内戦、飢餓、エイズ、伝染病など挙げればきりがない程のあらゆる問題がアフリカには内包されている。だからアフリカの別名が世界の縮図なのだ。
アフリカは何故貧困から抜け出せないのか。
②政府という切り口
著者はその理由が「無能な政府」にあると主張する。自身の私腹を肥やす事にしか関心のない権力者、賄賂を公然と要求する政府の高官、国民から強奪を働く警察官・・・各国でのこのような腐敗の蔓延は、アフリカを食いものにし、援助や支援が本来行くべきところに届かないと言った負のスパイラルを作りだす。もちろんアフリカを一括りにして、全ての国が貧しく政府が無能だとは、筆者も毛頭思っていない。ここで筆者は、その主張の根拠に、ボツワナとザンビアの例を挙げているのだが、これが非常に興味深い。ボツワナでは援助が人々を貧困という奈落の底から救い出し、ザンビアでは浪費により跡形もなく消え去った。さて両者の違いは何だったのか?そこにはやはり「為政者に恵まれていたか否か」の差異しか見当たらなかったと筆者は結論づけているのだ。ふむ。これが本当に全てなのだろうか。単なる一つの側面としか思えない私にとって筆者をここまで確信たらしめている根拠が少し不足しているように思えてならなかった。
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