2010年7月20日火曜日

【0709ゼミの感想】もう折り返し地点 pt.1【岸本】

 
 大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
 
 内容をコンパクトにまとめようとしたのですが、論文フィードバックが思いのほか長くなってしまったので、今回は2回に分けて書きます。

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 辻野さんの話を聞いて感じたのは、かつてのソニー、あるいは今のGoogleは時代の変化に対応出来る組織形態であると感じました。
 割とフラットな組織は速い意思決定のため。また、福利厚生を充実させるのは、(ICT産業の多くでは)いつでもどこでも仕事が出来る現代において、変化に素早く対応させるため。性悪説ではなく、性善説でやる、というのはP&Gの「PrincipleはあるがRuleはない」に共通するように組織のメンバーに息苦しさを与えないため。また複数の技術者である創業者が存在することで常に単一の主観でない、更に技術者の意見を汲むことの出来る経営が出来ているように感じます。
 
 興味深かったのは「ターゲットを日本で始めないこと」ということでした。確かに日本のガラパゴス化問題は、制度や市場などの外圧があったにせよ、国内市場向けに商品を開発改善することに力を入れ過ぎ、それをあまり広めようとしなかった結果、国際競争から取り残され、更にイノベーターのジレンマに陥っているという風に感じます。
 多くのインターネット企業がアメリカのシリコンバレーのベンチャー発とよく言われますが、こうしたベンチャーが単にユニバーサルなサービスや製品を提供しようと努め、またそれをサポートする仕組みがあったにすぎないと考えています。
 
 また、面白いウェブサービスに自社の商品を上げていたのが非常に印象的でした。それだけ自分の会社のものを面白いと信じ、それを生み出す組織やメンバーを信じることが出来なければ社長は勤まらないと感じます。

 お忙しい中、お越し下さってありがとうございました。

 補足ですが、誰かの質問にあった、Googleの弱点に関して少し意見があるので書きます。私見では情報の囲い込みの如何によってはGoogleは現在の地位を失うと考えています。Googleは現在収益のほとんどをその広告に頼っています。その広告は、ユーザーが情報を求めてキーワードをGoogle(や関連サービス)の検索窓に打つことで、ユーザーに適した広告が届き、広告主は広告費を提供してくれるというものです。ユーザーはGoogleを経由することで欲しい情報にたどり着けると考えるためにGoogleを利用します。
 しかし、SNSなどを考えれば分かるように、情報をあるサイト内に囲い込んでしまえば、ユーザーは情報を探すのにGoogleを用いなくなります。ユーザーがGoogleから離れると広告収入は落ちます。これが悪循環になる恐れがあります。(現在、一番情報の囲い込みで脅威となるのがFacebookであると考えています。ネットワーク効果もあり、英語圏を中心に急速に利用者を拡大しているので。)
 もちろん、こうした囲い込みを防ぐ手段はいくつかあります。代表的なものには提携してしまうことです。Twitterとの提携では、今後の脅威をなくしたいGoogleと利用者を拡大したいTwitter双方の利害関係の一致があったと考えています。
 先に例に挙げたFacebookがどこまでGoogleを脅かすものになるのかは未知数ですが、可能性としては十分にあると考えています。持久戦になるのかもしれません。(ちなみに、この質問をGoogleの社員の方にぶつけてみたところ、「情報や人を囲い込んでからお金を集めるのはアイビーリーグ系のビジネススクールのやり方。我々Googleはどっしり構えて待っている」と仰っていました。)

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