2010年7月7日水曜日

【ホンヨミ!0709①】ウィキノミクス【高橋】

ウィキノミクス~増すコラボレーションによる開発・生産の世紀へ~ ドン・タプスコット、アンソノー・D・ウィリアムズ(著)

まず構成としては、分厚い書なだけあって自分にとって新しいキーワードがたくさん解説つきで用いられていてわかりやすかった。たとえ話を多用している点が特に話を追うのを容易にさせてくれた。
無数の人とのコラボレーション:ウィキノミクス。Wikipediaがとても良い例だと思うが、ネット利用が活発になることによって無数の人とコラボレーションして成長していくことを指していて、ネットの双方向性によってもっともっと活発になっている段階に今あるといえる。クラウドソーシングもこのウィキノミクスに通ずるものがあると思う。
ウィキノミクスの基本原理は、オープン性、ピアリング、共有、グローバルな行動であると本著は主張している。これらすべての条件を網羅したもので話題になってものといえば即座にYouTubeを思い浮かべた。
「ピア」という言葉がキーワードになっているが、その概念について自分は無知だったので忘れないためにもここに記しておく。ピアプロダクションとは、「共有成果を生み出すため個人が自発的に集まり、自発的秩序形成によって作り上げた平等なコミュニティの力のみを使う、財やサービスの生産方法」であると本著では定義されている。共有成果、自発的、平等。これらのキーワードが不特定多数の人々とコラボレーションしていく上で非常に重要となるのは間違いなく、あとはいかに信頼性があるか、ということに尽きるだろう。無数の人々と繋がるからこそその信頼性はより重要となるケースが多い。管理体制が肝要であり、時代に即した危機管理をしなければならないのである。

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