライダー人間のままなのでは?
面白いなと思ったのは二つ!
一つは「つんどく法」、もう一つは「メタノート」というもの!
実践しながら自分のものにしようと思う。あなたも飛行機人間になってみては・・・?

【カコイ】0618ゼミ感想

【NC:視聴率】
今後の視聴率を測るとき、"誰が"、"誰のために"、"どんなメリットを持って"測るのかを明確にするべきなのかなと感じました。
コンテンツの権利者だけでなく、プラットフォーマーや製作者、二次製作者など、コンテンツに関わるステークホルダーがどんどん広がっているのがデジタルコンテンツの現状だと思います。
その点で、今回従来のマスメディア(テレビ)とデジタルメディア(インターネット)を比較してみたのは、違いを明確にし可能性の広がりを探る上でとても良い手段であったと思います。

ある対象について議論し、ひとつ抽象化したフェーズで議論する流れは、議論も停滞しにくいし頭をフルに使ったものになったのではないかと思います。
久しぶりのグルワやディベートでないNCでしたが、個人的にはこの方が各人の意見を全部聞けるし、なんか発言しなきゃ!って頭も使うので形式としては好きです。

【ゲストスピーカー:槇さん】
テレビの未来は?と考えたときに、真っ先に思い浮かんだのが、メディアを統括する存在としてのテレビでした。
日本のコンテンツ産業の今後の未来に、あるコンテンツを様々なメディアへ派生させていく手法は欠かせません。今までは、DVD化・書籍化やグッズの展開などのメディアミックスが主でしたが、今後はクロスメディアな展開をしていくべきかと考えています。
メディアミックスとクロスメディアをどう使い分けているのかを先に述べると、両者に共通するのは他メディアでの展開、相違するのはそこに一貫したストーリーが語られているのか否かです。
クロスメディア展開の一例として、金曜に挙げたARG(代替現実ゲーミング)があります。ざっくりと言うと、あるストーリーに基づいて、プレイヤーを複数のメディアを横断させる手法のことです。
私がテレビがそのハブになれば良いと思ったのは、テレビはある程度安定した影響力と財力を持つと思うからです。
このような、人々がただの視聴者に徹せず、自らプレイヤーとしてコンテンツに参加していくような手法は、コンテンツ産業全体に進行しつつある双方向性の流れにも沿っていると考えられます。
テレビの持つコンテンツ界随一のクリエイター力を以て、ぜひ企画してもらいたいなと思いました。

【ホンヨミ!】0618②ジャーナリズム崩壊【岡本】

『ジャーナリズム崩壊』 上杉隆

何がしかを批判する場として全く新聞が機能していないかというと、全くそうだというわけではない。紙面全体に占める割合は確かに低いが、「社説」あるいは「提言報道」や「コラム」という形では機能している(尤も、社説については「新聞社の保身のための文章しか書かれていない」というのが著者の主張だが)。中でも社説を例にとってみると、これがまこと不人気だと読売のデスクが言っていた。速報重視の報道に慣れきってしまった日本人が意見発信の場としての新聞を受け入れるには、案外と時間がかかるのかもしれない。

新聞記者と言えば、業界に成長に陰りの見える今でさえ押すに押されぬ人気職種。だが本書の中で克明に描かれているとおり、相当の倍率を勝ち抜いて入社した記者が、企業ジャーナリストとしてのしがらみと日本の報道慣習の中でどんどんと「考えない記者」になっていく現状は、見ていて痛々しい。

日本の新聞業界には、優れた記者ほど生き残りにくく、「考えない記者」ほどのうのうと生きていくという現実がある。だからこそ、ジャーナリズムを学んで頭でっかちになったような大学生よりは、言われたことを言われたままにやる、「上下関係こそ絶対」という世界で育ってきた体育会系の大学生のほうが好んで採用される。そうして、権力への阿諛追従というか、潜在的癒着体質の負の連鎖は続いていく。

だがいくら現実がそうであろうと、ジャーナリストは権力との距離感を忘れてはならない。本書で諸悪の根源と称される記者クラブだが(実際にその通りだと思う)、残念ながら、その開放は近い将来には起こらないだろう。企業ジャーナリストとして辛酸をなめつつも、個人としてはあくまで気概を持ち続けなければならない。自分も記者を志望する一人として、その気概は持ち続けたいと強く感じた。

本書に書かれていることはいちいち正しいし、日本の報道機関には改善すべき問題が山ほどある。ただ、本書でよく日本の報道の比較対象となるNYTの報道姿勢が一から十まで正しいのかといえば、必ずしもそうは言い切れない部分があると思う。

例えば黒田あゆみ事件に関する著者の取材姿勢には少々の疑問を持った。

原寿雄著『ジャーナリズムの思想』を読んでその思想の深遠さに圧倒された身としては、ジャーナリズムが「市民の協力の上に成り立っているもの」という考え方をどうしても捨てきれない。取材先には別に取材を受けることのインセンティブがあるわけではないし、ジャーナリストには警察のような強制捜査権だってない。飽くまでボランティアで取材を受けてもらっている以上、ある程度向こうの意見を飲むのは当然だと思うのだが、これも日本的な考え方なのだろうか。少なくとも著者の言説を見る限り、きっとそうなのだろうと思えてしまう。だがこういった考え方を全面的に否定してしまうというのは少々無理があるように感じたし、そうあってほしくはないと感じた。日本だけに「記者クラブ」なんて悪名高いシステムがあるのも、日本という国の固有の文化と何ら無関係ではあるまい。

その意味でも、「正しい」ジャーナリズムが果たしてどこまで日本に馴染むのかは正直言ってよくわからないし、極端な話、日本のジャーナリズムが100%NYTのようになるべきではないと感じる。

右寄りの論説も左寄りの論説もまとめて紙面に載せて、そういった両論併記的な姿勢が結果として一種の「客観報道」を生んでいるかのように見えるNYT。ではそれを実際に日本でやられたとして、その中から自分にとってより腑に落ちる記事を選択していく「審美眼」が我々に備わっているのだろうか。いろいろな意見がありすぎてどれが「正しい」のかわからない、そんな事態にはならないだろうか。日本の報道姿勢には悪いところが山ほどあるが、飽くまでそこは「日本という土地柄に沿うように」改革を推し進めていかねばなるまい。

また、ここに関して言えば何も考えずに読めば「NHKって変な会社だな」なんてことを筆者と同じ論調で思うのだろうが、自分としてはこの大上段に構えた物言いも少々「ん?」と思った。確かにNYTの理念や報道姿勢は評価されるべきものであると思う。また日本の報道機関はあまりにも駄目だ。ただ、その前者に勤めていたという優越感的なもの(本人がそう思って書いていなくとも、読者がそう感じたらそれは優越感に他ならない)が表現の端々にいちいちチラついて、あまり気持ちのいいものではなかった。読者に不快感を催させるものの書き方については少々改める余地があるように思う。本筋とは直接関係のない議論だが、「書き方」は本筋を生かしも殺しもする。本筋の魅力を余さず伝えるために、書き方にもある程度気を払わなければならない。尤も、遠慮のない物言いは如何にもアメリカナイズされて見え、著者らしいといえば著者らしいのだが…

【ホンヨミ!】0618①日本辺境論【岡本】

『日本辺境論』 内田樹

本書では日本人固有の思考や行動を「辺境性」という地政学的観点から説明を試みている。もっともこのアプローチ自体は決して新しいものではない、ということは筆者自身が断言している。要は言説としての目新しさに価値があるのではなく、過去に書かれた日本人論をすぐに忘れてしまう日本人には日本人論の定期的な復習が必要であって、本書はその使用には十分に耐える本であるのだと。実際に本書に書かれたことはどこかで見たような言説が多く、新しい事項は少ないかもしれない。

ただ自分としては日本人論的な本を本格的に読むのが初めてだったから、新鮮な事項も多かった。

印象に残った、というか本書を通して言及されていて、著者もおそらくかなりの力点を置いて書いていた点について。外国(取り分けて欧米)から来た文化は大歓迎の日本なのに、なぜ世界に誇れる文化を自分たちの手によっては作り出せないのか。「これはいいよ」という形で積極的に発信していく世界的ムーブメントの例がなぜ日本には見受けられないのか。

いわゆる「オタク文化」は外国でも受け入れられているではないか、という声があるかもしれないが、これは一部の層によって支持されていた文化がコンテンツ業界の活躍によって海外の一部で流行しただけで、そもそも日本人の中でも賛否両論がはっきり分かれる文化だ。

対照的に、ゼミ的にもタイムリーな話題で言えば、電子書籍などはアメリカ国民がその良さを真っ先に認めて、日本でもその良さが認められようとしている。だが過去の失敗例を見れば、そのムーブメントは日本発にすることだって十分にできたはずだ。確かに日本で早期に出た電子書籍端末は現行の電子書籍端末に比して劣る点が多い。そしてそれがしばしば日本で電子書籍が流行しなかった最大の要因であるように言われている。

だが、本当にそれだけだろうか?

画面上で本を読むという異質な体験を日本人が受け入れられなかった。「だって周りを見ても誰もそんなことしていないから」。そういった日本人気質としての排他性の問題を看過して、電子書籍端末としての未熟さだけを、当時の電子書籍端末が流行しなかった理由としてあげつらうのは果たして正しいのだろうか?今となっては検証のしようがない問題ではあるけれども。

今までになかった新しい製品あるいは体験が「アリ」か「ナシ」か。電子書籍の例は、その基準を自ら(個人、あるいは国家)の外にしか求められない哀しき辺境性を表す例として、面白いほどに適当だろう。そしてそんな辺境性は自分にも確かに思い当るところが確かにあり、耳が痛かった。

「日本を覆う一種の陰のような文化的劣等感」。個人レベルでの払拭は可能かもしれないが、総体としての日本人は、これをこの先もずっと背負っていく宿命なのだろうと、何となく感じた。著者はその宿命を必ずしも悲観すべきものではないと述べているが、全く今のままでいいとも書いていない。だが、「日本人性=辺境性=悪」とする日本人論が今まで多かったとすれば、そういった性質の中にも活かすべきポイントを見出している著者の慧眼は新しく、そして恐らく正しい。現状の「辺境性」が、日本人が長い伝統の中で見出した一つの答えなのだとすれば、それを全否定するのはナンセンスに過ぎる。

日本人論的な本にからきし興味がなかったのでこの本が初めての日本人論だったが、様々な優れた日本人論を引用し俯瞰した上で事項の一つ一つについて説明を加えていて、特定の一日本人論に極端にインスパイアされていないバランスのよさを感じた。過去になされた言説の、その中でも特に優れた部分を著者の優れた感受性で切り取って提示しているということが、本書の最大の魅力ではないだろうか。

0618 ゼミの感想【黄】

NC
今回は2回目のNC。前回とはまた異なった立場でNCをやりました。今後の改善点としては、
早口をなおす!(すなわち言いたい内容をもっと絞る!!)
そしてスライドのさらなるレベルアップ
の2点だと思います。正直、視聴率は調べれば調べるほど、芋づる式に言いたいトピックが増え、詰め込みすぎた感があったと反省しています。
現在、テレビを取り巻く状況は刻一刻と変化しており、矢部っちが言うように多メディア化している事実は否めません。そのような状況下で今後、視聴率もより効果的な数字測定を目指して動かなくてはならないと思います。例えば視聴質。
2003年の日本テレビ視聴率買収事件の後から登場し始めたと言われており、テレビ番組そのものの質、視聴者の質、視聴の質を表す数字として実現が期待されています。まだ正確な定義付けがされていない点、何を持ってその質を判断するのかなどがいまだに問題点として残っていますが、新たな、テレビメディアとの関わりを測る数値として期待できる部分も大きいと思います。

ゲストスピーカー槇さんの話
メディアが置かれている現状の話、アナウンサー時代のお話など色々な話が聞け、とても興味深かったです。特に私は、テレビ局=全ての情報、最先端のあらゆるイシューが集約されている場所、というイメージが強かったので、ある意味そうでありある意味そうでないという槇さんの話に目から鱗でした。今後のテレビの行く先はどこにあるのかを話しながら、漠然と今思ってることって本当にそうなりますよ!というお話聞き、自問してみました。正直なところ、まだこれからのテレビの未来図が想像もつきません。これから自分のなかでじっくり考える疑問が増えました。
笑顔が尽きず、槇さんの生き生きとした笑い声がとても素敵でした!ありがとうございました!

