2010年6月11日金曜日

【ホンヨミ!0611①】ゲームニクスとは何か【栫井】

ゲームニクスとは何か−日本初、世界基準のものづくり法則−

ゲームはなぜあんなにおもしろいのか?
"ゲーム脳"という言葉が表すように、ゲームの中毒性はネガティブな意味合いで使われがちだ。
しかし、 ゲーム機とて電化製品、ゲームソフトとて学習。ある程度複雑になったり、退屈な要素が入ってくるのは避けられない。 注意力散漫で飽きっぽい子どもたちを何時間も熱中させてしまうゲームを分析して要素を抽出した「ゲームニクス理論」は、実は世の中の問題をストレスレスに解決する手助けとなりうるのである。
簡単にゲームニクス理論をまとめると、とにかく使いやすいこと、だんだんハードルを上げて飛び越えたときの快感をしっかり与えることだ。
たとえばWii。ゲームが出来るのみならずインターネットも接続出来たりMiiが作れたり投票システムがあったり、様々な機能が付いている。だが、IPTVよりも高いインターネット接続率を誇っている。それは、はじめてWiiを起動したときの画面に秘密がある。はじめて握るコントローラーの使い方からWiiで出来ることを簡単なことからシミュレーションすることで、参入障壁を下げてとっつきにくさをなくしているからなのだ。
更に、細かいゲームの特徴は、その効果音やゲームコントローラーの機能にもある。1ステップ進めると、明るい効果音が鳴ったりコントローラーが振動したり、五感に訴えるさりげない快感もゲームの魅力になっている。

ハードのみが成長していくことは危ういと言う。いくら機能面であれを付けてこれも搭載して、としてもユーザーは「もう良いよ」と思うばかりで、魅力を感じるのは一部のマニアだけだ。
一度今までのゲームのヒットの要因を見直し、そこから抽出されるゲームニクスを大切にしてみてはどうか。
WiiやニンテンドーDSのヒットは、ただやみくもにコントローラーの形を変えたからではない。ゲームのコモディティ化を読み、ユーザーが求める新しい経験とは何かを追求した結果である。
日本のきめこまやかな配慮がゲームニクス理論を支えている。日本の哲学を以てすれば、ゲーム業界、ひいては日本の製造業は世界に一石を投じることが出来るのではないだろうか。

ゲームニクスは、医療のリハビリ、教育の魅力向上など様々な局面に可能性を秘めている。
消費者の求めるレベルが上がり、ストレスレスが重要になっている今こそ、ゲーム会社が大きく躍進するチャンスではないだろうか。

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