2010年6月11日金曜日

【ホンヨミ!】ウェブ2.0は夢か現実か?【黄】

ウェブ2.0は夢か現実か? 佐々木俊尚著

我々の身近に存在するインターネット。インターネットが導入された当時の理想像と今の姿との間が大きくかけ離れているのでは、と著者は主張する。
代表的な例としてWinnyがあげられるだろう。Winnyはソフトウェアそのものとしては非常に高性能で技術的にも最先端を行く。しかしながら問題は、そのソフトウェアが優れた技術を持っていながらも、結果的には音楽や映画などの違法著作権侵害コンテンツ流通に用いられてしまっている現状があるという事だ。かつてのインターネットの理想論に沿って言うならば、インターネットはエンド・トゥー・エンドであって、どのように利用するかは、エンドである利用者の判断に任せられていた。インターネットの役割はあくまでインフラとしてエンドにそのパケットを提供するところまでであり、その後は関与しないというスタンスだったと言える。しかしこの理想と実態が大きくかけ離れてきていると本書では主張されている。

ウェブが今後日本社会をどう変化させていくのか、既存のメディアとどのような摩擦が起きているのか、どんな人が関わっているのか、そして実際にウェブを巡ってどのような事件が起きているのかについて触れた後、日本での展望を展開して本書は締めくくられている。
先日インターネット・リテラシーをNCでやった事もあわせて非常に興味深く読めた。

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