0618ゼミの感想【岡本】

【NC】

身近な話題でありながら今まであまり視聴率について真面目に考えたことはなかったので、視聴率ひとつ取って色々な論点があることがわかり、興味深かった。

視聴率。民放はいつでもこの数字を争って躍起になってきた。数字をとれる番組こそが正しく、どんなに社会的に意味のある番組であっても数字をとれない番組は悪い。そうして意味のある、だが数字のとれない番組を放送枠から外して言った結果、有象無象のバラエティ番組の乱立が起こった。もちろんバラエティやお笑いが乱立したということはすなわち視聴者がそれを求めたということであり、そのニーズにテレビ業界が迎合していくのは決しておかしいことではない。綺麗事ばかりでビジネスはやっていけない。

それ自体は決して悪いことではないのだが、そうやって高視聴率狙いで売れ線ばかりを狙っていく番組作りは「とりあえずこういう系統さえ作っておけば安全」という逃げの姿勢を生む。NCで述べられたところの「オリジナリティの欠如」である。最近でいえばNHKで特集していた「無縁死」というトピックが多大な反響を巻き起こしたが、思わぬ話題が思わぬ注目を集めることもある。そういった「冒険」が民放にほとんど期待できないというのは、なかなかそういった「冒険」が難しいとは言え哀しい。その「冒険」が本当に難しいことについては、この後の槇さんのお話で確信を強めることになるのだが。

広告の価値算定について、GRPなどという単位で計算がなされていることも思い切り初耳だったし、視聴率の未来についての矢部君の分析も面白かった。テレビの現場で働く人々の、自分の作りたい番組とは裏腹に売れ線ばかりを要求される苦悩が何となく透けて見えるようなNCだった。

【槇さんのお話】

アナウンサーといえばテレビ業界の中でも花形中の花形で、常にライトの当たる場所にいるスターのような気がしていましたが、輝かしさの裏で何度も辛酸を舐めている実態を知り驚きました。テレビ東京のようなキー局でさえ家内制手工業のような有様なら、ローカル局は果たして産業として成立しているのか不安でなりません。

特に印象に残った部分について。アナウンサーがしゃべる部分は予めすべて台本(?)に書かれていて、「自分の言葉」が思っていたよりも無い職業でガッカリした、という部分には自分自身非常に感じ入るものがありました。というのも自分は記者職志望なのですが、日本のメディアは「自分の言葉」を発信できる風土などでは全くないことが、上杉隆氏はじめ多くのマスコミ関連本によって暴かれてきました。それらの本を読むにつれ、面接時に志望理由を語るアナウンサー志望ではないですが、大変目の覚める思いがしております。そのような事実を知るのがその業界に入ってからか否かでどちらがより不幸なのでしょうか。槇さんはおそらく前者とおっしゃると思いますが、「夢も持てない」後者もなかなか辛いものがあります。

…まぁ尤も、だからと言って自分としては記者職をあきらめたつもりは毛頭ないわけですが。日本にこだわる必要もないし、新聞にこだわる必要もないし…ということで考えると、やっぱりそういった情報を事前に知ることができるのは幸せなのかなとも思ったり。

ディスカッション・質疑応答についても大変印象に残っていて、いろいろなことを見聞きし考えてこられた人生経験が即座に汲み取れるような返答が多く、また時に機知に富んだ回答には、素直にカッコいいと思ってしまう教養の深さを感じました。

貴重なお話、ありがとうございました。

0618ゼミの感想【矢野】

TVについて深く考えることのできたゼミだった。金ゼミのゼミ生として研究の姿勢でTVを考えたことがなかった気がするので、色々と考えさせられることがあった。

<NC>
視聴率については、私も以前から色々と思うところがあった。まず、調査方法の正確さである。ビデオリサーチ社の独占市場ということもそうだが、統計の母数が少ないのではないか。今まで「家に視聴率調査の機器がある家」というのを見たことも聞いたこともなく、信憑性に欠ける気がする。これならばなくてもいいのではないかと考えていたが、テレビ番組が広告亮獲得のための「商品」である以上何らかの方法でその価値を数値化しなければならないのだと思えば仕方がないと思う。また、これがテレビ制作者の方々のインセンティブ指標になっているのならば、質の良い番組を期待する我々にとってはこれを応援せねばならないのだと思う。ただ、デジタル化に伴ってより良い正確な調査方法が生まれるのを待つばかりである。ただ、今は視聴率のような定量的な評価だけでなく、ネット上で色々なサイトで感想批評が書き込まれている。これらの書き込みサイトがある程度1つ2つに収束して定性的な評価も充実すればそこからもまた得られるものがあるかもしれない。私は最近のテレビの番組の質が明らかに低下していると感じるので、質向上のためにも頑張ってほしいなと思う。
また、現在は高齢者の増加によって若者のテレビ離れがカバーされているとのことだったが、これはかなり暫定的な過程であって、デジタルネイティブが高齢者ゾーンに入った時にまたテレビの存在が危うくなってしまうと思う。

<槇さんのお話>
20年アナウンサーをやってらしたということで、プレゼンの仕方、声調などとても美しく、聞いていて安心できるような語り口は素敵だと思った。また、今は以前の経験を生かしてコンサルをしていらっしゃると聞き、自分で問題意識を持ち、自分から顧客にソリューションを提示するという姿がかっこいいと思った。槇さんお話の中では「アナウンサーは報道では自分の意見を話せるわけがない」というのが印象的だった。それほど責任のある仕事に就けるということは誇りだと思う。
また、テレビ業界の新しいビジネスモデルを考えたが、私は来年に収束される「TVデジタル化」を上手く使えたら良いと思う。今、デジタルデータ放送を利用しても、実際に役に立つのはワールドカップ時の選手の名前と説明くらいである。これらのデータをもっと利用したり、インターネットにつなぐことでもっと視聴者を巻き込めるような番組作りができると思う。また、私としてはテレビのコンテンツ側がハード面にもっと投資したら良いのにと思う。最近のテレビは液晶は本当に綺麗だと思うが、デザイン・機能においてもう少しハードルを上げることができると思う。

今日はテレビについて深く考えることができてよかった。

100618ゼミの感想【村山】

【NC】
個人的に興味深かった内容は、【視聴率の働き】についてでした。視聴率の働きとして挙げられていた三つの働きは

①広告枠の価値を決定
②視聴者の関心をどれだけ集めたか
③「皆が見ている」という文化的価値の創出

でした。その中で、現在の番組はお笑い・クイズ・音楽などに偏っており、オリジナリティがなくつまらないという、現在の視聴率至上主義に対して批判的な姿勢が述べられていたと思います。確かに、生活者目線で考えたら、あまり良い状況ではないと言えるかもしれません。

しかし、テレビ局とクライアントの立場から考えると、個人的にはそれでもいいのではないかと思います。なぜなら、そのような番組が乱立するのは、それでもやはり視聴率が稼げる(多くの人が視聴してくれる)からでです。さらに、このことは【視聴率の働き】の三つの側面から考えても、人気ジャンルの番組を放送すれば、それだけ多くの人が視聴してくれて視聴率が稼げるので、テレビ局にとってもクライアントにとっても、win-winの関係を構築できると言うことが出来るのではないでしょうか。


【ゲストスピーカーの槙さん】
実際に社会人として、社会でご活躍されていた方の言葉は一言一言が非常に面白く、かつ重いという印象だった。自分は、就職活動を控えているということもあり、それに関連した質問をさせて頂きましたが、それに対して、【社会人としての使命感】というお答えが返ってきた。

この【使命感】という言葉が自分にはとても刺さった。自分がやらなければ、他の人はやってくれない。むしろ、自分にしか出来ないものなんだという感覚。責任感と似ているけど、どこか違う、という印象だった。

近い将来、自分もそんな社会人の一員として活動していくのだから、このような機会を無駄にすることなく、今後の自分の人生の糧にしていきたいと思う。

最後に、大変お忙しいなか、ゼミに来て下さって、ありがとうございました。是非、またいらして下さい。そして、もっと色んなお話を聞かせて下さい。

0618ゼミ感想【斎藤】

【NC】
 視聴率と広告費の関係するものでした。視聴率は単なる数値でしかなく、それも一団体が独占的に計測しているため信頼性には若干の疑問が残ると言う事が印象的でした。また、視聴率だけでなくYOUTUBEのような動画掲載サイトでどれほどの閲覧があったかの要素もこれからのコンテンツの価値を計る上では必要になってくると思います。テレビにおける視聴率とネットにおける閲覧数は性質のことなるものですが、それぞれの相違点を生かした広告のあり方について考えていかなければならないと思います。

 また、一度テレビで放映された番組がオンデマンド形式になった場合に課金になる現状には疑問を抱いてしまいます。確かにテレビ番組の制作資金はスポンサーからの資金によって支払われていますが、その資金は私たちが買う商品の値段に上乗せされて回収されています。つまり、この時点で既に動画を閲覧することの対価を視聴者は支払わっているのにオンデマンドでも再び徴収することは二重課金になるのではないのでしょうか。私たちはテレビドラマ等がDVD化した場合など、番組を二次利用した商品に対して金銭を支払う事への違和感をあまり持っていません。
 しかし、同様にしてオンデマンドでも課金されるのは別問題だと思います。ネット広告などを利用して視聴者が無料で閲覧できるビジネスモデルを構築していくべきだと感じました。

