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2010年9月26日日曜日

あと半期【岸本】

   
 少しだけ語呂先行ですが、真面目に考えました。いつもよりも少しコンパクトにまとめます。

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金ゼミを
1. 「Chance」に満ちている場
2. 「Change」と向き合う場
3. 「Changing Same」を見つける場

この3つだと考えています。

1. 「Chance」に満ちている場
 自分では思いもよらない機会、偶然に満ちた場だと考えます。
 好きなもの、興味のあるものを突き詰めたり、自分の能力を伸ばしたりというのは1人でも出来ることですが、多様なゼミ生や先生、外部との関わりの中で個人の想定以上のところまでたどり着くことが出来うる場ではないかと。

2. 「Change」と向き合う場
 変化に対して、表面的に触れるのではなく、じっくり腰を据えて向き合う場であると考えます。
 意識的に自分を変えたり、人との関わりの中で自分が変わっていったり、変化に対応したり、変化をつくっていったりする中で、変化への向き合い方、つきあい方を思考、実践できるのではないかなと。個人的には先生の仰る「3つの力」を鍛えることがここに当てはまると考えます。

3. 「Changing Same」を見つける場
 「Changing Same」とは変化する中で変わらないもののこと。変化に向き合い、そしてその中から本質をつかみ取って自分の糧にする場だと考えます。
 これはゼミの研究にも当てはまると考えていますし、また自分を含めた人や組織にも当てはまるのではないでしょうか。これは「3つの力」を活かす方向性、ビジョンにあたる部分だと思います。

関連:kimseminar 2009: もやもやの季節。
(今年の1月に来期のゼミについて話し合った時のメモです。基本的に今も考えは変わっていません)

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 ちょっとだけおまけを。
 
 3つのポイントに絞るのは、今売れてるスティーブ・ジョブズのプレゼン本でも述べられてることですね。(参考:KIM Seminar 2010: 【ホンヨミ!】The Presentation Secrets of Steve Jobs【岸本】・手前味噌で恐縮です)
 
 個人的には、3つのポイントで提示するにも3つの段階があると思います。
  1. 情報を取捨選択をして3点挙げる
  2. 情報を統合して3点挙げる
  3. 情報統合の後、印象に残る形で3点挙げる

 こんな感じじゃないかなと。出来れば情報はモレなく示せると良くて、さらにダブりなく示せるとすっきりすると。更にわかりやすい語呂合わせとかだと尚よし、ってことでただ3つ挙げるだけではなくて、こうした段階を意識するとよりよいものになると思いました。

 あと、先生に指され、「ズルい」と突っ込まれてしまったところですが、ちょっとプレゼン詰め過ぎて完徹してグロッキーになってたところだったので、別にプレゼンのフィードバックを故意に怠っていたワケではありませんよ!笑(という風にちょっと柄にもないですけどブログ上で言い訳しておきます)
 

2010年9月23日木曜日

【夏休み】Tom Kelley@i.school【岸本】

 ものつくり2期の準備をしたり、バンナム進めてたり、コンペ出したり、ライブとかシンポジウムとか行ってたりしたらあっと言う間に夏が終わってしまいました。今までで一番短かったように感じます。
 

 今回は、7月の下旬に東大のi.schoolで行われたIDEOのトム・ケリーによる講演会のメモを共有します。i.schoolは「デザイン思考」というイノベーションメソッドについて実践的に研究をしている東大の中の組織です。また、このi.schoolはスタンフォード大学のd.schoolという組織をモデルにしています。(ここの講師の1人に最近『20歳のときに知っておきたかったこと』で知られるようになったTina Seeligがいます。)ちなみに、講師のトム・ケリーは「デザイン思考」が世に広まるきっかけとなったデザインコンサルティング会社IDEOの役員で、d.schoolの立ち上げにも関わっている方です。


 内容としては前述の『20歳のときに知っておきたかったこと』と被る点も多いですが(そりゃそうだ)、抜群のプレゼンスキルも含め、参考になる点は多々ありました。若干の意訳&英語プレゼンだったのであやふやな点もありますが、参考になれば幸いです。


 プレゼンでは各スライドの上下にうっすらグリッド線みたいなのが引いてあって、とてもすっきりした印象を受けました。↓こんな感じ。



 また、以下の5つに1つ付け加えるなら、「最年少になるべし」でしょうか。以下続くプレゼンの3章にも関連しますが。

 個人的に好きなエピソードで、スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツは若い頃から仲良しで、当時どこのデジタル系のカンファレンスとかに行ってもおっさん達ばかりで自分たちは最年少だった。みたいなのがあるのですが、これを真似する感じでやっていくといいかもしれません(笑)。でも、若さは無知がある程度許され、更に好奇心を買われやすい、そのためアドバンテージになりやすいと結構マジで考えています。また、同年代とつるんでも似たり寄ったりの考えになりがちです。だったら年上とつるんでみる方が価値があるんじゃないかなあと。(もうちょっと考えると年上の方も同じような思考をしていれば、最年少が注目されるのも当然かもしれません)

 これは人とつるむ時に限らず、インプット、アウトプット全般においても通じるように思います。「この情報は同世代はつかんでいないだろう」とか「こんな考えは同世代はしないだろう」とか考えてみることですね。そうやって常に最年少を心がけるといいことがあるかもしれません。

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Tom Kelley@i.school

Presentation "Young@Heart"



まくら

- 子供のうちはみんなアーティストだ
 Every child is an artist.(パブロ・ピカソ) 
 Genius is childhood recalled at will.(シャルル・ボードレール)
 
- 国民の平均年齢
 アメリカ:36.7歳 ブラジル:28.6歳 日本:44.2歳

- 全てのアーティストたちはどうなってしまったのか?

- 参考文献…Gordon MacKenzie "Orbiting the Giant Hairball"(未邦訳)

 子どものときは偏見、先入観などが無く、創造性に満ちている。そして途上国の方が平均年齢が低く、創造性で先進国を上回っているという話。国際競争の中で先進国(特に日本)は創造性を高めるために、固定観念に囚われない発想が求められるようになる。



1. Think like a traveler:とにかく固定観念を捨て、新しい視点で世界を見るべし

- 固定観念に囚われないこと
 "The real voyage of discovery consists not in seeking new lands, but in seeing with new eyes."(マルセル・プルースト)

- 15分だけでも文化人類学者のように振る舞う
 何年も働いている駅員は、旅人が改札を通るときに荷物で通りづらいことに気づかない(慣れているから)

- 世の中は、文化人類学的視点があれば完璧にロジカルになる(逆に言えば、現状はこの視点が欠けている)

- Oral Bのケース:歯ブラシのマーケティング
 子どもは普通に歯ブラシを持つと思い、観察したら違っていた。
 →歯ブラシをしっかり握っていて、大人の論理が通じなかった。
 →子ども向けのグリップを開発。



2. Treat life as an experience:何事もどんどん実験して失敗を重ねるべし

- スキーは転ばないと上達しない:スキーのように早く失敗すべし 
 
- 失敗すること=成功への近道
 "I have not failed. I've just found 10000 ways that won't work."(トーマス・エジソン)

- ダイソンの掃除機
 プロトタイプ(試作品)が5000台作られ、現在の形に。

- 参考文献…Henry Petroski "To Engineer Is Human"(邦題:人はだれでもエンジニア―失敗はいかにして成功のもとになるか)



3. Nurture a "Growth Mindset":成長意欲を持つべし

- 「知らないこと」より「知っていると思い込むこと」の方が問題
 "It's what you know for sure that just ain't so."(マーク・トウェイン)

- 「先輩」よりも若い

- 見方を変える、危機感を持つ

- 参考文献…Carol S. Dweck "Mindset"(邦題:「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力)



4. Use your whole brain & "Tortoise Mind":柔軟に、じっくり考えるべし

- ボケーっとしたりじっくり考えたりする時間を取る

- 芸術とか色んなものからインスピレーションを得る

参考文献…Daniel Pink "A whole new mind"(邦題:ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代), Guy Claxton "Hare Brain, Tortoise Mind"(未邦訳)



