2010年11月11日木曜日

1112ホンヨミ①【黄】デフレの正体

デフレの正体ー経済は「人口の波で動く」
藻谷 浩介著

①日本社会の変化
高齢化問題。少子化現象。
これらが意味するのは何か。それは「消費社人口の減少」であり「労働者人口の減少」である。今、日本において本当に問題なのは不況でもデフレでもなく、2千年に一度と言われる生産年齢人口の低下だと筆者は指摘する。データから見ても、不況、不況と言いながら、ほとんどの諸外国に対して日本は、実は貿易黒字なのだ。例えば日中貿易。買い物をするとメイドインチャイナのモノがかなり目につく今日この頃だ。しかし実は、対中貿易収支は、現在2兆円規模の黒字。意外な結果だと思う人が多いのではないだろうか。このように筆者は統計的データを元にしながら、我々が持っている「思い込み」を気持ちいい程論理的にひっくり返す。
団塊という大きな人口の波が去ろうとするい今、新たな変化を迎えた日本はどこにいくのか。後半部でその展望を展開させている。

②常識を疑え
本書の中で繰り返し強調されている事。それは「常識」を疑う事の重要性だ。「景気が循環する明確な根拠は?」「長期視点で見ると市場は必ず成功する?」これらに大使他の誰でもない自分の頭で数字を考察し掘り下げていく力がなくてはならないのだ。

③処方箋
人口動態に着目した分析を経て日本経済再生の処方箋が本書では出されている。
1、生産年齢人口が減るペースを少しでも弱める
2、生産年齢人口に該当する世代の個人所得の総額を維持し増やす
3、個人消費の総額を維持し増やす
これらをいきなり見ると「ん?」と思うかもしれない。だからこそ本書を読んでほしい。見事なまでに何故筆者がこれを日本再生に向けた処方箋としてあてたかすっきり分かるからだ。筆者はさらに具体的な処方箋にも踏み込むのだが・・・ネタがバレてしまうので残りは直接読んでほしい限りである

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