2010年9月24日金曜日

【夏休み③】この夏出会った素敵なひと【田島】

私は夏休みの間、3週間弱アメリカを旅行をしていました。NYの地で、私は二人の素敵な新しい友人に出会いました。一生の宝物にしたい一期一会の出会いで、まさにこのテーマにぴったりだとびっくりしました!
一人は、NYで翻訳の仕事をしながら働く日本人のキャリアウーマン。もう一人は、アメリカのビッグバンドで活躍する黒人の日本大好きなトロンボーンプレイヤー。旅をしていなければ一生出会うこともないかもしれないひとに出会える、それが旅の醍醐味なのかもしれません。
 友人と二人でアメリカを回り、ついにNY最後の夜、エンパイアステートビルに昇ってNY最後の夜景を眺めている時、私の頭の中では一つの考えがこびりついていました。「もう一回ジャズを聞きに行きたい!!」ビッグバンドジャズのサークルにいる私にとって、ジャズの本場であるNYの夜は本当に天国のようで、既に1週間毎晩のようにジャズのライブを聞きに行っていました。(すごく有名なアーティストが来日公演の半分以下の値段で聴ける喜び!)これでNYの夜が最後だと思うと、やっぱりどーしてもジャズを聞きたくなってきて、今まで根気よく付き合ってくれていた友達にもさすがに呆れられ(笑)、結局一人でライブハウスに向かうことにしました。その晩はbluenoteで来日公演にも言ったことのあるビッグバンドがライブをやっていました。着いたころには既に第一セットが始まっていたので、予約の無い私は店の外に並んで第二セットの開場を待っていましたが(早すぎて他には誰も待っていなかった)、NYの夜の街に一人っきりという状況はなんだか少し心細く退屈ではありました。
 そんな中、一人のアジア系女性がやってきて店の窓から中を覗き始めました。大人なのに、なんだか小さい子どもがするように一生懸命中を見ていて、「なんかこの人面白いなあ」と思った私は「あなたも予約持ってないんですか?」みたいなことを英語で話しかけてみました。(それまでも列に待ってる間は結構周りの人と話すきっかけになりました。)その人はその質問には答えず、ぽそりと「友達が中にいるの」と呟きました。私は「友達が中で見てるの?」と聞き返すと、「ううん、演奏してるの。あ、今ソロ吹いてるひとかな・・・?」ともっと顔を窓に近づけました。こんな有名オーケストラのプレーヤーが友達!?とびっくりした私は「友達が演奏してるの!?」と言うと、「あ、あれじゃなかった、彼はメガネかけてないし・・・(英語)ねえ、あなた日本人?」とさらにいきなり日本語になったので私はさらにびっくりしてしましました。
 その後話してみると、彼女はNYで就職して現在は翻訳の仕事をしていて、プレーヤーの友人とは偶然に知り合い今日初めて彼の演奏してる姿を見に来たとのだと言います。話が盛り上がって、結局彼女と舞台のすぐ近くのテーブルを一緒にとって見ることになりました。彼女はとにかくtalkativeで好奇心が旺盛で、大人だけど子どもみたいに純真なところを持っているひと。初めて会った私にもすごくopen mindで、旅行について色んなアドバイスをしてくれたり、自分のバックパッカー時代の面白いお話を聞かせてくれたり、果ては初対面ながら今デートしてる彼氏のことや自分の恋愛観までいいのか!?っていうくらい話してくれました(笑)彼女と楽しく、友人のソロになったときは「あのミュート私があげたやつかな!?」とかきゃあきゃあ言いながら演奏を満喫しました。(やっぱり演奏は素晴らしかった!)
 いいのか!?というくらいオープンマインドな彼女は私が日本でトロンボーンをやってるというと、「じゃあ友達と一緒だね!これ終わったら一緒にごはんでも行こうよ!」と誘ってくれ、なんと私はライブの後三人で近くのお店にご飯を食べに行くことになってしまいました。その他にも、伝説的存在のバンドマスターと写真をとらせてもらったり、公演後のbluenoteの舞台に乗せてもらったり・・・遠慮する私に「ここは日本じゃないんだから恥ずかしがらないで!」とトロンボーンプレーヤーの友人は笑いかけました。
 初めは憧れのバンドのトロンボーンプレーヤーということで話をするにも緊張して目に涙を滲ませてしまいましたが(「彼がそんなにすごい人だって知らなかった」と彼女は笑っていました。)、ごはんを食べながら拙い英語でコミュニケーションをとるうちに、彼が面白くて心から優しいひとなんだということがわかり、人間的にも大好きになりました。そして筋金入りの日本オタクで、諸星大のキューピーストラップを持っていました。「頑張ってください」と言うと日本語で「オマエモナ!AHAHAHAHA!!」(自分で言って自分でバカ受けする)と返すオヤジギャグ好きながらも、「僕はもっともっと練習しなきゃ」と有名バンドのプレーヤーなのに、まるで楽器を始めたばかりの学生のように心からつぶやくとても謙虚で真面目な人でした。名刺をくれたのでe-mailでお礼のメッセージを送ったら、日本旅行のときのにゃんまげや等身大ガンダムとのツーショット写真を送ってくれました。年末に日本のbluenoteに彼のバンドが来るので、見に行くのがとても楽しみです。メールでのやりとりの時も本当に気さくな人で、人間的な素晴らしさを感じとるのに言語の違いは関係ないのだなと実感しました。

 彼ら二人から学んだことは、オープンマインドでいることの大切さです。「ただ偶然出会った」、それだけで日本人の彼女は何の見返りもなく積極的に私に色んな人を紹介してくれ、ご飯をごちそうくれたり、色んな話をしてくれました。トロンボーンプレーヤーの彼も、有名なプレーヤーでもなんでもなく、日本のただの学生に過ぎない私と、まるで姪っ子かなにかのように接してくれました。それは、「どうして私に?」と戸惑ってしまうほどでした。きっと彼らは、人との出会いを、人間を愛しているんじゃないかなと思います。人を愛し、見返りを求めず与えることができれば、きっと世界中に楽しい出会いが待っている。これが、彼らから私がもっとも学んだことです。彼らに出会ったからこそ、私はそのあとのサンフランシスコのホステルのいろんな出会いを楽しむことができたし、旅を満喫することができたのだと思います。

 私はそんなに旅をこなしているわけではないけど、旅をするほど、その良さがわかってきています。もちろんに日本にもいいものはあるし、素晴らしいひとがいっぱいいる。でも外国には、その国でしか生まれない素晴らしい景観や文化があるし、旅という無防備で「弱い」状態に自分があることによって、人との絆を結びやすい側面もあると思います。(個人的には、一人旅は悪くないなと思いました)さらに見聞を広めるだけでなく、新しい環境・難しい環境に身をおき自分がいかにそれに対応するか鍛える場にもなる。そしてすべてが完全な一期一会になる。旅をしなくてもいいけれど、旅をする人生はきっと楽しい。そう思います。少なくとも、アメリカに行かなくて、あの人たちに会わなかった人生は考えたくないな、今そういう風に感じます。

 もし私があの時ジャズを聴きに行かなかったら?友達と二人で聴きに行ってたとしたら?彼女の仕事が遅れていなかったら?(本当は第一セットを聞く予定で遅れてしまったんだそうです)もしあの時彼女に話しかけていなかったら?オープンマインドの気持ちを忘れず、何か思い立ったら(危機感は持ちつつも)行動してみること!!これがいい運命を切り開く秘訣なのかなーと思いました。

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