『国家の命運』 薮中三十二(著)
「APECフェスタin慶應」開催初日に講演に来て下さった薮中さん。大変興味深くて人柄が素敵だと思い出版されたばかりの本著を購入してみました。
①表現とプレゼンの重要性
日本外交の交渉役を担っていた薮中さんが実際に外交官生活を経て体験したことを基に、自分の主張の趣旨を変えずしていかに相手を納得させるかについて論じられていた。
言葉の表現の仕方を少し変えるだけで相手の反応がガラリと変わる。外交においてだけでなく、恐らくどんなプレゼンでも共通していえることだろう。
特に、外国に向けてのプレゼンならなおさらだ。日本特有の遠回し表現が外国では不明瞭極まりないため敬遠され、より具体的なものを求めてくる。できる限り具体的にすることは聞いている相手もイメージしやすくなって伝わる度合いも変わってくる。
②あまりに敏感な反応
外国と何か事件があった場合、必要以上に取り上げて国内で騒がせるマスコミ。例えば、日本が何かアメリカに多少不満を与えるようなことをしたとき、アメリカの代表者はアメリカ国民の目がある以上、マスコミに言及を迫られたら建前上多少強い口調になる。それに過剰反応して日本の国民感情を煽って国内での取り扱いをより深刻化させてしまう。
知る権利はたしかにあるが、一国の威厳を保つためにも、ゆったり構えて自信をもつことも場合によっては大事なのに、それを許さない状況下を自ら作ってしまう日本のマスコミ。情報操作や洗脳、扇動することもできてしまう第4の権力。情報の受け手の質の重要性を改めて思った。
③ASEAN諸国との連携
日本で海外からの介護士などの研修生受け入れが進んでいる一方でその待遇や条件はオープンではない。大卒の人にしか参加資格がなく、途上国から研修にくる人たちを増やそうってときに逆行したことをしていると言わざるを得ない。
条件をゆるくして、より多くの外国の人たちに研修を受けてもらうことが大事である。
今後、TPPや東アジア共同体などの動きに注目していく必要がある。
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