5. Follow your passion:やりたいことをやるべし

- やりたいことをやるべし
 "Do what you love."(フランシス・コッポラ)

- ハリネズミの法則(関連:ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則)
  Good at(好きなこと)
 → Born to do(世界で一番になれること)
 → Pay you to do(市場があること)
 この順番で、この3点を兼ね備えた部分で勝負する

- それに加えて…
 人の存在を忘れない(誰に?誰を?誰が?)
 周りの人をリスペクトする

- 遊びと仕事の融合
 The supreme accomplishment is to blur the line between work and play.(アーノルド・トインビー)

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関連
『20歳のときに知っておきたかったこと』(原著)の書評文(昨年度ゼミブログ)
Innovation Weblog - Trends, resources, viewpoints from Chuck Frey at InnovationTools
The Thinking Man's Podcasts: How to Be an Innovator for Life
Think Bulbs: Tom Kelley, IDEO
Entrepreneurness: Inspiration for your Every Day


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9/23 20:58 追記
スタンフォード大のecornerにまんま動画が上がってたので貼っときますね。これ最初に見つけてたら苦労しなかったのに(泣

2010年7月20日火曜日

【0709ゼミの感想】もう折り返し地点 pt.2【岸本】

 まず、5期生は去年や一昨年の論文を見て、完成のイメージをつかむことをオススメします。また、4期生は昨年のチームのメーリスやブログ記事を振り返ることで、論文を進める上での反省点や参考になるポイントを洗い出すといいと思います。

 個人的に2回三田論を扱った中で頭にざっくり描くプロセスは以下の通りです。

 1.問題設定
 2.インプットしまくる
 3.概念化、仮説(フレームワーク)化
 4.検証
 5.適宜1~4を見直す(固めていく順番は基本的に昇順で)

 こちらとか、こちらも参考になるかもしれません。特に前者のBibliographyは重要だなと最近になってつくづく実感します。

 そして以下は各班の現時点でのテーマに関してのフィードバックというか印象や意見です。つまらないものですが参考にしていただければ。

1.Social Application Marketing
 先日のバンナムプレゼンでも挙げたように、ソーシャルアプリ市場は活性化し、またSNSの拡大に伴い、市場は拡大傾向にあります。成功するアプリの要因やコンテンツの内容はもとより、他との差別化のためには新しい動きを抑える必要があると感じました。例えばFacebookで最も人気のあるアプリの1つ「FarmVille」などを提供しているZyngaはそのキラーアプリを活かして独自のSNSを作りました。
 また、iPhoneアプリにおけるiAdの存在など、プラットホーム内でのビジネスモデルの変化についてまとめてみても面白いと感じました。いかに人を集める仕組みをつくり、そこで囲い込んだまま、広告を効果的に提示出来るかという問題自体はそれほど新しいものではありませんが、ソーシャルアプリ時代のアプリ業者、プラットホーム運営者それぞれの視点での提言が出来ると思います。
 
2.Licencing 1.0→2.0
 法律はだいぶ弱いので微妙な意見になりますが、現状で普及しつつある新しいトレンドに対応するだけの「次の創造へのインセンティブ」として機能する法体系が個人的に気になります。
 例えばWeb 2.0以降顕著になった動きの1つに、意図しないものが「広告」として機能していることがあります。YouTubeの違法動画にしろ、ブログ上でのレビューにしろ、UstreamのDJにしろ、Twitterでのつぶやきにしろ、結果としてある製品やサービスの広告となる、言い換えれば私たちがそうした合法、違法なものに購買行動において影響を受けている言えるのではないでしょうか。
 もちろんコンテンツの形式によってその鮮度、反復可能性などは変化し、ビジネスモデルも変化すると考えられます。そうしたコンテンツの違いで異なる部分、また共通する部分を収益可能性などと照らし合わせて探っていくといいかもしれません。
 また提言先の主体を立法府ではなく、YouTubeやUstreamのような一企業と考えると、昨年の角川バッジみたいな民間でのライセンス、収益分配の仕組みの例を沢山集めても面白いかもしれません。

3.Content Deflation
 これはある程度電子書籍のときの問題意識と被る点が多いのではないでしょうか。YouTubeなどのUGC型は投稿されたコンテンツを維持するランニングコストがいずれ収支を圧迫するようになるため、広告収入だけでなく課金収入などにも頼るようになり、どちらかと言うと「値上げ」せざるをえないと考えます。
 一方、iTunesやKindle Storeのようにプラットホーム提供者とコンテンツ提供者の間での価格設定を巡る争いは興味深いと感じます。「値下げしたからといって売り上げが下がる訳でもなく、むしろ上がることもある」という言い訳は(主にプラットホーム提供者によって)よくなされますが、コンテンツの長期的な収入は本当に増えるのでしょうか。iTunesで曲単品で買うより、Napstarでひたすら聞き続ける方が本当にコンテンツ提供者にとって最善の選択なのでしょうか。こうしたユーザーの利用形態に合わせた価格設定の方法について調べてみても面白いかもしれません。

4.Reatime Web
 コンテンツのリアルタイム生成問題に関してのようですが、(スライドを見返すことが出来ないせいもあって)正直イマイチピンときませんでした。なので、以下はちょっと的外れなものになっているかもしれませんが、ご容赦を。
 リアルタイム生成に関してですが、まず第一にユーザー中心で利便性に優れたインフラ整備が前提になると感じました。(ここらへんは昨年のORFでの村井先生の話が参考になるかもしれません)また、ネタ消費の付加価値問題ですが、これはオープンソースの時代から2ちゃんねるなどのネット上でのコミュニティを経て現在もUGCサイトに見られる「嫌儲」の考えとの折り合いの付け方が重要になってくると思います。一例を挙げると「電車男」の場合、売り上げは募金にまわったとされており、それほど反発はありませんでした。その一方でavexによる「のまネコ」騒動では、2ちゃんねるを中心に様々なコミュニティにて反発運動が繰り広げられました。(作家性を持たない匿名の)みんなで作り上げたコンテンツを誰かが買い取って収益の最大化を図るということに対して抵抗があるようですが、そのコミュニティや社会全体に対して還元されるというインセンティブの設計の如何によっては上手くいくと考えています。

5.Net Election, Net politics
 有名な話ですが、Facebookの共同創業者がオバマ陣営のキャンペーンの仕掛人でした。この話にも関連しますが、どちらかというとネット政治に関するものより、ウェブマーケティングに近いものを感じました。いかにメッセージを口コミで広め、効果的に展開するか、もちろん政治的な説明責任を果たすことが最も重要であると考えますが、広めるプロセスはウェブマーケからの教訓が多いのではないでしょうか。
 また、利害関係を共有する集団が集まり、政党をつくり国政や地方の政治に乗り出すということは十分ありえると思います。またその一歩先を行ったインターネット民主党のような直接民主制の可能性について考えていっても面白いかもしれません。

【0709ゼミの感想】もう折り返し地点 pt.1【岸本】

 
 大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
 
 内容をコンパクトにまとめようとしたのですが、論文フィードバックが思いのほか長くなってしまったので、今回は2回に分けて書きます。

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 辻野さんの話を聞いて感じたのは、かつてのソニー、あるいは今のGoogleは時代の変化に対応出来る組織形態であると感じました。
 割とフラットな組織は速い意思決定のため。また、福利厚生を充実させるのは、(ICT産業の多くでは)いつでもどこでも仕事が出来る現代において、変化に素早く対応させるため。性悪説ではなく、性善説でやる、というのはP&Gの「PrincipleはあるがRuleはない」に共通するように組織のメンバーに息苦しさを与えないため。また複数の技術者である創業者が存在することで常に単一の主観でない、更に技術者の意見を汲むことの出来る経営が出来ているように感じます。
 
 興味深かったのは「ターゲットを日本で始めないこと」ということでした。確かに日本のガラパゴス化問題は、制度や市場などの外圧があったにせよ、国内市場向けに商品を開発改善することに力を入れ過ぎ、それをあまり広めようとしなかった結果、国際競争から取り残され、更にイノベーターのジレンマに陥っているという風に感じます。
 多くのインターネット企業がアメリカのシリコンバレーのベンチャー発とよく言われますが、こうしたベンチャーが単にユニバーサルなサービスや製品を提供しようと努め、またそれをサポートする仕組みがあったにすぎないと考えています。
 
