2010年7月20日火曜日

【0709ゼミの感想】もう折り返し地点 pt.2【岸本】

 まず、5期生は去年や一昨年の論文を見て、完成のイメージをつかむことをオススメします。また、4期生は昨年のチームのメーリスやブログ記事を振り返ることで、論文を進める上での反省点や参考になるポイントを洗い出すといいと思います。

 個人的に2回三田論を扱った中で頭にざっくり描くプロセスは以下の通りです。

 1.問題設定
 2.インプットしまくる
 3.概念化、仮説(フレームワーク)化
 4.検証
 5.適宜1~4を見直す(固めていく順番は基本的に昇順で)

 こちらとか、こちらも参考になるかもしれません。特に前者のBibliographyは重要だなと最近になってつくづく実感します。

 そして以下は各班の現時点でのテーマに関してのフィードバックというか印象や意見です。つまらないものですが参考にしていただければ。

1.Social Application Marketing
 先日のバンナムプレゼンでも挙げたように、ソーシャルアプリ市場は活性化し、またSNSの拡大に伴い、市場は拡大傾向にあります。成功するアプリの要因やコンテンツの内容はもとより、他との差別化のためには新しい動きを抑える必要があると感じました。例えばFacebookで最も人気のあるアプリの1つ「FarmVille」などを提供しているZyngaはそのキラーアプリを活かして独自のSNSを作りました。
 また、iPhoneアプリにおけるiAdの存在など、プラットホーム内でのビジネスモデルの変化についてまとめてみても面白いと感じました。いかに人を集める仕組みをつくり、そこで囲い込んだまま、広告を効果的に提示出来るかという問題自体はそれほど新しいものではありませんが、ソーシャルアプリ時代のアプリ業者、プラットホーム運営者それぞれの視点での提言が出来ると思います。
 
2.Licencing 1.0→2.0
 法律はだいぶ弱いので微妙な意見になりますが、現状で普及しつつある新しいトレンドに対応するだけの「次の創造へのインセンティブ」として機能する法体系が個人的に気になります。
 例えばWeb 2.0以降顕著になった動きの1つに、意図しないものが「広告」として機能していることがあります。YouTubeの違法動画にしろ、ブログ上でのレビューにしろ、UstreamのDJにしろ、Twitterでのつぶやきにしろ、結果としてある製品やサービスの広告となる、言い換えれば私たちがそうした合法、違法なものに購買行動において影響を受けている言えるのではないでしょうか。
 もちろんコンテンツの形式によってその鮮度、反復可能性などは変化し、ビジネスモデルも変化すると考えられます。そうしたコンテンツの違いで異なる部分、また共通する部分を収益可能性などと照らし合わせて探っていくといいかもしれません。
 また提言先の主体を立法府ではなく、YouTubeやUstreamのような一企業と考えると、昨年の角川バッジみたいな民間でのライセンス、収益分配の仕組みの例を沢山集めても面白いかもしれません。

3.Content Deflation
 これはある程度電子書籍のときの問題意識と被る点が多いのではないでしょうか。YouTubeなどのUGC型は投稿されたコンテンツを維持するランニングコストがいずれ収支を圧迫するようになるため、広告収入だけでなく課金収入などにも頼るようになり、どちらかと言うと「値上げ」せざるをえないと考えます。
 一方、iTunesやKindle Storeのようにプラットホーム提供者とコンテンツ提供者の間での価格設定を巡る争いは興味深いと感じます。「値下げしたからといって売り上げが下がる訳でもなく、むしろ上がることもある」という言い訳は(主にプラットホーム提供者によって)よくなされますが、コンテンツの長期的な収入は本当に増えるのでしょうか。iTunesで曲単品で買うより、Napstarでひたすら聞き続ける方が本当にコンテンツ提供者にとって最善の選択なのでしょうか。こうしたユーザーの利用形態に合わせた価格設定の方法について調べてみても面白いかもしれません。

4.Reatime Web
 コンテンツのリアルタイム生成問題に関してのようですが、(スライドを見返すことが出来ないせいもあって)正直イマイチピンときませんでした。なので、以下はちょっと的外れなものになっているかもしれませんが、ご容赦を。
 リアルタイム生成に関してですが、まず第一にユーザー中心で利便性に優れたインフラ整備が前提になると感じました。(ここらへんは昨年のORFでの村井先生の話が参考になるかもしれません)また、ネタ消費の付加価値問題ですが、これはオープンソースの時代から2ちゃんねるなどのネット上でのコミュニティを経て現在もUGCサイトに見られる「嫌儲」の考えとの折り合いの付け方が重要になってくると思います。一例を挙げると「電車男」の場合、売り上げは募金にまわったとされており、それほど反発はありませんでした。その一方でavexによる「のまネコ」騒動では、2ちゃんねるを中心に様々なコミュニティにて反発運動が繰り広げられました。(作家性を持たない匿名の)みんなで作り上げたコンテンツを誰かが買い取って収益の最大化を図るということに対して抵抗があるようですが、そのコミュニティや社会全体に対して還元されるというインセンティブの設計の如何によっては上手くいくと考えています。

5.Net Election, Net politics
 有名な話ですが、Facebookの共同創業者がオバマ陣営のキャンペーンの仕掛人でした。この話にも関連しますが、どちらかというとネット政治に関するものより、ウェブマーケティングに近いものを感じました。いかにメッセージを口コミで広め、効果的に展開するか、もちろん政治的な説明責任を果たすことが最も重要であると考えますが、広めるプロセスはウェブマーケからの教訓が多いのではないでしょうか。
 また、利害関係を共有する集団が集まり、政党をつくり国政や地方の政治に乗り出すということは十分ありえると思います。またその一歩先を行ったインターネット民主党のような直接民主制の可能性について考えていっても面白いかもしれません。

【0709ゼミの感想】もう折り返し地点 pt.1【岸本】

 
 大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
 
 内容をコンパクトにまとめようとしたのですが、論文フィードバックが思いのほか長くなってしまったので、今回は2回に分けて書きます。

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 辻野さんの話を聞いて感じたのは、かつてのソニー、あるいは今のGoogleは時代の変化に対応出来る組織形態であると感じました。
 割とフラットな組織は速い意思決定のため。また、福利厚生を充実させるのは、(ICT産業の多くでは)いつでもどこでも仕事が出来る現代において、変化に素早く対応させるため。性悪説ではなく、性善説でやる、というのはP&Gの「PrincipleはあるがRuleはない」に共通するように組織のメンバーに息苦しさを与えないため。また複数の技術者である創業者が存在することで常に単一の主観でない、更に技術者の意見を汲むことの出来る経営が出来ているように感じます。
 
 興味深かったのは「ターゲットを日本で始めないこと」ということでした。確かに日本のガラパゴス化問題は、制度や市場などの外圧があったにせよ、国内市場向けに商品を開発改善することに力を入れ過ぎ、それをあまり広めようとしなかった結果、国際競争から取り残され、更にイノベーターのジレンマに陥っているという風に感じます。
 多くのインターネット企業がアメリカのシリコンバレーのベンチャー発とよく言われますが、こうしたベンチャーが単にユニバーサルなサービスや製品を提供しようと努め、またそれをサポートする仕組みがあったにすぎないと考えています。
 
 また、面白いウェブサービスに自社の商品を上げていたのが非常に印象的でした。それだけ自分の会社のものを面白いと信じ、それを生み出す組織やメンバーを信じることが出来なければ社長は勤まらないと感じます。

 お忙しい中、お越し下さってありがとうございました。

 補足ですが、誰かの質問にあった、Googleの弱点に関して少し意見があるので書きます。私見では情報の囲い込みの如何によってはGoogleは現在の地位を失うと考えています。Googleは現在収益のほとんどをその広告に頼っています。その広告は、ユーザーが情報を求めてキーワードをGoogle(や関連サービス)の検索窓に打つことで、ユーザーに適した広告が届き、広告主は広告費を提供してくれるというものです。ユーザーはGoogleを経由することで欲しい情報にたどり着けると考えるためにGoogleを利用します。
 しかし、SNSなどを考えれば分かるように、情報をあるサイト内に囲い込んでしまえば、ユーザーは情報を探すのにGoogleを用いなくなります。ユーザーがGoogleから離れると広告収入は落ちます。これが悪循環になる恐れがあります。(現在、一番情報の囲い込みで脅威となるのがFacebookであると考えています。ネットワーク効果もあり、英語圏を中心に急速に利用者を拡大しているので。)
 もちろん、こうした囲い込みを防ぐ手段はいくつかあります。代表的なものには提携してしまうことです。Twitterとの提携では、今後の脅威をなくしたいGoogleと利用者を拡大したいTwitter双方の利害関係の一致があったと考えています。
 先に例に挙げたFacebookがどこまでGoogleを脅かすものになるのかは未知数ですが、可能性としては十分にあると考えています。持久戦になるのかもしれません。(ちなみに、この質問をGoogleの社員の方にぶつけてみたところ、「情報や人を囲い込んでからお金を集めるのはアイビーリーグ系のビジネススクールのやり方。我々Googleはどっしり構えて待っている」と仰っていました。)

2010年7月12日月曜日

ホンヨミ!】0709①思考の整理学【岡本】

『思考の整理学』 外山滋比古著

まず、1986年に書かれたという本書が未だにヒットを続けているという点が興味深い。

それもそのはず、当時まだ一般レベルでは全くと言っていいほど普及していなかったパソコンが今後、社会においてどういった立ち位置となっていくかということまで言及してあり、その優れた先見性は驚嘆に値する。

自分自身も重々承知していることだが、人間の記憶力なんて所詮限りがある。対して、記憶の引き出し方は若干不器用であるけれども、パソコンには基本的にその限界がない。人間が一日かかって記憶できない文書が、パソコンではハードディスクの端っこの端っこだけで記録できる。そのフィールドでパソコンと戦って何になるのか?勝てるのか?あるいは勝つことに意味があるのか?

仮に人間の本質が優れた記憶力にあるのならそれを磨いていくのが求められる在り方なのだろうが、「そうではないでしょう」と。0から自分で考えて、0を1にできるのが人間の本質であり、機械に対する圧倒的な優位性でしょう、と。にもかかわらず、機械に担われるべき役割を無謀にも担おうとする「グライダー人間」が増え、著者はそんな現状を憂いて「自分で考えるコツ」を提示する。「思考の整理学」とは「自分で考える」ためのヒント集である。

本書の根幹をなす「創造とは何か」という問題。既存の理論AとBとCをつなぎ合わせて適当に肉付けした理論Dは果たして「創造」と呼べるのか。字面だけ見たら到底そうは呼べない理論Dのようなものが、形式として取りあえずはレポートなり学術論文なりといった体をなすことで、さも創造であるかのように扱われてきた(特に人文系の分野で)。これについては、なるほどと思う部分も多く、自分を省みたときに大変耳の痛い話でもあった。この反省を踏まえ、自分もいつか理想の「カクテル論文」(著者の造語)が作れればいいと思う。

スクラップやカード・ノート、メタ・ノートなど、自分が今までやってこなかった思考の整理「法」についても触れられていて、全てはできないにしても一つ一つは確かに有効と思うので、取り入れていけたらと思った。実際に既にいくつか取り入れたものもある。

「考える」という普遍的な行為に道しるべを示してくれる良書。

0709ゼミの感想【岡本】

【ゲストスピーカー:辻野さん】

話を聞くなかでGoogleの成功要因を色々と考えていたわけですが、その中でGoogleは不思議に昔のある諺がしっくりくる会社だなと感じました。
 
「先んずれば人を制す」
 
金先生の信条ではありませんが、「誰もやらなかったことをやる」。「誰も考え付かなかったことを実現する」。Googleの強さというのは、ある種のこういった人間の本能に、とことん忠実な経営姿勢を貫いていることにあるのかもしれません。
 
また、そのきっかけとなるアイデアを選ぶ際に「まずそのアイデアがグローバルにスケールするかを第一の基準に置いている」というのは流石だと感じました。誰もが享受しうるサービスなら、市場の一部分にこだわる必要はない。たとえある部分で失敗しても、残りの部分で巻き返せる可能性は十二分にあります。それを多くの日本企業は、日本のマーケットがスタート地点であるためにGoogle系の企業にしてみれば一部分にすぎないところでマーケティングをしては、失敗したら一大事みたいな感覚で事業展開します。国民性や風土の違いで、A国で流行らないものもB国では流行るかもしれない。C国でも流行るかもしれない。それを日本ではA国で失敗するか否かだけが全てです。それではリスクテーキングの形態としてあまりに不利。
 
こう書くといかにも「数打ちゃ当たる方式」ですが、それではGoogleの企業方針の本質を若干突いていない気もします。もちろん結果的にこういう形にはなっているし、それ自体合理的なモデルとは思います。ただ、Googleの遊び心みたいなものを本や実際の製品、そして今回のお話を通して知るにつれ、単純な合理性の追求の末にこの形に落ち着いたわけではないように思えてきました。ではそれに代わる本質とは。
 
「本当にいいサービスはあらゆる隔たりを超えて愛される」
 
これに尽きるのではないでしょうか。世界中の人に愛されるサービスを提供することは会社の成長につながり、会社の成長は個人の給料アップにつながり、個人の給料アップは会社に対する愛着につながり、会社に対する愛着は世界中の人に愛されるサービスの提供につながる。このもっとも基本的なサイクルが、星の数ほどある企業の中でも極めて効率よく循環しているのがGoogleなのではないでしょうか。だとしたら、本当に素晴らしい企業だと感じました。
 
【三田論プレゼン】 

自分のプレゼンに関してだが、アプローチの仕方、問題意識、社会的意義、「少しお考えいただければピンとくるかと思います」みたいな雑さ。全くないわけではないが明らかな不足、そういった点が多かった。だから反省します まる って書くのはもう飽きたし進歩ないのでやめます。今回は未熟なりにも改善しようと心掛けた部分について。

・タイムキープ

「よく勘違いされがちだが、短いプレゼンほど事前に準備していかないといけない。時間かけてダラダラしゃべる方がよほど簡単」

学部のある教授の言葉にハッとさせられ、今回時間だけはきっちり意識してみました。プレゼン自体は未熟さがハッキリ出る結果になったものの。いつでも準備が十分にできるわけではないが、準備できるときはしっかりしていこうと。

ただ5分でも内容ギッチリ詰まってるプレゼンを目の当たりにすると、どうにもその辺の匙加減が難しいなと思わざるを…

・箇条書きを減らす

結果的に最後の方には箇条書きが増えたが、あまり長い箇条書きは見る方がダルくなるので「できるだけ」減らすように努力した。

自分がいざそれを意識してやってみると4期生や、5期生の中にも明らかにそれを基本スタンスとしている人が見えてきて、大変参考になった。何かを意識するのとしないのとでは、人のプレゼンの見え方もかなり変わってくるらしい。

・既存の統計をそのままコピペしない

「ご覧いただきますとわかるように…」とよく言うが、よほどわかりやすい表、あるいはグラフでない限り、ハッキリ言ってわからない。ただの画像。それならいっそ思い切り分かりやすくする。

余計な部分をそぎ落とすことで焦点がハッキリする効果もあり、実際説得力が増すと感じた。項目の選び方が多少恣意的になるため「これ情報操作じゃないか?」と思われる危険はあるものの、口頭で補えばたぶん大丈夫。

プレゼンに特に意味のないアニメーションつける余裕はグラフの再編集にでも回そうと思った。


毎回のプレゼンで人から学ぶことは多い。今回もまた多かった。金ゼミで、非常にレベルの高いプレゼンを見る機会には恵まれていると思う。その中でできるだけ多くを吸収して、できるだけ多くを盗みたい。

0709 ゼミの感想 【矢野】

<辻野さんプレゼン>
私は普段googleのサービスにお世話になっていて、特にgmailのイノベーション、デザイン性が大好きなこと、また、私ののサークルで来春からgoogleに就職する先輩がいたことで少し身近に感じていたこともあり今回の講演を非常に楽しみにしていました。
辻野さんはご自分の事を「変わっている」とおっしゃっていましたが、お話を聞くところによると、自分の信念を強く持ち、自分の責任はきちんと自分で果たすという素敵なこだわりがある方なんだと思いました。また、googleという企業は辻野さんもおっしゃっていましたが、会社自体の宣伝も比較的少なく「顔」の見えない企業という気がして、またopt out方式を採用するような所からも「100%合理主義でクール」というイメージが私の中であったのですが、そうではない事を知りました。性善説を取ってヒエラルキーのないフラットな人間関係を作りつつ経営をしていることや、「イノベーションは普及させねば意味がない」という理念の下多少強引に普及させ後から問題に丁寧に対応するようにしていることなどです。また、年に2回のエンジニアとセールスの部門の交流機会を設けるなど、サービスだけでなく社内もイノベーションに溢れているのだと感じました。googleに就職できたらいいなと思ってしまうような講演でした。
誕生日のお祝いも喜んでいただけて良かったです!


