2010年10月31日日曜日

【ホンヨミ!1029①】日本進化論【高橋】

『日本進化論 ~二〇二〇年に向けて~』 出井伸之(著)

<自然と伝統文化>
日本が古来守り続けてきたもので、失いそうになる前に警笛を鳴らしている日本。失ってから取り戻すことはとても困難なもの。それが豊かな「自然」と独特の「伝統文化」であると云う。
今後、温暖化が進み行く社会で、自然の重要性は言うまでもなく、CSRの一環として取り組んでいる企業も多い。日本が前面にだすべき誇れるポイントはどこか。独自性を打ち出して世界にアピールしていく意味ではまず基盤になるポイントになると思う。

<国家>
環境国家、平和国家、文化国家。これらを日本の国家のスタンスとして明確にしておくことは大事だと思った。これらが揃うことで世界に埋もれることなく日本の存在感をアピールできると思う。また、他の国も追随してこうしたスタンスをとれば世界の秩序が保たれるのかなと思ったが、そう一筋縄でいかないのが国たるもの。個人的に共感したものの、理想と現実のギャップを感じてしまった。

<目的に応じたODA>
ただ単に支給するのではなく、地球規模で考えて+になるものにはODAを支給するという発想である。一見してとても良いし、闇雲に与えても仕方がないと思う一方で、その裁量を支給する側に委ねてしまうと主観的になってしまい、例えば経済状況が芳しくない時のODAの出し渋りの基になってしまいかねないとも思った。

<「競争」から「共創」へ>
日本の「ものづくり文化」は世界でもトップレベルで、共創するということはより「進化」することを可能にし、「深化」していくことができると本著では論じられている。本来資本主義といえば競争を連想するものだが、これからは日本のものづくりの文化をより発展させて共創していく。国際社会で地球人として共存する時代、競争を越えた共創の姿勢も念頭にいれておくべきだと感じた。

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