2010年10月1日金曜日

【ホンヨミ】おみくじの原価は1円!【山本】

①原価の低さを消費者に気付かせないビジネス
 食べ放題や飲み放題などは、原価が低いにも関わらず消費者に“お得感”を齎す商品です。ファミレスのドリンクバーなども代表的な例で、ソフトドリンクは全てが半分は水で出来ており、原価率が10%そこそこであるにもかかわらず、消費者は得したような気分になります。また、仕入れれば仕入れる程仕入れ値が下がるので、消費者がおかわりをするほど企業ももうかる、win-winのビジネスです。

②市場が成熟化してくると細分化される
 どの業界においても、市場が成熟すれば専門性が増し、細分化されていきます。“得意分野”を持たないと自然淘汰されてしまいます。おみくじ業界にも同様のことが言えます。おみくじは1000年以上も続いている老舗ビジネスなので、市場は成熟しています。全国の神社にはほぼ必ずありますし、遊園地やデパートの屋上などでも販売されてます。そこで登場したのが、恋愛に特化した縁結びのおみくじです。また、最近では神社自体も、縁結びや安産など専門性を増してきています。
 “差別化戦略”という言葉はそこここで良く耳にしますが、おみくじ業界にもその必要性
があることに驚きました。
 去年の三田論のときに、多くのサービスはニッチからマスに広がることが多いという議論をしましたが、マスに広がりすぎた商品はまたニッチな商品に特化するのかもしれません。

③集客商品と収益商品
 単価率が低いと収益は向上しますが、ビジネスの継続性は保証されません。単価率の低い収益商品を確保した上で、顧客を呼び込む集客商品も用意しなくてはいけないそうです。例えば、ハンバーガーショップでは原価率の高い一方看板商品であるハンバーガーが集客商品であり、原価率の低いドリンクやポテトが収益商品だそうです。王将などは、このような集客商品と収益商品の分散が功を奏し、ビジネスを拡大した典型例です。

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