ブログアップ遅れてしまい申し訳ありません。
今夏、インドに行って来ました。そこでは普段日本で感じる事がない不便さや不安をたくさん味わう事ができました。二週間という短い日程でしたが振り返ってみたいと思います。そうは言ってもインドで感じたことはたくさんありすぎて全部書ききれなので僕が見たインドの交通事情について書いてみます。
インドに着いてまず困惑したのが空港からニューデリーの中心街に行くバスがどこにあってどれに乗れば良いのか分からないという事です。日本だったらバスの側面に目的地や経由地が書いてありますが、インドのバスはそれが分かりにくい。汗だくになりつつ警察っぽい人にどのバスに乗るべきか聞く事約一時間近くしてやっとバスに乗れました。なんとなく乗ったので正確な目的地、料金など分からず周りの様子を伺っていると、どうやらそのバスは故障したみたいで別のバスに乗り換えるとのこと。すぐ前に停まっていた別のバスに乗って10分くらいするとバスが動き出しました。
すると乗務員がやってきて料金を払います。25ルピー(50円くらい)だった気がします。バスに乗るにあたっておもしろかったのはクラクションの鳴らし方です。日本ではほとんど鳴らしませんが、頻繁というより常にクラクションの音がしています。僕はどれくらい鳴らすのか気になり回数を数えていましたが70回に達したところで面倒くさくなり辞めました。それほど鳴らします。そして信号機など全くないので各自の思うままにどんどん別の車が割り込んできます。逆走など当たり前です。ここにいると日本で何故事故が起こるのか不思議なくらいでした。
そうしてニューデリーの中心にあるコンノートプレースという場所でおりたのですが、その時すでに夜の八時。日本と違ってかなり暗いです。周りは目をギラギラさせているインド人ばかりでとんでもないところに来てしまったと思いました。
車の中でも圧倒された交通状況なので、いざ歩行者として道路を横断するのは困難極まりないです。タイミングを計らいながらも何度をためらい、現地のインド人の渡り方を真似してなんとかわたりました。最初はわたるのに10分くらいかかりインド人に笑われていましたが、旅の最後の方にはクラクションをガンガン鳴らされても悠々と渡れるようになるのですから馴れとは凄いものだと感じました。
コンノートプレースから地下鉄を使ってホテルに移動したのですが、パキスタンとの停戦状態にあり、二ヶ月前にも大規模な鉄道爆破テロがあったインドにおいては駅に入る際のセキュリティーが厳しいです。一人一人に対してボディーチェックがあり鞄の中身も確認されます。また、撮影は禁止されています。電子のコインを窓口で買ってそれをかざして改札を通過するのは日本と似ていました。
同じ鉄道でも長距離を移動する為のものは地下鉄とは別物です。席は様々な階級に別れており、椅子だけのものやベットでエアコンが効いているものまであります。一回10時間くらいの移動が多かった為ほとんどベットタイプのものを使いました。快適でした。
また、インドの電車はよく遅れるといわれますが、それは本当でした。一番待ったのは10時間です。タージマハルで有名なアーグラの近くにあるトゥンドラ駅に18時に着いたら、自分が乗る20時発予定の電車が掲示板では深夜2時到着に遅れていました。しかたないのであきらめて待つことにしたのですが、その電車を待つ時間が今回の旅で一番思い出に残っています。現地の若者と駅のホームで話したり、チャイという飲み物をおごってもらいました。インドではぼったくられたり物を売りつけようとしつこく言い寄ってくる人が多かったのでめちゃくちゃ感動しました。そこで彼らから「俺たちのことを汚いと思うか」などと突っ込んだ質問をされたりしましたが彼らと語れて嬉しかったです。そうこうしてもまだ22時くらいなので、後はあきらめて横になる事にしました。駅の前が空き地になっていてそこで人々が寝ながら電車を待っているので同じようにしました。デカイ豚が子豚をつれてゴミをあさってウロウロしていたりと日本では考えられない状況です。インド人は待つ事に慣れているのか、地面に敷く為の厚手の布を持ち歩いています。その上に寝転がっている様子でした。結局電車は朝4:16分に到着しましたが、席に着いたときにはさすがに疲れがドッと出ました。
電車を降りるときはアナウンスはもちろん、車内の電光掲示板など無いので周りのインド人に自分の目的地を伝えておきそろそろ到着かなと思ったら今どこかを訪ねると言った極めてアナログな手段で行動しなければならないので何かと不便でした。改めて日本の電車は親切だなと感じました。
その他、日本で言うオート三輪の様なオートリキシャー、人力車に当たるリキシャー(自転車で引っ張るものは主流)などがありこれらを使うのが街中を移動するのに便利です。大変なのが値段交渉です。平気な顔して倍近くの値段を吹っかけてくるので、じゃあ乗らんわ!といった感じで離れて行こうとすると、OK!OK!ディスカウントするよ!と後ろから追いかけてきます。ただ移動中にも勝手に停車して関税を通過するのに二ドル払ってきたからよろしくとか、お前が言っていたのはこの駅じゃないのか?その駅に行くにはもう300ルピー必要だぞとか訳の分からない勘違い演技で金をとろうとしてくる姿にはもはや笑うしかありませんでした。
そういった交通事情を通じて感じたのはインド人の働くこと、もっと言えば生きることへの必死さです。リキシャーで移動したとき周りの車やバイクにクラクションを鳴らされながらも懸命に道路を突き進んで行くリキシャワーカーのおっさんの目はかなり本気(マジ)でした。そこには日本のタクシー運転手が見せる愛想笑いなどといった生温いものはいっさいありません。汗だくになりながらひたすらリキシャーを引っ張る姿には圧倒されてしまいました。
日本では何もかもが便利になって快適ですが、それを手にしたことで人間臭さ、貪欲さ、必死さ忘れてしまっているのかもしれません。インド人に触れてそんなことを感じました。
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