2010年11月12日金曜日

ホンヨミ② 国際貢献のウソ【黄】

国際貢献のウソ
伊勢崎 賢治著

①社会経験
著者はインド留学から始まり様々な国際協力に携わってきた。そんな彼が「国際協力」関連の仕事を夢に持つ若者に言いたいアドバイスは「まず普通の会社に行き、経験を積め」とのこと。
NGO、NPOと聞くと素晴らしい志を持った人々が、収入なんて気にせずにボランティア活動するものだと我々は思いがちだ。しかし現実はそうではない。そこには競合や縄張り争い、過酷なリストラまでもが存在するという。それが悪だと言っている訳ではない。だからこそ筆者は、社会経験を積んで嫌な上司、言う事を聞かない部下など、人が思い通りにならないという経験を積んでから飛び込むべきだと言っているのだ。
②日本NGO
日本のNGOは人道的だが効率が悪い。というのも、日本の場合、国際NGOと異なりまとまった支援金が一旦政府に入っていく仕組みがとられているからだ。つまり、政府にあるお金をいかにして使いきるかに主眼が置かれてしまう。一方国際NGOの場合、彼らに直接資金が入るため、最大限有効に使おうという空気になるし、それによって利益が生まれれば、さらにそれを新たなプロジェクトに投入する。著者は、日本においても、市場原理を適用した合理的で効率性を求めた援助法が確立されるべきだと主張する。そしてそれにより日本が独自に「国際貢献」できる道筋を作るべきだと。

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