<三田祭論文テーマ>
プレゼンでもあった通り、まだ自分の興味を絞りきれていなかったので皆のプレゼンを聞いて参考になる部分が多かったです。特に「テーマが絞りきれている」ことは前提で、その問題意識の所在が明らかだったり方法論まで提示できている人はすごいというか、うらやましいと思いました。来年に向けて私も問題意識を持って過ごしたいです。ただ、金先生に意見を求められてきちんと言葉にならなかったのですが、それぞれのテーマの結論、つまり落ち着くところが分からなくて希望のチームを決めかねていたところがありました。論文というのは、行きつく結論をあらかじめぼんやりと決めておくものなのかそうでないのかがよくわかりません。金ゼミの求めているものの一つに、「世界でまだ誰も答えを出していないもの」という項目があったと思うのでそれに倣えば、結論は全く未知にすべきかなとも思いますが、ぼんやりとでも行きつくところを決めておかないと途中でテーマの妥当性も決まらない・・・?そもそも「世界でまだ誰も答えを出していないもの」ってどこまで・・・?というのが疑問でした。
今回いくつか選択肢を提示されて選ぶことで自分の興味がどういう方向に向いているのかも少しわかってよかったです。
論文、頑張りたいと思います。

100709ゼミの感想【吉田】

【辻野ゼミ】
「自分の能力を社会に還元する」。この言葉が今回の辻野さんのお話の中でも最も印象的な言葉でした。自分がやっていることの意味を見だせなくなって時には、この言葉を思い出して自分の行動を考えていきたいと思いました。
辻野さんのお話の中で以下のポイントが特に心に残りました。

・個人としても、国家としても世界と戦っていくためにコミュニケーション力が必要
→世界で競争していくためには好き嫌いに関わらず、自己主張できる力が必要だと改めて感じ考えさせられた。議論できる英語力を目指して頑張っていきたい。

・フラットな組織の方がネットワーク社会で優位に立てる
→これは猪子さんのお話にも通じるものであると感じた。ピラミッド型の組織が大量生産を追求する工業化社会の企業に最適な組織だとすれば、フラットな組織がクリエイティブさと付加価値を求める脱工業化社会に最適な組織だと感じた。

・どんな素晴らしいアイデアやテクノロジーがあっても、広く普及しなければイノベーションとは言えない。
→グレーゾンであっても誰かがリスクを取ってチャレンジしていく必要があると感じた。逆にいえば、ナップスターがネット社会の発展に大きなインパクトを与えたように、例え挑戦が失敗であってもそれは無駄ではなく、非常に価値のあるものだと思う。

・インターネットはカオスであり、Googleはそれを受け入れる企業である。
→Googleと成功の秘訣がここにあるように感じた。いわゆる日本の大企業が主導したITプロジェクトがことごとくは失敗した原因はカオスに対する意識にあるのではないかと考えた。

この他にもソニーとGoogleの共通点など興味深いお話をいろいろ聞かせていただき、新しい発見が多くありました。お忙しい中、来ゼミいただきありがとうございました。


【三田論】
三田論発表をみて、金ゼミは「自分の能力を社会に還元する」(辻野の言葉をお借りします)ことを目指したゼミだと改めて実感しました。日本の大学(特に文系)では、実用的なものよりも「アカデミック」なもの(=抽象的なもの)を研究している方が偉いという雰囲気があると常々感じていた。もちろん抽象的な研究も大切ではあるが、それによって優劣がつくのには違和感ありました。その意味で今回の三田論テーマ発表では、田島先輩が「暗い結論ではなく、建設的な結論にしたい。」と仰っていたことに代表されるように、社会への還元を目指したゼミであることを再確認しました。
今回は自分が考えたテーマも選ばれたということで、ぜひ社会に価値を還元させられるようないい三田論を目指していきたいと感じました。

100709ゼミの感想【村山】

私用で前半を欠席させて頂きました。申し訳ありません。

【三田論プレゼン】

去年の自分達を考えると、5期は非常に恵まれているなといった印象だった。もちろん、去年もチームに別れてからは学年に関係なくテーマ決めについて色々と議論できた。しかし、僕らだけでなく先輩方もプレゼンの機会はなかったと思う。だからこそ、5期生にはバンナム然り、こういうチャンスを掴む気概を持ってゼミに臨んでくれればなと思います。実際、個人的に面白いプレゼンもいくつかありましたし。

自分自身について考えると、【ソーシャルアプリ×マーケティング】ということで、これまで1ヶ月強ずっと考え続けてきた分野なので、それ以上のアウトプットが達成できればなと思っている。新たなメンバーとのコラボでそれは十分に可能だとも思っている。どのように進めていくか、メンバー間でコンセンサスを取りながら、情報共有を怠ることなく相談して決めていきたい。

また、かこいが【一番の論文を作る】と言っていたのが印象的だった。その位の気概が必要な作業だということは去年の経験から分かっているので、自分も負ける訳にはいかない、そう思わされました。

とりあえず、前期おつかれさまでした。この夏をどう使うかは自分次第。ども、この夏で大きく差は開く。それは常に肝に銘じておくように。僕が言われたコトバです。一日一日を無駄にすることなく、毎日を楽しもうと思います!

2010年7月11日日曜日

前期しめの日

今日は参議院選選挙投票日。
今もテレビでひっきりなしに当選速報が流れています。
今日は人生初の投票に行ってきました。
自分が入れたのは一票でも、その積み重ねが、テレビの向こうの当選落選につながり、毎日の生活と日本の未来に影響を与える政治につながっていくんだ、と思うと、投票用紙の重みを感じました。
”一票の格差”や”投票の自由”などと暗記していたことが、はじめて実感がわいた瞬間でした。

金ゼミでは前期、多くのゲストに来ていただきました。
私が今日選挙で感じたことは、先週の田村さんのお話を聞いて、政治について考えたからというのも少なからずあると思います。
いろんなゲストが来て、生の声を聞いて、聞く前やもしかしたら聞いた後もあまり興味がわかない分野だった人もいるかもしれません。
でも、一度生の声に触れたことは、今度同じような内容を目にしたとき、あ!と気にとめるはずです。今までスルーしたことをスルーしなくなること。それだけでも、すごく大きな違いだと私は思います。
そうやって少しずついろんな場所に自分が”目にとめる範囲”のポイントをつけておくことで、ふとした瞬間にポイント同士が繋がって線になったりしてだんだん構造的な思考に繋がっていくんじゃないかなと思います。

前置きが長くなりました・・・

<辻野晃一郎さん>
お誕生日おめでとうございました!!

辻野さんは言葉に無駄がなく、話の展開がわかりやすかったです。
Googleという企業に特化したお話ではなく、60年前、敗戦から立ち上がった日本のSONYやHONDAといった企業が、今のAppleやGoogleに少なからず影響を与えているという話が印象的でした。

”今のものを考えるときに、それまでの流れや過去の歴史を振り返ること”。

私はすぐに忘れてしまいがちな視点ですが、いろんなゲストを見ていて、時間軸を思考に組み込んでいることは共通点かな、と思いました。

まっすぐな信念を持って、常に先を見て行動されている、働く人の一面と、深い愛情を持って教育されているお父さんとしての一面と、両方とも素敵な方だと思いました。

<質問・三田論について>
四期を代表して村山くんからのメッセージ。去年そんなことあったなぁと四期にとっては懐かしく、聞いていました。一年間で変わるところは変わります。でも、根本的な個人の違いはそのまま残っていたりします。一年目はお互いを知ることで精いっぱいだけど、二年目はお互いのそんな違いを感じながらのゼミだなぁと思いました。
三田論のテーマを一生懸命一週間で考えてくれた5期生、ぜひ来年またテーマを絞って、そのメンバーで、ぶつかったり笑ったりしながら頑張って欲しいなと思います。

最後に5期生からの一言が聞けたのが良かったです。吉田君が、コンテンツの中に「金ゼミで良かった」
と思えるものがあったと言っていたのが、聞いていてすごく嬉しく思いました。毎週ゼミの時間に何をしようか思考錯誤で進んでいたので。

バンナム、三田論、期末テストと盛りだくさんですが、頑張りましょう!!

【0709ゼミの感想】google【長澤】

今回のゼミも途中で早退してしまい、すみませんでした。


【ゲストスピーカー:辻野さん】

貴重なお時間を割いて素晴らしいお話をして下さって、ありがとうございました。
今回のして頂いたお話の中で一番印象に残っているのは、日本の企業とアメリカの企業の違いです。
日本の企業は世代を超えた企業が多いため、創設者のカリスマ性が次第に失われてしまって、経営者の顔が見えにくくなるというのは本当にその通りだなと思いました。
そして、グーグルのフラットな感じが日本の企業にはないもので、とても仕事がしやすい環境が整っているなと感じました。
また、偉くなるということを目的にするのではなく、会社の中で影響力のある地位に就くこと、そのためには、自分が持っている夢に対するロマンや自分の力をアピールするためのコミュニケーション能力が必要である、というお話でしたが、今の自分にはどちらも欠けているので、私ももっと自分のやりたいことを明確にし、コミュニケーション能力をつけていく必要があると感じました。
辻野さんの強みは「普通の人と同じように考えない、少し変わっている点」とのことでしたが、これからグローバル化していく社会の中では、周りと同じことをするだけではなく、独自の考えを持った個性の強い人が生き残っていくような気がします。
人とは違った考えを持つためにも、もっと知識をつけなければいけないと思いました。

0709ゼミの感想【大賀】

 大賀です!皆さん、まずは前期のゼミ活動お疲れ様でした^^*そして、私的な事情により、休みがちになってしまって申し訳ありませんでした。この場をお借りしまして、深くお詫び申し上げます。来学期からは3期生としての責任をしっかり果たしつつ、ゼミ活動にコミットしていきたいと考えていますので、どうかよろしくお願いします。
 2010年度の金ゼミは、昨年度とはまた違った雰囲気で、新しい仲間たちにも恵まれ、ますますCreativeな環境になったのではないかと思っています。勿論、まだまだこれから!という部分も数多くありますが、可能性がゼロなわけではありません。努力を惜しまずに、皆で成長していきましょうね♪

***

●ゲストスピーカー辻野さんのお話
 お忙しい中お越しくださり、本当にありがとうございました!「あのGoogleの日本法人元社長って一体どんな人なんだろう…?!」と内心ドキドキ状態でしたが、実際に辻野さんにお会いすることで、学生のことを真摯に考えてくださる素敵な方だということがわかり本当に嬉しかったです。息子さんであるしょうた君も、わざわざゼミに来てくれて、ありがとうございました。辻野さんの「良いお父さん」ぶりを目の当たりにし、純粋に感動しました。
 個人的な話で恐縮ですが、私は組織運営に興味があります。組織の中で、どのように人を育てていくのか。Googleという「極端に自由」な雰囲気を持つ組織が、いかにして社員のモチベーションを高め、そのアイディアを最大限活かしながら、急成長を遂げていったのか。その答えの一端を見出すために、辻野さんには、社長時代の組織運営の仕方・人の育て方についての質問をさせて頂きました。「リーダーとは、高飛車で高圧的な人間であるのではなく、下の人々と対等な立場に立ったうえでコミュニケ―ションをする人間のことだ」―辻野さんからはこのようなお言葉を頂戴することができました。
 私は昨年度、金ゼミの副代表として、組織運営に携わりました。「ゼミ」という小さな組織であっても、その構成員すべてをまとめあげるというのは本当に難しく、辛い道のりでした。来年からは、更に大きな組織である企業の成長に尽くしていくこととなります。きっと、ゼミ運営などとは比べ物にならないほどの困難が待ち受けていると思います。それでも、辻野さんがおっしゃっていたような、「常に他者の視点に立って考える」人間であろうと努力すれば、いずれ道は開けるのではないかと思いました。素敵なお言葉を、ありがとうございました。

●三田論発表
 まずはプレゼンテーション、お疲れ様でした^^*5期生・4期生の方々の興味分野、問題意識を知ることができてすごく面白かったです。どれも素晴らしい案だったと考えています。今後も、その問題意識を忘れずにいれば、いずれ本気で研究できる日が来るに違いありません!どうか、自分の意思を貫いてください♪
 今年はどんなものができあがるのでしょうか?今からワクワクです。

***

 それではみなさん、良い夏をお過ごしくださいませ!

【栫井】0709前期ラストゼミの感想

辻野さんのお話と三田論のテーマプレゼン。2つが繋がることが多かったです。

まず、常に目的を意識することの大切さのお話。
何をやりたいか? - おもしろい!と思うものは世の中多い。やりたい!と思うことも多い。でも、何でやりたいのか?をきちんと追求することが大事。
何でやりたいのか、という部分が問題意識として行動を支え、ぶれない自分を形作ってくれる。
昨年度の経験から、今年はやりたいテーマを先行させ、問題意識をしっかり持った上で走り通すことを目標にしています。

コミュニケーション力のお話も印象的でした。
自分がやりたいことを相手に伝え、周囲にサポートしてもらえるように動かす力。自分のヴィジョンを相手に売り込む力がコミュニケーション力だと辻野さんは仰っていました。
それでいくと、私は今回それがかなり不足していたな、と猛省です。
なまじリアルとウェブの融合に関してはずっと興味を持ってやってきていた分、相手の知識を前提としてしまった部分が多かったように思います。
自分の興味をわかりやすい言葉に落として伝える力を持たないと、実現には持っていくことが出来ないのだなあ、と感じました。


三田論のプレゼンについて。
大枠の問題意識を設定する際、それらは3年後どうなっているか?ということを考えられると良いのかな、と思いました。
例えばTwitter。どんどん様変わりして面白い事例もずいぶん増えているけれど、3年後も今のように(果たして今どうなのか?はさておき)先駆者、あるいは立役者たりえるでしょうか?
今Twitterを分析すると、3年後、その文章はどう扱われるのか?どんな切り口でどこに繋げれば、価値あるものとして重宝されるのか?考えてみると良いのかもです。

NCが点の知識だとしたら、三田論はそれらを体系化した線の知識・面の知識になります。
点を繋ぎ合わせるものは、分析と考察です。
普段のNCよりも一層、どこが大切なのか、どのように分析していけば良いのか、考える力が求められます。
点の段階では、もしかしたら何が一番重要なのかわからず、自分のやっていることの大枠が見えないかもしれません。でも、がむしゃらに自分のやっていることを信じて走って、点をつなぐものが見えると一気におもしろくなります!去年の私の班がそうでした。

今年は私は5期生とやれないことになりましたので、去年の経験を基にアドバイスをすると、

◎わからないこと、曖昧なことは必ず確認する!
特にカタカナ語や見慣れない漢字は、喋っている側も定義を曖昧なまま話しがちで、意味が曖昧なまま聞き慣れて自分も使い始めてしまうのが一番怖いことです。ただ、そのような言葉は理解できるととても便利だし、知識が深まること間違いなしです!
班内共通の見解を持っていると、議論も深まります。
議論してて、納得出来なかったところも、確認しないと後々本当に困ります。同時に誰かが納得出来てなかったら確認してあげられる人になれるとすてきです!
・テーマに愛着を持つ!
・先輩(リーダー)から全部吸収してやる気概で参加する!
私の知る限り、4期生はみんな今までのゼミ内外の活動を通して、それぞれの方向に知識や見識を蓄えてきてる人たちです。情報の集め方・分析の仕方・便利ツール・オススメの本など、1年金ゼミをやってきて得たものがたくさんあるはずです。
自分が今持っているもの+先輩が持っているものを合わせたら、かなり強くなれると思います。
・チームメンバーを信頼する!同時に、チームメンバーに信頼される自分になる!
タスクを人一倍やってくる人は、チームの頼れる柱になるはずです。

三田論は、自分を伸ばす絶好の機会になると思います。
終わったとき、「私、すっごく成長した!!」と自信を持って言えるように、ベストを尽くしてくださいね!