 また、面白いウェブサービスに自社の商品を上げていたのが非常に印象的でした。それだけ自分の会社のものを面白いと信じ、それを生み出す組織やメンバーを信じることが出来なければ社長は勤まらないと感じます。

 お忙しい中、お越し下さってありがとうございました。

 補足ですが、誰かの質問にあった、Googleの弱点に関して少し意見があるので書きます。私見では情報の囲い込みの如何によってはGoogleは現在の地位を失うと考えています。Googleは現在収益のほとんどをその広告に頼っています。その広告は、ユーザーが情報を求めてキーワードをGoogle(や関連サービス)の検索窓に打つことで、ユーザーに適した広告が届き、広告主は広告費を提供してくれるというものです。ユーザーはGoogleを経由することで欲しい情報にたどり着けると考えるためにGoogleを利用します。
 しかし、SNSなどを考えれば分かるように、情報をあるサイト内に囲い込んでしまえば、ユーザーは情報を探すのにGoogleを用いなくなります。ユーザーがGoogleから離れると広告収入は落ちます。これが悪循環になる恐れがあります。(現在、一番情報の囲い込みで脅威となるのがFacebookであると考えています。ネットワーク効果もあり、英語圏を中心に急速に利用者を拡大しているので。)
 もちろん、こうした囲い込みを防ぐ手段はいくつかあります。代表的なものには提携してしまうことです。Twitterとの提携では、今後の脅威をなくしたいGoogleと利用者を拡大したいTwitter双方の利害関係の一致があったと考えています。
 先に例に挙げたFacebookがどこまでGoogleを脅かすものになるのかは未知数ですが、可能性としては十分にあると考えています。持久戦になるのかもしれません。(ちなみに、この質問をGoogleの社員の方にぶつけてみたところ、「情報や人を囲い込んでからお金を集めるのはアイビーリーグ系のビジネススクールのやり方。我々Googleはどっしり構えて待っている」と仰っていました。)

2010年7月5日月曜日

【0702ゼミの感想】伝えるクセ【岸本】


 書評について。こういうみんなでの話し合い、重要です。3期からすると、去年よりリマインダなど充実しているように見え、締め切りから考えると良くなったように感じます。
 書評ですが、今読書する習慣を付けておくと後々かなり楽になります。(先日お会いした1期の佐田さんは社会人になってからほとんど本を読む時間がないと仰ってました)そしてアウトプットとして形にすることを意識しながら本を読むと、(少なくとも)要点を拾って読むようになり、また自分の考えをまとめながら読むことになります。
 考えをまとめるクセは就活の面接の際に限らず、(社会)人とコミュニケーションを取る場合に非常に有効です。自分の意見や考えを効果的に伝えることが出来るようになってきます。

 今のためでなく、将来のために、素早く読んで考えをまとめる読書習慣は将来の自分への投資になるので、今はキツいと思うかもしれませんが、ノルマを愚直にこなすことが重要です。

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 ステレオタイプとして持っていた国会議員像とだいぶ異なり、刺激になりました。
 田村さんが仰る「グローバルな視点と経営センス」についていろいろ考えを巡らせていました。個人的にはこれは「変化を捉え、違いを統合してビジョンを実現する力」と捉えました。変化には短期的/長期的という時間軸の変化、また違いには同時代に存在する様々な価値判断基準があると考えます。
 
 全体を通して印象に残ったのは、どんな問題に対しても自分の言葉で、分かりやすく説明していたことでした。トピックとしては、現在の日本の危機感の無さ(またはそうした危機感を解消するために十分に外向きになっていないこと)、そこから派生する日本の成長戦略、「広める作業」の必要性が印象に残りました。
 どんなことでも変化すればいいというわけでは無いと考えていますが、それでも変化してはいけないものを守るためには、(市場経済が世界共通のルールとなっている以上は)否応無しに国際競争に適応して闘って行く必要があると考えます。その場合に何を守り、いかに変化すべきかというビジョンの提示、意見の集約を行う際に、これからのリーダーははっきりとした考えを打ち出していく必要があると考えます。

 また、田村さんのような多様な価値観を統合する、「先の見えている」リーダー、政治家がより活躍出来るようにするには私たち一人一人の普段からの政治や経済における関心が重要なのではないでしょうか。(一応特定の政党を支持者ではないことを断っておきます)

 田村さん、選挙戦の最中に貴重なお話をしてくださり、また真摯にお話を聞いてくださってありがとうございました。

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 ひとつひとつのアイデアが粒ぞろいで、切ってしまうのが惜しいように感じました。
 よく、シリコンバレーなどのベンチャーが集まっている地域では、ベンチャーキャピタルなどのブラッシュアップする担当が揃っていて、高度に分業化され、ネットワークが発達しているために、アイデアと志があれば起業出来るほど起業しやすいということを耳にします。
 今回はただ、クライアントがバンナムと決まっていたためにバンナムが中心になるビジネスモデルを組み立てる必要がありました。どんなに制限があっても優れたビジネスモデルを組み立てる力が本当のビジネスの場で必要とされるのかもしれません。(また、シリコンバレーという場が揃って初めて完全にアイデアベースのビジネスモデルを生み出す場が存在すると思いました)

 やはり残ったアイデアとその他を分けたのは先週提示した

 - バンナムでやる理由に欠ける:自社資源の見直し/差別化の検討
 - 展開する場所が適切でない:販売・流通チャネル、タッチポイントの見直し
 - 中長期の展開が見えない:市場の規模、利益の変化を捉える

 という3点であるように感じました。

 今週からは心機一転、まごっち班で精一杯頑張って行きたいと思います。正直今回一番化けると思うアイデアだったので、参加出来て上手く化かしたいなと笑。

2010年6月28日月曜日

【0625ゼミの感想】バンダイ、ナムコ&チームラボ【岸本】


 バンナムプレゼン。着眼点が面白いと思ったアイデアはいくつかあったのですが、具体的な詰めが甘かったり、明確さに欠けるなど、まだまだ磨ける箇所は多いように感じました。
 1つ1つのアイデアに関しての思いつきや補足などは大体ゼミ内で発言した or ブログで他の人が指摘してくれているので、自分なりに多くのアイデアに共通した改善点を3つ挙げます。

 - バンナムでやる理由に欠ける:自社資源の見直し/差別化の検討
 - 展開する場所が適切でない:販売・流通チャネル、タッチポイントの見直し
 - 中長期の展開が見えない:市場の規模、利益の変化を捉える

 こうした点を直すだけでも魅力は大きく増すと感じます。ちなみに、ナンバム班のMTGで共有した『The Presentation Secrets of Steve Jobs』の中に登場するエレベータ・ピッチのポイントを挙げると、

 (1)何すんの?
 (2)どんな問題解決するの?
 (3)どう(今までと)違うの?
 (4)何であたし(聞き手。消費者・クライアント)が気にしなきゃならないの?

