2010年7月2日金曜日

【ホンヨミ】0625①ハイ・コンセプト【岡本】

『ハイ・コンセプト』ダニエル・ピンク (著), 大前 研一 (翻訳)

書評遅れ気味ですいません!!

『第3の波』の著者であるトフラーによれば、18世紀は農業の時代、19世紀は工業の時代、20世紀は情報の時代であった。訳者の大前氏によれば、21世紀は「コンセプトの時代」だという。情報の時代に重宝された左脳型思考、すなわちロジック思考はコンセプトの時代には通用しない。21世紀を生き抜けるのは「右脳型思考」を持った人間だ。

求められる思考の型が変わっていくにつれ、重視されるもの・こともまた変わっていく。「機能」「議論」「個別」「論理」「真面目さ」「モノ」といった20世紀的価値はそれぞれ「デザイン」「物語性」「全体の調和」「共感」「遊び心」「生きがい」の6つの感性に取って代わられる。

6つの感性に優れているだけではいけない。その感性をうまく活かして、下に示すような人材になっていく必要がある。

・「境界」を自分で超えていく人
・何か「発明」できる人
・巧みな「比喩」が作れる人

こうして見てみると、今の自分はこのどれにも当てはまらないという感じで非常に耳が痛い。本書の定義で当てはめる限り、自分は明らかに古い時代の「左脳型人間」だ。

ただ、そうだといって諦めるには早い。たとえば、物語的資質を磨くには質のいい短編小説をいろいろ読むとか自分史を書いてみるとか、「全体の調和」的資質を磨くには、普段買わない雑誌を10冊買ってみるとか、どこまで効果があるかは分からないが改善策が示してある。その点で、たとえいま現在、右脳型の資質をわずかしか持っていなくとも、それはまだその資質を磨いていないからかもしれない。そう思えるのは救いだ。

これからの時代、キャリアの方向性はどんどん変わっていく。社会の要請に合わせて、人材の側が変わっていかなければならない。

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