2010年7月20日火曜日

【0709ゼミの感想】もう折り返し地点 pt.2【岸本】

 まず、5期生は去年や一昨年の論文を見て、完成のイメージをつかむことをオススメします。また、4期生は昨年のチームのメーリスやブログ記事を振り返ることで、論文を進める上での反省点や参考になるポイントを洗い出すといいと思います。

 個人的に2回三田論を扱った中で頭にざっくり描くプロセスは以下の通りです。

 1.問題設定
 2.インプットしまくる
 3.概念化、仮説(フレームワーク)化
 4.検証
 5.適宜1~4を見直す(固めていく順番は基本的に昇順で)

 こちらとか、こちらも参考になるかもしれません。特に前者のBibliographyは重要だなと最近になってつくづく実感します。

 そして以下は各班の現時点でのテーマに関してのフィードバックというか印象や意見です。つまらないものですが参考にしていただければ。

1.Social Application Marketing
 先日のバンナムプレゼンでも挙げたように、ソーシャルアプリ市場は活性化し、またSNSの拡大に伴い、市場は拡大傾向にあります。成功するアプリの要因やコンテンツの内容はもとより、他との差別化のためには新しい動きを抑える必要があると感じました。例えばFacebookで最も人気のあるアプリの1つ「FarmVille」などを提供しているZyngaはそのキラーアプリを活かして独自のSNSを作りました。
 また、iPhoneアプリにおけるiAdの存在など、プラットホーム内でのビジネスモデルの変化についてまとめてみても面白いと感じました。いかに人を集める仕組みをつくり、そこで囲い込んだまま、広告を効果的に提示出来るかという問題自体はそれほど新しいものではありませんが、ソーシャルアプリ時代のアプリ業者、プラットホーム運営者それぞれの視点での提言が出来ると思います。
 
2.Licencing 1.0→2.0
 法律はだいぶ弱いので微妙な意見になりますが、現状で普及しつつある新しいトレンドに対応するだけの「次の創造へのインセンティブ」として機能する法体系が個人的に気になります。
 例えばWeb 2.0以降顕著になった動きの1つに、意図しないものが「広告」として機能していることがあります。YouTubeの違法動画にしろ、ブログ上でのレビューにしろ、UstreamのDJにしろ、Twitterでのつぶやきにしろ、結果としてある製品やサービスの広告となる、言い換えれば私たちがそうした合法、違法なものに購買行動において影響を受けている言えるのではないでしょうか。
 もちろんコンテンツの形式によってその鮮度、反復可能性などは変化し、ビジネスモデルも変化すると考えられます。そうしたコンテンツの違いで異なる部分、また共通する部分を収益可能性などと照らし合わせて探っていくといいかもしれません。
 また提言先の主体を立法府ではなく、YouTubeやUstreamのような一企業と考えると、昨年の角川バッジみたいな民間でのライセンス、収益分配の仕組みの例を沢山集めても面白いかもしれません。

3.Content Deflation
 これはある程度電子書籍のときの問題意識と被る点が多いのではないでしょうか。YouTubeなどのUGC型は投稿されたコンテンツを維持するランニングコストがいずれ収支を圧迫するようになるため、広告収入だけでなく課金収入などにも頼るようになり、どちらかと言うと「値上げ」せざるをえないと考えます。
 一方、iTunesやKindle Storeのようにプラットホーム提供者とコンテンツ提供者の間での価格設定を巡る争いは興味深いと感じます。「値下げしたからといって売り上げが下がる訳でもなく、むしろ上がることもある」という言い訳は(主にプラットホーム提供者によって)よくなされますが、コンテンツの長期的な収入は本当に増えるのでしょうか。iTunesで曲単品で買うより、Napstarでひたすら聞き続ける方が本当にコンテンツ提供者にとって最善の選択なのでしょうか。こうしたユーザーの利用形態に合わせた価格設定の方法について調べてみても面白いかもしれません。

4.Reatime Web
 コンテンツのリアルタイム生成問題に関してのようですが、(スライドを見返すことが出来ないせいもあって)正直イマイチピンときませんでした。なので、以下はちょっと的外れなものになっているかもしれませんが、ご容赦を。
 リアルタイム生成に関してですが、まず第一にユーザー中心で利便性に優れたインフラ整備が前提になると感じました。(ここらへんは昨年のORFでの村井先生の話が参考になるかもしれません)また、ネタ消費の付加価値問題ですが、これはオープンソースの時代から2ちゃんねるなどのネット上でのコミュニティを経て現在もUGCサイトに見られる「嫌儲」の考えとの折り合いの付け方が重要になってくると思います。一例を挙げると「電車男」の場合、売り上げは募金にまわったとされており、それほど反発はありませんでした。その一方でavexによる「のまネコ」騒動では、2ちゃんねるを中心に様々なコミュニティにて反発運動が繰り広げられました。(作家性を持たない匿名の)みんなで作り上げたコンテンツを誰かが買い取って収益の最大化を図るということに対して抵抗があるようですが、そのコミュニティや社会全体に対して還元されるというインセンティブの設計の如何によっては上手くいくと考えています。

5.Net Election, Net politics
 有名な話ですが、Facebookの共同創業者がオバマ陣営のキャンペーンの仕掛人でした。この話にも関連しますが、どちらかというとネット政治に関するものより、ウェブマーケティングに近いものを感じました。いかにメッセージを口コミで広め、効果的に展開するか、もちろん政治的な説明責任を果たすことが最も重要であると考えますが、広めるプロセスはウェブマーケからの教訓が多いのではないでしょうか。
 また、利害関係を共有する集団が集まり、政党をつくり国政や地方の政治に乗り出すということは十分ありえると思います。またその一歩先を行ったインターネット民主党のような直接民主制の可能性について考えていっても面白いかもしれません。

2 件のコメント:

  1. >tdk
    コメントあるとは思わなんだ。
    これからもガシガシFBしまっせ。

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