【ゲストスピーカー】
 今回、槇さんのお話を聞くことができ良い機会になりました。アナウンサーとして現場を観てこられた方の意見はなかなか聴くことができないので参考になりました。

 まず、報道に携わっている者に求められる資質について考えてみたいと思います。アナウンサーに限って言えば、ニュースに対して個人的な意見を発することが難しいというのは意外でした。その中で、上手く番組進行をしなければならず、そうして日本中にニュースを発信することに対する責任感を持てることが最も求められるのではないかと思いました。

 また、これからのテレビの姿はどのように変遷していくのか。これはテレビ局だけではなく、テレビという媒体を活用してきた諸企業や視聴者である私たちにも影響を持つ問題です。これからネットを介したサービスが行われていくのは必須ですが、そうはいっても現在のテレビのスタイルは残っていくだろうと言うのが個人的な意見です。例えば、僕は祖父母と一緒に生活していますがBSへの変更ですら毎回僕が教えているのが現状です。イノベーションはそれに対応できる人にとっては歓迎できるものですが、そうでない人々にとっては受け入れがたいものであり、むしろ便利さを低下させるものであるようです。

 コンテンツ充実は、時代を超えて価値のあることとされ、これからは多チャンネル化やオンデマンドなどその楽しみ方も多岐にわたるようになってきました。しかし、テレビが持つシンプルさだけは失って欲しくないなと改めて思いました。

0618ゼミの感想!【金光】

■NC・槇徳子さん
視聴率、確かによく聞くけれど、どういう目的で、どんなふうに測られているのか考えたことがありませんでした。
「±5%は誤差があるもの」
「CMの総量は一時間に18%以内と規定があるので、テレビ局は収入を増やすためには視聴率を上げるしかない」
なるほどと思わされたフレーズでした。
視聴率で広告収入が左右されるテレビ局は、本職の番組作りも視聴率という数字に翻弄されてしまいがちです。しかしその数字も、実態をどれくらい反映できているのか定かではありません。もっとも、これを正確に測ることは大変難しく、また測れたからといって、その数字にどれほど頼るべきなのかもわかりません。
でも、自宅以外のテレビ(ホテルなど)や、ワンセグも視聴率に反映する仕組みはあってもいいんじゃないかと思いました。ホテルや、職場のテレビこそ、見たいときにしかつけないものだと思うのですが。
視聴質の話もありましたが、番組の質を測るもの、たとえばアカデミー賞のように大々的に”番組賞”を表彰する。その番組を再放送するときには、高い価格で広告枠を売る。とすれば、番組の流し捨てや、同じような構成の番組も減っていくのではないかなと一人で考えました。
また、今回のNCでは扱われませんでしたが、録画機器が生む問題もあります。録画したら、たいていの人はCMを飛ばしてしまうので、広告を出す会社にとっては不利益です。今は録画は当たり前になっていますが、では逆に録画で早送りしないような魅力的なCMがあれば問題解決でしょうか。とは言っても、番組を見たい人は「宣伝」というだけで、早送りしてしまいそうな気がします。
答えが出ない問題だなぁと思います。

■槇さんのお話
どこまで書くかを慎重にキーボードをタッチしています。
槇さんはとても、素敵な方でした。
自分の人生を自分で切り開いている人は輝いていて、素敵だなと思いました。
とても気さくに、多方面から話をしてくださって、テレビの現場をリアルに感じることができました。
自分も強く輝く女性になりたいなと思いました。
ゼミ後にtwitterでお礼を言ったら、お返事くださりました。こんなふうにゲストとまたつながれるのは、twitterの良いところです。
お忙しい中、本当にありがとうございました。また是非いらしてください!

2010年6月20日日曜日

【0618ゼミの感想】テレビの未来【戸高】

【NCテレビ視聴率と広告】
 今回tsudaらせていただきましたが(http://twitter.com/kimsemi)、あとで読み返してみるとustで確認しなおすよりも手早く確認できるのでよかったです。ustは臨場感、twitterは手早く内容をさらう感じで上手く住み分けができているのではいかと思います。

 個人的には議論の中の、村山君が言っていた「テレビは家族で見ることを前提にしているので家族全体に訴求することができる、ネットは個人で見ることが前提なので、個人に訴求することができる。」と言ってたことが、ただのテレビ視聴スタイル以外の点に着目していたのでおもしろかったです。
 かくいうテレビも今や単身世帯が1500万件を増加し、またみなでテレビを囲んで番組を見るといった習慣も薄れているのでテレビが家族に訴求するものといった時代も古くなってきているのかもしれません。
 

 でも個人的にはテレビをみんなで見る行為というものはそれなりに好きなものでもあります。友達とskypeをしながらテレビ番組を見るのとかなかなかおもしろいですよ。
 で、こういう風に人と共有しながら見るのがおもしろいテレビ番組には特徴があると思います。
 1つは「クイズ番組」。みんなでわいわいとこれはこうだ、あれはああだ、実はこれってこういうことにも繋がってるんだぜ、と言った様にみんなの知を競わせる型の番組は1人よりも大人数で見た方が楽しいです。
 知を競わせるということはある種のクラウドソーシングであって、自分になかった知見を皆が発展させて行く感覚に近いのかもしれません。今のクイズ番組でも、クイズを「答えさせる」という点での視聴者参加は行われていますが、もっとその背景知識や、うんちくまでも共有できるような仕組みがあればおもしろいのかもしれません。
 もう1つは「スポーツ番組」。パブリックビューイングや、スポーツバーがあれだけ盛り上がっているんだから、もっとテレビでもそういった盛り上がりを起こすしかけをつくることはできるんじゃないかと思います。
 全お茶の間が1つに!といった感じで、テレビに光回線がつながればそういった仕掛けを作ることができると思います(もちろんテレビという公共の電波を使っているので、その責任は大きく、倫理的な問題が出てきて難しいとは思いますが)。
 twitterでも今回のW杯にちなんで、「未来を書き換えろ(http://nike.jp/football/future/)」などの様々なキャンペーンが行われていますが、もっと広いレベルでお茶の間が繋がるプラットフォームができればいいのではないかと思います。

【槙徳子さんのお話】
 アナウンサーは、確かに書かれた原稿やカンペをそのまま読むのがまず第一の仕事かもしれない。しかし、それをただ読むだけでは伝わらない。落ち着きがありながらも抑揚のある声と話し方があってこそのアナウンサーだと思う。
 槙さんはプレゼンをしていただいた時以外の話し方も相手が聞きやすいような話し方をされており、驚きました。
 自分はいつもプレゼンをする際に早口になる傾向があり、自分のお国柄としてそれが聞き取りやすくいいかなーと思っている自分もいまいたが、やはり皆に聞きやすい話し方をしなければならないのだなと実感しました。

 インターネットとテレビの融合のイメージは?と槙さんが最も知りたがっていたことにありましたが、「ユビキタステレビューイング」にあるんじゃないのかなと個人的には思います。
 インターネット自体が「ユビキタスコンピューティング」と言われ、いつでもどこでも接続可能なものになろうとしている今、それにテレビが繋がるといつでもどこでもテレビがあるのではないか、といったという安直な発想ですが。

Check out this SlideShare Presentation:

 この発想は去年のアクトビラプレゼンを行った際のアイデアに近いものがあります。テレビは家でも、携帯電話で外でも見ることができる時代になった。ならばどこでもアクセス可能なテレビを自分の生活基盤として扱い、1つのプラットフォームになるのではないかという考え方です。
 テレビと言うデバイスを通じて、留守番をしている子供の面倒を見たり、オンラインショッピングをしたり、冷蔵庫の中身とテレビが繋がっていて、料理番組のレシピと必要な食材がどれだけ冷蔵庫にあるかわかったりなど、テレビを家電というものとして見る。
 そしてその要素はいつでもどこでも携帯電話でチェックすることが可能で、外にいながらもいつでもどこでもテレビと繋がることができる。
 そんな未来が来てもいいんじゃないかと、個人的には思います。

2010年6月19日土曜日

【0618】ゼミの感想【田島】

【係の発表】
5期生に、自分にとってのゼミの目標や、ゼミへの主体的改善を問う作業が課された。5期生だけでなく、それが自分に課されたら果たして自信を持って答えられるか、自分にも問わなければいけないと思う。一週間において、4時半から8時までの3時間半、そしてタスクに費やす時間というのは本当に大きなものである。特に大学2年生の時間というのは、本当に自分を肥やすために大切であると今振り返って痛感する。(そして大学3年生の時間ももの凄く貴重だと、上の方はきっと思っている!)ゼミに入ると決め、その時間を過ごすならば、最大限に活用しなくては自分がもったいない。そして目標を定めることが、やる気を支え、効果を最大限にしてくれる。自主的に私もやってみようと思いました。

【NC】
視聴率問題は、これからのテレビを考えていくうえで非常に重要なテーマで(広告費がテレビのビジネスを支えているのだから!)、目の付け所がいいなと思った。なので個人的には、視聴率の調査方法などディテールにはそこまで時間を割かず、これからのビジネスモデルの話がもっとあるといいと思った。

・黄さんの範囲について
黄さんは、視聴率主義によって生み出されるテレビ番組について「originalityがないものが乱立している」「sensationalism志向が強い」と批判していたが、大衆受けばかりを狙わない個性的な番組が登場するには何が必要なのだろう?ひとつは「コンテンツ化への期待」である。数字はとれなくても、一部の「濃いファン」のDVDやグッズ購入などから収益が生み出せることが予想できれば、ニッチ向けの個性的なコンテンツを作ることができる。「賞の機能向上」も一つの手かもしれない。アメリカのエミー賞のように、「視聴率」とは別にテレビ番組の質を評価する機関を設けるのだ。日本においても「ギャラクシー賞」があるが、「エミー賞」が授賞式のテレビ中継も行い視聴者に知られているのに対し、知名度は低い。知名度の高い賞をつくれば、その受賞で一見地味だが上質な作品にも注目が集まり、コンテンツのブランドの再生産も行うことができるだろう。

・長澤さんの範囲について
GRPについてや、テレビコマーシャルは全放映時間の18%に制限されていることを知らなかったので、何故テレビ局が視聴率を上げることに躍起になっているかわかってよかった。CMの流し方には、GRPを超えた広告主の意図があるような気がするのだが、そこは別個に広告主が注文をつけているのだろうか?

