2010年8月9日月曜日

【夏休み①】消費者行動のつくりかた。【栫井】

投稿が遅れてしまい、申し訳ありません。
以後の3回分については、必ず期日内に投稿します。
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みなさま、夏休みいかがお過ごしでしょう。私はいくつかのプロジェクトを進めています。その中で、「シーン(場面)」というものについて考える機会があり、仮説を立てたので共有します。何か思うことがあったらば、ぜひ教えてください♬--------------

BNGプロジェクトなどで新しいものを作るとき、使うシーンについてよくよく考えなくてはならないと思います。当たり前のことなのですが、どうして考えなくてはならないのでしょう。
新しいものを作るということは、人に新しい行動を要求することだと思います。

図示するとこんな感じ。上の黒矢印は今までの行動スタイル。下のピンク矢印は新しい行動スタイル。ピンクの円は新しい商品が一番最初に消費者の前に現れるシーン。
果たして緑の人は、ピンクの矢印が現れたとき、そちらに乗り移ることをするでしょうか。
私は、しないと思います。例えば、通勤ラッシュの品川駅の中に、デジタルサイネージ型でゲーム式のクーポンを仕掛けたとして、使う人はどれほどいるでしょう?たとえ今日のお昼ごはんで使えるクーポンだったとしても、みんなやらないでしょうね。
だから、仕掛けの場所に一工夫加えることが大事なんだと思います。
立てた仮説は、こんな感じです。


ピンクの丸は今までの行動スタイルの中に埋め込まれていて、矢印は黒とピンクを繋いでいます。先ほどのゲーム式クーポン、例えばレストランのテーブルに設置してみたらどうでしょう。料理の待ち時間を利用して、使う人はぐっと増えるのではないでしょうか。
当たり前のことを当たり前に言っているだけなのですが、世の中に登場して使われずに消えていく製品の中には、これが出来ていないものも多いのでは?と思います。

もうひとつ。
果たして新商品が今までの行動スタイルに埋め込まれているのかどうか、分析するための切り口について。リクルートという企業が言っている話だそうですが、シーンというのは

- 場所
- メディア
- コンテンツ

の3つの構成要素を持つということです。
これを利用して仮説を立ててみました。
例えば、

- レストランのテーブル
- デジタルサイネージ
- ゲーム式クーポン

ゲーム式クーポンというコンテンツが面白いから使ってもらえる、というだけではだめで、場所や利用媒体との親和性・相乗効果を考えてみる必要があります。
それぞれについての今までの行動スタイルを考えてみると、

- レストランのテーブルには、待ち時間が生まれる。待ち時間の間はテーブルはほぼ空である。

- ケータイでQRコードを読み込むよりも手軽に操作出来るが、ケータイよりも大型なので、場所を取る。
- ゲームをやるときは、電車の中でのDSやケータイゲームのように、隙間時間や暇な時間。DLが面倒なものはやらない。

3つが重なるものは、今までの行動スタイルとマッチしていると言えると考えられます。3つが重なる部分が、前述したピンクの円部分の中身になります。つまり、利用してもらい、ピンクの矢印に引き込める可能性が高くすることが出来るのです。
今までの行動スタイルにマッチしているものを考えすぎると、無難なものしか生まれないのでは?という疑問が出てきそうですね。確かに上の例は陳腐で稚拙ですけども。
私の考えでは、ひとつひとつについての今までの行動スタイルをどれだけ広く考察出来るかが斬新な組み合わせを作る鍵になります。
「普段意識していないけれど、実はやってしまっていること」をどれだけ見つけられるかが鍵なのかと。
“普段意識していないけれど、実はやってしまっていること”ってなんぞや?と思った人は、IDEOという会社の「考えなしの行動?」という本を読んでみてください。

以上をまとめると、
・新商品が消費者に触れるシーンは、行動スタイルの中に埋め込まれていなくてはならない。
・シーンの3つの構成要素”場所・メディア・コンテンツ”それぞれの行動スタイルがマッチしていなくてはならない。
2点の仮説にまとめられます。

ちなみにシーンの構成要素については、アナログなものの考え方だと思っていて、1ステップ能動的な行動が求められるウェブの仕掛けでは、また違う構成要素が考えられると思います。
今検討しているのは、

- 場所(ex.学校)
- メディア(ex.ケータイ)
- アーキテクチャ(ex.Twitter)
- コンテンツ(ツイート)

アーキテクチャに関しては、言葉の当て嵌めに検討の余地ありだと思っています。
なぜ新たに加えたのかというと、
・既にあるウェブサイト(ある特質を持っている)を使う場合、そこにアクセスする1ステップについて考える必要がある。
・同じコンテンツ(つぶやき)であっても、サイトの特性(Twitter/mixiボイス)によって違う意味合いを持つ場合がある。
といった理由からです。

いかがでしょうか?
この仮説については、今後実証実験を通して検証していくことになります。
何かコメントいただければ嬉しいです。
ではでは。

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