1、「縦」への展開と「横」への展開
今現在、アメリカのネット企業が世界を牛耳っている。アメリカのgoogleを筆頭とした様々なプラットフォームレイヤーが、新聞や音楽というマスメディアやコンテンツ産業を例にしたコンテンツレイヤーを搾取している現状にある。次第には、インフラレイヤーや端末レイヤーをも統合して、プラットフォーム中心のメディア世界になろうとしているのだ。これがアメリカネット企業躍進の「縦」への展開からの「横」への展開である。この縦と横の展開を兼ね備えるのが、google book researchなのである。フェアユースが縦の展開を促進し、ベルヌ条約が横への展開を促進したともいえる。
2、ジャーナリズムと文化の衰退
上記のプラットフォームレイヤーがコンテンツレイヤーを搾取し、その結果として、ジャーナリズムや文化の衰退が進行しているのが、現状である。新聞や音楽がネットに吸収され、アナログよりデジタルの方が収入が上がるかと思いきや、広告費収入は一向に低い状態であり、コンテンツレイヤーが弱体化してる中では、良いものも生まれず、市場シェアが縮小して…と負のスパイラルに巻き込まれているだ。日本は数年前まで、GDP2位と言われる大国であった。その存在価値を示す指標としてあったのは、紛れもなく、経済力であった。しかし、今周知のように、中国にもGDPで抜かされ、一人当たりのGDPでさえも、アジア圏でシンガポールより劣るといわれている。もはや経済大国ではない。何か、国家の存在価値、国益となる何かがなくてはならないのだ。その答えこそ、日本古来からある、伝統文化やポップカルチャーではないのか。欧州でもフランスがより力を入れて、文化復興の政策をしている。日本はどちらかといえば、欧州寄りではないのか。アメリカの模倣のようなことをしてる場合ではない。それは、ジャーナリズムあってこそ政治(journalism without government)でも然りである。ジャーナリズムと文化を衰退させてはならない。
3、流通独占と超過利潤
以前は、情報やコンテンツの制作から流通までを自社の流通経路で、担い、独占してきた垂直統合型モデルだった。そこでの流通独占がもたらす超過利潤をお金として充てていた。しかし、プラットフォームレイヤーなどの出現により、今では超過利潤をいうものをプラットフォームの中だけで溜め込んでいるのだ。(これがgoogleの高収益につながっている)それを制作側のコンテンツレイヤーに還元しないが故に、コンテンツ産業が縮小してしまっているのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