小さなイノベーションが偏在する自己革新的な社会、というのが未来像として示されていたので、それについて考えてみた。
今の情報社会が生んだ事象として、 SkypeだったりGoogle docsだったりBlogだったりで、mtgの効率化が進み、 コミュニケーションが円滑になったことが挙げられる。
だが現在、情報の力は知ること・分析することまでにしか到達し切っておらず、万人が「作る」時代かというとそうでもないのではないか。もっとたくさんの人が創作し、小さな創作が偏在する社会になるべきではないだろうか。
ここでは、情報社会で発達したコミュニケーションの力を創作に還元するためにコラボレーションを挙げている。
コラボレーションを促進するものとして、
1.目的の共通見解
2.制作プロセスのリアルタイムな可視化と共有
3.価値観の自由の担保
4.目的へのモチベーションが必要だと思う。
これらを満たすものとして、プロトタイピングとシミュレーションが挙げられる。井庭さんはペアライティングを例示していたが、完成品を誰かに見せてフィー ドバックをもらうよりも、リアルタイムにどんどんフィードバックをもらい、相手にも創作に参加してもらうことで、共通認識が培われるのではないだろうか。
このようなシミュレーションを可能にするには、ツールとプラットフォームが必要だ。
そのとっかかりとして、初音ミクがあるのではないかと思った。
初音ミクは、色んな意図を持った人達(萌え消費・歌い手・作曲など)を「初音ミク」という一個の箱を通すことで、共通言語を付加する。そしてその共 通言語が上記の色んな意図を持った人達のコラボレーションを生んで、より創作を促進すると考える。本来ならば多方面のカテゴリに属する人々をつなぐ点で、 ミクはプラットフォームに似た役割を果たす。そのブランド力によって、ひとつの共同体を形成しているのだ。
メタメディアという概念を井庭さんは提示していた。パソコンのように、利用する側の目的に合わせて、調べる・絵を描く・文字を書く・ものを動かすなど、様々なメディアの形に変化する、メディアを包括するメディアの意味だと解釈した。
初音ミクには、その可能性があるように感じる。
ボーカロイドソフトウェアとしての初音ミクは、歌を作ることにしか特化していないが、ブランドとしての初音ミクは、様々な用途で創作を促進しているように見える。
この初音ミクが、ニコニコ動画のような、作品の公開・リアルタイムのフィードバックを受け持つものと組合わさり、更によりオープンなコラボレーションを可能にすると、創作の場においてさらなる意味を持つようになるのではないだろうか。
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