自分自身の今年の目標としては、おそらく水準が私の能力を越えて高いので、付いていくだけではなくて一矢報いるフォロワーになること・他班への適切なフィードバックを出来るゼミ生になること、を設定したいと思います。

2010年7月10日土曜日

0709ゼミ[矢部]

今日で前期のゼミが終了した。ゼミというものを初めて経験して、手探りながらの活動で金ゼミでの水準に追いつくことに精一杯になることが多かったですが、この経験はこれから確実に生きてくるものだと今思えるので、出来不出来は別として僕にはプラスになる前期のゼミだったのだ思います。後期は、三田論を中心に動くこともあるということもあり、とにかく積極果敢に主体性をもってやっていくことが個人でも金ゼミでも問われると思うので、前期のメディアコムを通して僕が感じたalways thinkingの気持ちで頑張っていきたいと思う。

今回はゼミにゲストスピーカーとして、google日本法人社長の辻野さんのお話を聞いた。googleのフラットなコミュニケーションは正に、googleのようなクリエイティブな会社特有のものだと思った。社長、上司から一般の社員まで、セールスとエンジニア部門と全ての社員が同じ目線、立場、フィールドで議論をしたり、くだらない話をしたりなどとても良い人間関係である。このようにいつでもideaを考えられる環境を重視しているのだと思った。毎回、張りつめた空気で考えていてもダメだという事だ。日本人は他人の失敗をかばい、他人の成功を喜ぶ気質があるという。しかしアメリカ人はこの逆なのだという。これは辻野さんも仰っていたが、わざわざそのようなことは日本人が真似する必要はないと思う。いくらアメリカ風に生きた方が良いような空気が漂う感じがするが、日本人には日本人の空気や美徳があるわけなのだから、何から何までいわゆる外国かぶれになる必要はないと思う。googleのような世界企業で働く辻野さんもそのようなことを思っていて何だか共感できた。

三田論テーマを決めるプレゼンは4期生はすばらしいと思った。やはり、かこいさんのように4月からどうしてもやりたいとテーマを温めている先輩の熱意とその気持ちに裏付けられる日々の問題意識を持って考えながら取り組む姿勢はすばらしいものだと思った。先輩方はそのテーマの現状を説明し、分析しながら課題や問題点を洗い出して、それの社会的に2.3年後もしくはそれ以降の未来に価値のある新しさを持つ意義や目的を提示していたのが僕たちとの違いかなとも思った。前期プレゼンを金ゼミでたくさんやることができて、今までではなかった刺激を感じる事が出来て、プラスになることがある反面、たくさんやっていくと逆に深く見えてきてしまう事もあり本質的には難しいものであるプレゼンを向上させたいという気持ちが出てきて、毎回やる度に猛省させられる。とにかくこのようなことはどんどん次に次に生かしていこうという気持ちでやっていきたいと思う。三田論のテーマは後期の多くの時間を割くと思うので、自分の好きなテーマをやりたかったですが、僕の入ることができた田島さんのテーマはとても興味深く、本当に追究して研究したいと思えるものなので、最高の論文を目指すために精進していきたい所存である。

0709 ゼミの感想【黄】

ゲストスピーカー:辻野さん
素敵なパパでありながらも、ピリッとした厳しさもあわせ持ってらっしゃった辻野さん。
Googleならではの裏話や、スタイル、失敗談などのお話は、さすが世界のGoogleだな、と思わされる内容ばかりだった。
・イノベーションを何より大切にする文化。
・スピーディーなアクションの重要性。
・肩書きを取り払ったフラットな人間関係。
理想論みたいで、これが全て実現している企業なんてあるのか、と思う反面、それをやってのけたのがGoogleなんだ、と思った。
また同時に、自分自身に対しても色々なチャレンジが新たにできた。
・自分自身が何をやりたいのか、具体的にヴィジョンを持つ事
・コミュニケーション能力の必要性→自分の意志を周囲に理解してもらう力、人々を動かす力
・考える力
どう実現させるのか、まだ試行錯誤の途中だが、金ゼミの醍醐味は先に人生の道を進んだ方達のお話を聞く事で、目に見える目標と接する機会がある事だと思う。
今回の機会も今後よく噛み砕いて、自分のステップアップに結びつけていきたい。

三田論
自分の調べたい事はメディアとデザイン、あるいはメディアとアートに関する事なのだが、なかなかその先がうまくまとめられず、苦心た。
今後、これからを見据えてもっと考えを詰めていこうと思う。
それから、まだなおせていない自分の悪い癖。
気を抜くとすぐ早口に・・・。今回は内容がまとまらないままプレゼンをした為、そっちを気にしすぎてしまい気がついた時には早口に・・・。
はやく直さなければ!

ということで春学期お疲れさまでした^^
三期生、四期生の先輩の皆さん!暖かいアドバイス、優しい気遣いに本当に感謝しています。
本当にいい先輩方に恵まれたと思います。
これからも迷惑かけると思いますが、愛想つかさずに、よろしくお願いしますね。

【0709ゼミの感想】フラット【戸高】

 2010年度の春学期のゼミが終わりました。速かったなー、あっけなく終わったなという印象でした。去年はゼミ後に飲み会とかあったのになーとか岸本と言い合ってました笑

【辻野さん】
 去年の金ゼミでよく耳にしていた言葉「フラット」が印象的でした。Googleと初期SONYの共通点は「フラットな組織である」ということでした。
 フラットな組織のいい点は、辻野さんもおっしゃっていた様に「意思決定のスピードが速い」ということが一つにあるでしょう。
 ネット社会になって処理しなければならない情報量は莫大に増え、その処理を上からの連絡を待ちながら進めていれば、次から次へと対処しなければならない案件が入ってきて間に合わない。この意味でもフラットという概念は重要だと言うことができるだろう。
 
 また、Google流(辻野さん流)のイノベーションの概念も興味深かったです。

innovation=good idea or technology + wide spreading

 P&GのA.Gラフリーは、イノベーションをお金を稼ぐことができないと意味がないと言っていましたが、広く普及するということも、多くの人に知れ渡り、それでお金を稼ぐということでしょう。
 以前、民主党議員の田村さんが「奇抜なファッションをしているのは、まず注目されないと意味がない。注目されないと、その人がいくらいいことを言っていても世間に評価されない。」と言っていたことが頭に蘇りました。
 いい意味でも悪い意味でもまずは目立たないと意味がない。目立って、それが悪いことでも真摯に対応し、問題を改善していけばそれはいつか評価される。
 まずは出る杭たらねばだめなんだと強く実感しました。

【三田論】
 3分で自分の問題意識を伝えるのはすごく難しいことなんだなと、聞いていても実感しました。個人的に短いプレゼンの時に気をつけなければいけないなと感じた点をあげておきます。

・誰が聞いてもわかりやすい言葉で伝える(言葉の定義はしっかりと)
 知識の格差は絶対にあるのでここは常に意識せねばならんのではないかと。

・1番言いたいことはなんなのかをはっきり
 スライドでの工夫もそうですが、行間ならぬスライド間で、それを口頭で伝える技術が重要なのかもしれません。
 今回、テーマ内容は複雑でわかりにくかった人が多かったとは思いますが、竹内君はそういうスライド間での伝え方が上手いなと思いました。

・どれだけ高い問題意識をもっているのか
 「なぜそれをやる意義があるのか」という言葉に変えてもいいかもしれませんが、ここも重要です、データや現状の問題等、ファクトをしっかり持ってきて、自分の問題意識はこうあり、それをこう改善していきたいという意志がいかに現れているか。
 ここは村山君のがよかったです。データももちろんですが、AmazonやGoogleでの検索でもなく、自分達がその道のパイオニアになってやるんだという意志が見えました。

これから三田論が始まってもテーマは多少右往左往するとは思いますが、皆さんこの経験は意外と大きなものになるので頑張っていきましょう。

【ホンヨミ!0709②】次に来るメディアは何か【長澤】

『次に来るメディアは何か』 河内 孝(ちくま新書)

 次に来るメディアは何か。今までに存在したメディアを考えてみると、新聞・ラジオ・テレビ・インターネット等が挙げられる。次に来るメディアを考えるにあたって、先にこれから衰退してしまうのではないかと思われるメディアを考えてみた。私の頭に真っ先に浮かんできたのは新聞だった。ラジオは既に衰退してしまったように思えたし、テレビは地上デジタル化することも考慮して、まだ存続していくように思えたからだ。また、インターネットについても、まだ世間に普及したばかりであり、まだまだ発展途中だと思った。
 新聞の衰退を考える上で、まず本著で挙げられているのが、アメリカの新聞社の例である。新聞の廃刊、若しくは電子版への移行が進行しているという。そして、新聞の衰退は新聞業界に大きな影響を与えるだけでなく、ジャーナリストや印刷業者・輸送業者のような多くの人々が職を失ってしまうという状況まで引き起こし、アメリカの雇用の問題にまで発展してしまった。新聞の廃刊が雇用の問題まで発展するとは思ってもみなかった。そして、新聞を廃刊に追い込んでいるのが広告収入の減少であるという。不況の影響も受けているのだが、何より新聞の広告収入が減少する原因となっているのが、インターネットサイトへの広告掲載の増加である。確かにどこのホームページを見ても、ページの上段や左右に広告が掲載されている。
 また、本著にはアメリカのジャーナリズムについて数人の関係者のコメントが掲載されているが、私はアリアナ・ハフィントンの「私たちが今日、ここで議論すべきは、どうやって(既存の)新聞社を救うかではなくて、どうやって多様なジャーナリズムを助長し強化するのか、ということであるべきです。」という指摘がもっともだと思った。いくら既存の新聞社を救ったところで、大手新聞社が中小新聞社を傘下に入れている以上、その系列の社風は変わらない。それを救うということは、同じような思想の新聞ばかりが世に出回ってしまうということになるのではないか、と私は思う。
 最後に、現在衰退の一途をたどる新聞に比べ、本著で考えられている「“次に来る”メディア産業図」を考えてみる。その中でメディアと通信・ITの連携状況の図は、先に述べたように衰退の一途をたどっている新聞社が単独での存続は厳しいということも考慮し、それゆえ、どこかの会社が市場を独占するのではなく、テレビ会社や出版社・通信会社との連携によって皆で生き残ろうという形がとても興味深かった。また、ジャニーズ事務所・エイベックス・吉本興業連合などによるコンテンツ制作と番組販売のメディア・グループ「JAY」も斬新で、実現したら面白いのではないかと思った。
 近いうちにやって来るであろう「次に来るメディア」は目新しいものではなく、今日存在しているメディアの集合体なのだろうと思う。

0709ゼミ感想【斎藤】

辻野さんが語って下さった、グーグルが世界中の情報を管理するビジョン、それを支える企業理念、それに対する辻野さんの見解を前期最後のゼミに聞く事ができたのは、とても有意義でした。前期は電子書籍、著作権もテーマとして扱いました。弁護士の福井さんにもお越しいただき著作権問題について学ぶ機会があったり、自分達でNCをする中で常に出てきたのがgoogleの名前でした。googleのビジョンは壮大なものであり世界中にイノベーションを起こしてきましたが、その際に様々な既得権者と衝突したのも事実です。googleはオプトアウト方式で権利者の主張に耳を傾ける努力をしていますが、それでも圧倒的な規模を持つ企業なだけに問題を解決するのは簡単ではありません。ここで大事になるのは、物事には陽と陰の二面があり、どちらかだけでなく両方に目を向けなければならないという辻野さんの言葉ではないでしょうか。これは当たり前のことに聞こえますが、実践するのは難しいことです。誰しも、自分が関わる問題においては陽ばかり見てしまい、陰からは目を背けがちなものだからです。陰陽両面を謙虚に受け止めることで他者との利害関係上の摩擦を少しでも軽減するのだと思います。その上で陽を伸ばしていく事が成功の秘訣なのではないでしょうか。

実社会では異なる利益を追求する者同士が、自分の信念に基づいて様々な主張をしています。例えば著作物の権利者がする主張と、googleの辻野さんがするものは対立するかもしれません。しかし、それこそが社会なのだと前期を通じて肌で感じました。どれが絶対的に正しいと言うことができないからこそ、それぞれが自分の仕事によって社会が良くなっていくと信じて行動するのだと思います。そのときに物事の陽と陰に対して冷静に目を向けることが必要なのだと思います。これまでのNCやゲストスピーカーの話を参考にして、また自分が法学部の学生である事からもgoogleのある意味で強引なビジネススタイルに対して若干否定的な立場でしたが、そういった一方的な見解だけでなく学生のうちは様々な側面に目を向ける必要があるのだと学びました。googleが起こすイノベーションは社会全体にとって価値があり、それを阻害するばかりでは駄目だからです。学生の間は色んな事を吸収し、社会に出てからは意見の対立する相手に対して自分の信念を曲げずに伝えられる人間になりたいと思います。

また、辻野さんの肩書きにこだわらない生き方にはとても共感しました。肩書きとは他者に対して自分の代わりに何かを語ってくれるものです。それを捨てたとき、何ができるか。この一点が人生の価値なのだろうなと感じました。

三田論に関して決定されたものは、主に四期生ものが多かったです。考えてみると、テーマはそれぞれが普段から問題意識を持っていたものが多いことに気づきました。四期の先輩が三田論を意識しながらこれまでの日々を過ごしてきたのだろうなと感じました。少し早い気はしますが、僕自身の問題意識を来年のテーマ決めに向けて温めていこうと思います。金ゼミでは毎回扱うテーマがガラリと変わる事が多いですが、一貫して何かに対する問題意識の視点を持つべきだと思いました。前期はかなり受動的に毎回のゼミをこなす事で一杯になってしまいましたが、後期ではそういった自分なりの視点を意識していきたいと思います。

また、選ばれた六個のテーマに共通するのは社会にとって新しい価値を生み出す事ができるかどうかの点に着目していた事です。自分の案ではありませんが、ゼミの一員として活動する以上どのテーマに関わることになっても主体的に参加したいと思いました。そういった点から、参加テーマを考える時間が欲しいという発言をしたのですが、それに配慮していただけると金先生に言っていただけた事は僕の意思を尊重していただいていると感じました。しかし、その中でも「決められた時間、理解の中で決断をしなければならない事がある」という先生の言葉はまさにその通りだと感じました。要は何を扱うかではなく、与えられたテーマをどれだけ深められるかだと思います。と、キレイ事をいっていますが、論文作成は大変な試練になると思うので泥臭くぶつかっていきたいと思います。

0709ゼミの感想【高橋】

<Guest speaker: 辻野晃一郎氏>
組織リーダーを務めたことがある方からお聞きすることができたリアルなお話は大変興味深いものでした。個人的に以前、TVでGoogle社の社内見学と称して潜入していた番組をみたことがありまして、その「自由すぎる」雰囲気でイキイキと働く人たちが集う場でまとめ役である立場だった辻野さんとは一体どんな人物なのか気になっていました。
とにかく人と違った考えを持つ方であること。そして、肩書きや変なプライドに固執しない方である印象を受けました。
トップに立つリーダーがみんなと同じ目線でコミュニケーションできることはすごいことだと思います。組織のトップに立った人間は優越感を抱いてどうしても他の人たちを下に位置付けてしまうものだと思うのですが、同じ目線でflatな関係を築くことで社内を自由な雰囲気にし、innovationに繋げていく手法はすごいと思いました。組織の発展のためには競争し合うことも重要であり、何よりinnovationは広く普及されていなければならない。先を見ることを意識することで、これから自分は何をすべきなのかがみえてくるのかなと思うことができました。
日本以外のmarketを視野にいれて世界をtargetにする。どの業界でもいえることで、改めて語学の重要性を実感しました。

大変貴重なお話ありがとうございました。

<三田論プレゼン>
選ばれたテーマを見渡したとき、What?/Why?/How?がしっかり盛り込まれている点で選ばれなかった論文テーマと差がついたように思います。私の場合は特に方法論が抜けていたのと、トピックが限定的すぎて、やろうと思えば短期間に一人でもできる内容だったのではないかと今となって思っています。
少人数とはいえグループでやるという点は非常に重要で、その分少し広くあらゆるものを俯瞰できるトピックで深くまで新たな考えを追求できるものであること。それは三田論テーマ選びで重要となるポイントだと思います。三田祭で論文発表できることを目指して全力で頑張りたいです。

無知は無知でも無知なりに、まずは発言することから自分改革をおこしたいと思います。

2010年7月9日金曜日

0709感想

いつも最初にブログアップすることで有名な竹内です。
今後ともよろしくおねがいします。

辻野さんプレゼン
ゼミ生の質問にひとつひとつ長い時間をかけて答えてくださり、ありがとうございました。
多くの実りある話の中でも特に印象に残ったのは、起業するなら世界をマーケットに考えろというお話でした。素晴らしいアイデアがあっても、実現しなくては意味がない。実現しても浸透しなくては意味がない。納得です。一方で、世界レベルで浸透するようなサービスはなかなか出てこない。ならば、ターゲットを区切って、世界中のあるセグメントの人々に訴求できるようなサービスづくりから考えていくべきかなとも思いました。


三田論
どのテーマも面白そうでしたね。ちょっと5期生はいきなり三田論テーマ決めのプレゼンはかわいそうかなとも思いましたが、5期生の興味範囲を知ることができてよかったです。バンナムがないので、その分三田論でがんばれたらなと思います。