 原典はここで確認出来ます。この4点を短く(効果的に数字を用いるなどして)魅力的に、伝えることを意識するのも1つの視点として覚えておくと良いと思います。

 また、もう1点。技術先行型にならないこと。これは過去の先人たちから近年の経営書まで共通して書いてあることの数少ない1つです。今回「デジタルネイティブの観点を活かして」という案件で依頼を受けましたが、あくまでその生活の中心にある身近な問題を解決、改善するということが商品作りを通じて目指すべき点なのではないかと考えました。

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 そしてチームラボの猪子さん。全体的な印象として、「ムダな情報を切り捨ててとにかく自分の頭で考える人」でした。(経済学者の池田信夫さんもこうしたムダな情報を切り捨てるネット利用をしているそうです)
 日本文化ひとつひとつ、コンテンツ産業の概観、そして「東京ヤバい」な話から結婚観まで笑、様々なことに関して見聞きした情報や体験をベースに、説得力のある形で自分の考えを他人に伝える。(本当のところはわからないけど、少なくとも聞き手に本当だと思わせるのが本当に上手かったです・笑)このことが猪子さんが他のベンチャーなどと一線を画している部分であると考えます。
 
 また、チームラボの組織運営、マネジメントは37signalsのそれに似ていると感じました。(37signalsはアメリカのウェブアプリ企業で、少人数ながら業績を伸ばし、そのマネジメントなどが注目されている企業です。前著はここで読めます。)例えば職種を絞らずにいろいろやるという点では、37signalsでは電話に出るのも、メールを送るのも、エラーのメッセージや領収書もすべてマーケティングに入るとしています。こうした常に顧客第一の製品やサービスを開発する、そしてそのためにはいかなる手段、アイデアを選ばないという点が似通っているように感じました。 
 更に、チームラボの猪子さんのような起業形式が日本でも出来るのか、と素直に感心してしまいました。(アメリカでは上司がイヤとか、企業がイヤという理由で起業することができるそうです。)

 色々勉強になる部分が多く、ちょっと感化されました笑。お忙しい中お越し頂いてありがとうございました。

2010年6月21日月曜日

【0618ゼミの感想】テレビ!テレビ!テレビ!【岸本】


 テレビに関してのNCは新鮮でした。視聴率を軸に、1つ1つのスライド、プレゼンには知らない事実も多く、よくまとまっていて感心しました。
 
 その一方で、正直視聴率に偏り過ぎたかな、というような印象もありました。現状の測定方法なども大事ですが、その測定方法が現状にそぐわない状況になっている。(地デジ完全移行によって完璧な視聴率捕捉も可能だったのではないか?と思ったりもしますが、技術的な実現可能性が分からないので割愛します。)その現状にそぐわない視聴率の測定方法からの変化をテレビ業界は何故拒むのか。そして今後広告費が下がることが分かっている中でどのようなビジネスモデルの変化が見られるか。類似例は海外あるいは他の市場に無いか。そういうことを突き詰めて考えるとより様々な考察が得られたのではないでしょうか。

 視聴率というのは視聴者のattentionを測るもので、最初は「マスメディア」という言葉に表されるように大衆=みんなが少数のメディアに集中していました。その後、様々なメディア、コンテンツあるいはVHSやHDDのような録画機器の登場によりattentionが分散するようになりました。そして視聴率が低下し、広告費も低下し始めました。テレビ業界的には、広告費が下がっていても、既存の視聴者と広告主を手放したくない、そのために低リスク思考になるために低予算で作れる似通った内容の番組が多くなったように感じます。
 リスクを取ることが出来るのは深夜番組くらいでそのため深夜で実験的な低予算の番組がクール毎に沢山作られ、その中でうまくいったものがゴールデンへ進出する。ゴールデン進出を遂げると一気に注目されるものの、深夜ほどグダグダまたは過激な内容を扱うことができず「ポップ」になってしまうことを余儀なくされるためにすぐに陳腐化してしまうことが多々見られます。(個人的には「イノベーターのジレンマ」がテレビ業界には2つあって、1つは業界のビジネスモデルに関するもの、もう1つはコンテンツ(=番組)に関するものであると考えています。)

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 そして槇さんのお話。インサイダーとしてのテレビ業界の苦しみが伝わってきて、変化を起こすことの大変さを実感しました。特に印象に残ったのは、コンテンツのバリューがいつまで持つかという話と、テレビ局の情報ソースは基本的に他メディアか人脈頼みであるという話。後者は現在誰でも情報が発信出来るようになったため、その気になれば素人が一次ソースにあたることもできるようになりました。
 例えば、ここ数日でのジャーナリストの江川紹子さんの番組降板問題で、大手のスポーツ紙やインターネットニュースなどは一次ソースであるTwitterを情報源とせざるを得なく、その報道のあり方は情報の受け手を失望させるものでした。素人が一次ソースに直接アクセス出来たり、編集してニュースサイトやレビューを行うことで大きな旧来のメディアと張り合って行くことも十分出来るようになった時代であるように感じます。

 またアナウンサーという職業の大変さがよくわかりました。(アナウンサーへの幻想が吹き飛びました笑)
 正直、決まった原稿を読むだけであれば初音ミクとかのような音声合成技術とインターフェースとしてのキャラクター(アニメ声とか2次元だけだと受け付けない人もいると思うので、3次元など選択の幅を設けるなどするのがいいのでは)が揃っていればい実現可能(というか実現例はいくつかあります。参考)だと思うのですが、緊急の際の対応や移行コストを考えると非現実的なのも事実です。この問題を埋められない限り、アナウンサーという職業は絶対必要とされると考えています。
 原稿を読む際には自分の意見を押し殺すということが求められながらもインターフェースとして、職務を遂行するアナウンサーはさながら職人のようだなと感じました。

 お忙しい中ゼミにお越し下さって、インサイダーなりの貴重なお話をいただき、また学生の話を真摯に聞いてくださり、ありがとうございました。

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 個人的には今後のテレビには2つの方針が控えていると思います。1つは既存の同期的なテレビを活かす方法です。同期してまで見てくれるということは、言い換えればある共同体(コミュニティ)にとって有益な情報であればテレビを見てくれると考えることが出来ます。大きく2つの具体策が考えられ、1つはソーシャルメディアを利用し、離ればなれの人々を繋ぐことで擬似的な共同体をつくるということです。この場合、広告はプル型広告になることが考えられます。(視聴者が多い程プル型になる傾向はスーパーボウルの例などを思い浮かべていただけると分かりやすいと思います。)
 もう1つは完全にローカルな地域密着型のテレビを目指すと言う方法です。これは鳥取県の中海テレビという成功例があります。大きな収益は見込めませんが、「地域のNHK」となることで地域の人々の生活を向上することは出来ます。

 2つめの方針として同期ではなく、非同期(オンデマンド)があります。これには少しゼミでも触れたHuluがあります。これはアメリカの4大ネットワークのうち3つによる会社で、アメリカからしか視聴できませんが、多くのコンテンツがあり、視聴者と広告主を集めることに成功しています。(広告費はYouTubeに追いついたとする専門家の意見もあります。)またこのサイトはユーザーの利便性を中心に設計されており、CMはテレビよりも少なくなっていて、またインターフェースがYouTubeなどの動画サイトよりもずっとすっきりしています。この場合、アカウントを作るインセンティブ(オススメ動画紹介など)を設計することで、アカウントを作ってもらい、結果的にターゲット広告(プッシュ型)を打つことが考えられます。Huluに類似したビジネスモデルでは日本のアニメと韓国のドラマを扱う「クランチロール」なども挙げられます。

 もちろんこの2つの方針はどちらか片方だけでなく、うまく組み合わせることが必要であると考えます。例えばHuluはテレビと時間差を置いて番組配信をしていますし、またニコニコ動画はオンデマンドであっても疑似同期とも呼べるような同期システムを用いることでコミュニティで盛り上がっているような感覚を視聴者に与えます。いずれにしても既存のテレビ業界からすれば早いうちにリスクを取らないと、規模は縮小するばかりなのではないかと考えています。

2010年6月14日月曜日

【0611ゼミの感想】イノベーターとしてのバンナム【岸本】


 おもちゃ・ゲーム業界の企業に行くのは初めても同然だったので、非常に新鮮に感じました。隣の芝生は何やらと言うように、うらやましいと思う点が多々ありました。

 鵜ノ澤さんの貴重なお話(ピピンアットマークの話が特に!)では「イノベーターのジレンマ」が想起されました。
 最初にアーケードの筐体でゲームが登場し、その後コンシューマーに移行、そしてソニー、松下ら異業種の参入、そしてネット中心に移行しつつあり、IT企業が参入すると。
 ユーザーは「相対的に安い」ものへ次から次へと移行し、企業としては既存の利益にしがみつくだけではなく、常に新しいニーズを探っていく必要があるという有名なものですが、実際イノベーター側の立場になると簡単には新規市場に移行出来ないということが痛い程分かりました。そして、新規市場を探るには上手にリスクをヘッジした上でのイノベーションのマネジメントが必要であると。(スピンアウト、フラットな組織など)「ピピン〜」の例では新しさが先行し過ぎてニーズと齟齬を起こしてしまったと考えられます。
 また現在隆盛を誇るモバゲーやGREEなどもいずれリッチ化するという指摘は興味深かったです。

