2011年1月13日木曜日

ホンヨミ! 【黄】影響力の武器 なぜ人は動かされるのか

影響力の武器 ~なぜ人は動かされるのか
ロバート・B・チャルディーニ著

①影響力を受けるパターン
本書では心理学的な体系立てに基づいて、人がどのようにされると影響を受けるのか、逆にいえば人に影響を与えることができるのかにおいての分析を試みている。しかしながら、主な論点は、どのように人を動かすかという点よりは、我々が無意識のうちに取ってしまっている行動パターンを把握し、それによって被っている損害を減らそうというところに見受けられる。無意識の行動というのはつまり、普段効率性を優先するあまりにあまり吟味せず遂行されているすべての活動が含まれるだろう。主にそのパターンは6つに分類されており、多様な実験結果や実例を伴った主張が展開されている。

②6つのパターン
「返報性」、「一貫性」、「社会的証明」、「好意」、「権威」、「希少性」。このようにただ並べるだけだとイマイチピンとこないだろうが、どれもかなり一理あるな…と思わせる説得力がある。例えば、一貫性の例としては朝鮮戦争が述べられている。当時、捕虜になった米兵に対して中国がとった行動、そしてその結果は一貫性の力の存在を認めざるを得ない強い共感を呼ぶ。ほかにも例えば好意に関しては、つまり、好意をある要因で誰かに持つと無意識のうちにその人を優遇してしまう属性が我々人間にはあるということ。それは外見の魅力や自身との類似性、接触回数の数など、様々ではあるが・・・・。厚い本の類には入るだろうが、自身を振り返るという意味でも一度読んでみることを薦めたくなる一冊だ。

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