【ホンヨミ!0709】社会科教育の世界―歴史・理論・実践【田島】

「社会科教育の世界―歴史・理論・実践」森茂岳雄


社会科教育法の考え方は「知識の獲得」と「知識の獲得の仕方を教える」との間を常に揺らいできたとあったが、私個人の考えでは「知識の獲得の仕方を教える」教育法をより支持している。
社会科教育の目的を「既にある事実を前提条件として自分の行動を選択する、考える現代社会人を育成すること」と捉えているためだ。私たちは社会において常に選択を求められている。米軍基地をこれから沖縄で受け入れ続けるか否か?国家財政のために消費税を上げるか否か?現代社会の問題と対峙するとき、「知識を知っているか、暗記しているか。」は本質ではない。「過去の歴史、体系化された理論など、知識をもとにいかに最適と考えられる選択を自ら構築するか」が社会において重要である。そのために、学校教育の段階から、知識を教え込むだけでなく、知識の使い方を知る経験を積ませるべきだと考える。先日アップした『畑村式「わかる」技術』のなかでは、教師は生徒に対し「種(知識)の使い方」を教えてあげるべきだが、完成図としての結論は教えず、生徒自身に構築させることを目指すべきだとしている。完成された知識のみを教える教育の方が確かに効率的であり、より多くのことを教えることができるが、生徒から考える機会を奪ってしまう。しかしもちろん、生徒がしっかりと自分の考えを構築できるように、教師の細かいフォローは必要となってくるだろう。
また、生徒自らに考えさせる教育は、「知識の獲得」の観点からも意味があるのではないだろうか。周りの友人に聞くと、受験時に詰め込んだ世界史や日本史の知識はほとんど忘れてしまったと言う。確かに「知識の獲得」を重要視した教育は、たくさんの知識を生徒に詰め込むことができるが、もしその記憶が短期的であるとしたら、それは本質的に「知識の獲得」と言えるのだろうか?反対に、私が2年時に選択していたスペイン語の授業では、「スペイン内戦をテーマに興味のあることに対し自由にレポートを書きなさい」という課題が出たが、レポートを書く過程で習得した知識は、過去受験で詰め込んだ知識よりも遥かに印象に残っていて、どんな状況でもすぐ思い出すことができる。畑村によれば、人間の脳神経には「髄鞘化」という現象があり、過去その事柄について徹底的に思考した経験がある知識は思い出すのが早く、忘れにくいという。つまり、生徒の一生において通用する知識を獲得させるためには、思考させることが重要なのである。
「知識の獲得の仕方を教える」教育をするためには、ただレポート課題を出せばいいということはない。生徒ひとりひとりが興味を持ち、自ら思考しなければ効果がなく、いかにそういう気持ちに持っていかせるかが、教師の力量として求められるのだろう。

【ホンヨミ!】0709②ユニクロ思考術【斎藤】


本書はユニクロに関わる様々な人の経験、感性、価値観に焦点を当て、彼らのユニクロへでの仕事が書かれている。まず、驚かされるのは、各人のスタイルがまるで自由で、会社のルールに縛られていないと言う事だ。どの会社でもそうだが、何かの事業を始めるときには、必ず重要な決定を行わなければならない人物がいる。ユニクロでは、その人物のアイディア、分析が戦略に色濃く反映されていると感じた。


ユニクロと言えば価格の安さ、品質の良さが最大の特徴だと思うが、それだけではブランド力の確立はには不十分だ。あくまでお客様目線で商品を売ってこそ消費者に支持されるのだろう。このお客様目線というものを売る側の人間が身につけるのは簡単なようで難しい。「私たちはこんなに良い商品を作っているのに何故売れないのか?」と思いがちだからだ。しかし、それでは売れない事の責任を消費者に転嫁しているだけになってしまう。どうして売れないのかを、どうすれば売れるのかに思考転換する事が重要だ。そうならない為にも、特定の販売スタイルにとらわれない事が必要になる。実際、ユニクロが上海、ロンドン、パリに進出したときも日本での販売スタイルにとらわれず、現地のお客様の価値観、生活様式などを最大限に考慮し、その中で自らのブランドを売り込んだからこそ成功をおさめたと言える。近年の企業の方針同様に、ユニクロも海外市場を開拓しようとしている。その際に、日本で培ったスタイルであえて勝負する事と、その地域に合わせて適応することを上手く両立させる感覚を持たねばならないと思った。


だからといって、ユニクロに一貫した理念がない訳ではない。デザイナー、広報などの社員レベルでみてもそれは顕著だ。各自が美術、経営、マーケティングの分野でプロ意識が強く、それを発揮できる場としてユニクロを選んでいる。会社のやり方に会わせるのではなく自分の専門分野をどのようにして会社で最大に発揮するかそういった追求をしているのだろう。本書に出てくる人物もどれも非常に個性的であり、その価値観の一旦を知る事ができる点で本書は非常に優れているが、書籍の性質上各人の分量が制限されておりそれぞれの掲載ページが少ないのは残念だった。もっと一人一人を深く掘り下げて知りたいと思った。


【ホンヨミ!】0709①ピカソの戦争〈ゲルニカ〉の真実【斎藤】

「ピカソの戦争〈ゲルニカ〉の真実」ラッセル・マーティン


本書はスペイン内戦のさなかで、いかにしてピカソのゲルニカが誕生したかについて述べられている。ピカソと言えば世界中の誰もが知る天才的な画家であり、もっともクリエイティブな人間だと言える。当然そういった資質は天性のものでもあるだろう。しかし、ものを生み出すことは、そういった才能のみでできるような簡単な事ではない事を痛感した。彼がこの絵画を製作した契機はスペイン反乱軍を支援するドイツ空軍によるゲルニカという街の爆撃を知った事だ。そのとき彼は怒り、その思いをキャンバスにぶつけた。

このように人生における経験とそれを裏付ける技術によってものは創造されるのだろう。


現代の企業では何かを製作する際に、十分にマーケティングを行いどういったものが広く受け入れられるかを考え抜く。そういった準備を丹念に行うことで失敗のリスクを回避できる。しかし、そこに作り手の感性が反映されていなければ本当に良いものは作れないのではないだろうか。これは当たり前の事だが、それを改めて痛感した。日常の中から何かを感じ、それを形にする事こそが他者の共感を得られる最も優れた方法なのかもしれない。


芸術と現代の商品開発を同じ土俵で考えることは適切ではないかもしれない。両者の性質は異なる点が多すぎるからだ。しかし、クリエイティブであろうとするならば、ピカソの人生、作品から学ぶ事は多いにあるだろう。

ホンヨミ②【黄】エネルギーと私達の社会:デンマークに学ぶ成熟社会

エネルギーと私達の社会:デンマークに学ぶ成熟社会
ヨアン.S.ノルゴー著

「デンマークに行ってみたい」、という常日頃の思いから本書をメディアから借りてきたのだがデンマークにおけるエネルギー政策の先進性に非常に驚かされた。また、本書ではその背景も順を追って明快に説明されており、エネルギーについて学べる事はもちろんの事ながら、デンマークの国そのものについても深く考察が可能な書籍だ。
他のデンマークについての本を中途半端に読むより、これをまず読んでみる事を勧めたい。デンマークのいかなる点に学ぶべきなのかがよく見えてくる。もちろん、短所も考察に含めつつ分析されているので、客観的に状況を理解できる。
筆者によると、将来のエネルギーのあり方は大まかに二つの進む道があるそうだ。
1、高エネルギー社会
2、低エネルギー社会
考慮すべき点としては、現在世界各地で起きている深刻な問題の大部分は、エネルギー消費と絡んでいるという事。石油資源に代表されるように国際紛争は、現在も将来も、やせ細るエネルギー資源からの圧力と資源の不公平な分配に大きく関わっている。私達はエネルギー消費を少なくする事によってこうした紛争の緩和に間接的ながらも、寄与する事ができる一方で、エネルギー消費をより多くすれば紛争の激化に手を貸している事にもなる、と筆者は述べている。
その他にも、今、我々の社会は、大量生産、大量消費型モデル、GNP至上主義といった現代社会の抱えている大きなひずみがデンマーク分析を通して浮かび上がり、本質的な問題は何なのかを考えさせられる。

ホンヨミ① 【黄】続けたい事が続くツイッター100倍活用術

「続けたい事が続くツイッター100倍活用術」 
宮本 真行著

これをこれから続けるぞ!意気込んでスタートしても、なかなか続けられず挫折してしまった事はないだろうか。三日坊主の経験は、誰しも経験した事があるはず。

この本では「科学マネジメント」といった理論と「Twitter」というツールがくみ合わさって三日坊主を克服できる!という内容が展開されている。
序章でまずツイッターで「続く」人生に変える!という筆者の主張をおいた後、何故それが言えるのか、そのコツは何なのかといったノウハウまで言及している。
本書で私がまず評価したいのは、単に精神論や筆者の個人的な経験談を並べ立てていない点だ。多くの自己啓発書籍でありがちなのが、「こういう風な経験を通してこう考えよ」「こうやって続けよう」といった内容が、かなり筆者の特殊な経験や主観に基いて書かれている場合が多い。それを何度言われたところで私がその考えにどうやっても結びつかなかったりすると、私はなんでこうなんだろうか、と自己卑下に陥る。
筆者の一人である石田淳さんが専門の「行動科学マネジメント」とは、組織や個人の目標を確実に達成させるための手法で、ほとんどの場合以下の二つが続かない主な理由だと言う。
1、やり方が分からない
2、やり方は分かるが、「継続の仕方」が分からない
ここで特に注目すべきなのは2の方。では、どうすれば2が解決されるのか。
この2の要である「続ける技術」の本質は、行動に着目し、行動を自らコントロールする事で「続けられる」環境を作り出す事(p41)!
で、ここで一番自分の行動をコンロールするのに有効な方法が「サポーターによる応援」なのだそうだ。一人ではなかなか続かない事も誰か「相手」がいる事で続きやすくなるという事だろうか。そしてその誰かを見つけるために最適なツールこそが「Twitter」の利用というわけだ。もちろんこれが万人に有効な方法だとは思わないが、実際に多くの人が効果を実感しているらしく成果も出ているというから試してみない手はないと思う。


2010年7月8日木曜日

【ホンヨミ!】今すぐできる!ファシリテーション【金光】

『今すぐできる!ファシリテーション』堀公俊

今すぐできる!と書いてあるだけあって、目次を読むだけでも、エッセンスは伝わってきました。
さて、ファシリテーションとは直接関係ないですが、「チームとグループの違いは何か」わかりますか?

①目的、目標などの共通の枠組み
②みんなでやろう!という協働意欲
③意思や行動の調整

この3つがあるものがチーム。3つがないただの集団はグループと定義されていました。
チーム、グループの呼び方は別にして、この3つの要件について、バンナムのチームにあてはめて考えてみました。
①目的は、もちろん自分のチームの企画の商品化。これはあっさり決まります。
②③がこれからの”チーム”ビルディングのカギになりそうです。
私のチームのリーダーは5期の矢野さん。これはすごく良かったと思います。3,4,5期生がいるチームで5期生がリーダーをやることで、私は逆に責任を感じました。
もう一人の5期生、大関さんにとっては同学年がリーダーをやるのを見ることは刺激にもなるし、大関さんの存在は矢野さんの心強い支えになると思います。
3期生の小宮さんは、女性三人をうまく見守りながら突っ込みを入れてくれそうです。
私は、思ったことは言って、話は聞いて、妥協しないことを目標に頑張りたいと思います。
バンナムはわずか45人の少人数チームです。とはいえ、それぞれに予定があり、考え方の違いがあります。人数が少ないからファシリテーションの必要がない、ということはないと思います。とはいえ本書にもありましたが、ファシリテーションと言われていることはほとんどが人との会話の基礎的なこと(たとえば、人の話を聞く、納得できる合意を作る、など)です。チームの中の一人が意識するのではなく、全員が少しずつ心がけることで全体のまとまりがぐんと良くなると思います。だから、ぜひバンナムの私と同じチームの人はこの書評を読んで、話し合いにおいては話を聞いたり、ポイントを決めて話したり、合意形成を導くこと、等を心がけてください!


【ホンヨミ!0709②】客観報道【高橋】

客観報道~隠されるニュースソース~ 浅野健一(著)

まず最初に、本著はまだ裁判員制度が日本に導入されることを前提としていない時に出版されたため、少しだけ話題が古いとはいえ、報道の在り方について重要な視点で論じてあったのでそれを前提に書評を書きたいと思う。
現在日本では裁判員制度が導入され、新聞などを読んでも非常に言い回しに気をつけていることがわかる。「○○によると、~」という表現がしっかりとなされ、その取材の情報源はどこからなのかを明示するようにしている。しかしながら、少し前までは大変曖昧で、誰がいつ発表した情報なのかがとてもわかりにくかった。また、女性に纏わる事件には性差別ともとれる表現で報道されることもあったり、実名・匿名の基準が現在よりも曖昧で特に未成年報道では配慮に欠いていた。そうした問題点を本著では提起していて、少し前まではメディアの報道の仕方が今とはこんなにも違ったのかと、その歴然とした違いに本著を読んでいて驚いた。ほんの15年ほど前に執筆された著者もこのメディアの動きには驚かれたのではないだろうか。情報源を明かさずライバル社の記事でもそのまま引用している記事が存在していたなど、今では考えられないことであり、いかに報道する側が責任を自覚して改革を行ったのかがわかる。人々にある事柄について知ってもらって啓蒙することが報道する側の役割ならば、責任もってニュースソースを明かし、情報の受け手が間違った解釈をしないよう心がける責任がある。メディアの影響力や権力は言うまでもなく強く、「客観報道」という信念を貫いてほしい。しかしながら、尺やスペースの都合上、割愛せざるを得ない情報は必ず存在するのであり、そうすることで視点のバランスなどを保つのは困難なことである。ならば情報の受け手である私たちが客観的に報道を受け止め、自分の中で自分の視点を築くことが今後も重要となるのではないだろうかと私は考える。

2010年7月7日水曜日

【ホンヨミ!0709①】ウィキノミクス【高橋】

ウィキノミクス~増すコラボレーションによる開発・生産の世紀へ~ ドン・タプスコット、アンソノー・D・ウィリアムズ(著)

まず構成としては、分厚い書なだけあって自分にとって新しいキーワードがたくさん解説つきで用いられていてわかりやすかった。たとえ話を多用している点が特に話を追うのを容易にさせてくれた。
無数の人とのコラボレーション:ウィキノミクス。Wikipediaがとても良い例だと思うが、ネット利用が活発になることによって無数の人とコラボレーションして成長していくことを指していて、ネットの双方向性によってもっともっと活発になっている段階に今あるといえる。クラウドソーシングもこのウィキノミクスに通ずるものがあると思う。
ウィキノミクスの基本原理は、オープン性、ピアリング、共有、グローバルな行動であると本著は主張している。これらすべての条件を網羅したもので話題になってものといえば即座にYouTubeを思い浮かべた。
「ピア」という言葉がキーワードになっているが、その概念について自分は無知だったので忘れないためにもここに記しておく。ピアプロダクションとは、「共有成果を生み出すため個人が自発的に集まり、自発的秩序形成によって作り上げた平等なコミュニティの力のみを使う、財やサービスの生産方法」であると本著では定義されている。共有成果、自発的、平等。これらのキーワードが不特定多数の人々とコラボレーションしていく上で非常に重要となるのは間違いなく、あとはいかに信頼性があるか、ということに尽きるだろう。無数の人々と繋がるからこそその信頼性はより重要となるケースが多い。管理体制が肝要であり、時代に即した危機管理をしなければならないのである。

2010年7月5日月曜日

【0702ゼミの感想】伝えるクセ【岸本】


 書評について。こういうみんなでの話し合い、重要です。3期からすると、去年よりリマインダなど充実しているように見え、締め切りから考えると良くなったように感じます。
 書評ですが、今読書する習慣を付けておくと後々かなり楽になります。(先日お会いした1期の佐田さんは社会人になってからほとんど本を読む時間がないと仰ってました)そしてアウトプットとして形にすることを意識しながら本を読むと、(少なくとも)要点を拾って読むようになり、また自分の考えをまとめながら読むことになります。
 考えをまとめるクセは就活の面接の際に限らず、(社会)人とコミュニケーションを取る場合に非常に有効です。自分の意見や考えを効果的に伝えることが出来るようになってきます。

 今のためでなく、将来のために、素早く読んで考えをまとめる読書習慣は将来の自分への投資になるので、今はキツいと思うかもしれませんが、ノルマを愚直にこなすことが重要です。

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 ステレオタイプとして持っていた国会議員像とだいぶ異なり、刺激になりました。
 田村さんが仰る「グローバルな視点と経営センス」についていろいろ考えを巡らせていました。個人的にはこれは「変化を捉え、違いを統合してビジョンを実現する力」と捉えました。変化には短期的/長期的という時間軸の変化、また違いには同時代に存在する様々な価値判断基準があると考えます。
 