 その一方でおもちゃ・ゲームのノウハウを活かした医療分野や高齢者分野などの新規市場開拓について非常に興味深かったです。
 実際インセンティブを上手く変える力がゲームにはあると考えます。ネットゲームで廃人のようになるまで熱中する人がいるということはその一方でインセンティブを絶えず変化設計することができると考えられます。こうした力を現実世界での問題解決に対して用いることができるのではないでしょうか。(途上国や海外向けでも面白いのかもしれません)
 
 昨日「世界を変えるデザイン展」に行ってきたのですが、まだまだ世の中には改善すべき問題そしてそれに対する(思ったよりもシンプルな)解決策、そしてビジネスチャンスが転がっている様な印象を受けました。バンダイナムコの方々の支援を受けながら、是非とも新しい市場を生み出せるような商品の案を探って行きたいと考えています。

2010年6月11日金曜日

【バンナム!】Google エンタープライズ: ユーザー事例【岸本】



 Googleの法人向け検索サービスの広告です。これによるとバンダイナムコは国内最大規模のユーザーとのこと。プログラマーやゲームデザイナー、アーティストがイントラネットで共有しているようです。

 そもそも、ナムコの時代からイントラネット上で社員が自己PRや情報共有できるためにホームページを作る文化があり、また社内Wikiもかなり活発であったものの、情報が増え過ぎて人づてに頼らざるをえない状況になっていたそうです。そのため社内のユーザーが集まり、「マニュアルを見ないで使える」ような製品を選んだ結果がGoogleの製品だったということです。

 こうした組織内の情報共有はGoogleを始め、多くの会社で取り入れられています。もちろん効能はあるはずですが、やはり導入に際しては一概に機能するとは言い切れません。
 個人的には導入の目的とは別に、2点注意すべきポイントがあると感じます。1つは短期的な観点で、使いやすさを追求していることです。使いにくければまず必要とされることはないでしょう。参入障壁を下げることができなければ折角のネットワークでも情報が流れることがありません。もう1つは長期的な観点で、既存の社内文化と調和を図るということです。先述のバンナムのケースでは以前から取り組む文化があったためにスムーズな移行ができたと考えます。実際インターネット上のシステムなのですから、変化は素早く自在に行えるはずです。そのため社風にあった利用の仕方を探りながら、段階的に変化させ、社風になじませることが必要であると考えます。

 こうした組織内の情報共有について興味がある方は『グランズウェル』あるいは一昨年の論文DCEの第四章を参照ください。

【バンナム!】『パックマン』30周年、岩谷徹氏にQ&A【岸本】


 今年(2010年)30周年を迎え、Google初の遊べるロゴにもなった「パックマン」。私たちの年代には想像し難いかもしれませんが、このゲームは女性など多くの人に受け入れられエポックメーキングなものでした。以下ざっとしたまとめです。



ビジョン:もっと楽しくて明るいゲームセンターに!

ターゲット:女性やカップル
- キャラクター:可愛いデザイン(2頭身、おばけ)
- ゲーム:「おとぎ話」っぽさ、リラックスした感じ
- ロケテ:渋谷の「カジュアルな」ところ

結果:「カジュアルゲーム」という市場の創出


 これはイノベーション戦略で言うところの「ブルーオーシャン戦略」そのものです。ブルーオーシャンとは、競争の激しい市場を表すレッドオーシャンの対義語で、新しく開拓する市場のことです。この戦略では「戦略キャンパス」という既存の市場での付加価値の可視化、そしてそれとは異なる付加価値を生むために、各付加価値の要素を「増やす/減らす」「付け加える/取り除く」というアクションを起こします。(詳細が気になる方はこちらをどうぞ)

 このパックマンの例の場合、それまでスペースインベーダーなどの宇宙人などが敵のシューティングで、長時間プレイするゲームが主流でした。
 それに対してパックマンは既存のゲーム業界から離れていた顧客を取り込むことを主眼において、キャラクターの工夫や「食べる」という要素、休憩時間などを入れ、異なる付加価値で勝負しました。

 最近までのゲーム業界の飽和と任天堂のWii/DSでの成功もこのブルーオーシャン戦略の文脈で語られることが多いです。こうしたフレームワークを頭に入れた上での製品・サービス開発例がもっと多くてもいいと感じます。

2010年6月8日火曜日

【0604ゼミの感想】イノベーションって何だっけ【岸本】


 NCフェアユース。何となく幕末の治外法権、不平等条約改正運動の話みたいだなあと思ってしまいました。(正確なアナロジーではないのは承知の上ですが。)

 日本版フェアユースの話の背景には、(ビジネスやあらゆる分野での)グローバル化とインターネットビジネスの特殊性があるように感じました。
 Google Book Search問題の様に、グローバル化が進むことでアメリカ企業がその他の国へ干渉しても、その逆が起こり得ません。また、インターネットビジネスではネットワーク外部性が存在し、最初に多くのユーザーを囲い込むと有利になります。そのため、アメリカのIT企業が現在世界の産業をリードしている現状です。
 国際競争の観点からするとアメリカ企業に対抗するには同じルールの下で闘っていく必要があります。そのため、短期的には法的安定性のない日本のフェアユース導入ですが、長期的に国際競争を行う上では現時点から徐々にアメリカ式の法体系に対応していく必要があるので、導入すべきであると考えられます。

 イノベーションとは言葉の定義にもよりますが、沢山の人々を惹き付けていくことが前提にあると考えます。そのため、潜在的なイノベーションを早い段階で権利関係云々で潰すのではなく、フェアユースによってより多くの人々のニーズを満たすか(言い換えればより良い暮らしを提供するか)と市場に信を問うてから判断するため、イノベーションを重視するのであればフェアユースを導入すべきなのではないでしょうか。

 また、先生の既得権に対するmindsetの変化の話は興味深かったです。日本ではどうも未だに「お上の言うことが絶対」みたいな風潮・制度が残っているために、あまり既得権重視による「現状維持」の状態に対する疑問符が湧きにくかったように感じます。これもグローバル化、あるいはフラット化の中で人々の意識が変化したために、変化が生まれつつあるのではないかと考えます。

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 NC2本目は3Dでした。今回グループワークで3Dを扱う上で、3Dの規格、あるいはどのメディアで3Dを用いるかという点を指示してくれるとよりいっそう具体的な提言に繋がったのではないかと感じました。実際、映画館と、アトラクションのような業務用のものと、家庭内の機器では、それぞれのニーズや実現可能性が異なってきます。一口に「3D」を普及させるといっても様々な切り口が考えられるので、こうした具体的な落とし込みが必要だと感じました。

 で、実際テレビで、ハイビジョンやらワンセグやら地デジやらを考えたときに、あれはユーザーのニーズというより、業界団体と官が主導となって進んでいたように感じました。ではユーザーのニーズを満たす形で3Dは普及しないかと言われるとそれも言い切れないと思います。
 3Dの普及の壁は(様々な規格にもよりますが、ここではオーソドックスなあのメガネの方式を考えます)メガネという煩わしさと長時間の視聴は疲れるという点にあります。では短時間でメガネの煩わしさが感じられない分野は何かと考えると、ゲームが一番ではないかと考えます。ここではWiiやiPadを想定しています。私たちの一般的な感覚ではゲームはコントローラーを通じて操作するにもかかわらず、コントローラーを持たされている感覚はあまりありません。ゲームをする上で、「没入するためのアイテム」としてコントローラーを用いています。これと同様に3Dに対してもメガネが活かせるのではないかと考えます。それに3Dは体感ゲームとの親和性が非常に高いと感じます。そのためWiiやiPadのようなハードを具体例として挙げました。
 もちろん、いくつも留保すべき点はあります。開発費がますます増大する恐れがあるのが1つ。また、使い勝手、ユーザーの利便性を追求することが重要です。過去任天堂はバーチャルボーイというハードで3Dに取り組みましたが、使い勝手が悪くこれは失敗に終わりました。あくまでユーザーの利便性、伝達表現として必要だから3Dを用いるという必然性を備えることで普及に繋がると考えられます。

