2010年7月2日金曜日

【ホンヨミ!0702①】発想の求められる時代【栫井】

発想の求められる時代-知的財産を経済的価値につなげる創造的思考法-/武山政直

これからはCo-Creation(共創)の時代である。
Co-Creationの時代の思考法とは、既にある知識や概念を新しい形でブレンドするやり方だ。何もない状態から新しいものを生み出すよりも、それまで考えられなかった2つの組み合わせによって、新たな価値を生み出して行く。
そのためには、今までと違ったものの見方が試される。
たとえば、Appleが発売したiPodは、それまでSONYが"高音質"という価値を磨き続けていた携帯音楽市場に、"CDコレクションを持ち運ぶ"というコンセプトで投入され、音質ではSONYのウォークマンに劣るものの、大ヒットを記録した。

このことは、本論の中で語られるような製品優位の思考からサービス優位の思考への変化に沿っている。
それまで、企業は製品を開発する際、製品そのものの価値をユーザーの求める価値だと決め、高めていった。
しかし、今はそれではユーザーは買ってくれない。モノが飽和し、低コスト化の流れと共にユーザーの力が増し、モノそのものよりもモノに付加する経験に重きが置かれるようになったのだ。
モノに付加する経験は、製品それ自体をどんなに見ていても伸びないだろう。それよりも、どうすればユーザーが喜んでくれるのかを観察して知ることだ。今ある技術や思考をどう製品に活かせば、ユーザーの生活を豊かに出来るのかを考えることだ。

企業からの一方的なモノの供給ではなく、ユーザーの思考も取り入れ、より良いモノづくりのコラボレーションが起こる未来。
わたしが大人になる頃には、わたしは企業目線・ユーザー目線・その中間にすら立ってモノづくりに参加出来るのだろうか。そんな未来が訪れて欲しいと思う。

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