2010年6月27日日曜日

【ホンヨミ!0625①】経済ってそういうことだったのか会議【カコイ】

経済ってそういうことだったのか会議/佐藤雅彦・竹中平蔵

クリエイターでSFCの教授でもある佐藤氏と、言わずと知れた小泉改革の立役者で同じくSFCの教授、竹中氏の対談集。
おカネはなぜあるのか?株ってなんの為にあるのか?
取っ付きにくい印象の強い経済学を、易しいところから本書が著された2000年の経済状況までを網羅して解説している。

競争について、印象的な話がされていた。
市場において競争は不可欠である。寡占市場よりも、各社が凌ぎを削って競争する市場の方が、強い魅力を持った製品が生まれてくることは歴史を見れば明らかだ。
しかし、今の市場の競争は、果たして本当に必要なものなのか?増えるテレビのリモコンのボタン数を見て、果たして全てが必要な機能だったのか、考えてしまうことがある。
本書に拠ると、競争には健全なものと不要のものがある。
製品の本質を高め、切磋琢磨するものと、製品の本質を見失い、どうでも良いところで争うもの。
競争とは、本来市場に溢れる製品を洗練し、本当に良いモノを残すためのものだと思う。
とにかく他社と争うことが目的化するのではなく、製品を高めていく過程で競争が生まれるものではないだろうか。
経済を表す"エコノミクス"の語源はギリシャの"オイコノミクス"つまり共同体の在り方、だそうだ。
人びとの集まりである共同体も、それぞれが競争を目的として不要に疲弊し合うのではなく、自分自身を高めていく中で他人との比較であったり競争が生まれるものだと思う。
これからの人生、いわゆる競争と呼ばれるような場に直面することは多いだろう。しかし、それに踊らされて自分を見失うのではなく、自分自身を見つめ直し、成長していくことで競争市場に対峙したいと思った。

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