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 今回の2つのNCでは共にイノベーション、いかに新しいビジネスモデルを創出し、製品やサービスを普及させるかという話が話題に上ったように感じます。「イノベーションって何なの?世界を変えるようなすっごい発明は、エジソンみたいな100年に1人の天才がそれこそ99%の努力と1%のひらめきで生み出して、一気に広まって世界をガラッと変えちゃったんでしょ?」という方にはぜひ『イノベーションの神話』という本をオススメします。
 この本では私たちがつい抱く先入観を丁寧に解きほぐし、より正確なイノベーションについての理解を説明しています。ちょっと歴史学めいてはいますが、語り口が非常に丁寧かつ分かりやすいのでオススメです。

2010年5月31日月曜日

【0528ゼミの感想】福井ゼミの感想【岸本】


 メディアリテラシーを扱ったNC。最初に言葉の定義をして、共通理解をつくり出した点はとても良かったと思います。教育を軸に絞って、海外との比較なども興味深かったです。

 とはいえ個人的には、教育のみで解消できる問題ではないと感じます。現に、学校教育で一定のメディアリテラシー教育が行われていたり、マスメディアでも取り上げられたり、社会的な関心は高まっていますが、効果を上げているとは言い難いでしょう。そのため今回のグループワークでは意図的に「サイト側の取り組み」を持ち出しました。
 
 私なりの考えでは、サイト側の取り組み+市場競争による裏サイト摘発+メディアリテラシー教育の3本立てが望ましいと考えます。
 
 最低限のメディアリテラシーに関しては、教育で行います。何回か議論の途中でも出たように、身近な実例を挙げて、「自分ごと」にしないとおそらく効果はないでしょう。それでもSNS、ブログ、BBSなどサイト上では揉め事が起こると考えられます。こうした事態が万が一起こった場合にその被害を最小限にするようなサイト側の取り組みが求められます。これはガイドラインを作るなど官の取り組みも必要であると考えます。(ここで過度な制限は禁物です)その一方でそうした「管理された」サイトを嫌う人もいるはずなので学校裏サイトが出てくると考えられます。これを摘発するには市場競争に任せるのが一番ではないでしょうか。これも官がガイドライン作りやライセンス付与などの最低限のルールを作る事が必要でしょう。

 NCの運営方法についてですが、やはりグループワークを取り入れてしまうと1時間という時間が短いと感じます。出来ればグループワークで共有した案を叩き台にして議論をするところまでやりたいと思うので、ここは検討してみても良いのではないでしょうか?

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 そして福井ゼミ。個人的に法律にはものすごく抵抗があったのですが、福井さんが「次の創造を生む土壌をつくるため」などの目的ベースで著作権法のお話をされていたので、わかりやすく、問題意識や論点が伝わってきました。

 今まで法律に携わる人はみな判例ベースで割と機械的に「過去にこうだったから」という参照を重ねる事で言い分や社会のルールをつくっているように感じていました。しかし、判例も見方を変えると肯定否定側からのブレストやディベートみたいなもので、社会の中で深められた議論のひとつのアウトプットなのです。そう考えると法律家がかなり人間味のあるというか有機的な仕事なのだなと感じました。

 一番印象に残ったのは「どの程度のものに対して創作性あるいは独占を認めれば社会がよくなるか」という著作権の問題意識でした。そして、明確な線引きは難しく、機械的に分けるには重要すぎるという指摘。なるほどとなりました。

 最後の最後でUstreamはまた機材トラブルに見舞われて電子書籍のお話のところが切れてしまったのですが、理解が至らなかったところは録画を見直して深めていきたいと思います。
 
 お忙しい中、ゼミにお越し下さり貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

2010年5月27日木曜日

【ホンヨミ!】著作権の世紀【岸本】


 時事の事件、判例を扱いながら、取っ付きづらい著作権の問題をやさしく解説されているので、読みやすい本でした。
 読んでいて一番参考になったのは、まとめの章での「情報の海」における情報専有のあり方でした。情報専有の3つの方法には、1. 秘匿、2. 技術(DRM)、3. 法的権利があるとのことですが、2と3ではどんなに情報を囲い込んでも情報流出するリスクは常にあるので、iPodやKindleのようなゆるやかな、ユーザーのニーズを満たすような信頼ベースでの囲い込みを構築すべきであると感じました。

 以下は自分なりの疑問と一部仮説です。

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問1. これからのアーティストはいかにして創作活動に取り組むべきか?

仮説:特に基本の創作技法が確立しているものに関しては、「パクリ」の境界線に対して気をつけながら創作を行うことが求められる。(そしてそれが結果的にアーティストの独創性につながる?)

例)音楽家の菊地成孔
 音楽史研究や音楽評論を行い、また楽理的な分析も行う同氏は、従来の音楽著作権問題は「主旋律」もしくは「歌詞」のパクリが問題となり、コード進行、リズム構造やアレンジは問題にならなかったと指摘している。
 また、「すべてのポップスは何らかのパクリである」と言い、自身の作品では複数の音楽をサンプリング的にコピーし、また要素要素に分解し、組み合わせ、主旋律を変化させている。
 例えば、彼のグループの曲「Monkey Mush Down」ではヒップホップグループN.E.R.D.の「everyone nose」という曲のドラムとベースをほとんどそのままコピーし、その上にテクノポップグループYellow Magic Orchestraの「体操」のピアノのフレーズやジャズの帝王Miles Davisの「On the Corner」という曲のハンドクラップなど別の曲の要素要素をのせるなどしている。
 この曲がただのパクリに留まらないのは、その模倣への自己言及であり、ネタ元の曲を半ば明らかにしている点、タイトルが「マッシュアップ」との言葉遊びになっている点などが挙げられる。

 どこまでやると一般的に「パクリ」と認知されるのか、その境界線を見極め、自己言及的に模倣と創作のバランスを取る事がこれからのクリエーターに求められるのではないか。

関連:Ideas comes from everywhere (メディアアーティスト真鍋大度の文章)


※5月28日2:40追記:「リズムの著作権が問われない」という問題に関して、ダンスミュージック史で有名な「amen break」というドラムの刻み方がある。元々はThe Winstonsの「Amen Brother」という曲の中のドラムソロのわずか6小節であったが、これがサンプリングされ、テンポを変え、ヒップホップからブレイクビーツ、ドラムンベース、更にはJ-POPなど様々な音楽に流用される常套句になった。

(動画1:26頃からが「amen break」)



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問2. 創作ツールの普及、そしてマネタイズの普及によって、今後アマチュアのアーティスト間での著作権問題が顕在化する恐れがある?

 例えば、「自作の歌」と称した歌がYouTubeにアップされ、それが注目されメジャーから発売されるようになったアーティストがいたとして、その歌が明らかに自分の歌と同じであった場合はどうするのであろうか。

仮説:顕在化したとしても徐々に移行して行くので、YouTubeやニコニコ動画に準じるCGMサービスがJASRACに代替するようなコンテンツの権利の一括管理を行って、また仲介に入るようになる。(個人で発信出来るようになったとはいえ、基本的に何らかのウェブサービス上に個人が作成したコンテンツをのせるので、ウェブサービスがUGCを集めるために代替して権利の処理をする)

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問3. N次創作の親作品・子作品の関係を可視化、収益の明確化は次の創造に繋がるか?

 現在ニコニコ動画の「コモンズ・ツリー」(例)で行われているようなN次創作の親作品・子作品の関係を可視化することで、将来的に収益分配に活かす事が出来るとする意見がある。
 ここで問題となるのは親作品の作者への分配のしくみといかに親作品の作者が改変や加工の幅を認めるかである。

仮説:親作品の作者がクリエイティブコモンズのように幾つかの権利を放棄する、もしくは収益分配率を規定出来るようにする仕組みが必要。

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問4. プログラムから生成されるコンテンツに著作権は発生するか?