 全体を通して印象に残ったのは、どんな問題に対しても自分の言葉で、分かりやすく説明していたことでした。トピックとしては、現在の日本の危機感の無さ(またはそうした危機感を解消するために十分に外向きになっていないこと)、そこから派生する日本の成長戦略、「広める作業」の必要性が印象に残りました。
 どんなことでも変化すればいいというわけでは無いと考えていますが、それでも変化してはいけないものを守るためには、(市場経済が世界共通のルールとなっている以上は)否応無しに国際競争に適応して闘って行く必要があると考えます。その場合に何を守り、いかに変化すべきかというビジョンの提示、意見の集約を行う際に、これからのリーダーははっきりとした考えを打ち出していく必要があると考えます。

 また、田村さんのような多様な価値観を統合する、「先の見えている」リーダー、政治家がより活躍出来るようにするには私たち一人一人の普段からの政治や経済における関心が重要なのではないでしょうか。(一応特定の政党を支持者ではないことを断っておきます)

 田村さん、選挙戦の最中に貴重なお話をしてくださり、また真摯にお話を聞いてくださってありがとうございました。

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 ひとつひとつのアイデアが粒ぞろいで、切ってしまうのが惜しいように感じました。
 よく、シリコンバレーなどのベンチャーが集まっている地域では、ベンチャーキャピタルなどのブラッシュアップする担当が揃っていて、高度に分業化され、ネットワークが発達しているために、アイデアと志があれば起業出来るほど起業しやすいということを耳にします。
 今回はただ、クライアントがバンナムと決まっていたためにバンナムが中心になるビジネスモデルを組み立てる必要がありました。どんなに制限があっても優れたビジネスモデルを組み立てる力が本当のビジネスの場で必要とされるのかもしれません。(また、シリコンバレーという場が揃って初めて完全にアイデアベースのビジネスモデルを生み出す場が存在すると思いました)

 やはり残ったアイデアとその他を分けたのは先週提示した

 - バンナムでやる理由に欠ける:自社資源の見直し/差別化の検討
 - 展開する場所が適切でない:販売・流通チャネル、タッチポイントの見直し
 - 中長期の展開が見えない:市場の規模、利益の変化を捉える

 という3点であるように感じました。

 今週からは心機一転、まごっち班で精一杯頑張って行きたいと思います。正直今回一番化けると思うアイデアだったので、参加出来て上手く化かしたいなと笑。

【0702ゼミの感想】組織とお金【田島】

【書評について】
5期生からシステムを変えたいという主体的な提案がでてとても良かったと思います。書評の継続は昨年度の反省会でも多くの人から出たことであり、4期的にも「ためになる」という強い確信がある部分なので、5期の要望通りには出来ませんでしたが、「いい」と思ったことは何でも柔軟に取り入れていくつもりなので、今後も主体的に当事者意識を持ってゼミに取組んでほしいです。
ちなみに私は、書評においては、本の中に書かれている答えのない、未解決な部分に対して必ず「自分の意見」を構築するということを目標にしています。だから、毎回全部をしっかり読んでるわけではありません。知識の習得はもちろん、思考訓練としてもやってる感じです。また書評を書こうとすると、「何が書いてあったっけ?」と本の内容も構造的に理解しようとするメリットもあります。読むだけでなく「書く」というプロセスの効果を考えみるのもいいのではと思います!


【田村議員】

参院選でお忙しいなかお越し下さり、どうもありがとうございました。
昨年金ゼミの論文でも扱ったように、オープンガバメントが進んでいる現在、政治家にはよりわかりやすく国民に語りかける能力が求められています。田村議員のお話は大変わかりやすく、聞いている私たちを全く飽きさせませんでした。
印象に残ったのは、「政治もお金の管理である」という言葉です。大阪の借金削減に取り組む橋本知事等の影響もあり最近は多少変わってきましたが、今まで日本の有権者にはその意識が足りていなかったような気がします。日本のガバナンスは合理的側面よりも、イメージ戦略や派閥争いが先行してきた印象があります。もちろん福祉や人権の保障を怠ったり、弱者の切り捨てはあってはいけないけれど、政治の無駄をなくし国際競争力を高めるビジネスセンスが政治の場にも求められると思います。

【バンナムプレゼン】
素晴らしいアイデアの種がたくさんありましたが、よりバンナム資源の活用率や収益性といった前提条件に沿っているものがなかでも選ばれた印象を受けました。葬式、カフェなど、すぐには利益にはならなさそうだけど、試みとして面白そうなアイデアが多く、もし自分が会社の経営者なら、短期と長期ビジネスのバランスを考える必要があるなと感じました。
個人的にはひしきさんのキャラクタービジネスコンサルのアイデアが印象に残りました。企業訪問をした際も、講師派遣など、バンナムの人材を活かしたビジネスを説明して頂きましたが、このような活かし方もあるのだと驚きました。製品ベースでなく、サービスを考える視点に刺激を受けました。

0702ゼミの感想【吉田】

【田村ゼミ】
今日の田村さんのお話しで、グローバルな世界で競争していくためには、経営センスとグローバル視点が必要だと改めて感じました。
春休みに議員インターンをして感じたこととして、政策決定が「富の再分配」というコンセプトに基づいて行われているということです。今必要なのは再分配によるパイの奪い合いではなく、「富の創出」によってパイそのものを広げていくことだと思います。やはり日本のような資源とマーケットが限られている国では、海外に目を向けていく必要があります。特に世界のマーケットで存在感を増している韓国の例をみると、日本も田村さんがおっしゃったように、1000兆円の個人資産を頼って現状維持を目指すのではなく成長戦略を考えていくべきであると改めて感じました。
日本のビジョンについて多くのこと考えさせられるお話でした。

【バンナム発表】
バンナムの発表ではとてもエキサイティングな体験でした。今回のプレゼンでは「アイデア」と「ビジネスプラン」の差について考えさせられました。ビジネスとして成立するためには、誰もが文句なしに素晴らしいアイデアであると認めるものであり、同時に収益について具体的なビジョンを示せる必要がると強く感じました。また、今回のケースでは企業にプランを提示するということでその企業の強みについても考える必要もあり、今回のプレゼンを準備する上で自分が気付かなかった点について改めて認識しました。今回のプレゼンで4つの素晴らしいプロジェクトが選ばれましたので、ぜひこの貴重な機会を利用してさらに成長していきたいです。

0702ゼミ感想【岡本】

【バンナムプレゼン】

まずは採用された方々、おめでとうございます!!もちろん自分の案が採用されなかったことは素直に悔しいですが、採用された4案と冷静に見比べると自分の劣勢は明らかで、個人案にもかかわらずあそこまでのクオリティを実現したことには心から敬意を表したいと思います。

個々のプレゼンを聞いていて思ったのは、やっぱり熱さが伝わってくるプレゼンがあるな、ということ。自分の中に「まだイマイチ詰め切れてない部分があるな」とか「このアイデア、自分では面白いと思うけど他人はどう思うのかな」とか、そういった不安というか、懐疑心が少しでもあると出せない自信。

アイデアの良さは、もちろんその一連のスライドとプレゼンのなかで裏付けられる部分は大きいけれども、本人の自信如何によって言外に裏付けられるという側面もあるように思った。

実際採用された案の共通項として、アイデア或いは分析が図抜けて優れていたことは一つだが、いずれも自信をのぞかせるプレゼンだったこともあると思う。

自分すら納得できないプレゼンで人を納得させられるはずがない。そのことを痛感した3分プレゼンだった。

【ゲストスピーカー:田村耕太郎さん】

国会議員の年収は2千ウン万円だとかいうニュースがついこの間出ていて、実をいうと自分も大勢の例に漏れず「もらい過ぎじゃないだろうか」と思ったうちの一人なのですが、話を聞いてみて、その部分だけとっても国会議員には本当にいろいろなタイプの人がいると感じました。

印象に残ったのは金光さんの質問に対する、「自分の抱いている危機感をどう伝えるか」に関する話。たとえば財政危機について、「やばいやばい」と言われ過ぎて、危機感の鈍化というか、いわゆる茹でガエルの法則に当てはまりつつある日本の現状には自分としても先行き不安を感じざるを得ません。なまじ自国で借金を賄えるだけに韓国のような危機感を持てないという話にはとても説得力がありました。

「明日の安穏も危ない」というような韓国ほどの切羽詰まったものではないにしろ、まさに今がその「危機」であるにもかかわらず、それが国家をよりよくしていくための動機づけというか、個人レベルでの危機感につながっていないことを考えると、日本は非常に損な国だと感じます。

「失われた10年」が「失われた20年、30年」となってしまった日本。さらにそれが「失われた40年、50年」とならないためにも、日本はいま非常に重要な分岐点に立たされていることが実感できました。

お忙しい中、とても貴重な時間をどうもありがとうございました。

100702ゼミの感想【村山】

【田村耕太郎さん】
個人的に面白いと思った3つの内容について。
 

①グローバルな視点を持つ事が重要。
②空気は読むものではなく、創るものだ。
③色んな人間がいることが分かるので、リーダー経験をした方がいい。


まずは①について。今年の金ゼミのコンセプトとして【社会に目を向ける】ということがあったと思います。しかし、単に日本社会というだけでなく、もっと広く世界に目を向けるというお話を聞いて「ハッ」とさせられました。自分の中で不足していた視点だと。特に日本人は自国の生活環境に満足して、グローバルな視点が大いに欠如しているということを指摘して頂いた。その中で、田村さんのアブダビでのスイカのお話を聞いて、グローバルな視点を持つ事がビジネスチャンスにもつながるし、他の日本人がほとんど到達していない人脈の形成にもつながるなど、改めて、視野を拡げることの重要性を痛感させられた。


次に②について。【沈黙は金ではない!空気は読むもんじゃない!】という言葉が非常に印象的だった。過剰に主張せず、その場に合わせた態度形成をすることが日本人の美徳とされていると思う。しかしそうではなく、その逆の行動をすることの方が、相手に自分の存在を覚えてもらうには大事である、という言葉に「なるほどなぁ」と思わされた。さらに、その思考を戦略的に実行されている田村さんのアブダビでの話には、思わず「すごい!」と感じてしまった。ただ、もちろん自分のことを記憶してもらうには自分がその場の空気や会話の源泉を創ることが重要だと思う。しかし、それが行き過ぎると逆に相手に不快感を与える結果にも繋がってしまうと思う。何事も大事なのはバランス。そう思わされた。


最後に③について。【人についていくだけでなく、人を引っ張っていくリーダー経験をした方がいい。色んな人間がいることが分かるし、どうやったら人を動かすことが出来るのかなどを、経験的に学ぶことが出来るから】。すごく心に刺さる言葉だった。卒業した先輩にも言われた言葉だったからだ。その先輩と共同作業を経験させてもらった時は一フォロワーというのが、自分の立ち位置だった。しかし、先輩は、自分がリーダーとして何かをやるとなると考え方や責任感も変わってくると思うとアドバイスして下さり、主体的に何かを始めることを推奨して下さった。これまでの人生で人を引っ張る立ち位置は小学・中学・高校と経験してきたが大学では違った。だからこそ、今その立場を経験できている自分は、組織をまとめることの難しさと同時に、一致団結して共通の目標に向かって協力し合えることの楽しさを経験的に理解出来ているので、田村さんの言葉がとても刺さった。組織はリーダーの存在一つで180°変わる。リーダーが変わるだけで、すごく良い組織が悪くなることもあれば、すごく悪い組織が良い組織に変化することは往々にしてある。そのため、限られた学生時代に出来るだけ多くに経験をしたいという欲求を刺激して下さった田村さんの言葉に、とても共感できた。


最後に、選挙を控えて非常にお忙しい時期にも関わらず、私たち学生のために貴重な時間を割いて下さって本当にありがとうございました。良い意味で、とても勉強になりましたし、大きな刺激を与えて頂きました。


【バンナムプレゼン】
全く新しいプレゼンで挑戦する人もいれば、前回のプレゼンを発展させている人もいて非常に面白かった。
今後は各チームでの作業が中心になっていくが、個人的にはすごく問題意識がある。当事者がGoサインを出しても、それ以外の人が認められないのではないかなど、話が一部の人間間で終始していることに問題があると感じている。もっとオープンに、何でそうなったのかなど、経緯を話さないと納得できないと思う。
楽しいチームから必ずしも良いアイディアが生まれる訳ではないが、楽しいチームの方が、良いアイディアが生まれる可能性は高いだろう。そういう所を意識して、チームの運営に携わっていければと思っています。バンダイナムコという社会的に認知された企業に認められるようなところまでアイディアを詰められればと思います。

2010年7月4日日曜日

ゼミの感想【黄】0702

感想を言う前に一言だけ。
今、健康上の問題で定期的に診察を受けています。担当医の診察日が金曜日のみで、ゼミを今回やむなく早退させてもらいました。今後も毎回ではもちろんありませんが、こういう場面が生じてしまう事があるかもしれません。なるべくゼミを優先して動くつもりでいますが、ご理解の方していただけると有り難いです。

田村耕太郎さん
写真よりずっと素敵な方だったと思います!淡いグリーンのジャケットが似合う方はなかなかいないのに・・・。田村さんのどこに魅力があったのか私なりに考えてみると、
*笑顔が爽やか←これすごく大事だと思います!本当に!
*質問を目をそらさずに聞いてくださる姿勢
*自分の主張を実体験を交えつつ、理路整然に。かつ説得力も伴っている
*口だけじゃない実力
*場を引き込むオーラ→田村さんのおっしゃっていた図々しさのひとつなのでは?
また、人脈作りの重要性についても改めて考えました。
アブダビ。アラブ首長国連邦を構成している首長国。調べてみたのですが、田村さんのお話の通り超ハイパースーパーな国でした!
自分に世界を広げ、視野を広げ、可能性を広げていく為に人との繋がりの有無は雲泥の差をもたらすもの。痛感しました。

バンナムプレゼン
藤田さんのマゴッチの担当になりました。学ぶべき所は学び、自分の力も十二分に発揮していきたいと思っています。
今回の自分のプレゼンは完成度が低いまま終わってしまいました。原因の根底に何があったか。まず、アイディアの具体化が全くできなかったこと。それから説得するための具体的な数字、また、説得しうるプレゼン構成そのものが欠けていたと思います。
ただ数字を並べるのではなく、一本の筋道の過程の中に数字を組み込む。
自分のアイディアの長所、既存のものに比べどんな優位性を持つのか、などをグラフや様々な分析手法を用いてアピールする。相手を自分の世界に引き入れるスパイスがなかったと思います。
「いいな、この人のアイディア。」と思ったプレゼンは、どれもそんなスパイスが多分にちりばめられていて、何よりも筋が通ってました。
今回の反省を生かして、今後もマゴッチ!頑張ります!

【0702ゼミ感想】【矢野】

<田村さん>
現在の日本の世界における立場や状況を多く語ってくださいました。
「日本はもう世界に追い付いていない、若者はもっと外を見ないと日本の未来はない」
というのはよく言われ慣れたようなことですが、田村さんは日本にまだたくさんの可能性があることを提示してくださったのが印象的でした。日本で売れるような価値のある技術は、新幹線だけでない、農業の小さい技術も立派に世界に誇れるものだと聞いて、日本がいかにやはり知恵大国であるのかを実感しました。そして、「そのような立派な技術を世界に向けてPRできる人がいないことも大きな問題」とおっしゃっていて、確かにと思いました。やはり、沈黙が金ではなくなった今、「良いものを作って振り向いてもらおう」ではどうにもならないのでしょう。日本人が苦手とする自分からずんずん積極的にアピールすることが大事なのだと改めて感じました。また、特に印象的だったのが「英語はなまっていた方がむしろインパクトが残っていいくらいだ」という言葉です。英語の上手い人の前で英語を使うことに非常に抵抗感を感じる私にとっては目からウロコでした。田村さんの衣装の話にもありましたが、国際社会で一市民権を得るために、必ずしも自分の能力や話力という正統な真正面からのアプローチで惹きつける必要はないのだと感じました。必要なのは「あなたと話したい」「話を聞いてもらいたい」という心意気なのだと思います。あと、個人的にバブルを知らない世代としてはアブダビに非常に行ってみたいという思いが募りました。パワフルなオーラが終始伝わってきて、元気をもらえるような方でした。選挙前のお忙しい時にお話しいただき本当にありがとうございました。

<バンナムプレゼン>
戸高さんが書かれていた通り、数字を扱うのは難しいなと思いました。特に数学センスのかけらもない私には、収益性も定性的なところでしか表せませんでした。あと、今回プレゼンを作っていて感じたのはデータが集まらないということです。グーグルを使うしかまだ方法がないので文献から引いてくる等のやり方を身につけたいと強く思いました。
今回は自分でいいアイディアが思いついたと感じ、何としてでも分かってもらえるように伝えたいと意気込んで準備しました。大学生になって久しぶりに緊張というものをした気がします(笑)。自分の生活の中で、バンナムに一番近いところが「プリクラ」だと思ったので、自分が「消費者代表」としてアイディアを形作れたことが面白かったです。金先生に良く評価していただけたことは純粋に本当に嬉しかったです。ただ、プレゼン中は自分の「伝えたい」という気持ちと、時間がオーバーしてしまう、という焦りで完全に頭がいっぱいになり余裕のまるでないプレゼンになってしまったと反省しました。
選んで頂いたからには今後この熱い企画を頑張っていきたいと思います。
藤田さんの「まごっち」には終始笑ってしまいました。とても斬新なアイディアだと思います。実際に私の祖父母は100%食いつくと思いますし、iPadを高齢者に渡したら何週間か後には使いこなせていたという実験結果もあるようです。いじり易さによっては今後ブレークしそうだと強く感じました。
今後の活動が楽しみです。

人とアイディアのゼミ!

