2010年11月15日月曜日

1112ゼミの感想【山本】

①売れる物を創るか、好きな物を創るか
 私は、どんなジャンルであっても編集者の仕事は“ビジネスとアートの架け橋”だと思っています。作品への愛情と造詣が深く、かつ商品への理解を持っていることが必要とされている中で、“売れる作品を創るのか、好きな作品を創るのか”という問題は永遠のテーマなのだなと思います。昨日出版社の方とお話をしたのですが、「作家の方に、題材を売れるものに変えてもらう交渉をするときが本当に大変」とおっしゃっていました。一方以前NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』でジブリの敏腕ディレクター鈴木敏夫さんが「自分たちは徹底して自分が好きだと思うものを創っている。そうでないといい物はできない」とおっしゃっていたことを思い出しました。売り上げに対する計り知れない重圧を背負っているであろう彼からそんな言葉が出たことに私はすごく驚きました。また一方で、先週お会いした化粧品のマーケティングをしている女性は「結局は自分の欲しいものに忠実に、すごく感覚的なものを尊重して商品を作っている」とおっしゃっていました。
こんな色々なひとの言葉や、戸高さん栫井さんのプレゼンを見て“売れる作品”って、なんなんだろうなと思いました。よくあるマーケティングの手法で市場を分析した結果にのっとって作ったものが売れるものなのか、それとももっと感覚的な、自分の今までの人生やセンスを駆使して作ったものなのか。多分両方なのでしょうね。膨大な消費者データとにらめっこしつつ、最後は自分の感覚を信じて沢山の汗水を流して作られた結晶が世に出回っている作品であり、商品なのでしょうね。そう考えると、世の中にある全ての消費材がいとおしく思えます。そして購入することが、私たちが彼らに“イイネ!”とメッセージを送れる唯一の手段なんだなと思うと、お菓子ひとつ買うことにもなんだか責任を感じたりする最近です。
また、こんなクリエイターや編集者の苦悩や苦労は、電子書籍などが普及して参入障壁が下がろうと、変わらず彼らにまとわりつく壮大なテーマなんだと思います。

②阿久津さんのお話
 お忙しいなか、お越しくださりありがとうございました。
阿久津さんのお話を聞くことで、商社のお仕事を以前よりもリアルに思い描くことができるようになりました。
投資や買収のお話が出ていましたが、面白い記事を見つけたので貼っておきます。
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/3a86d85127c04b32da119a5db4a1a462/page/1/

③個人論文【矢部くん】
 今週から、大変恐縮ですが個人論文に関するフィードバックをここに記していきます。
私はメンターという立場にあるわけですが、何かを教えようとか伝授しようみたいな烏滸がましいことはしようと思っていません。むしろ、矢部くんが個人論文を作って行く中で、なにか立ち止まったりしたときに、一緒に悩む作業をできたらなと思っています。よく言う“1+1=∞”という言葉を心から実感したのは、私は金ゼミでの作業においてでした。
“悩む”っていいことだなあと最近痛感することが多いです。
そんなわけで、これからよろしくお願いします。

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