 現在主にメディアアートなどのアート作品を中心に、プログラムが自動的にコンテンツを生成する作品がある。この場合、どこまでが著作物としてカウントされるのであろうか。


 例えば、このパッチが生成する音楽は2度と同じものにはならない。こうした自動生成される音楽を仮にコンテンツとして売り出す場合、その著作権はプログラムの著作者に属するものなのであろうか。

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問5. 情報専有の3つの方法が示されていたが、情報は一度流出すると歯止めが利かないので、ある程度流れる事を前提にリスクをヘッジしたビジネスモデルの構築が求められるようになる?

 Appleがフランス政府に非難されてiTunesで非DRMの楽曲を販売しなければならなくなったときに、その価格設定はDRM:非DRM = 1:1.3であった。これはAppleが海賊率を30%と仮定し、その条件をコンテンツ提供者に認めさせたということになる。このようにDRMに頼る事無く、料金設定を活用する事で、情報専有することが出来るのではないだろうか。

2010年5月24日月曜日

【0521ゼミの感想】やる方よりやらせる方が楽しんでました、実は。【岸本】

 NCでのディベートは初めてで新鮮でした。個人的に感じたのは、やはりNCでディベートを行うのであれば、全員の理解のばらつきをなくし、最低限の議論の土台を共有することが必要なのではないかとかんじました。私事で恐縮ですが、今回ustreamの具合が悪くほとんどプレゼンの内容が把握出来なかったので、なかなか議論についていくことが出来ませんでした。
 とはいえ、普段のNCより頭を使って悩んだような気がします。(知識が身に付いたかどうかはまた置いといて。)積極的に様々な試みをしていくのはアリだと思うので、今回の反省も次回に活かしてゼミ全体でより良いNCの形を探っていければと思います。
 
 インターネットは様々なビジネスでイノベーションを生んできましたが、そのイノベーションを生み出す力は政治権力の介入、あるいは法による規制でいとも簡単に失われてしまいます。(例:中国やイランでのインターネットの規制など)もちろん、インターネットの負の側面は取り除かれるべきでしょうが、その一方でいかに良い面を残していくかという問いは絶えず制度設計する者にとっての課題となっています。

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 昨年のワークショップよりも準備期間は短かったですが、よりよいものにしようという気概で準備しました。皆さんはどうだったでしょうか?運営側としてはあのお題でも抽象的で、ちゃんとしたものが仕上がるか不安でしたが、結果としてこちらの予想を遥かに上回るものが出てきてびっくりしました。

 ワークショップを終えて、自分なりに反省をするのであれば色々詰め込み過ぎたかなと感じました。ブレストのスキルがあって、プロトタイピングがあって、奥出先生の論文評価軸があって、基準軸があり、そして4Pといろいろな方法論や思考の枠組みを欲張りすぎてしまった印象があります。これはひとえに打ち合わせ不足のためです。
 
 就活を1シーズン経験してきた身からコメントすると、チームごとの雰囲気や勢いの変化などがまちまちで非常に興味深かったです。ワークショップなどのグループワークでは思っている以上にその人の「素」が出ます。今回反省点があった人は、就活までの期限を意識した上で、積極的にグループワークの「稽古」あるいは「他流試合」をしていき、徐々に自分の役割を変化させ、ファシリテーターのような立場を目指していくといいんじゃないかなと感じました。
 ちなみに、今回時間が短いと感じられた方もいるかと思いますが、就活の場では会って5分の人たちと30分で答えを出さなければならない等々、無茶振りは常ですので、決まった時間内で結果を最大化できる人を目指してください。


 そして、今回の「論理思考(logical thinking)」と「デザイン思考(design thinking)」の話の補足をば。
 まず、この2つの思考はあくまで道具なので万能ではありません。場合場合に応じて臨機応変に用いることが求められます。また、前提として目的や定義がしっかりしていないと何も出来ません。

 論理思考は3Cや4Pなど様々なフレームワークに沿って考えることが多いです。この3Cや4Pは世界の常識ってものでもないし、前述の通り万能でもないので過信しないようにしましょう。でも、思考の補助線になりえます。基本的にはこみやプレゼンにあった「MECE(もれなくダブりなく)」場合分けを行い、分析していきます。
 論理思考の入門としては『自分の答えのつくりかた』がおすすめです。(中学生でも読めるような内容ですが、内容は本格的です)
 ある程度慣れた方には『戦略フレームワークの思考法』がおすすめです。(これ某社インターンでの貰い物なのですが、「並列化」「時系列化」「二次元化」の3つにまとめてあり、フレームワークをまとめた本のなかでは比較的分かりやすいように感じます)
 
 次にデザイン思考です。これは従来の定量的なマーケティングによる商品開発では満たされない隠れたニーズを定性的にあぶり出し、訴求していく製品、サービス設計の方法論です。それまで(表層的な)デザインで用いられていた手法を製品やサービス開発に転用するため、デザイン思考と呼ばれています。
 デザイン思考には様々な方法がありますが一般的には、「ユーザーの観察」→「ブレインストーミング」→「プロトタイピング」→「ユーザーテスト」→「再プロトタイピング」…といった具合で開発するものです。
 と、言葉ではなかなか伝わりづらいところがあるので、デザイン思考の元祖とされるアメリカのデザインコンサルティング会社IDEOの映像を貼っておきます。


 デザイン思考について興味のある方は、『発想する会社!』を読む事をオススメします。またデザイン思考とは少し異なりますが、ブレインストーミングやプロトタイピングを活かした問題解決法について興味のある方は『メディチ・インパクト』をオススメします。(また毛色は少し異なりますが『凡才の集団は孤高の天才に勝る』『ゲームの変革者』、あと手前味噌ですけど一昨年の三田祭論文Designing Creative Environmentもおすすめです。)


 今回のワークショップは比較的楽しんでもらえたように見えましたが、実際の設計開発の部分ではいわゆる「生みの苦しみ」も少なからずあります。なんでもかんでも楽しいものではないので、あしからず。

2010年5月17日月曜日

【0514ゼミの感想】いよいよえぐってきました(笑)【岸本】


 ソーシャルメディア上で何かを広く伝える事においては、とにかく「多くの人を集めること」が重要であると思います。もちろん、法や規範などを守った上のことですが。
 その意味ではUCCのbot事件は規範に触れるもので、ユーザーには好まれなかったと考えています。facebookの友人システムについては疎いのですが、バーガーキングの友達生け贄キャンペーンに関しては、友人数の増減という従来とは異なるところで消費者の注意をひくことが出来るためにその点では成功したと言えるのではないでしょうか。しかし、人間関係的なところははっきりとしたルールが無いため、反発を招くであろうことは予見出来たとは思います。

 一昨年「グランズウェル」というウェブマーケティングの事例が沢山載っている本を読んだのですが、そこでのフレームワークを自分なりにまとめ直してみると次のような感じになります。

従来型
- 告知:従来の広告的アプローチ
- 傾聴:従来のマーケティング的リサーチ

ソーシャル型
- 対話:対話でサポートなどを行う
- 活性化:1. 顧客間の対話のファシリテート 2. ネタ提供

 この4つの方法はそれぞれが独立したり組み合わさったりして実際は行われます。そしてこうした方法はブランドにも大きく影響するので、予め目指すべき方向、メッセージなどを明確にしておくべきであると考えられます。

 NCのやり方に関しては正直もっと時間が欲しかったかなと。グループワークにもっと時間をかけて、あと最後のまとめの後にも時間があればもっと議論を詰める事が出来たのではないかと感じています。ただ、限られた時間の中ではかなり密度が高くて良かったと思います。

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 昨年の三田論のテーマでもあった電子書籍についてですが、まだまだ知らない事が多くてためになりました。

 自分がプラットホームや規格よりのテーマを扱った理由に関してですが、これは、一旦そのプラットホームなり規格なりに人が集まってしまえば、コンテンツ供給者はその変化に適応して生き延びて行くほかないと考えているためです。
 (残酷なことかもしれませんが、事実私たちは音楽産業においてレコード屋を潰し、CD屋を潰そうとしているのです。もちろん、ただ潰されるだけでなく、古い規格の付加価値を売りにして生き延びる工夫をする事もできます。例えば、現在レコードを扱う店はDJユース向けや昔の音楽が好きであるという人に向けての付加価値を売りにしています。市場が縮小傾向にあるので、必然的に値は上がりがちですが。)
 人を集めるには現在のライフスタイルからのスイッチングコストを下げて、より便利な機能を提供し、ニーズを満たす事が重要です。また、十分なコンテンツを継続的に提供出来るように、コンテンツ提供者たちにとっても魅力的なシステムやプラットホームを提供しなければなりません。
 こうした変化をうまく捉えた「成功例」としてiPodのモデルと「失敗した」SONYなどのモデルを比較しようと考えました。

