2010年6月24日木曜日

【ホンヨミ!】0625①国産はじめて物語Part2【斎藤】

本書では戦後に開発されヒットとなった商品が紹介され、その時代背景、開発秘話などが綴られている。バンナム企画の参考になるものも多くあるため、よかったら一読して欲しいと思う。その中からいくつかの例を抜粋して紹介したい。

【人生ゲーム】
このゲームでは遊びを通じて子供が文化、人生を学ぶ事ができる。例えば、ホテルのオーナーになる、ロールスロイスを購入するなどの項目がマス目に書かれている。これらは単なる遊び的要素だけでなく、人生の夢の象徴であり子供がどういった人生を歩んでいくのか考えさせるきっかけともなるのだ。また、株の購入などの項目では、子供が親に株とは何かという質問をすることになるため、親子のコミュニケーションを促進する事ができる。ルーレットの特性を生かして、勝ち組負け組が固定する事なく皆が楽しめるのもこのゲームの特徴だ。
人生といった大きなテーマをボードゲームの中に落とし込めた事でよりリアルに、そしてどこか本気で入れこんでしまうのが大きなこのゲームの魅力だと思う。

【オセロ】
10分以内に勝負がつく遊びはないかという考えた中学生達によってこのゲームが生み出された。麻雀、将棋、囲碁などは複雑であり、もっと簡単なものにできないかと考えた彼らは囲碁の白黒の駒をつかい、挟むだけで駒をとれる簡単なゲームを思いついたのだ。当初は、駒をとられたごとに白黒の駒を入れ替えていたが、手間を省くために裏表を白黒にする事でより便利化することになった。この発案者の少年が大人になってもこの遊びに対して情熱を失わず普及させた事で現在のオセロゲームの人気がある。
ルールを覚えるのに一分とかからないのに、遊びだすと奥が深いこのゲームは究極のボードゲームと言えるのではないだろうか。現在あるものを改良して、皆に愛されるものにできないかと考えてみることも面白いアプローチだと感じた。

本書では、以上のような様々な例が示されており非常におもしろいので参考にしていただきたいと思う。
本書を通じて、新商品が生まれる過程では技術的進歩によるものが多いが、それを人々の生活のなかで生かせる形にするためにはやはり人間のアイディアが必要だと感じた。また日本の物造りに対する意識を誇りに思っていいと思った。そして、ユーザの使い勝手を追求していく事で皆から愛されるデザインとなるのだと思う。

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