・矢部君の範囲について
矢部くんはいろんな事実について毎回これから起こることをしっかり分析していて凄いと思う。他局化・他メディア化という視点が面白かった。他局化で番組数が増えれば、各テレビ局としては、「いかに番組の存在を知ってもらうか?」の仕掛けが必要になってくるだろう。知られている番組、もしくは初動で強いヒキを持つ番組でないと、これからはより、内容以前に、まず番組を見てもらえなくなる。

・みんなで整理!
 ネット視聴率の意図はなにか?恥ずかしながらマーケティングへの活用に気づかなかったので、とても参考になった。
矢部君の言う通り、テレビ番組を見れる端末が多メディア化しており、視聴率だけでは広告効果を正確に把握できなくなっている。ながら視聴が多いテレビの視聴率よりも、能動的な意思があって視聴しているネットの視聴率の方が意味があるのではないかとさえ思う。テレビ局も広告主も、もっとネット視聴率を積極的に考えていった方がよい。実践していきながら、ネット視聴率の正確性やその意味について、把握していけると考える。

【ゲストスピーカー槇さん】
アナウンサーは言葉の魔術師である。単に与えられた原稿を読むだけでなく、アナウンサーは言葉のプロとして瞬時に的確なコメントをすることが求められている。私は先日教職の授業で模擬授業をしたのだが、素早く正確に物事を伝えることの難しさをすごく感じた。生徒は先生を「先生の言っていることは正しい知識だ」と思って聞いている。教師の言葉は、クラスの生徒全員分のプレッシャーを背負っているが、アナウンサーの背負うものはそれより遥かに大きいだろう。テレビを通じて、自分の発言ひとつひとつが夥しい数の人に届いてしまうからだ。槇さんは、とっても素敵な会話をする方だった。私たちからのあらゆる質問に対して反応して、いろんなお話を聞かせて下さり、やっぱりプロのアナウンサーはすごい!と感じた。
そして槇さんは、アナウンサーだけでなく、組織に属さずフリーとして生きているところも魅力的だった。フリーで生きていくことには実力が必要だが、自分らしい働き方を探していくことができる。働く女性として必要な「したたかさ」も、槇さんから学びたいと思ったことの一つだ。

【0618ゼミの感想】視聴率【長澤】

本日は民考の実習のため、NC後に早退させて頂きました。
槇さんのお話は是非お聞きしたいと思っていたので、残念です。


【NC】

今回のNCではテーマとして「視聴率」を取り上げ、私は「視聴率と広告費」について発表させて頂きました。
視聴率というテーマはとても身近なものなのですが、調べていく中で自分が思っているほど単純なものではないのだと改めて感じました。
違法動画も含めて動画サイト等の番組の視聴率を調査すべきかなど、質疑応答では考えさせられる質問が多かったです。
オンデマンドが普及した時にGRPでの調査が存続するか否かについては、私個人としては存続すると思います。確かにオンデマンドだと調査しやすいかもしれませんが、テレビ放送自体はオンデマンドとは別物です。なので、オンデマンドは広告費、テレビ放送は視聴率、という体制は変わらないと思います。

0618ゼミの感想【高橋】

<NC>
TVと視聴率・広告についてのNCでした。視聴率、という言葉をよく耳にしますが、実は意外と信用におけない数値である可能性が高いこと、そして現在の地デジ化に伴うTVチャンネルの多様化や媒体の多様化などを知り、TV局がますます厳しい立場に追いやられてしまうのではないかと始めは思った。しかし、ゼミ生の議論を聞いているうちに、ピンチこそがチャンスなのではないか、と考えた。
私の家のTVは地デジ化されていてBSも見れて、さらにケーブル契約もしているので、それこそプロ野球の試合全部映るほど、たくさんのチャンネル数を見ることができる。質疑応答の際、ありすぎていつも見てる番組を見るのでは、という質問があったが、個人的にはたくさんあるうちから自分のお気に入りの番組が何チャンネルか決まっていて、主にそれらをカチャカチャ回して気に入った番組がやってたら観ている感じになっている。つまり、今までNHKと民放の大体6チャンネルほどあったものが、BSやCATVも合わせて自分好みのチャンネルをカスタマイズすることができるという意味で、視聴者の幅広いニーズに合わせることができるようになっていて、これを私はプラスだと考える。TV離れが懸念される昨今、個々人に合わせた番組の選択肢が広がることによってTV離れを引き留めることができるのではないだろうか。
また、TVでは集団視聴率がわかり、ネットでは個別視聴率がわかる、といった点で広告する内容や放送する番組をどの時間帯に組み込むかによって、より精密で適したコンテンツを視聴者に提供できるのではないかと思った。

<ゲストスピーカー:槇徳子さん>
ぶっちゃけ話がたくさん聞けて本当に面白かったです。TV局の裏側を少し知ることができたのではないかな、と思います。
ゼミ生からでた意見で日経のアーカイブが見たい、とありましたが、確かに数週間前のアーカイブが見れるサービスがあったら本当に便利だなと思いました。ニュースで大まかな情報を得て、自分が興味あったもののみ、再度ネットで日経の記事を検索してより詳細な情報を得る。有料コンテンツにすると顧客が限定され、気軽に利用できる感じではなくなってしまうことが懸念材料だと個人的には思っていて、ターゲットをどうするかによって課金の度合いも変わるのではないかと思う。やはり一番いいのは無料ということになるが、それでは企業の慈善活動にしかならなくて、利益は見込めない上、下手したら日経新聞の売上を下げてしまうことに繋がりかねない。リスクをどう克服するか、課題を解決できたら提供者・消費者双方にとってwin-winになると思う。
また、ゼミの最後にでてきた地方局の番組を首都圏でも放送することはとてもいいアイディアだと思った。私がドイツに住んでいたとき、父の会社の人が関西出身で、よく日本の番組をDVDにやいて貸してくれていた。その一つに、「横町へよ~こちょ!」という吉本新喜劇の番組があり、たしかにくだらないのだが、家族でご飯を食べながら笑顔で団らんするのにはもってこいの番組だった。特に、私の母は日本語の番組しか楽しむことができなかったのでJSTVという、日本の限られた番組を有料で受信するサービスに加入していて、NHKニュースやバラエティ番組、ドラマなど2チャンネルほどしかない中観ていた。日本でTVを観たら吉本新喜劇の番組は神奈川ではやっていなくてさみしくなったこともあり、話を聞いていてそういったご当地限定番組、というのも放送する局があったら面白いのではないかと思った。津軽弁を教えてくれる番組を青森出身の友達に教えてもらい、Youtubeで観たときもそうだった。こんなに面白いのになんで神奈川で放送しないんだろう?と思ったほどだ。
首都圏に住んでいる人が新鮮な気持ちで楽しめるし、地方出身ならノスタルジーに浸れるご当地番組。もっと普及する手段がとられたらTV番組の種類も充実するのではないだろうか。

槇さん、面白くて貴重なお話ありがとうございました。

2010年6月18日金曜日

【ホンヨミ】0618①思考の整理学【村山】

本書で一貫して言われていることは、「常に問題意識を持って、主体的に行動・思考すべし」ということである。

世の中には、二種類の人間がいる。【人に言われないと何も出来ない・人に言われるまで行動できない受動的な人間】と、【自ら問題を発見し、どのようにしたら解決できるのかを主体的に思考する能動的な人間】である。本書では、前者をグライダー人間、後者を飛行機人間と称している。

世の中にはグライダー人間がたくさんいる。例えば、学校を想像すると理解しやすいと思う。学校では、先生の言われたことをそのまま実行すれば、先生に評価されるし成績も上がるだろう。それだけで、優秀な学生だと認識される。しかし、このことはつまり、自分では何も考えずに、指示されたことを受身的に行っているだけであることを示唆している。ここでいう所の優秀な学生はグライダー人間(受動的な人間)として優秀なだけであって、必ずしも社会で活躍できるとは限らない。なぜなら、問題意識がないため、主体的に問題を発見し解決することが出来ないからである。本当に求められている能力は、飛行機人間としての自分である。自分が関わっている事象に対して常に問題意識を持つことで、誰に指示された訳ではないのに、より良い状況を構成するにはどうすればいいのか、発生した問題はどのようにしたら解決できるのかなどを考えることが出来る飛行機人間が求められているのである。ただ、指示されたことを受動的にこなすだけならば、コンピュータにも出来る。主体的に考えられるからこそ、人間はコンピュータよりも強いのである。もし、それが出来なければ、コンピュータの代替可能な存在として淘汰されかねない。代替不可能な人間になるためにも、飛行機人間としての意識を常に維持したいと思う。

【ホンヨミ!0618プレイフル•シンキング【田島】

playful thinking 上田信行

「play」とは直訳すると「遊び」のことであり、「playful thinking」という言葉からは、「とにかく楽しければいい」というような、本質や実現可能性を無視して盛り上がりだけを重視するニュアンスを感じるかもしれない。しかし著者いわく、「playful」が目指すものとはやみくもに楽しさを追及することではなく、「楽しいという感情によって学びを深化させ、困難を乗り越える」ことである。自分が目指すべき目標があって、作業を心から楽しんでいれば、困難を困難とも思わなくなる。
「やる気とは本人の能力ではなく、意味付けによって生まれるものだ」という筆者の考え方は、少し理想主義的でもあるけれど、人と関わりながら仕事をする者(特に教育者)にとって、とてもポジティブなマインドセットであると思う。相手に対して失望せず、常に創意工夫のあるアプローチをとりつづける元気が湧いてくるからだ。うたがう前に、一度プレイフルシンキングを実践して確かめてみるのがいいだろう。
この本を読むと自分はつくづく失敗を恐れるコチコチな心になってしまっていることに気が付けた。と同時に、「自分が本当にわくわくした時っていつだろう?」と考えるきっかけにもなった。忙しいのになんとなくやる気が出ないとき、もっと生活を楽しみたいと思ったとき、この本を是非勧めたい。

【ホンヨミ!】日本辺境論【矢野】

冒頭にもあるとおり、この本は丸山昌男氏の日本に対する見解を、著者の内田さんが深めて著したものであるそうなのだが、内田さんらしい語り口で分かりやすく述べられており、楽しく読めた。私は日本人の「いかにも辺境らしい」部分が好きではなかった。消極的、付和雷同しがち・・・そのような面ばかり目についていたが、この本ではむしろその「辺境」は良いものまた、良く変えていきうるものとして扱われていたので新鮮だった。辺境人の素質を持っていると挙げた後に「こうなったらとことん辺境で行こうではないかというご提案をしたいのです」という記述が印象的。また、私自身も「辺境人としての日本人」を幾分か肯定的に捉える事ができた。日本は○○という名乗りから生まれた国ではなく知的努力の結果論として生まれた国なのだ読んでなるほど、と思った。確かにその過程は素晴らしいが大元の定義付けがないから問題にあたった時に事が難しくなるのではないかと思った。大義名分でも「国家のあり方」があってその解釈がある程度国民に膾炙していれば、そこに拘束力のようなものが生まれるであろうが、それがない。国民の数が比較的少ない国だからこそなしえることだと思う。仮説ベースではあるが、アメリカの選挙には、どれが「アメリカ」という国(アメリカの歴史的その他諸々の概念を含んだ意味での「アメリカ」)をつないでいくのにふさわしいのか、という基準があるのかもしれない。逆に日本でははっきりとした「日本」という概念が共同体の中にないから「国民の良心」のような抽象的な基準で選んでしまっているところがあると思う。また、この本の中で日本語についても多くが語られており、「日本語」というものの特徴等を今まで学んでこなかった私にとっては非常に興味深かった。
前にも書いたが、アメリカ視点で書かれた海部美和さんの「パラダイス鎖国」と好対照を成しており、面白かった。