<田村耕太郎氏来ゼミ!>
鳥取から直接金ゼミに来てくださりました。
今回の田村さんはライトグリーンのジャケットに黄色とオレンジのストライプのシャツという爽やかなファッションでした。もっと元気な(やかましいくらいの)勢いの人物を想像していたのですが、とても落ち着いて淡々と話をされていました。でも、常に背筋をぴんと立って目を見て話をする姿が板についていて、政治家という職業ゆえかなぁと感じました。
ただ、残念だったのは、金ゼミだからこその話があまり聞けなかったかなという点です。著書『もし日本がひとつの会社だったら~「日本経営」進化への提言~』を読んでいたのですが、本に書いてあることも多々ありました。もちろん、実際に躍動感ある言葉で聞
くのと文字で読むのとでは、前者のほうがより心に残りますが、もっと具体的な突っ込んだ質問ができれば良かったなと悔いています。
また、今までゼミに来てくださったいろんなゲストは自分の専門分野や仕事についての話をしてくださりました。一方、政治家という職業は”公益”という広い範囲を扱います。せまく深くというスタイルに対して、幅広い範囲の話はスケールが大きすぎて頭の回転が追い付かず、どれも手放しに納得させられてしまいそうになりました。

お忙しいなかありがとうございました。当日の田村さんのファッションです↓↓













<バンナム>
これだけゼミ生がいるとそれぞれ違うものを出してきて、単純に面白いなぁと思いました。
同時に、いろんな人のアイディアを見ているとそこからまた自分の頭の中でブレストが始まって、「こういうのも面白いんじゃないか」といろいろ空想が膨らみました。
また、前回先生から基準を提示されたこともあって、全員が何らかのデータを用いて説明できていたのが良かったと思います。ただ、収益予測の数値を出せていたのは一部でした。(私も出来ていませんでした)いざ聞く側になってみると、そのような具体性があったほうが確実に説得力があります。もっとも、説得力に特化しすぎてデータを良いように予測しすぎていると逆効果になると思います。
今回選ばれたのは4人でしたが、選ばれなかった人にとっても全員のプレゼンを全員で聞くことによって、”人の発表を客観的に見ること”ができたのではないでしょうか。
というのも、選ばれるのは4人だけで、ある意味ゼミ生同士がライバルという設定でした。だから、無意識のうちにほかの人の発表を見る目も厳しくなっていたはずです。しかし、バンナム社でプレゼンする時の審査員の目はもっと厳しいシビアなものでしょう。”審査する側の感覚”を知ってから、今後それぞれの企画の改良をしていくことはとても意味があると思いました。

<アフター>
終わった後の夕食の席での先生の話は興味深いものでした。田村さんの話に関連して”人脈の作り方”について話を聞きました。興味のあるゼミ生は是非今度聞いてみてください。
人とのつながりは確実にこれからもとても大切になってきます。
自分も必ず他人に必要とされる人になりたいと強く思いました。

【栫井】0702ゼミ感想

梅雨ですね。早くカラッと晴れた夏が来て欲しいものです。

【書評について】
去年同じように書評をやる意義について話し合った際、金先生が仰っていた本の読み方は、「まず目次を読んで、自分が気になった章を読み、論点をいくつかピックアップして、それについ て論じれば良い」というものだった。
金ゼミにおける書評は、得た情報から論点を抽出して自分の言葉で整理すること、つまり考えるということが大事なのである。
まず、そこを念頭に置いてもらいたいなと思います。

結局のところ冊数は問題ではないと思います。要はやる意義、やる目的がしっかりしているか否か。
私自身の体験で云うと、去年のこの時期は書評が苦痛であったことは否めません。
だが、書評をやる目的を自分なりに掴めたとき(多分、自分なりの、が大事)からは余り苦に感じることはないのです。
私の中の書評をやる意義は、一冊の中に 自分が気になるトピックを出す力・今まで気になったトピックと組み合わせる力を伸ばすこと。だから、一冊を丸ごと飲み込めるかどうかは私にとっては問題 ではなかったりします。
嫌だと思う課題が目の前にあることはある程度人生の枠組みを与えられている以上避けられない。いかにやる意味を自分で見つけられるかじゃないでしょうか。

とはいえ、こういった話し合いの機会を迅速に用意出来なかったのは、スケジュールに追われていたとはいえ4期生として不甲斐ないです。
4期生内で、このことについて話し合ったことはあったので、せめてそれを早めに共有すべきだったのかな、と。

【ゲストスピーカー:田村耕太郎さん】
一番印象に残ったのは、異なる文化の中に飛び込む大切さでした。
慶應大学、文学部、社会学専攻、3年生、メディアコミュニケーション研究所、金ゼミ、と所属する組織を考えていくと、思う以上に似た人間が集まるものです。それに気づかないでいると、いつまでも内向きになってしまう。
そこから一歩抜け出す勇気。まったく異なる環境で異なる人に出会って、自分と全く違う価値観の人と意見を交わし切磋琢磨すること。
それが自分を一番伸ばしてくれる手段なのだろうな、と感じた。

【バンナムRe:プレゼン】
めちゃくちゃ長いです。追記機能があれば良いのに!
今回のプレゼンを通して、たくさんの疑問が自分の中に沸きました。今後1ヶ月の中でひとつずつ解決したいと思います。

まず、マーケティングって何のためにするんだろう?ということ。
下の記事で戸高さんも指摘していたように、なかなか金ゼミは数字が苦手なようです。私自身数字で具体性を出せていなかったところがありました。戸高さんの指摘する"数字"は収益に関するものなので、以下のことは少し逸れてしまうのですが・・・
マーケティング初心者なりに、市場のこと消費者のことを考えながら浮かんだ疑問が上記のものでした。
私の場合は、アイディア先行で答え合わせにマーケティングを使ってしまいがちです。自分のアイディアが合ってることを証明したくて、数字を使ってしまいます。
本当は、市場の動向を探るためにマーケティングの手法はあるんでしょうね。今市場のどこが埋まっていて、どこにジャンプすれば良いのかを指し示すために。
数字は説得力を出すために必要だけど、それが目的になってはいけないのだろうなと思います。というか、マーケティングがきっちり出来ていれば、アイディアの質で勝負出来るはず。脱・答え合わせのマーケティング!

ゲーム性って何だろう?ということ。ゲームの良さをそのまま取り入れたら、物事は良くなるんだろうか?いや、そんなことはないのではないかと思う。私事で最近ソーシャルアプリについて考え続けていたこともあって、私の中で"ゲームの良さ"が揺らぎ始めている。
特に最近はゲーム市場が縮小していることもあって、ゲームの良さってここだよね、じゃあこれくっつけたら良いんじゃないの、は通用しないのではないかと思います。
ゲーム市場が停滞しているなら、そこに風を吹きこむべきで、それは市場の境界線に囚われることなく引っ張ってこられるものじゃないかと。

「凄い」って何だろう?ということ。
以前金先生が仰っていましたが、「凄い」という言葉で表現してしまえば、その時点で相手を抜くどころか追いつくことも出来ない。手軽に凄いと言ってしまわず、相手の良いところを的確に掴み、どうすれば吸収出来るかを貪欲に考えることも大事だ。最近それを忘れていたな、と思い出せました。

今回自分のプレゼンを見返して、私が提示した仕組みを一言で表すと「問題がある箇所を場全体からコーディネートする」ことでした。
私見ですが、問題がある箇所に関しては、単にコンテンツを強化するだけでは問題は解決しません。コンテンツの強化は前提だとして、如何に強化されたコンテンツをユーザーの心に取り込んでいくかの動線確立が大事なのではないかと思っています。如何にコンテンツの世界観をユーザーの日常に組み入れるかの作業が重要なんだと思います。
ただし、今回のプレゼンの目的がコンテンツホルダーへの提案なことを考えると、いろいろ履き違えていました。
他にも、問題の要因を挙げていながらあんまり解決できていなかったり、お金の回りが不透明だったり、解決しておく点が多かったです。コンテンツ・サービス提案のときに気にすべきことがまたひとつ見えた気がして、とても為にはなりました。

今回、質疑の時間がなかったので、簡単にフィードバックをさせてください。自分のを棚に上げてお話しますので、私のもどなたかしてくれたら嬉しいな!
【大関さん】
新たな層を獲得するために、ハードの壁を無くしてしまう発想、良いなあと思いました!例のレッドブルも、デジタル課金→リアル課金システムを構築する可能性がありそう。

【黄さん】
個人的にプーペのアニメ感が好きだったので、意外なマーケティング結果が出てるものだなあと思いました。
利用シーン、具体的な使用モデルを提示出来るともっと写真ならではの良さが伝わったのかな、と思います。スライドに形を作るだけでも自分のアイディアの思いがけない良さや粗に気づけるので、おすすめです!(プロトタイプの一種です)

【吉田君】
今競合がない、と言っていたのですが、んん?と思ってしまいました。
いろんな音色でバンドを楽しむなら、Macならガレージバンドという無料ソフトがデフォルトで付いていて、私レベルの初心者でもちょっとした電子バンド気分を味わえます。クオリティは結構高いと思います。
教則は、YouTubeにたくさん転がっています。私もドラムの練習で海外アーティストの動画にお世話になりました。もちろん無料です。
バンドメンバーは、今あるSNSでも探せるんじゃないかなあと思います。今だったら、Ustream使って離れたメンバーとセッションなんてことも可能です。
楽譜も実際ネットには結構転がっていて、音楽はわりかし低コストで楽しめます。
なので、それらを統合するだけではなくて、もっと広い視野から+αの価値を引きこんでいくと良いのかな?と思います。アプリのプラットフォームに限らず、音楽プラットフォームにも限らず、ターゲットは何を必要としているのか?何があったら飛びつくのか?そこをもっと詰めると、良いアイディアが生まれるのではないでしょうか?

【高橋さん】
着眼点が良いなあと思いました。確かにニーズがありそう!
あとはもっと具体的に、どう作るのか?どうバンナムが病院の中に入り込むのか?を考えられると、より良さが伝わったと思います!

【矢野さん】
When,Where,Whoなど、シチュエーションをしっかり定めていること、おそらく実体験がしっかり伴ったニーズを掘り起こせているところが良かったです!
宣伝方法も、ターゲットにリーチするところを考えられていて、説得力がありました。
矢野さんのプレゼンにはあまり数字が出てこなかったものの説得力があったのは、数字に頼らない実体験ベースのマーケティングがしっかり出来ていたからだと思います。市場分析をグラフで出さず、アイディアで出す。説得力は出したもん勝ちなのかと。

【岡本君】
寿命の設定というのが面白いなあと思いました。「〜をやろう!」だけでなく、「いつまでに」を入れるのは、ニーズにきちんと沿っているなあと感じました。
出版社は、どれだけ多く巻き込むかよりも一社に絞ってしまう方が現実的な気がしました。

【斎藤君】
"思い出"をキーワードとして置いていて、哲学がしっかり見えるのが良かったです!アイディアにもっとジャンプアップを持たせてあげるとよかったかな?と思っていて、自分の持つ想いをどう形に変えるか考えるときは、一旦思考の枠を外してみるのも良いかも。
「思い出」を特別大事に思う人はどんな人?一番の思い出ってどんなとき?⇒その人たち、そのときどきの思い出以外の共通項やキーワードってどんなものがある?
これはひとつの思考法なので、参考までに。

【村山君】
カフェ×ゲームだったら、カフェ好きなオシャレ層にも訴求できるのかなあ?と思ってわくわくしました。データにチェーンのカフェを挙げていたので、ゲームをそのカフェの別店舗への誘導に充てても良いのかな?と思いました。渋谷とかのイメージになるんだけど。
あとゲームをやるシーンについて、ちょっと聞き逃したかもなのですが…①待ち時間を立ち止まって(座ったり)過ごす②街中を歩いて時間を潰す、の2通り考えられると思って、①なら場所の提供、②なら歩きながらでも簡単な操作を考えなきゃいけないのかな?と思いました。

【田島さん】は、あとでスライドにしてメーリスします!

【金光さん】
らしくて微笑ましかったです。ロボット化した人形は、人間の成長を操作するのですね。興味深い。
たまごっちやセーラームーンをバンナムらしさとして挙げていたので、そこの成功要因をもっと挙げてみるのもありだったのかな?と思います。あのスライドが浮いてしまっている印象を受けたので。

【藤田さん】
終始大爆笑でした。淡々と笑いを誘う藤田式プレゼン、お見事でした!
案も地道に的確に具体的なストーリーを捉えていて、今後のブラッシュアップが楽しみです。

【戸高さん】
潜在市場の中の5%、を収益計算に入れていたのですが、この5%はどこから出てきた数字なんだろう?と気になりました。マーケティング理論ですか?
ゲーム性の特徴を取り入れるオプションで「RPG・戦闘・萌え」を挙げていたのですが、これはどのように取り入れるのでしょうか?挙げられていたコンテンツのうちRPGと戦闘は、まず初動にかなりの予算を充ててコンテンツのブランド力を確立したことが重要だったのではないかと思います。ガンダムなどのコンテンツを輸入するのもありですが!
また、一番の壁は「外に出掛けて、ジムまで行って、登録して、通う」ことだと思います。先週のプレゼンにあったらば申し訳ないのですが、この企画の狙いは「新規登録」「継続」のどちらでしょうか?モバイルゲームやWiiFitの流行の背景には、手軽さがあると思っていて、現実的な行動を伴なうものにはかなりのハードルがあります。まずはそこを越えることも設計してみるとよりよくなると思います!

【小宮さん】
今回の企画の中で、唯一アイディアにジャンプアップの奇抜さがなくとも企画として十分に面白いんじゃないかと思ったのが小宮さんの企画でした。
そもそもの発想が奇抜で新規性があるからです。その発想のジャンプ力見習いたいです!

【ジョニーさん】
個人的に、実体験が伴っているプレゼンは見ていて魅力を感じます。フィールドワークをやることで得られるような感覚を既に持ってらっしゃるので、ほう、と思うアイディアが出ていました。
だからこそ、アイディアの細部にもっとRPG好き、航空好きならではのアイディアが盛り込まれているともっと良い提案になっていたように思います。

【菱木さん】
お金の回り方がきっちりと組まれていて、プレゼン資料をフォーマットとしていただきたいと思ってしまいました。
アイディアもシンプルながら、バンナムの何を活かしているのかがわかりやすかったです。

【岸本さん】
PCの掃除、autoでやってくれたらいいなー♪と思っていました。ゲーム性って付く必要あるのかな?と思ってしまうくらい、実用的な提案でした。
ユーザーの行動の中に溶け込んじゃうような、auto清掃かつauto育成のソフト、あったら売れそうだなーと思いました。勝手に可愛く育つんだったら欲しいです!

