2010年6月16日水曜日

【ホンヨミ!0618①】報道被害【高橋】

報道被害 梓澤和幸(著)

本著では主にジャーナリズムについて論じられていて、普段接している報道について(実名報道・匿名報道など)の問題点が挙げられていた。本著では犯人視報道の具体例などがあげられていて、自分が知っている事件などが多く取り上げられていて、大変興味深かった。
犯人の容疑をかけられただけで報道され、無罪だとわかった途端に警察に責任を押し付けるメディア。メディアの影響力は多大なものであり、身に覚えのない罪をメディアによってきせられた人は立派な報道被害者だ。世間というものは冷たく、一度疑われただけでその人と関わるのを避けたり態度を豹変させてしまう。弁護士である著者が直接新聞社に出向いて報道被害者の現状について訴えた部分にあるように、記者同様、私たちは人生を狂わされた報道被害者のことを認識していなかったように思う。第4の権力と称されるメディアの、世間に情報を送る担い手としての責任の重さを改めて感じた。もし仮に自分が無関係の事件で容疑をかけられたら…考えただけでもぞっとすることである。

今までどちらかというと最先端の技術的な本を読んでいたので、偏らないようにさまざまなジャンルの知識を補いたくてジャーナリズムの本を読んでみた。
メディアは見切り発車を避け、情報の速報性とともに確実性も重視すべきである。真に市民のための報道となるような、その在り方について今一度考える必要があるだろう。

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