【ホンヨミ!0618①】デザイン思考が世界を変える【栫井】

人とモノの関係性とは?それを問い直すのがデザイン思考だと思う。
従来のイノベーションの創出方法が技術開発に偏っているとしたら、IDEOが編み出したデザイン思考によるイノベーションは、進歩する技術を人のニーズと結びつけるものである。
デザイン思考では、隅々にまで人間の考え方や行動の仕方、日常の過ごし方が考慮されている。どうしてそれほど人間を重視するかというと、モノとそれを使う人間の行動プロセスは、当たり前ながら密接な関係にあるからである。
モノが行動を呼び、行動がモノを呼ぶ。この繰り返しで人間の生活は成り立っている。どんなモノがより人のより良い行動を生むかをデザイン思考では考える。モノよりも人の行動を中心に考える、正に「名詞より動詞」の思考なのだ。

私がデザイン思考を面白いと考える理由のひとつに、消費者のエンパワーメント性がある。
ウェブ・デジタル化により、今まで生産者でなかった人々が生産プロセスに関わる時代がやってきた。
音楽の例を取り上げてみたい。古くは楽譜しか出回ることがなく、人々は音楽を楽しむ際に自ら楽器を手に取り演奏する必要があった。しかし、レコードなどの録音機器やラジオのようなマスメディアの普及によって、音楽は自分で演奏せずとも勝手に演奏されて聴くことが出来るものに変わった。ここで音の生産者であった一般の人々が、単なる消費者に変わったのである。そして再び、YouTubeの登場・ボーカロイドを始めとする作曲ツールの発達によって、人々が音楽を作る時代がやってきた。
この波は、CGM(消費者生成メディア)やUGC(消費者生成コンテンツ)の隆盛に見て取ることが出来るが、同時にデザイン思考の中にもこの波は顕われている。

デザイン思考は人の行動に着目する。ということはつまり、人の行動が製品の中に組み込まれることである。
これまで消費者は、自分とはかけ離れた工場で生産されるモノを黙って享受することしか出来なかった。しかし、デザイン思考のように、消費者に聞き込み、行動を観察した結果の製品は、消費者にとって全く違う意味合いを持つのではないだろうか。
IDEOの消費者観察メソッドは、作り込まれブラッシュアップされ続けている。
このメソッドによって露にされた消費者行動の中に潜む緻密な感情を組み込んだ製品は、ただの製品改良とは違った意味を持つ。
人とモノの出会い方・付き合い方を変え、人の経験価値を一気に変える、発想の転換だ。

この思考は、もっと多くのものに活かされるはずだ。
これから行うバンナム企画、このようなパラダイムシフトを起こす思考法の可能性を探ることも、私の目標の一つである。

【ホンヨミ!】②ブランドらしさのつくり方【斎藤】

『ブランドらしさのつくり方 五感ブランディングの実践』博報堂ブランドデザイン著

 現代では、パワーマーケティングといった、効率的に商品を生産し、物量の多さにものを言わせて低価格に押さえるビジネスモデルが顕著になりつつある。そこでは商品の個性が消費者に伝わりにくく、商品の同質化が進む。そうすると過当な価格競争がおこり、より廉価な者が選ばれていく。そういった、ビジネス戦略とは対極にある戦略と目指しているのが公告業界であり、博報堂が培ってきたノウハウがわかりやすく述べられている。

 では、パワーマーケティングの対極にあるものとは何か。その一つが商品の〜らしさを見極め、消費者に伝えていくという手法であると考えられる。本書では新宿駅の五感ブランディングという仮想の計画が行われている。実際に皆さんが新宿駅に関して思いを巡らせたとき、新宿駅らしさというと何を思い浮かべるだろうか。私自身は、ごみごみとして喧騒の絶えない場所である事を想起した。

 この点は多くの人に賛同をもらえると思うが、この場合では駅の東口にしか目を向けていない。西口方面に目を向けると状況は変わってくるのだ。東口を抜けて歌舞伎町に行くのと、西口を抜けて都庁方面に行くのでは異なったシチュエーションがある。ここから、言えるのは新宿は少なくとも二つの顔を持っており、それは一見矛盾するものだが上手く共存している。ここから見える新宿駅らしさとは何だろうか。その一つの答えは本書で提示されているが、あえてここに記載しないので皆さんにも考えてもらいたい。

 商売の基本は金銭のやり取りであり、ともすれば私たちの目はそこにばかり向いてしまいがちだ。売上高などの数値化できるものばかりではなく、これからは価値観、情緒、感覚などの抽象的なものを付加価値として与えていくブランディングも重要となるだろう。それは、圧倒的多数の商品の中から抜け出す事ができる商品の開発とも言える。

 本章を読んでブランディングに成功している企業はどこだろうかと考えたときに、ユニクロが最初に浮かんできた。ユニクロの戦略は典型的な成功例だと言える。ユニクロの商品は低価格にして、ユニクロらしさを失っていないからだ。例えば、昨年流行したヒートテックは、有名スポーツプランドのシャツに比べて格安であるにも関わらず、機能面では全く劣ってないどころかむしろ優れているのではないかと消費者に思わせることができた。デザインはシンプルかつ、あくまでもコーディネートに取り入れられる脇役としての位置づけを保つことで市民権を得た。

 私が思うに脇役であることがユニクロらしさではないだろうか。この点を考慮しても、ユニクロがジャケットなどではなくあくまでもシャツにおいてヒートテックを開発したのは素晴らしい自己分析力だと思った。多くの商品に埋もれる事なく、らしさを追求することは商品の価格帯に関係なく重要なのだと感じた。

2010年6月17日木曜日

【ホンヨミ!】0618①発想法【斎藤】

『発想法 創造啓発のために』川喜田二郎著

 本書ではアイディアを造り出すための手段を体系的にまとめる試みがなされている。
難解な手法が用いられいるのだろうかと最初は思ったが、実際にゼミなどで行われている作業に通ずる点があり有益な情報を得ることができた。是非皆さんにも読んでいただきたい。

 グループでアイディアを出す時にブレインストーミング→kj法といった流れで作業を行う事を想定して書評を書いていく。ブレインストーミングとは参加者の意見をできるだけ吐き出す作業であり、この段階が後の作業を左右すると行っても過言ではない。この作業で最も大事なポイントは、どれだけ下らないと思える意見でも決して批判してはならないという事だ。
この点はゼミでも共有できていると思う。誰でも発言しやすい空気を作る事は非常に大事になってくるのだ。

 次にkj法だが、メモ係が各人の発言を紙に書き出していく。それをグループ事に分けるなどする作業の事だ。これは、三期生によるワークショップでも行われていたのでゼミ生も馴染みがあると思う。この過程ではメモ書きを過度に抽象化しない事がポイントだ。例えば、酒を飲む事を好意的に論じる発言があったときに「飲酒効果の是認的発言」とするのでなく「酒は飲むべし」とするのだ。こうすることで後の作業においてよりわかりやすくなるのだ。とくに男性は抽象化する傾向があり、物事を堅く考える傾向がある。この点は私自身にも当てはまる事なので気をつけていきたいと思う。

 以上は私たちがGWで用いているものであるが、実際に本書で細かくその手法を読んでいくと、ゼミの中でも各自が想定している手法は異なり、KJ法を最大限に活用でいないので是非本書を参考にしていただきたい。共通概念を持つ事で、効率を追求できるからだ。

 これから、バンナム企画に向けてグループで意見を出し合い、それを収束させていく作業を行っていくが、その上でも参考になる事が多かった。ここで得た情報を実際の作業でいかにアウトプットできるかを実践していきたい。

0611ゼミの感想【吉田】

アップが遅くなりまして申し訳ありません。

今回のバンダイ・ナムコ社への訪問では貴重なお話を多く聞くことができましたが、最も大きな収穫であると感じたのは、社会でどのような人材が求められているのかを知ることができたことです。鵜之澤さんが出された「既存のものをきれいにまとめた案より、荒削りでいいから斬新な案」というリクエストは、自分の現在の姿勢と社会が求めているものの差を感じさせられました。大学に入って2年目になり、短時間で情報を集めて見栄えの良い報告を作る力ことができるようになりましたが、社会(もちろん金ゼミも)が求めているのは、見栄えよりも独創性であることを改めて感じました。
今回のバンダイナムコ社との共同プロジェクトのように、創造性を高めることができる場に身を置いているというアドバンテージを十分に発揮して、もっと真剣に課題に取り組んでいかなければならないと強く感じました。

今回のような成長できる素晴らしい機会を与えて下さったバンダイナムコ社の皆さまに心から感謝致します。

【ホンヨミ!】0618①最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと【金光】

『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』
マーカス・バッキンガム

”マネジャーとリーダーが違う”こと、がこの本で一貫して伝えている主張と感じた。
≪マネジャー≫はチームのメンバー一人一人を見て各自に合わせたきめ細かい接し方で各々を成長させる。それに対して
≪リーダー≫はチーム全体を、ある程度抽象的ではあっても常に大きな目標を掲げる、水先案内人のようなイメージを持った。

以下、印象にのこった部分を順序を並べ変えながら、まとめる。

≪マネジャーについて≫
優れたマネジャーは、他人の成長に喜びを感じる、教育本能がある。
マネジャーは混乱してはだめ、常に各自に期待することをはっきり示すことができる人

≪リーダーについて≫
未来への関心が強い、よりよい未来に向けて人を一致団結させる。
その未来のための尺度を示せるかが、リーダーについていく人にとっては重要。
尺度の良さの判断基準は、ズバリ「明確か」どうか。それと、自分たちが影響力を及ぼせる範囲のものがどうか。
楽観主義と強い自我が必要→そしてこれは先天的な才能と熱意。
その天性を持ったうえで、情熱を持ち続け、継続的に成長できるかどうかは「何を選ばないか」による。

≪共通≫
「人が一番多くを学ぶのは苦手からじゃない」
苦手かどうかの判断基準:退屈、満足感なし、ストレス、消耗しているとき
---------------------
書かれていることは具体例も豊富で理解しやすい。しかしあまりにも盛りだくさんなので実際にどれも実行することは理想的ではあるが難しいと思った。自分に実行できそうなことを抜粋して上記にあげた。

最後に書いた、「人が一番多くを学ぶのは苦手からじゃない」はリーダー、マネジャーには関係ないが興味深いフレーズだった。
なぜなら私は苦手なことほどやってみようとしてしまうからだ。自分の苦手なことほど克服したいから手を出してしまう。でも、その時、上に挙げたようなストレスは感じない。苦手を好きに変えて、最も多くを学べるという「得意分野」を増やしていきたい。

