2011年1月16日日曜日

2010年度最後のゼミ感想【高橋】

①音田さんNC『デジタル化したくないもの』
身近にデジタルなものがあふれている今、デジタル化したくないものって何だろう。ほとんどのものがデジタル化されつつある中で、して欲しくないものって一体何なのか。自分の中で特に印象に残ったのが大賀さんと矢野さんのトピックでした。

人間とは忘れゆく生き物だからこそ、記憶に固執して記憶を残そうとする。そこから派生したお墓参りの議論がとても印象的でした。私自身は小学校低学年の時に1回だけお墓参りに行ったきりまだ行っていません。また、身近な人の死を経験していないのでお葬式にも参列したことがありません。なので、正直なところなぜ人は定期的に祖先のお墓参りに行くのかわかりません。ただ、もし行くとするならばネット上のお墓参りをするよりは自分は直接行きたいと思います。遺骨があるという厳かな、重みのある場に足を運ぶのと、いつもと変わらず机に座ってマウスのクリック一つで済ませるのとではそこに込めた「想い」まで変えてしまう気がするからです。ではその「想い」は何か。音田さんが「生きている人にとって都合の良い言い訳となる」と仰られたように、生きている人が勝手に抱いた幻想なりを都合の良いように変換させて死者へのお悔やみとしているところも否定はできないと思います。しかし、そこで生きている人が何らかの形で救われるのも確かで、また、それをすることで深まる家族の絆は素敵だと思いました。

そして矢野さんのお正月に纏わるプレゼン。年賀状はなぜデジタルじゃない方がいいと思うのか。そもそも年賀状はなぜ出すのか。私はもっぱらメールで済ませてしまうことが多いのですが、それは字が汚いというコンプレックスからメールに頼るようになったのがきっかけだったな、とふと思いました。年賀状をわざわざ買って、住所を聞いて回って全部書くのはめんどうだと思っていた部分もあります。それは数行で書かれた定型文のような年賀状をもらってもあまり心がこもっていない気がして、返さなきゃならないめんどくささの方が自分の感情を占めているからだと思います。(勝手に心がこもってないとか決めつけてるひねくれ者ですが…;)しかし、友達の地元が知れて嬉しいという見方もたしかにありだな、と思いました。日本の伝統として年賀状はあってもいいと思うが、その形態は多様であって良いと思う。むしろこれからどんどん新しいタイプの方法でできたら面白いかもしれません。

以上のように、デジタル化を基に、人間の感情に触れて「そもそも」を突き詰めるのが楽しかったです。根本を問い直すことの重要性を改めて学びました。

②三田論報告会
1. コメントが編集としての役割を果たすものとしての重要性はよくわかりました。その見せ方もスライドをカラフルに、図を多用してオーディエンスを楽しませるような発表でした。論文を読み、発表を聞いて思ったことは、確かにSNSという場だからこそユーザー同士のインタラクションでブラッシュアップしていく点はとても納得しますが、編集の過程に携わったユーザーたちの権利処理が複雑だと感じました。コメントが創作物に値するのであれば、その線引きはどうするのか。誹謗中傷を与えるだけの人、励ますだけの人、創作物に創作物でレスポンスする人など、さまざまなユーザーがいると思います。たくさんの人がコメントをしたとして、それが商業利用となって出版にこぎつけたとき、「みんな」で作り上げたものはどう権利処理されるのか。欲望の塊みたいな人だらけとは思いませんが、もしそういったプラットフォームがさらに多くの人々に利用されるようになったら、それまであった共通認識も多様化するかもしれません。ただ、そうした細かい権利の話よりも、機能性としては出版社のような役割をユーザー同士でし合うことができて面白いと思いました。

2.ネット選挙で国会議員が活動をするのは有名候補者が優勢な中でも工夫一つで話題性を生めば無名候補者でも一気にその知名度を上げることができる利点を考えれば挑戦する価値は多いにあると思いました。聞きたいことは報告会で聞かせて頂けたので、細かいとこを突くと、Skypeキャンペーンは、抽選でやることでたしかにユーザーがRTをたくさんして盛り上がるかもしれない。しかし、この論文の設定が幸泉新三郎という「イケメン」議員であることを加味すると、政治云々よりもただ「イケメン」議員と話したいというミーハーな人物が仮に当選したとして、果たして有意義な議論を交わすことができるどうか。交流会ではなくて意見交換会として位置付けるならば、事前の打ち合わせさえ「やらせ」にみえるし、わざわざUStreamでみるのに雑談・茶番はみたくないと思いました。故小渕首相がされた「ブッチホン」であれば、著名人に小渕自らが電話をかけていたという点で信用性が高いように感じる一方で、政治にあまり詳しくない層にはわかりにくい高度な内容になっていたかもしれない。このSkypeキャンペーンをどう位置付けるか明確に打ち出さないと、幅広い層を対象にしているだけにUSteramをすることの意義が薄れてしまうように感じました。ただ、今後選挙法が改正されて本格的にネット選挙活動が始動したらどうなるのか楽しみに感じました。

両班とも三田論報告お疲れ様でした。そして、お忙しい中早い時間から参加して下さった音田さんに再度御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

③金ゼミの1年間を振り返って
タスクが多くて寝れないときもあり、ゼミの日を迎える度にメンタルやられることが多かったです。しかし、じゃあもし金ゼミ入っていなかったらどんな学生生活を送っていたか考えたとき、恐らくバイトとサークルだけで暇をしていたかもしれません。あくまで仮定の話ではあるものの、のんびり気ままに過ごし、「暇」「楽」「怠」の字ばかりが並ぶような生活になっていたと思います。この1年があったからこそ知識の面でも精神の面でも成長でき、専門書を読むことの大切さ、そして論理的に考えてそれを伝え、実際に行動する大切さを学ぶことができたのだと思います。天秤にかけなくともどちらが自分の成長に繋げられているかは一目瞭然です。共に助け合って話し合える同期の存在は大きいですし、頼れる心強い存在の尊敬すべき先輩方が集まってる場に身を置くことができて幸運だと思ってます。
『金ゼミにいてよかった』。心の底からそう思えます。そしてこの気持ちをみんなが共有できるように、互いに切磋琢磨し合える場を作るよう心がけたいと改めて思いました。
来年度に向けて5期で話し合ってどういった方向性にしていくか考えるのが楽しみです。

1年間本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。

1 件のコメント:

  1. コメントしたつもりだったんですが、反映されてなかったので再度。

    まずは、代表就任おめでとうございます(?)
    1年間ゼミを自由に出来る特権を持ったので、フルに使ってください。

    >日本の伝統として年賀状はあってもいいと思うが、その形態は多様であって良いと思う。むしろこれからどんどん新しいタイプの方法でできたら面白いかもしれません。

    是非新しいタイプを考えてこっそり私に教えてください。年賀状は、2010年であれば38億枚の発行があったそうです。
    38億枚×50円=1900億円
    これプラス、最近では印刷代、パソコンのソフト代、等などありますよね。

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