2010年12月3日金曜日

ホンヨミ②【黄】メディアを教える レン・マスターマン

メディアを教える クリティカルなアプローチへ
レン・マスターマン

①なぜ教えるのか

メディアをなぜ教えるのか。これは本書のベースとも言える。そこで筆者はこの教育が必要不可欠である理由を7つ挙げており、それらを以下にまとめてみたいと思う。
1メディア消費の増加とそれらが偏在している現状
2メディアのイデオロギー的重要性とそれに関わる影響力
3民主的プロセス中心へと向かうメディア
4情報管理や情報生産の普及
5あらゆる分野で重要性を高めている視覚的コミュニケーションとその情報
6変化を迎え、未来を担う若者の養成
7情報に対する国内的、国外的圧力

以上のそれぞれに対し、人々の批判的意識を拡大させ、クリティカルな自律性を育成する必要こそがメディアを教えなくてはならない理由だと筆者は指摘する。

②メディアリテラシーの未来

過去50年にわたり、メディアリテラシーはその重要性を認識されてきた。そしてその重要性故に一つのカリキュラムの枠、つまり枠を決定しそれを守るという決定的な思想としては存在し得ない事が自覚されてきた。筆者は指摘する。これからのメディアリテラシーはこの自覚に基づきメディア教育者の領分だけに閉じ込めてはならない、と。教育者のセクターのみでは全く不十分であり、そこで多くの主体や機関や個人がいかに連携するかが要なのだ。これらが連携する事で初めて「包括的な」あるいは「エコロジカルな」メディアリテラシーへのアプローチが実現するだろう。

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