2010年6月16日水曜日

【ホンヨミ!0618②】FREE【高橋】

FREE~<無料>からお金を生み出す新戦略~ クリス・アンダーソン(著)

「無料」という言葉は誰しもが惹かれる言葉だろう。ネットにあふれる無料体験版や、無料コンテンツは広告費などで利益を生み出したり、体験版から有料コンテンツを購入するように誘導する手法などがある。
自分は昔から、よく店頭でみられる"Buy 1 get 1 FREE!"という販売戦略にまんまとつられてしまう方であった。無料になるなら買うしかない!と思うのだが、処分品であったら1個の値段を実質半額にするのと変わらない手法で、FREEという言葉を用いることで消費者の消費欲をかき立てる構造になっていたんだということを改めて感じた。

個人的には本書にある以下の4つのフリーがこれから経営戦略をたてるのに役立つにではないかと思った。
1.直接的内部相互補助(buy 1 get 1 free戦略など)
2.三者間市場(広告収入など)
3.フリーミアム(基本製品とプレミアム製品)
4.非貨幣市場(ユーザー=労働力など)

ネットの世界を上手く活用したFREE戦略だが、もちろんネット意外でも十分応用できる戦略だ感じた。
人間の心を惹く「無料」という言葉をいかにして活用し、利益へと導くか。
まずは消費者の心を掴んでから勝負する、という戦略は大変効果のあり、経営戦略をたてるならば「無料」をキーワードに据えてビジネスモデルを作り上げるのも有効的だろう。

【ホンヨミ!0618①】報道被害【高橋】

報道被害 梓澤和幸(著)

本著では主にジャーナリズムについて論じられていて、普段接している報道について(実名報道・匿名報道など)の問題点が挙げられていた。本著では犯人視報道の具体例などがあげられていて、自分が知っている事件などが多く取り上げられていて、大変興味深かった。
犯人の容疑をかけられただけで報道され、無罪だとわかった途端に警察に責任を押し付けるメディア。メディアの影響力は多大なものであり、身に覚えのない罪をメディアによってきせられた人は立派な報道被害者だ。世間というものは冷たく、一度疑われただけでその人と関わるのを避けたり態度を豹変させてしまう。弁護士である著者が直接新聞社に出向いて報道被害者の現状について訴えた部分にあるように、記者同様、私たちは人生を狂わされた報道被害者のことを認識していなかったように思う。第4の権力と称されるメディアの、世間に情報を送る担い手としての責任の重さを改めて感じた。もし仮に自分が無関係の事件で容疑をかけられたら…考えただけでもぞっとすることである。

今までどちらかというと最先端の技術的な本を読んでいたので、偏らないようにさまざまなジャンルの知識を補いたくてジャーナリズムの本を読んでみた。
メディアは見切り発車を避け、情報の速報性とともに確実性も重視すべきである。真に市民のための報道となるような、その在り方について今一度考える必要があるだろう。

2010年6月15日火曜日

0611ゼミ[矢部]

バンダイナムコに金ゼミのリアルプロジェクトとして、企業訪問させていただき、それだけにとどまらず、とても貴重で濃いプロジェクトを与えられた。一ヶ月半で、ゲームの企画をして、それを弊社でプレゼンするということだ。もし本当に一握りの希少性のある案ならば、予算をつけて考案して、商品化されるかもしれないということだ。

あまり、バンダイナムコ系のゲームには興味がないのですが、やはり百聞も一見にしかずとでもいうのでしょうか、実際に企業を訪れて、社屋の説明や鵜之澤さんの熱い、芯のぶれないゲームへの想いや一木さんのこれほどにもないサポート、クリエイターさんたちの活気に満ちた笑顔、生で会社に体験するととても刺激を受けます。というのも、社員一人ひとりが自分の好きなことを毎日、仕事としてではなく、一種の楽しみ・娯楽としてやっているからあそこまでの、”本気”が伝わってくるのだと思いました。

学生でこのような機会を与えられることは、滅多にないと思うので、この機会を大切にそして、楽しんでできたらなと思います。

最後に、バンダイナムコの皆様ありがとうございました。そしてよろしくおねがいします。

0611ゼミの感想

遅くなってすみません!;

バンナムに訪問させていただいて、最初に思ったのは、「こんな企業で働きたい!」ということでした。

ポップな色使い、凝ったデザインの椅子、いろんなところに並んだ机、アイディアが広がりそうな開放的空間、どれをとってもクリエイティブな企業を体現していました。

どこでもミーティングが始められそうな企業かどうか、は大事なことだと思います。アイディアを大事にしていて、思い立ったときにチーム活動が出来ることが結果クリエイティブな企画が生まれる要因になると思うからです。(その点三田キャンパスはとても悪い!)

1番印象に残ったのは、「日常の中にどんなものを取り入れられるか」というお話でした。

ゲームの要素は、様々な分野に活かすことが出来ます。でも、ゲームという非日常性のものをそのまま日常に持ち込むには、羞恥の壁や利便性との合致の問題で、ユーザーから拒否反応が起きることも考えられます。

日常の中にゲームを持ち込むためには、ユーザーの日常を観察して、どんな身体的動作や心情の動きがあるのかを理解しなくてはなりません。

 

ユーザーの日常を観察することは、一見今までやりつくされた陳腐なものに注目することのように思えるかもしれません。しかし、コロンブスの卵のように、日常は見方次第でイノベーションの源になりえます。

ゲーム業界にひとつのイノベーションの種を植え付けられるように、チームを進めていきたいと思います。

2010年6月14日月曜日

【0611ゼミの感想】イノベーターとしてのバンナム【岸本】


 おもちゃ・ゲーム業界の企業に行くのは初めても同然だったので、非常に新鮮に感じました。隣の芝生は何やらと言うように、うらやましいと思う点が多々ありました。

 鵜ノ澤さんの貴重なお話(ピピンアットマークの話が特に!)では「イノベーターのジレンマ」が想起されました。
 最初にアーケードの筐体でゲームが登場し、その後コンシューマーに移行、そしてソニー、松下ら異業種の参入、そしてネット中心に移行しつつあり、IT企業が参入すると。
 ユーザーは「相対的に安い」ものへ次から次へと移行し、企業としては既存の利益にしがみつくだけではなく、常に新しいニーズを探っていく必要があるという有名なものですが、実際イノベーター側の立場になると簡単には新規市場に移行出来ないということが痛い程分かりました。そして、新規市場を探るには上手にリスクをヘッジした上でのイノベーションのマネジメントが必要であると。(スピンアウト、フラットな組織など)「ピピン〜」の例では新しさが先行し過ぎてニーズと齟齬を起こしてしまったと考えられます。
 また現在隆盛を誇るモバゲーやGREEなどもいずれリッチ化するという指摘は興味深かったです。

 その一方でおもちゃ・ゲームのノウハウを活かした医療分野や高齢者分野などの新規市場開拓について非常に興味深かったです。
 実際インセンティブを上手く変える力がゲームにはあると考えます。ネットゲームで廃人のようになるまで熱中する人がいるということはその一方でインセンティブを絶えず変化設計することができると考えられます。こうした力を現実世界での問題解決に対して用いることができるのではないでしょうか。(途上国や海外向けでも面白いのかもしれません)
 
 昨日「世界を変えるデザイン展」に行ってきたのですが、まだまだ世の中には改善すべき問題そしてそれに対する(思ったよりもシンプルな)解決策、そしてビジネスチャンスが転がっている様な印象を受けました。バンダイナムコの方々の支援を受けながら、是非とも新しい市場を生み出せるような商品の案を探って行きたいと考えています。

0611ゼミの感想【岡本】

 金ゼミリアルプロジェクトの舞台となるバンダイナムコゲームスを訪問。たたずまいに圧倒される本社ビルを正面から入ると、営業スマイルがまぶしいパックマンと仏頂面のガンダムに迎えられた。
 
 右手には自分の年齢が一ケタ台のころに見た覚えのあるアーケード筐体もあり、懐かしくも、この業界の進歩の速さに目を見張った。30年前にはインベーダーゲームに黒山の人だかりが出来ていたのが、いまや同社の「戦場の絆」をもってしても列を成すことは殆どない(人気の機種でさえ、列を作らせるほどの人気は難しい)。それだけ、はっきり言えば日本人の心は確実にゲームセンターから離れてきている。超一流の立地にはそれ相応の顧客がつくが、地方のゲームセンターなどは惨憺たるものと聞く。求められるのはコンテンツの改革か、はたまたゲームセンターという場所の改革か。両輪で変えていかないことには、どの道ゲームセンターの未来はないような気がした。
 
 面白かったのが社員食堂。海老名メロンパンやマグロの解体ショー……とてもとてもクリエイティブな発想が生まれそうな食堂だった。いやホントに。苦情を書いた紙を投函する箱もあり、福利厚生が非常にしっかりした、全体的に働きやすい職場という印象。
 
 それにしても、社員の全員(?)に企画を出させて一つしか通らないという審査には驚いた。それは少人数かつ、わずか4つか5つのグループで出す案が審査を通過する可能性が以下に低いかということを示す指標でもあり、それだけ難しいことに挑戦しようとしているという、少なくとも自分にとってはモチベーションにもなるものだった。中身のあるものを作るには当然、考える作業も多く必要になる。金先生も仰っていたように、「学生なのに企画立案に参加できてラッキー」ではなく、「一人の社員として」精一杯の能力を出し切りたいと感じた。学生であることが弱点ではなくアドバンテージにもなるという証明を、自分たちの手で出来たらと強く感じた。

0611ゼミの感想【大賀】

 こんばんは!おーがです♪久々のゼミ参加でした!諸々の事情でこれからもフルで参加できるかどうか定かではないのですが、最後の学生生活を謳歌するためにも、金ゼミを活用したいと考えています!こんな私ですが何とぞよろしくお願いいたします><

***

 今回のゼミは企業訪問ということで、就職活動以来久々のスーツに身を包みました。バンダイナムコゲームスさんには就活中も行ったことがなかったので、5期・4期同様、ワクワクドキドキな気分で行きました。まずは大きく開放的なオフィスに感動しました。「人を楽しませるモノを作るためには、まずは自分たちが楽しい環境で仕事をする」という精神が徹底されていることに驚くと同時に、納得する部分も多々ありました。これは、企業だけではなく、大学や学校、ゼミなどの場にも活かせる精神だと考えます。
 バンナムの方々とお話させていただく中でもっとも印象に残ったのは、「楽しみの共有」という言葉です。言葉で表すと簡単なようで、実は難しい。個々人によって違う「楽しさ」「面白さ」を、どうやって万人に共有してもらうべきか?「アフレコ」を例にとったお話は印象的でした。デジタルネイティブといわれる若い世代は、個々人の「楽しみを共有」することで、遊びを思い切り面白いものにしている。だから、「アフレコ」は、「カラオケ」という皆で遊ぶことを目的とした場所に設置することで、若い世代に即したものにした―。非常に面白いお話でした。

 これから、私たちの代の考えをフル活用してプロジェクトに挑むということで、どのようなものが生まれるのか楽しみです!

