2010年10月21日木曜日

【ホンヨミ!1015①】ディズニーランドという聖地【斎藤】

ディズニーランドは決して子供だけの為のものではなく、全ての人間の中に眠る子供性を満たす為の場所としてウォルトディズニーが生み出したテーマパークである。彼が実現しようとしたのは、誰もが子供の頃の好奇心を取り戻し胸をときめかせられる場所であった。その実現の為に様々な工夫をしているのである。

例えば、ディズニーランドの周囲は盛り土で囲まれており中からは外が見えなくなっている。また園内にゴミが落ちている事が無いように徹底されるなど、理念的な部分だけでなく具体的な策が練られている。確かに日本のディズニーランドでも私たちは列に長時間並ぶ事の面倒臭さ以外に不快感を感じる事は無い。むしろ、その点は今後解決して欲しいと思うが…

このように、何か理想を実現するにはその方法論を具合的に示すことが重要だとおもった。まして、ディズニーランドのようにスタッフ数が多くなると理念などの抽象的なものを全員が共有する事が困難になりがちであり経営トップと従業員の考えにギャップが生まれがちである。そこを解消するために具体的マニュアルの作成は有効だと感じた。

また非常に興味深かったのは夢の国としての遊園地を設計したディズニー自身の子供時代は非常に厳格であり体罰を与える事を辞さない人物であった父による厳しい労働を強いられていたということだ。ディズニーは毎朝新聞配達をしており普通の子供がしていたような遊びを行うことができなかったことが後の彼の人生に影響を与えているのだった。

彼自身、子供時代に味わう事のできなかった全てをディズニーランドで実現すると語っている。このように、人間の成功にはそれぞれの人生におけるバックグランドが強く影響しており、その原動力によって偉大な事を成し遂げるのだと思った。

そして、彼の凄いところは他人とは異なる境遇であった子供時代を過ごしたにも関わらず、多くの人が共感することのできるテーマパークを作り上げたことだ。あるコンセプトを抱いてもそれを多くの人間が共感、共有できるようにカタチにする事は難しい。それをジャングル、宇宙、幽霊屋敷、開拓時代のアメリカなど様々な非日常世界として人々に体験させて感動を生み出す才能にディズニーは優れていたのだと感じた。


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