以上です。
偉そうにつらつら言いました。すみません。
私的な意見、込み込みです。

2010年7月3日土曜日

【0702ゼミの感想】数字【戸高】

【田村耕太郎さんのお話】
 人をいかに納得させるのか、という話し方が上手だと思った、流石政治家といったところか。そう思った点は主に2点ある。

1話の始めに目的を共有する
 田村さんはまず話を始める際にこう言った。

「グローバルな視点と経営センスの重要性を知ってもらうために」

 まず話を始める際にその目的を共有してくれる方の話は聞いていてわかりやすい。どこに集中して話を聞けばいいのかがわかるし、その安心感からすんなりと話が胸の内に入ってくる。
 自分も恒日頃から心がけようとしてはいるがなかなかできていないことが多い。これからプレゼンをする時に最低限「まず目的を共有する」を徹底的に心がけて行きたい。

2効果的な数字を随所に入れる
「日本のGDPは15年前と変わっていない、498兆円。こんな国はない。」
「1兆円を積み上げた高さは10kmで重さは100t。」
「税収は37兆でこれもものすごいペースで減っている。」
「山を持てば持つ程お金がかかる。80年ものの立派な杉でも1本150円と大根程度の値段。」

 話の中にデータがあればその話がぐっと引き締まる。客観的な数字程説得力を持つものはない。
 僕たち小市民にとって1兆円単位のお金は正直想像しがたい額だが、高さや重さで例えてもらえるとそのお金の重みが一気に身近に感じることができる。身近に感じることができたからこそ、今の日本が危機的な状況におかれていることが身にしみる。
 ロジックはちょっとした感情論に淘汰されない。それどころかロジックにより感情を動かすこともできるのだ、ということをまざまざと実感させられた。
 自分は感情論になりがちなところがある人間だが、もっともっとロジック、数字を意識して行こうと改めて思った。

【バンナム】
 5点が1人、4点が3人とのことでした。
 僕も最初は3期が選ぶ側ということだったので聞いている際にけっこうシビアに聞いていたのでしたが、5点を勝ち取った矢野さんのプレゼンが圧倒的に印象的でしたし、群を抜いてよかったと思います。
 具体的に何をやるのかということもわかりやすかったですし、またそのアイデアも既存のものにはないものでなおかつ実現可能性が高そうでした。
 あとプレゼンを楽しそうにやってたのもよかったです、自分のアイデアにそれなりに自信があったんじゃないかなーと見て取れました。

 あとは、全体にけっこう言えることだと思うんですが、今回の僕のブログタイトルの「数字」なんですが、やっぱり全体的に数字を意識しきれてないんじゃないかと思いました。
 既存の市場規模とかそんなものはググれば誰でもわかるわけで、その市場とその他の要素(ターゲット層の人口とか、類似市場の期間別の売上高とか)を絡めて具体的にどれだけの期間でどれだけのお金をとることができるのか。ということに意識が向かってはないのかと。
 
 もちろんどれだけのお金をとることができるのかという計算は、経営学やマーケティングとかをガチで勉強していないと完璧にできるもんじゃないのは理解の上ですが、田村さんの話し方からするに、「具体的なお金のデータがもっとあれば説得力は持たせることができる。」ということは学べました。
 ですのでもっと多面的な面で収益性、そして金先生が提示していた「仕組み」に関わってくるお金を回収する「仕組み」にも注意を払わねばならないのではないかと、実感しました。

【ホンヨミ!】0702②日本の難点【斎藤】

日本の難点/宮台真司

 本書の第一章コミュニケーション論、メディア論を中心に述べていこうと思う。まず、若者同士の関係性がフラットになったか、つまり希薄なものになったかどうかを問題にする際に自分が自分である事は何に支えられているかを考える必要がある。筆者は他者とのコミュニケーションの履歴によって自分を揺るぎないものにできると考えるが、それを感じる機会も減っており、そういった機会を支える社会的なプラットフォームも空洞化していると主張する。

 現代では交通、通信インフラの発達、IT技術によってによって人口の流動化が促進されてきた。昔のように、地理的に近い人と親密な関係を築くしかなかったスタイルとは異なる社会のあり方になった。そういった流動性のなかでで、こっちの人がだめならあっちといった感覚で代替可能性を考えられる人間関係になっていった。つまり、流動性の上昇により他者への深いコミットメントは求められなくなったと言える。

 確かに、Twitterやmixiのサービスでは同時に多数の人に対してメッセージを発する事が可能であり、その時に特定の誰かを想定する事は少ない。交友関係は広範になる一方で、その付き合いは希薄なものになっていると私自身感じることはままある。また、携帯小説などでは物語よりも個々の事件などが重要となってくる。人との関係性の履歴ではなく記号的な意味での事件の羅列にたいして読者が共感するのだ。こういった面からも人間関係がフラット化していると言える。

 ただ、これまでにはなかった形で他者とコミットする事ができる様になったことで、これまでとは違ったコミュニケーションが形成されていく。例えば、特定の掲示板でマニアックな趣味を持つ人々が交流できる。これは今まででは難しかった事だろうと思う。同時に妙に緊密な近所付き合いなども求められることなく、あっさりした人間関係であっても生活に支障ない社会は必ずしも悪いとは言えない。互いに関心のあるもの同士が人間関係を構築していけばよいだけで済む快活さもあるのではないかと思った。しかし、そういった者はあくまでも友人関係に関しての楽観的な甘えであるとも言える。やはり、社会という共同体の一員として生きている以上、何らかの形で他者にコミットするように心がける必要があるのだろう。

0702ゼミ感想【斎藤】

 今回、ゼミの前にホンヨミ!の意義について、話す場を設けた事はとても良かったと思います。金先生、3・4・5期生が何を考えているのか聞く事ができたからです。やはり、現状に対して何か思う事があるのならば全体の場に対してそれを投げかけてみることも大事ですね。ブログでゼミ感想として、皆の意見を読む事ができますが実際に話しあうことはかなり重要だと思います。また、ホンヨミ!でアイディアの生まれ易い職場にするためには…みたいな内容の本を読む事が多いと思いますが、その実践を試してみる最も身近な場が金ゼミだと思います。ただ、他人事の知識として得るのではなく、それを実際の提案としてどんどん提案しあって、ゼミの生産性、創造性を高めていくことは可能だと思います。個人の希望として、究極的にはピクサーのスタジオのような環境、雰囲気に近づけていければ最高だと思います。あれはあれで日本人の性分に合わないかもしれませんが…

 さて、田村さんのお話を着替えていただく中で、日本の国際競争力が低下している事実について再確認できた。田村さんのお話のなかでアブダビの例が印象的でした。そこには日本の富裕層とは比べ物にならないほどリッチな人々な存在しているらしく、日本と対比する存在としてお話に登場しました。しかし、アブダビのようなリッチさ、つまり経済的な豊かさを求める事が日本人の幸福感につながるのかどうかは疑問に感じました。例えばアブダビでは、何百億のクルーザーを所有している人々がたくさんいると言われても、金銭感覚的に全く実感できないため、それを実際の理想像として描く事ができないのではと思います。昔の日本だと、カラーテレビが欲しい、車が欲しいなど具体的な所有欲がありましたし、映画オールウェイズ 三丁目の夕日に出てくるように皆が上昇志向をもっていました。現代では日本が成熟した社会になっているので、単純な経済的成長を国民が目標にできないと思います。

 そういった点からも、経済成長の先に何を得られるのかの理想像を日本人が明確に描けない限りは、国際的な舞台で競争してまで生き残ろうというインセンティブは生まれない気がします。ただ、何となく豊かでありたい、何となくこのままでも大丈夫な気がすると考えている国民が多いなかでそういったビジョンを描くのは難しいですが、それを伝えるのが政治家の仕事なのだろうなと実感しました。

 これからの日本が世界で一番を目指す必要はなく、ある程度の経済的な豊かさが保証されていてば良い考えます。むしろ、その程度のことでさえ維持する事さえ困難なので、社会そして個人はリスクを負う事を厭わない姿勢が求められるのかもしれません。話題になっている中国人の観光ビザ発行に関する事でも、中国資本を獲得する一方で、外国人が国内にたくさんやってくるリスクを負うことになる。誰かのおかげでぬくぬくと生きて行ける感覚を捨て、リスクを負いつつ競争意識をもって世界に目を向けて行く事が私たち若者に求められるのだろうと感じました。

 バンナム企画に関してですが、多くの人がいる中で皆の意見を反映しつつアイディアをまとめると抽象度が高いものになってしまうことを痛感しました。各自が具体的に思い描いているものは必ず異なるものになっていると思うので、抽象度が高い方が互いが違和感を感じる事なく調和した状態で話が進められるからです。そういった事の解消には、それぞれが描く具体的な像をなるべく同じものにしていくためのまとまった時間が必要だと感じました。それが先週のゼミプレゼンでは足りなかったのだと感じます。時間的な制約は致し方ないので、その中で形にしなければならないのは当選の事ではありますが…。そして、いざ個人プレゼンになってもなかなかアイディアは降りてきませんでした。その中でも、金曜日にはプレゼンをしなければならない、と負担感が増大してきました。実際にはたいしたことの無い提案、スライドしか作れなかったと猛省していますが、〜しなければいけないと考えてしまう負のスパイラルに陥ってしまったのが良い案を完成できなかった原因なのだと思っています。気持ちの負担だけ大きくなり、実際行った作業的負担は振り返ってみれば少ないものでした。もちろん、クリエイティブな感性を磨く事も重要ですが、それ以上に自分のタスク、時間のマネッジメント能力が勉強、研究、仕事において重要になるのだと学びました。そういった、自分に合うノウハウを金ゼミで実践して身につける事も個人的な今年度の目標にしたいと思います。もう一度、今回のプロジェクトの意味を考えてみたいです。おもちゃ、ゲームとは人を楽しませるものであり、義務的に作成したものが楽しいものになることは到底ないので。まず、自分が楽しみながらプロジェクトに参加していきます。

【ホンヨミ!】0702①考えないヒント【斎藤】

考えないヒント アイディアはこうして生まれる/小山薫堂

 アイディアは考えて、考えて、考え抜いた結果、得られるものではなく、アイディアを生み出しやすい状態に自分をもって行く事が重要なのだというのが本書の主張だ。つまり、机に何時間もかじりついて作業するのではなく、日常のさりげない出来事に対してアンテナを張っておく事でアイディアの種を拾い集めてストックしておく事が重要になる。

 本書の中では、筆者が触れてきた様々なアイディアの種の例が紹介される。自分がホテルのプロデュースをした例、お客を喜ばせることを追求する銭湯の例、はたまた、子供の頃のエピソードなど色々だ。こういった事柄に対して、筆者はどうやったらビジネスにつながるか、金を生み出せるかということばかり考えるのでなく、いかにそれらを楽しむかということを念頭においている点が特筆すべき事だと感じた。多くの人は仕事は義務的なものと感じてしまうだろう。つまり仕える事という意味だ。しかし、仕事を私事ととらえてあくまでも自分が楽しんでやるのだという意識を持っている点は、普通のサラリーマンからしたら羨ましくもあり、ある意味うっとうしくもあるかもしれない。

 日常に対して、常に新しい事を求める習性はクリエイティブな職業に就く者にとっては必須な性格だと思われる。私自身、メディアコムに入りそういった分野について知っていくウチに自分は常に新しいものを追い求めるより、ある程度じっくりものを考える方が向いているのではないかと感じてきた。そういった、個人の性格、資質的問題についても、無理に強制するのではなく自分にあった道、方法に進んで行けば良いと述べている点も納得ができるものだった。中には万人がそれなりのスキルを身につければ、ある程度の成功をする事ができるとする者がいるが、そうではなく筆者があくまでも筆者自身がクリエイティブな仕事に向いていた事を前提にしているため読み易く、参考になった。また、アイディアを生み出す人(野球におけるピッチャーの様に球を投げ込む)と、そのアイディアを洗練して行く過程で役に立つ人、新たな価値を付加できる人(野球で言うキャッチャー)に分けることができると述べられており、バンナム企画にマッチする所があって面白かった。

 先に、筆者が新しいを探し、アイディアを常に生み出そうとしていると書いたが、そんな筆者だからこそ、広い事を浅くやっていると感じることがあるらしい。そんな時にいわゆる職人達の様に一つの事を極めようとする人々に憧れるようだ。例えば左官の仕事をやる職人は一度だけ壁を塗るのではなくて、七回ほど重ねて塗る。これにより、壁の厚みが増して独特の質感が生まれる。また、農家の老人に対してカメラマンが”今年の米は良いものができそうか”と訪ねると、”あなた達は年間に何万回とシャッターを切るから、撮った瞬間に出来がわかるかもしれないが、私は米を50回しか作った事がないから、良いものができるかどうかわからない”と答えたそうだ。米は年に一回しか収穫できないため、50年もの年月をかけてもまだまだ自分は未熟であるという謙虚さが感じられる。こういった自らの職に対する誇りを持つ事は極めて重要であり、筆者のように年間に様々な種類の仕事をこなす場合でも、そういった事は共通してる事を感じた。

 また、バンナム企画において参考になりそうだったのがプライオリティーに関する考え方だ。例えば金曜日が期限の課題があり、その打ち合わせを月曜日にする予定だとする。月曜に間に合わない場合に、月曜日の約束を破ったからなるべく早く課題を形にしようとして火曜日に内容の薄いものまとめあげるよりは、最終期限の金曜日に間に合う範囲で完成度の高いものを作るべきという考えだ。つまり、ここでは月曜日の打ち合わせに間に合わせることではなくて、良い企画を作ることにプライオリティーをおくべきだと言う事だ。
 
 プライオリティーは常に一つではないことも念頭においておきたい。例えば、プレゼン用の企画を考える際にはクライアントを満足させることを第一とすべきである。なぜなら、そこで採用されなければ、企画が商品かされないからだ。そして、いざ商品化の段階になると世間での受けを第一に考えるようにスイッチを切り替えなければならない。クライアントを満足させたからといって、必ずしも消費者を満足させられるとは限らないからだ。このようにその場ごとで何にプライオリティーを置くのかの判断も重要だと感じた。


0702ゼミ感想【高橋】

金ゼミモットー:『思考力・伝達力・創造力・相乗力の4つの力を養う!』
今現在やるべきことがたくさんあって結構もがいている状態ですが、今は逆にその状態がいいんだ、と思うことができました。

<Guest Speaker: 民主党 参議院議員 田村耕太郎 氏>
グローバルな視点と経営センスを身につけていく必要があると説いて下さいました。国政で経営センス??と正直最初違和感を感じてしまったのですが、国際社会における存在感をアピールする意味や、国力強化の意味も含めて経済ありきの国政だなと思うようになりました。田村さんは日本の経済状態についてわかりやすく教えてくださり、今日本は借金を借金で返している雪だるま状態に陥っているため、その解決には経済成長のし、無駄遣いを撲滅し、増税をしなくては財政再建を果たせなくなっているということがわかりました。日本の国際競争力はまだまだ未熟で潜在的可能性を秘めてると思います。英語でのマーケティングができるようになれば国際社会でより強い影響力を持つことができると仰り、それは国政のみならず企業内でもいえることだと感じました。
また、奇抜な格好をする背景には相手に強い印象を与えることが狙いだといい、まずは覚えてもらうことが大事なのだと改めて知ることができました。ありきたりで当たり障りがなければ悪い印象こそ与えないにしても良い印象を得ることは難しい。まずは相手の印象に残るような、差別化を自分にする必要があると思いました。
「戦わないことが最高の勝ち方」。事業において「穴」となっている部分を狙ってインセンティブをとって参入していく。既存の事業に参入して勝とうとするよりは、まだ何もない状態から土台を築いてしまう。国政においてのみではなく、企業などでもそういう風に応用することができると感じました。

選挙前のお忙しいところわざわざお越し頂き大変貴重なお話をお聞きすることができました。
ありがとうございました。

<バンナム3分個人プレゼン>
アイディアを考えて考えて煮詰めすぎて自滅しました。「自分が面白いことは何だろう」から始まって考えたらすでに面白いものよりも面白くないと感じてることを面白くできたらいいな、と思ってシフトチェンジしたら重くてとても「楽しめる」と思えるようなものではなくなってしまっていたのが悔しいです。アイディアがひらめくのがとうとう間に合わなかった感じです。お金の流れとしての収益モデルが築けなかったこと、そして考えすぎて消費者インサイトに欠けてしまっていたのが自分の反省点です。

ゼミ生のアイディアで一番「もしこれあったら絶対やりたい!」と思ったのは矢野さんの「プリ動画」でした。月に1回はプリクラを撮るのですが、昨今ではプリクラがシールであることの必要性が最早ないと感じていて、赤外線などで画像がケータイに送れればそれでいい、とまさに思っていました。かつてのようにプリ帳も作らない、プリ交換もしない、手紙などに貼らない、と時代は変わっているのにプリクラはオプションの技術こそ進化すれどそのもの自体の市場が飽和状態になってしまっていてなんだか新しさに欠けると思っていたら…プリ動画!衝撃でした。もしそんなものあったら絶対やりたい!と思ったのですが、1回のプレー費用がどのくらいになるか(あまり高いと普及は難しい)・動画編集が簡単であることなどが課題となるのではないでしょうか。
また、個人的には田島さんのARカードゲームが次世代っぽくて「もしあったらこの目で見てみたい」と思いました。画像をみてすでに外国では技術的に実現しているのが驚きでした。技術の発展のめまぐるしさを感じた瞬間でした。30代の固定ガンダムファンを父に持つ子などもハマって次世代ガンダムファンを新たに作ることができるのではないかと感じました。
藤田さんの「まごっち」はネーミングからして面白くて話題性をよんでブレークしそうだなと思いました。プレゼン中始終笑ってしまうほど本当に面白い内容でした。

