2010年9月23日木曜日

【夏休み④】人々【栫井】

この夏出会ったすてきなひと、を紹介したいと思います。

先週、瀬戸内海付近を旅行してきました。広島-瀬戸内諸島-岡山と行ってきたのですが、何よりも印象に残ったのは、それぞれの街が生む雰囲気でした。
特に瀬戸内の直島に並ぶ日本家屋、岡山の倉敷市美観地区の古い建物を改修してつくられたモダンな街並みは、眺めているだけで楽しく、行ってよかったなあ、と思わせるものでした。

どうしてとってつくられた建造物より美術品より、街に印象が残ったのか。
それは、街が生活の中から自然に形作られたものだからだと思います。
長い年月をかけ、そこに生きたひとりひとりの人生に沿うように、家を建て道を整備し草木を植え、それぞれがそこの風土に最適な生活が出来るように作り上げられたものだということが伝わってくるからです。
そのひとたちは、ここでどんなことを思い、どんな様子で歩き、どんな言葉を隣人と交わしていたのだろうか。
そう考えながら歩くと、自然と周りの些細なものごとが特別に見えてきます。
小さな赤とんぼが飛んでいること、川がきらきら光っていること、山が少し赤めいていること。
ずっと昔に、この家が建った頃のひとたちも、同じようにこの景色を見ていたのだろうかと。

わたしがこの夏出会うことができたのは、古にこの街を興し、代々少しずつ街の形を変えて、今の街をつくりあげた数え切れないひとたちです。
彼らのおかげで、今、わたしはこの街ですてきな体験が出来たので。


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少し真面目なことになってしまうと、街を歩いてこんなことを思う中で、もうひとつ気づきがありました。
街は、ひとびとが生活する中で一番密着する場所です。ひとびとの思いを一番吸収して反映している場所だと思います。

都市の特性とメディア(主にデジモノ)の特性を関連づけ、ひとびとの生活がより面白いものになるように設計すること。
わたしの専攻は、ひとことで云うとこうまとめられます。それを考えてARG(代替現実ゲーミング)を研究してきたつもりでした。
しかし、最近メディアに寄り過ぎていたのかな、と気づきました。
今後の動きとして、仮想媒体から現実媒体への移行は確実だと思っています。(ソーシャルグラフという言葉の流行、位置情報ゲーム流行の兆しがそれを物語っているのではないでしょうか)
そうした中で、都市の特性を活かした仕掛けを重視するARGはより一層重要になってくるのだと思います。(実際多くの企業もARGに注目しています)
それを従来の考え方のように、メディアに偏って考えすぎてしまうのはもったいない。
ひとびとの生活をよりリアリティを持って感じるには、街が重要キーワードになるのかもしれない。
そういうことに気づきました。

尤も、都市と街はイコールではありませんが。

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