0611ゼミの感想【村山】

ゼミ単位でバンダイナムコゲームスさんに企業訪問させて頂きました。企業訪問をするだけでなく、事業提携の可能性があるなんて学生のうちにはやりたいと思ってもなかなか経験できることではないので、非常に良い経験になると思っています。しかし、その分私たちは大きな責任を負うことになるとも思っています。なぜなら、ビジネスとして企業利益を追求している社会人の方々が自分たちの仕事時間の一部を、わざわざ学生のために割いてくれるからです。

そのため、それに応えることが絶対的に出来るという保証はないけれど、その期待に応えようと可能な限り多くのアイディアを絞り出し、時間を使い、議論を重ねなければならない義務が、私たちにはあると思います。ただ、だからといってガチガチに緊張しながら考えるというのは良い事ではないと思います。それよりは、皆とのグループワークを楽しみながら進めていきたいとも考えています。楽しい環境が、必ずしも良いアウトプットを生むとは限りませんが、やはり、楽しい環境の方が、より良いアイディアが生まれる可能性は大きいと考えるからです。その部分は、バンダイナムコゲームスさんも意識していたと思います。クリエイティブな仕事をするのだから、社内の至る所に「わくわく」「ドキドキ」するような仕組みや仕掛けを設置している、と。要は、【オンとオフのバランス】ということです。オフの環境に、頭をフル回転させたオンの自分たちが存在しているという様なイメージです。

また、鵜ノ澤副社長のお話の中で、

「そのアイディアは、本当に日常生活に入り込んだものか」

というお言葉が印象に残っています。消費者にサービスを提供する際に、この視点は常に忘れてはいけないことだと思います。ゲームというモノの特殊性ゆえに、この点はさほど意識しなくてもいいのかとも考えていました。しかし、やはり消費者にいつもの動作以上のアクションを要求するには、それなりの意味付けやインセンティブが必要になると思います。だからこそ、日常的に行っている動作の中に新しく提供するサービスを組み込むことが出来れば、それは消費者にとって何の違和感もない当たり前の動作となるので、非常に強いモノになると思います。

これ以外にも、重要な指摘をいくつもして頂いたので、今の自分たちの限界に挑戦するつもりで、その限界を突破する勢いで、これから頑張っていきたいと思います。

最後に、このような機会を設けて下さった、鵜ノ澤副社長、一木様、クリエイターの皆様、そして金先生、ありがとうございました。

2010年6月13日日曜日

0611ゼミの感想【高橋】バンナム

私にとっては初めて企業に行く機会だったので初日からわくわくする気持ちが強く、実際社内を見学させてもらっている間も興奮気味でした。自由な雰囲気、遊び心を忘れない社風、解放感に満ちた空間作りなど、「こういうところで働きたい!」と思うほどでした。

しかし、個室に入って社員の方々とお会いしてお話を聞いているうちに、これから自分たちが取りかかる事業の重大さを強烈に実感して正直自分が参加することさえ恐ろしく思えてしまうほどでした。

今まで自分が関わってきたことはあまり「ビジネス」というようなものではなく、今回お話を聞いてこれは本当にビジネスであり、ただの研究で終始してはいけない、という引き締まる思いでいます。

今でももちろん不安はあるものの、学生であるうちから参加できるチャンスなんて滅多にないと思いますし、先方の求める「学生だからでる柔軟性のあるアイディア」をだしたいです。

楽しいことが大好きで、自分だけじゃなくて周りも一緒に楽しんでほしい、と私はよく思います。それを今回の企画に最大限生かしていき、グループワークでも遠慮せずガンガン関わっていきたいです。

【ゼミの感想0611】バンダイナムコ株式会社見学【矢野】

会社のビルに入るなり、テンションと血圧が一気に上がるのが分かった。
私たちを正面エントランスで迎えてくれたのはのはパックマンとガンダムで、後ろには滝のようなオブジェと最上階までの大きな吹き抜けがあった。マネーシャーの一木さん曰く、社員さんが柔軟に素敵なアイディアを出せるように会社の雰囲気作りも大事にしているという。こんなに快適そうなオフィスなら・・・と思わずにはいられなかった。また、社員の皆さんが非常に楽しそうに仕事をしてらっしゃるのが印象的だった。また、今回お手伝い頂く社員さんも非常にバックグラウンドが多様でおもしろそうだと思った。また、ビジネスの最前線にいる方々が「お金になるような提案を」とおっしゃっているのが、学生生活の中では聞きなれていない言葉で新鮮に感じるとともに、何だか重みがあった。このビジネスライクなガツガツ感がいいなあと思った。また一方で一木さんが「企画の段階で『これは絶対に流行る!!』と思ったもの以外は絶対に流行らない」というのを聞いて厳しい世界なのだということを思い知った。しかし、学校教材×ゲームにしても、リハビリテイメントにしても「遊び」の可能性はまだまだ広げられるのだということも知った。

「模範解答らしくないアイディアを。体裁だけ綺麗っぽくまとめたプレゼンは期待してない。」確かに私は最近生活でも学問でも「アイディア」を要求されることはあまりなくて(実際あるのに気付かないだけかもしれないが)、Googleで調べたデータを鵜呑みにしてまとめることが多くなってしまった気がする。またはその鵜呑みにしたもの=ニーズと短絡的に捉えて、その不確実なニーズを表面的にみたすものをソリューションとして書くことが多くなっていた気がする。論旨からは逸れるが、ネット社会は自分の意見を「持つ」ことはあっても「作る・醸成する」必要のなくなる社会なのかもしれない、と思ってしまった。「作る」前から、無数のパターン回答がネット上に既に落ちているからだ。ずいぶん逸脱しまったが、そんな時世の中で、他の誰でもない「自分」のアイディアを練ることのむずかしさを感じた。しかし、、自分たちの提案が大いに期待されていることが分かり、これから1ヶ月半、素晴らしいオリジナルアイディアを出すために、何としてでも頑張りたいと強く思った。こんなに良い機会はめったに与えられないと思う。この環境に感謝する気持ちを忘れず、誠心誠意を以て取り組んでいきたい。

2010年6月12日土曜日

【バンナム!】②【矢野】

IT Media News
09年09月24日 22時39分 更新

「僕らは、ネットに乗り遅れた」――9月24日に開幕した「東京ゲームショウ2009」の基調講演で、大手ゲームメーカー5社のトップが集まり、今後のゲームについて語った。ゲームは近い将来、ネットワーク化・グローバル化していくという方向で意見は一致したが、ネット化に向けて社内体制を変えていくのが難しいという声も出た。 参加したのは、カプコンの辻本春弘社長、コナミデジタルエンタテインメントの北上一三副社長、スクウェア・エニックスの和田洋一社長、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の吉田修平ワールドワイド・スタジオプレジデント、バンダイナムコゲームスの鵜之澤伸社長。モデレーターは、日経BPの浅見直樹 電子機械局局長が務めた。 「僕らは、ネットに乗り遅れた」――9月24日に開幕した「東京ゲームショウ2009」の基調講演で、大手ゲームメーカー5社のトップが集まり、今後のゲームについて語った。ゲームは近い将来、ネットワーク化・グローバル化していくという方向で意見は一致したが、ネット化に向けて社内体制を変えていくのが難しいという声も出た。

このまま10年続いたら、業界は壊滅する

 昨年9月に起きたリーマン・ショック以来、世界を不況が襲ったが、ゲームメーカーには不況はほとんど関係ない、というのが5人の共通した意見だ。
 「不景気は、うまくいかないときの言い訳に使っているが(笑)、『SDガンダムジージェネレーション』など最近出したゲームも好調」(バンダイナムコ鵜之澤社長)、「ドラゴンクエストIXも400万本超えた」(スク・エニ和田社長)など、強いタイトルは好調に売れている。だが「このまま10年続いたら、業界は壊滅する」(スク・エニ和田社長)という危機感もある。「物の値段は基本的に下がっていくが、開発費などコストは上がっていく」ためだ。次のブレイクスルーには、「ハードやソフトといったスペック面の進化ではなく、課金や遊び方の進化が重要だ」と、和田社長は説く。
 

僕らはネットに乗り遅れた

 ゲームのネットワーク化も進んでいる。「モンスターハンター」シリーズやドラクエIXなど、ネットワークを使った機能がヒットを支えるタイトルが増加。iPhoneやFacebook、MySpace向けアプリなど、米国発のネット端末やサービス向けのゲームもブレイクし、次世代ゲームプラットフォームとして注目されている。国内に目を向ければ、「GREE」や「モバゲータウン」など、モバイルゲームで成功している例もある。
 iPhoneアプリや「mixiアプリ」などを積極的に投入している国内大手メーカーもあるが、「既存のゲームメーカーはオンラインやモバイルで大成功できていない。僕らは乗り遅れた」と、バンダイナムコ鵜之澤社長は率直に反省する。
SCEの吉田スタジオプレジデント
 乗り遅れた背景には、「パッケージモデルから抜け出せていない」ことがあると鵜之澤社長は指摘する。1ソフトに50人~100人の開発陣が張り付き、2年近くかけて作るという従来のパッケージ制作のスタイルでは、ダウンロード販売の価格ではペイできないという。
 「ダウンロードタイトルにパッケージと同じ7000円を支払うかというと、自分でも無理だと思う。旧来のやり方で回収できるモデルにはならないだろう。今のやり方をいつ変えられるだろうか……」(バンダイナムコ鵜之澤社長)。実際、iPhoneアプリビジネスで成り立っている企業は「数人のチームで、ファンディングなしでも制作できる規模」だと、SCEの吉田スタジオプレジデントは指摘する。
コナミの北上副社長
 決済の問題も重くのしかかる。「携帯電話では簡便な課金プラットフォームが整備されたが、ゲーム業界は電子マネーが一般化していない」(コナミの北上副社長)ため、課金そのものへのハードルが高い。
 さまざまな問題があるとはいえ、ゲームのネットワーク化にはこれまでにないビジネスチャンスも開けている。「ネットワーク化すれば在庫管理がいらなくなる上、パッケージと違い、同じゲームにもさまざまな課金スタイルを試せる。例えば、30分当たり500円の時間課金や、特別コンテンツを5万円で売るといったことも可能。いろんな設計モデルがありえる」(スク・エニ和田社長)