個人的に小宮さんのお葬式アイディアも斬新でいいなと思ってました。保守的な考えに縛られない自由な発想には驚きましたが、「万人ウケは狙ってない」という新たなビジネスチャンスを引き出す一つのキーワードの良い例をみることができたのではないかと思いました。時代がもう少し進んで葬式の習慣が薄れたときこそビジネスチャンスになるのではないでしょうか。散骨などの方法をとり葬式を行わない家族もあると聞きますが、まだまだ葬式をすることが主流な現代社会では世間からの強い批判を受けかねないかもしれないと感じました。

2010年7月2日金曜日

【ホンヨミ】0625②本を読む本【岡本】

『本を読む本』 M.J.アドラー, C.V.ドーレン著

「読書なんて人それぞれのやり方があるのだから、誰かに教わるようなものではない」。そういう見方があるかもしれない。それは一面で真実だが、どんな本を読むにもその考えが通用するのかというと、そうではないように思う。読書の意義、読書の方法を今一度問い直したくて読んだ。

本書で紹介されているのは100冊に1冊あるかないかの「名著の読み方」である。その辺に転がっている、たいして時間を割く価値もない本の読み方ではない(もちろん、それにも応用はできる)。

まず基本として、何が「良い読書」かと言えば、その本の内容に対して常に問いを発し続け、読み進める中で自ら答えを見つけていく「積極的な読書」である。ただひたすら読み進めて、読了するころにはぼんやりとしか内容を覚えていない、というようなことではいけない。

本から情報を得るという行為はとかく一方通行でありがちだが、自らも問いを発していくことで疑似的な双方向性を生み出すことが、書かれた本からより多くを得るためには重要であるようだ。

また、読書のタイプ、というかレベルには以下の4段階があるという。

1.初級読書
2.点検読書
3.分析読書
4.シントピカル読書

詳細については本書で詳しく述べられているので割愛するが、各段階は、その前の段階がマスターできていることを前提とし、従ってシントピカル読書は最上級の読書ということになる。そして著者は、このシントピカル読書を「大学卒業までに」習得してほしいと述べる。ところが、自分は「2.点検読書」すら満足にできていなかった。今までいかに「テキトー」に読書をしていたか、思い知らされた。

名著と呼ばれる本には、そうではない本と明らかに区別されるべき、名著と呼ばれるだけの所以がある。そんな本まで、自分が正しいと「信じ込んでいる」不確実な読書習慣にならって読むべきではない。名著からより多くのものを得、得たものを自らの血肉とし、場合によっては著者が言わんとする以上のことを学び取る(シントピカル読書)ためには、それなりのノウハウがある。

ゼミで回ってくる本には特に「名著」或いは「良書」と呼べるものが多い。それだけに、本書に書かれたノウハウには価値がある。

読書観が変わる一冊。

【ホンヨミ】0625①ハイ・コンセプト【岡本】

『ハイ・コンセプト』ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳)

書評遅れ気味ですいません!!

『第3の波』の著者であるトフラーによれば、18世紀は農業の時代、19世紀は工業の時代、20世紀は情報の時代であった。訳者の大前氏によれば、21世紀は「コンセプトの時代」だという。情報の時代に重宝された左脳型思考、すなわちロジック思考はコンセプトの時代には通用しない。21世紀を生き抜けるのは「右脳型思考」を持った人間だ。

求められる思考の型が変わっていくにつれ、重視されるもの・こともまた変わっていく。「機能」「議論」「個別」「論理」「真面目さ」「モノ」といった20世紀的価値はそれぞれ「デザイン」「物語性」「全体の調和」「共感」「遊び心」「生きがい」の6つの感性に取って代わられる。

6つの感性に優れているだけではいけない。その感性をうまく活かして、下に示すような人材になっていく必要がある。

・「境界」を自分で超えていく人
・何か「発明」できる人
・巧みな「比喩」が作れる人

こうして見てみると、今の自分はこのどれにも当てはまらないという感じで非常に耳が痛い。本書の定義で当てはめる限り、自分は明らかに古い時代の「左脳型人間」だ。

ただ、そうだといって諦めるには早い。たとえば、物語的資質を磨くには質のいい短編小説をいろいろ読むとか自分史を書いてみるとか、「全体の調和」的資質を磨くには、普段買わない雑誌を10冊買ってみるとか、どこまで効果があるかは分からないが改善策が示してある。その点で、たとえいま現在、右脳型の資質をわずかしか持っていなくとも、それはまだその資質を磨いていないからかもしれない。そう思えるのは救いだ。

これからの時代、キャリアの方向性はどんどん変わっていく。社会の要請に合わせて、人材の側が変わっていかなければならない。

【ホンヨミ】0702①自分の小さな「箱」から脱出する方法【村山】

【自分が相手にどのような感情を抱いているかを、相手は感じることができる。それによって、相手は自分に反応する】。確かにその通りだと感じた。相手が自分のことをどう思ってるのかは、声・表情・身振り手振り・態度によって伝わってくるものである。このことは経験則で実感できる。

だからこそ、これを言ったら相手がどういう気持ちになるか、何をしてあげたら相手の役に立つことが出来るのかなど、【想像力】を働かせることが重要なのではないだろうか。つまり、相手目線で物事を考えるということである。想像力を働かせて相手目線で考えることは、相手に対して心をオープンにすることを意味している。自分がどう思っているのかが相手に伝わるからこそ、こちらが心をオープンにすれば、きっと相手も徐々に心を開いてくれる。

自分の心を箱の中に閉まったことで、仲の良かった友達と険悪になった大学三年。その原因は、自分が意図的に心を閉じたから。それが相手にも伝わって相手も心を閉ざし始めた。それを見た友人がこの一冊を勧めてくれた。もう一度、心を開いて話しかけてみようと思う。今の自分にとって、非常に価値のある一つの転機となる一冊になったことは間違いない。

0625ゼミ感想【岡本】

すみませんーブログアップめっちゃ遅れました!

【バンナムプレゼン】

3期生のプレゼンがすごかった。ゼミで求められるクオリティ…というか、社会で求められるクオリティがわかっている感じ。社会と対峙しなければならない今回のプロジェクト、高いクオリティの必要性を改めて実感した。

あとはゼミ生のフィードバックも。ほんの少しのスライドだけでしっかりと全体像を把握し、それなりに時間をかけて作っているであろうプレゼンの、作成者すら気づかなかった弱点や盲点を見つけ出す…圧巻だった。

反省点は多すぎて書ききれない。少しでも次に生かさないと。

【ゲストスピーカー 猪子さん】

なんというか、今まで見てきた中で初めてのタイプの人という感じ。

得体の知れない人物という印象で始まったかと思えば、最後までつかみきれない、底の深さというか、うまく言い表せない深遠さを感じた。

お話の中でチームラボという会社そのものに魅力を感じたのは自分だけではないと思う。ゼミに入ってから色々な本を見てきたが、それらに共通する「流行る会社」のエッセンスが詰まった、次世代型企業の鑑のような会社だと感じた。

貴重なお話、ありがとうございました。

【ホンヨミ!0702①】発想の求められる時代【栫井】

発想の求められる時代-知的財産を経済的価値につなげる創造的思考法-/武山政直

これからはCo-Creation(共創)の時代である。
Co-Creationの時代の思考法とは、既にある知識や概念を新しい形でブレンドするやり方だ。何もない状態から新しいものを生み出すよりも、それまで考えられなかった2つの組み合わせによって、新たな価値を生み出して行く。
そのためには、今までと違ったものの見方が試される。
たとえば、Appleが発売したiPodは、それまでSONYが"高音質"という価値を磨き続けていた携帯音楽市場に、"CDコレクションを持ち運ぶ"というコンセプトで投入され、音質ではSONYのウォークマンに劣るものの、大ヒットを記録した。

このことは、本論の中で語られるような製品優位の思考からサービス優位の思考への変化に沿っている。
それまで、企業は製品を開発する際、製品そのものの価値をユーザーの求める価値だと決め、高めていった。
しかし、今はそれではユーザーは買ってくれない。モノが飽和し、低コスト化の流れと共にユーザーの力が増し、モノそのものよりもモノに付加する経験に重きが置かれるようになったのだ。
モノに付加する経験は、製品それ自体をどんなに見ていても伸びないだろう。それよりも、どうすればユーザーが喜んでくれるのかを観察して知ることだ。今ある技術や思考をどう製品に活かせば、ユーザーの生活を豊かに出来るのかを考えることだ。

企業からの一方的なモノの供給ではなく、ユーザーの思考も取り入れ、より良いモノづくりのコラボレーションが起こる未来。
わたしが大人になる頃には、わたしは企業目線・ユーザー目線・その中間にすら立ってモノづくりに参加出来るのだろうか。そんな未来が訪れて欲しいと思う。

【ホンヨミ!0702②】客観報道の裏側【高橋】

客観報道の裏側  飯室勝彦(著)

「客観的に報道する」とはどういう意味なのだろうか。その意味を知りたいと思い、読んでみることにした。マスコミが提供する情報を通して「今」を知ることができている私たちだが、当たり前を疑う、ということをしなくなっているんじゃないかなと感じたことがあり、ジャーナリズムで叫ばれている「客観報道」について考えてみた。
そもそも人間がつくるものに客観性を持たせるのはなかなか難しいと思う。TVの報道番組にでてくるコメンテーターによる発言、あるトピックに対して意見する専門家は一つの立場しかとらない人など、報道番組でさえ、各自の放送規定に反するような構成になってしまっているように思う。
かといって、すべての番組が客観的にのみ報道することは観ている方からしたらどれも一様で、TV局関係なく退屈になってしまう。ならば、「客観」という言葉を取り除いて「うちの会社は○○といったイデオロギーの下報道します」と公表した方が視聴者にとっても比較しやすくなるのではないだろうかと思った。
「報道の自由」も「取材の自由」も私たちの「知る権利」の一部であり、侵害されるべきでない。しかし、権利ばかりを主張し、彼らの伝える義務を果たすことも非常に大事なものである。客観的に報道することが義務であるならばイデオロギーを前面にだすべきではないし、イデオロギーを大事にするのであればそれをもっと視聴者なり読者にわかりやすくすべきなのではないだろうか。
客観報道といわれているものの裏側について考察された本著は、マスコミの裏側を知るのに大変興味深い内容だった。

【ホンヨミ!0702①】Twitter社会論【高橋】

Twitter社会論~新たなリアルタイム・ウェブの潮流~ 津田大介(著)

Twitterとは何か、tsudaるとは、またその意図は何か、などTwitterについてあまり詳しい話を知らない私にとって大変ためになる内容だった。
著者はTwitterの6つの特徴として①リアルタイム性、②協力な伝播力、③オープン性、④ゆるい空気感、⑤属人性が高い、⑥自由度が高い、などをあげている。個人的に最大の魅力はリアルタイム性だと思っていて、Twitterで他人のつぶやきをみるときも、今この瞬間○○はこう思ってるんだ、こうしてるんだ、など生活などが垣間見えるとなんだか嬉しくなる。媒体を通してなのにまるで時間を共有しているかのような錯覚にさえ陥る。それがTwitterの面白さだと思っている。特にリアルタイムであることは、ジャーナリズムにも影響し、BBCがかつて犯した裏付けなし報道などといった過ちを繰り返してはならないとはいえ、やはり一般人のツィートによって第一情報が投稿されることは十分にありえる。そこから私たちは情報を得て、話題を共有しあったりして伝播させていくことができる。まるでご近所で話すような感じでTwitterを通して「つぶやく」形でコミュニケーションができる。そのシンプルさかつ斬新さがここまで波及していったのだと思った。
ただ、スマートフォンでない限り、Twitterは通信時間もかかって見にくいため、使いにくいと個人的には思っていて、もし自分がiPhoneなどを持っていたらもっとTwitterをたくさん利用して「つぶやき」を増やして色んな人とコミュニケーションできるツールになるんだろうなと思うとますますスパートフォンへの需要が上がっていくのではないだろうか。リアルタイム=携行できる媒体という意味で、スマートフォンやiPadがさらに普及すればTwitterもさらに爆発的ヒットを生むのではないだろうか、と予感している。

【ホンヨミ!】もし日本がひとつの会社だったら【金光】

田村耕太郎
『もし日本がひとつの会社だったら』

明日来ていただくゲストによる近著ということで購入した。
実際に質問できると思いながら読むのは、同じ読書でも読んでいてやる気が出る。

最初に思ったのはやはり田村さんの”ガッツ”。
草食系男子とは正反対とでも言おうか。やる気と熱意に満ち溢れた人だと思った。その印象が濃すぎて、逆に他の長所の印象が薄いほどだ。
そしてガッツに派生する”行動力”から生まれた”人とのつながり”を大切にする人なんだなと思った。

この本を読んでいて感じたことは、本は薄いのに文字は大きいし強調したいところは太字になっていて読みやすいけれど、「結果のみ」が多いことと、「万人向け」だなという点だ。
普段読みなれている本と比較して、いろんな方面の人から好かれようとしているように感じられた。「特にターゲットをどこに絞って書いたのだろう」と疑問を持ったが、立場上全国民の利益を考えなければいけない分、あらゆる読者を想定して対応できるような文章になってしまうのだろうとも思った。
また、紙面が限られているせいか「自分の業績の羅列」のように感じられたことも事実だ。もっとも、確かにこのように本を読むことで初めて知る事実が多い。そのような事実をこの本によって周知させる意味は大きいと思う。とはいえ、もっと結果に伴う心境や当時の情勢や周囲の反応などいろんなことを織り交ぜて書いてあればなお読みたいと思うと思った。
また、政府系ファンドについての総理へのさまざまなアプローチが紹介されているものの、どんどん首相が交代し、そのたびにやり直させられる。首相が変わるということは、そのたびに長期プロジェクトが打ち切りになって振り出しに戻るということで、日本の経済上も良くないんだと思った。

2010年7月1日木曜日

【ホンヨミ!0702】畑村式「わかる」技術【田島】

畑村式「わかる」技術 畑村洋太郎


先週金ゼミにゲストスピーカーとして来てくださった猪子さんは、目まぐるしく変わる現代社会の「本質とは何か」を常に考えようとする人だった。ゼミ中にも猪子さんに対し「本質をとらえられるようになるにはどうすればよいか?」という質問が投げかけられた。そしてそれに対し返ってきた答えは、「あまり自分は情報を入れない」という意外なものであった。本質をとらえるために知識を収集するどころか、むしろ入れないとはどういうことか?
これは、「わかった気になる」ために知識を集めることよりも、知識をどう組み合わせて自分なりの考えを構築するかが重要だということを言ったのではないだろうか。そして今週手に取った本書は、まさに「本質を捉える」ためのヒントを与えてくれる本であった。


本書で著者が提案する「わかる」技術は、例えば難しい講義がわかるようになるとか、そういった「情報把握」の技術のみを言ってはいない。複雑にして未知の問題に遭遇したとき、どのような行動をとればいいかが「わかる」、そのような問題解決能力までも想定しており、タイトルから受ける印象よりも内容は深い。
筆者が主張するに、社会が成熟し複雑になった現代を「わかる」ためには、問題の構造を分析し、自分の頭の中の思考用の種(知識や法則。いわば思考の部品である。)を用いて、新しいテンプレートを構築して、現象を理解することが必要である。「複雑怪奇な現代の諸問題に対し、新しいテンプレートを自ら構築して立ち向かうこと」、これが本質をつかむことだと筆者は言う。しかし、この「自ら新しいテンプレートを作り出す」ことが最も重要にして最も難しいのだ!一体どうすればいいのか?

それに対して筆者は具体的な方法論は示さない。それは当然である。なぜならば、筆者はこの自ら作り出す能力を「筋力」として捉えているからだ。筋力を鍛えるためにいくら本を読んでも無駄である。筋力を鍛えるのは、日々の自発的で地道な訓練だ。この本を読むだけでは「わかる」ようにはならない。この本は、自ら構築しようという行為をまず初めてみよう、TRY&ERRORしてみようと提案しており、「わかる」ようになるための方向性を示すトレーナー本なのだ。(しかし、筆者は自分が常日頃から行っている思考力訓練方法を公開してくれているので、それも大いに参考になる。)

複雑で予想がつかない社会、誰も「正解」を示すことはできない。例えば誰もが電子書籍に注目するが、既存のビジネスモデルでは説明できないそれが今後一体どうなるのか、予想することが大変難しい。知識は部品であり、必要ではあるが、それがあっても問題を解決することができない。大切なのは、各自が部品を組み立てる力なのである。


新しい問題に向き合っていく金ゼミ生向けの本であると思う。もっと考えられるようになりたいがどうすればいいかよくわからない、そんな人におススメしたい。