2010年9月24日金曜日

夏休みブログ③【山本】

最近Harvard Business Reviewに興味深い記事が載っていたので、そのことについて紹介したいと思います。

その記事には、McKinsey Awards2008で金賞を取った論文が紹介されていました。
“Can You Say What Your Strategy Is? 戦略を全社員と共有する経営”についてです。

執筆者は、戦略が明確でない企業が余りにも多いと述べています。そしてその多くの企業は実際戦略を実行できていないか、あるいは戦略すら存在していないケースもあるようです。
一方業界の成功企業は社員誰もが、35字以内で会社の戦略を即座に答える事が出来ることが多いそうです。

執筆者は、前述の企業はしっかりと企業の戦略を明確にするために“戦略ステートメント”を作成する必要があると述べています。
そのためには、「目標」「活動範囲」「優位性」の3要素を明確にすることが必要だそうです。
まずひとつめの「目標」ですが、戦略が明確でない企業の多くは、大抵「目標」と「ミッション」を混同していることが多いそうです。「目標」は「ミッション」ではありせん。「ミッション」は自社が目指す究極的なもの、即ち倫理観を伴うものである一方、「目的」は具体的かつ唯一無二のものを示します。
ここでいう「目標」の条件は、上記で述べたように具体的かつ唯一無二であり、評価可能かつ期限が設定されていること、そして一つであることです。例えば、「収益性の高い成長を目指す」というものはこの場合適切な戦略目標ではありません。「収益性」か「成長」かどちらかを選ぶ必要があります。
このように、“適切な”目標を設定することは、簡単なようで意外に難しいことのようです。

次に「活動範囲」についてですが、これはつまり自社の活動に対して引くべき境界線を設定することです。境界線は3軸存在します。「顧客及び商品」「地域」「垂直統合」です。これらを設定することによって、企業が「やらなくても良いもの」を明確にすることができます。

そして最後の「優位性」ですが、これは言わずもがな他社と比較した自社の提供価値(バリュープロポジション)です。

これら3要素を明確化することが、戦略の明確化につながり、ひいては自社の業界地位向上につながります。

上記の方法は、ビジコンや論文などにも応用できるでしょう。あるいは、自分自身の人生の戦略にも応用できるかもしれません。しかしここで注意が必要なのは、“ゼミの運営活動に関しては応用出来ない”ということです。(あくまで私の考えですが)

戦略とは、構成員の目標がひとつのものに一致しているときにのみ有効なものです。(例えば3年で売上高1.5倍、等)
全員が同じ目標を持っているか、個々で異なる目標を持っているかがゼミとビジネスの決定的な違いだと私は思います。(もちろんゼミも学力向上などの目標は共通しているかもしれませんが、その程度は個人によって様々、或いは力を入れる分野も様々です)

ゼミは異なる目標を持つ人々が集まる場であるからこそ、戦略を立てなくても良い。しかしその反面、戦略を立てなくても良いからこそ、個々人の達成度・満足度は個々人の努力と能力に委ねられています。

そんな事を最近思いました。

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