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かたやこのような記事も見つけた。
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IT Media News
2010年02月09日 18時11分 更新
photoEye mix-アイミク-のイメージ画像
 ミクシィは2月9日、バンダイナムコゲームスのアーケード用シールプリント機とSNS「mixi」のフォトアルバム機能が連携すると発表した。
 バンダイナムコゲームスが春に発売するシールプリント機「Eye mix-アイミク-」と連携。シールプリント機で撮影した画像は専用モバイルサイト「Puri Colle」にアップされ、mixiのフォトアルバムに1クリックで保存できる。mixiのサービスと外部サービスを連携させる「mixi Connect」を活用した。
 保存は2枚まで無料で、3枚以上の取得には月額315円の会員登録が必要。

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やはりこれからはゲームコンテンツも「インターネット社会」の波に乗っていかねばならないのだろうか。コンテンツ産業である限りはハードに合わせて成長していくことが良くも悪くも要求される。適応力、順応力が非常に大事な産業だなと感じた。
確かに記事の通り、ネットを通じたゲームプレイは「皆でやる楽しさ」簡単に味わえる。対戦相手も多ければそれだけの数のゲームスタイルがあり面白い。海外にも広げていくことでより開拓できる市場なのではないかと考えた。

【バンナム!】① 【矢野】

ITmedhia News
2010年05月25日 07時00分 更新


バンダイナムコゲームスと教科書出版の学校図書は5月24日、小学校向けの国語、算数、理科の教科書を共同制作したと発表した。バンダイナムコのゲーム開発のノウハウを投入し、イラストなどを制作。エンターテインメント企業が教科書制作に携わるのは初という。
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 制作したのは、1~6年生の教科書計28冊。理科では、小学校で学ぶ内容を1本の木のイラストで表現した「理科ツリーハウス」を巻頭に収録したほか、キャラクターを制作。算数では1年生から6年生まで登場するメインキャラクターを制作し、学年ごとに学習をクリアしていくゲーム的な要素を盛り込んだ。国語では漢字学習ページのイラストを制作、子どもたちが興味を持つような遊び心を盛り込んだ。
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 「授業時間外でも開きたくなるような教科書を作りたい」と制作した。バンダイナムコが2006年から小学校向けに行ってきた、立体写真の撮影などを体験する課外授業から企画が生まれたという。
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「ゲーム」と「教育」というのはどうしても対にして考えがちだが、このような発想はとても面白く良いと思った。また、ゲームに勉強の要素を取り入れることはよくあることだが(任天堂DSの学習系ソフトなど)、勉強の教材にエンターテインメント要素が盛り込まれることは少ない気がしたのでそういった意味でも新鮮だと感じた。私はアルバイトの家庭教師や塾講師をしながら「『勉強』という言葉だけでもう毛嫌いしてしまっている子」というのを何人も見てきたが、そのような子にも「勉強」の敷居を低くすることは非常に効果的だと思う。特に「理科ツリーハウス」などは文章で表現しては堅苦しくなりそうだから良いと思う。バンダイナムコの「夢・遊び・感動」が上手く体現された取り組みだと感じた。


突撃!隣のバンナム!【金光】

バンナム!

プロジェクトがついに始まりました。
チーム分けは間もなく発表します。もうしばらくお待ちください。
社会に意味がある切り口、話題、手法での研究というのは金ゼミのモットーです。それでも今回のように相手がいることは緊張感が全く変わってくるなと感じました。

建物の斬新さ、風通しのよさそうな明るい雰囲気は、こんなキャンパスがあれば良いなぁと思ってしまうものでした。(是非あの食堂で一度食べてみたいです。)
今回もっとも印象的だったことは、話をしてくださった一木さん鵜ノ澤さんの姿勢でした。
漠然とですが、前に立っていたお二人の中には強さを感じました。これは決して遊びではなく「ビジネス」で、多くの社員や資本を背負っていることの重みみたいなものを、感じました。いくら口では冗談を言っていても、社会で働くこと、責任ある立場につくということはシビアなんだなと感じました。
学生の立場は気楽なんだな、ということを言葉ではなく姿勢から空気で感じました。普段キャンパスにいては絶対に気付かない体験でした。
今回のプロジェクトでは、自分たちも楽しみながら、「楽しい!!!」と思えるカタチを提案できればと思います。楽しいことを考えるのだから、楽しい雰囲気でやっていきたいと思います。

【0611ゼミの感想】バンナム【長澤】

今週のゼミは教室を飛び出しての企業訪問ということで、バンダイナムコゲームスに行きました。
学生と企業のコラボという話はニュースでもよく耳にします。ですが、昨日会社を訪問してお話を聞いて、私たち学生の意見を取り入れて新しいものを作り上げるということに会社の方も本気だということがとても伝わってきました。なので、私たちも生半可な思いではなく、自分が社員になったつもりで本気で案を出していかなければいけないと感じました。
また、既にあるデータを切り貼りするな!という言葉もとても印象に残りました。当たり前のことなはずなのに、自分もやってしまっていたと思います。なので、今回はこの点に注意して企画していきたいと思います。
私は普段ゲームをしないのですが、自分でも「これならやってみたい!」と思えるゲームやみんなが「楽しい!」と思えるゲームを目標に頑張ります。
「これは絶対にいける!」と思えるゲームを企画したいです。

8月の合宿で最終的にまとめるようでしたが、合宿に行けなくて申し訳ありません。

0611ゼミの感想【田島】

【企業訪問】
 自分が想像していた以上に、バンナムの方々が私たち学生とのコラボレーションを真剣に考えて下さることが伝わってきて、正直感動しました。願っても得られないこのまたとない機会、私も120%の気持ちで臨んでいきたいと思いました。楽しみたいと思います!
この素晴らしい機会をセッティングして下さった一木さん(理想の女性マネージャーという感じで、とっても素敵でした!)をはじめ、梅田さん以下バンダイ社員のみなさま、そしてお忙しい中貴重なお話を聞かせて頂いた鵜ノ澤副社長に心から感謝したいです。バンナムは素敵な大人がたくさん働いているんだなと思いました。
 食堂などの厚生施設の充実度や、インテリアの配色のビビッドさなど、バンナムの会社は歩き回るのが楽しかったです。たのしいものを生み出すための楽しい環境作りが徹底されているんだなと思いました。
 お話のなかで特に印象に残っているのは「今の若者は道具を使うことが上手くて、いろんな情報をあつめてきてそれをcoolなプレゼンにまとめる。しかし本当に欲しいのは中身。やってほしいのは情報分析ではなく、ビジネスプランである」という部分でした。去年三田論でもそれ以外でも優等生的であると何度も言われました。このプロジェクトをきっかけに物事の本質に迫る議論が出来るようになりたいと思います。
同じ太鼓の達人でもDSとアプリでは値段がヒトケタ違うという話も興味深かったです。ビット経済における購買心理も研究してみたいです。

【ごはん】
今回のご飯で、3期の先輩方や5期の2人と本気で意見を交換できたのがとてもよかったと思います。全員がPlusの方向にエゴイスティックになれる、そんな金ゼミにしていけたらいいなと思います。

0611ゼミの感想【斎藤】

 今日はバンダイナムコゲームスの本社を訪問させていただいた。このようなプロジェクトに携われることは貴重な経験となるだろうし、一生懸命取り組んでいきたい。

 そういった過程で忘れては行けないのは「楽しむ」という事だと思う。もちろん、アイディアを生み出す過程で煮つまってしまう事もあるだろうし、困難なことは多いはずだ。かの有名な大リーガー、イチローが「僕は試合中に楽しもうと思った事は一度もありません」と言っていた。これは、誰よりも試合で結果を残すことを求まられるイチローならではの発言だろう。彼は結果としては野球を楽しんでいるのだろうが、それまでの過程は辛く厳しいものだ。おそらくバンダイナムコゲームスのクリエーターの方達もそうして多くの作品を生み出しているのだろうと思う。それでも本質的な問題は人を「楽しませる」ことであり、自分も「楽しい」と感じる事ができるかである。それを忘れてはいけない。

 バンダイの方に受けそうなプレゼンでその場を取り繕たり、巷で流行っているテクニカルな方法論の活用の模索に終始してしまえばそれは不毛なものになってしまう。私達目線でのアイディアをぶつけていけたらいいと思う。それが案外難しいが。

 一言で楽しい表現してもそこには様々な質のものがあるが、具体的なシチュエーションから湧き起こってくる感情としてそれぞれが感じる「楽しさ」を提供できるかどうかエンターテインメント産業において商品を開発する際の鍵となる気がした。

 今回はグループ形式でプレゼンすることになるが、他のゼミ生に対して遠慮せずにどんどん発言していきたい。同時に、相手の意見もしっかりと受け止めたい。
とても基本的な事だが、こういった事が成功につながるのではないか思う。


2010年6月11日金曜日

0611ゼミの感想【黄】

皆さんおつかれさまでした。
行く前から楽しみにしていましたが、実際自分の目で見て話を聞いてみると
考えていた以上に大きなプロジェクトで、もっと胸がワクワクしました。
常に遊びを取り込むよう工夫されている社内、開放的かつ自由な雰囲気がとても魅力的だったと思います。
とりあえず今回一木さんを筆頭にお話を聞かせていただいた訳なのですが、ざっとまとめると
・ネットで得られるような情報の発表会はいらない→具体的なプランを求めている
・荒削りでもいいからキラット光る可能性を重要視している
・バンダイナムコのあらゆる分野を利用して新しい何かを想像せよ
・絶対イケる!と手応えのあるもの以外はボツだと思え
・時代のニーズに乗る事も大事
・自分が楽しいと思えるものをつくれ
といったお話をしていただいたと思います。
私が子供だった頃、ゲームは男の子がやるものとしてあまり近寄りがたい領域でした。しかし今の世代の子たちをみてみると、女の子も男の子と同じようにDSなどで遊んでいる姿をよく目にします。それだけゲームそのものの意味合いも日々変化しているんだと思います。その時代のニーズを肌で感じれる視点を生かして皆でいいものを作りましょう!

【書評】話は変わりますが、書評について提案をさせていただきたいと思います。
今まで5期生は2冊という事でまわしてきましたが、正直2冊完全に読み切る事は時間的にもかなりパツパツの状態です。これからバンナムの企画もスタートすると2冊を毎週読み切る事は厳しくなると思います。そうするとじっくり読まずにざっと読み、書評をとりあえず書くといった事になってしまうと思いますし、それではあまり意味がないのではと思います。だったら個人的には1冊にしてじっくり読んで書評を書きたいです。
どうでしょうか・・・?

【バンナム】
今日夕飯を先輩方と食べながら、3期生の先輩方がバンナムのプロジェクトに加わるのかどうかについて話し合いがありました。
個人的には、3期生の先輩方と一緒にやっていきながら色々な事を学んでみたいです。
3期生の先輩に追いつけ追い越せマインドで自分を追い込むことで大きなステップアップにしたい気持ちがやっぱり大きいな、と今このブログを書きながら改めて思いました。
今まで頼ってしまっていた部分があるならば、今回のプロジェクトを通じてそれを克服するチャンスだと思います。