 Ustream中継に関しては鋭意改善研究中ですので、次回はより良いものにしたいと考えています。

2010年5月10日月曜日

【0507ゼミの感想】Make it simple.かな?【岸本】


 先生を無理に持ち上げるものではありませんが、やはり何らかの業界で第一線で国際的に動き回っている人の問題意識に触れると、触発されるものがありました。

 そして村井先生然りですが、どれほど規模が大きく、利害関係者が増えようとも、問題をシンプルに解りやすく捉え、自分の言葉でわかりやすく説明する事が出来る事。その重要性を改めて認識しました。

 

 "Infra + Utilization = Benefit"

 この枠組みの考え方ではUtilizationはコンテンツ産業におけるコンテンツに対応するものではないかと。より大きな視野で考えるならば、InfraとUtilizationになり、諸制度の整備もこの2つの枠組みで考えることが出来そうです。

 また、日本のブロードバンドの現状について、「デザイン思考」ではありませんが、やはり政治・ビジネスいずれが主導するにせよ「ユーザー中心」が肝だと感じました。

 

 また先生の仰っていた、世界を回る事で色々なインセンティブ、モノの見方があるということ、これを確認するのが結局世界を回ることの意義ではないでしょうか。様々な見方に基づいたインセンティブをうまく整え、利害を調整する。これこそが、一方では「文明の衝突」などと言われるこれからの世界で求められるような気がします。


関連リンク;

 フリーで活躍されている山崎富美さんのブログ:ワシントンDCのヤバさについて書いてあります。興味がある人は是非。

 昨年の自分のエントリ;NCのスカイプで、中立性についてちょこっと触れてます。


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 BrandYourselfは思ったより、成功だったと思いました。今回BrandMyself作ってても思ったのですが、やはり自分で他人からの見られ方、キャラ、立ち位置とかは紹介しづらいですからね。(とはいえキャラの説明が必要かというとそれもまた議論の余地がありそうですが。)

 先週のBrandMyselfが見られなかった5期生の分も見られて良かったです。


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 NCでは欲張らない事、そして議論の道筋を示す事を意識するだけでもっと良くなるように感じました。 

 議論の方法は2つあると思います。「0→1」型と「1→100」型で、例えばビジネスの戦略立案の場合であれば、前者は新市場の開拓、後者は市場の拡大と考える事が出来ます。

 議論の進め方ですが、これは担当者間で一度ブレスト的にシミュレーションしてみるといいかもしれません。素朴な疑問なども出てくるでしょうし、それはまたプレゼンや議論を主導する上で活かしていけば良いのではないでしょうか。


 また、プレゼンターあるいは先生に対する質疑の時に、その他の聞き手の人は是非、「自分だったらどう答えるか」というものを問いかけ続けてみてください、自ずとわからない点、あいまいな点、改善点などが浮き彫りになり、ゼミでの収穫が増えます。(これは色々な講演会などで、どんなに偉い人への質疑でも有効です。)


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 Ust録画に関してですが、途中2度ほどイーモバの調子が悪く、途切れてしまった事をこの場を借りて謝ります。(とはいえこれ自分の力ではどうしようもないんですど・苦笑)

2010年5月3日月曜日

【ホンヨミ!】The Presentation Secrets of Steve Jobs【岸本】

 
 The Presentation Secrets of Steve Jobs / Carmine Gallo

 世界で最も優れたプレゼンターの1人と言えるAppleのCEO、スティーブ・ジョブズのプレゼンの要点をまとめた本です。プレゼン本として分かりやすいだけでなく、ジョブズの歴史的なスピーチの数々、AppleのCMやキャンペーンなどのエピソードが盛り込まれていて、Apple信者的にはマスト本です。

 ジョブズのプレゼンを未見の方はぜひこれを。
 

 昨年ゼミで触れた「Presentation Zen」や「Slide:ology」などを引用し、他の書籍と被る点も多いです。特に印象に残ったのはジョブズでも努力をしているということ。彼はデザイナーなどと共に丸2日かけてプレゼンを練り、練習するそうです。そしてそれらはジョブズが大半の筋を考えていると。更におなじみのあの黒タートルネック、ジーンズ&New Balanceは意図的にやっているとのこと。(彼も昔はスーツでプレゼンしていたりするんです。)
 
 「3つの要点にまとめる」という本書に登場するポイントに基づいて、全体の内容が構成されています。( CREATE THE STORY, DELIVER THE EXPERIENCE & REFINE AND REHEARSE ) 更に、プレゼン本だけあって英語が比較的容易です。
 大事なこととしてはやはりわかりやすさを重視し、とにかく練習することみたいです。この本を参考にもっと練習する方に時間を割くようにしてみたいと感じました。
 

 ざっくりとした内容は以下の通りです。



CREATE THE STORY

- Plan in Analog
 手書きで考える。見出しや伝えたいこと(3つのKey Messages)、比喩の例などを考える。

- Answer the One Question That Matters Most
 利便性を伝える。専門用語などを使わずに明確な1つのことを何回も伝える。

- Develop a Messianic Sense of Purpose
 本当にやりたいこと、目的を突き詰める。何を売るかなどではなく、どう世の中を変えたいのかというような。

- Create Twitter-Like Headlines
 一言で言い切れるような見出しをつくる。そしてそれを何度も繰り返す。

- Draw a Road Map
 伝えたいことを書き出し、3つのKey Messagesにまとめる。

- Introduce the Antagonist
 早い段階で反論を持ってきて、問題(ニーズ)を明確にする。エレベーターピッチで答えられるようにする。

- Reveal the Conquering Hero
 反論による問題(ニーズ)をどのように解決していくかを伝える。



(Obey the Ten-Minute Rule)
 プレゼンは基本的に10分以内に終わらせる



DELIVER THE EXPERIENCE

- Channel Their Inner Zen
 箇条書きを避け、テーマごとにスライド1枚で写真などを示す。

- Dress Up Your Numbers
 具体的でわかりやすく、文脈に合った数字を提示する。 

- Use "Amezingly Zippy" Words
 シンプルかつ具体的で感情に訴えることばを使う。流行語や専門用語は使わない。

- Share the Stage
 聞き手(消費者)の声を取り入れる。プレゼンなどの公の場で協力者に感謝する。

- Stage Your Presentation with Props
 商品をプレゼンする場合、デモを取り入れる。(短く魅力的で具体的なものにする)視聴覚と触覚に訴えるプレゼンにする。

- Reveal a "Holy Shit" Moment
 予期されないような「ヤバい」サプライズを用意する。台本を書いて練習し、失敗しないように。




(Schiller Learns from the Best)
 ジョブズ不在のときも方法論が受け継がれていたという話。




REFINE AND REHEARSE

- Master Stage Presence
 Body Language(アイコンタクト、姿勢、手のジェスチャー)、声の調子、間の置き方に気をつける。

- Make it Look Effortless
 練習しまくる。最初の5分だけでいいので録音録画をして確認、改善する。(出来れば他の人にフィードバックをもらう)想定出来る質問は言いたいこと(7つくらい)にまとめて用意する。

- Wear the Appropriate Costume
 目指すべき人物像の服装でプレゼンする。その場に合った服装をする。

- Toss the Script
 本番では台本は読まない。(読む場合は箇条書きで3~4つにまとめる)やっぱり1つのスライドで1つのテーマを扱う。

- Have Fun
 プレゼンを「infotainment」とみなす。楽しむ。トラブルが起こっても謝らない。(ネタにして楽しむ)細かいことは気にしない。




(One more thing)
 ジョブズの「One more thing」はやる場合やらない場合がある。