2010年6月7日月曜日

【ホンヨミ!】0604② フィリピンの歴史 【黄】

フィリピンの歴史 「盗まれた楽園」と抵抗の500年
鈴木 静夫著

フィリピンと聞くと皆何を思い浮かべるだろうか。・・・バナナ?
確かに日本に入ってきている大半のバナナはフィリピン産だ。しかしながら、日本とフィリピンはそんなものよりもずっと複雑で深い関係を持っている。
フィリピンは今からおよそ7000万年前にアジア大陸と陸続きだったのが現在の島国になったといわれている。そして紀元前1500-紀元前500年にはマレー辺りから新しい人類がどんどん移住してきた。

1521年、あのポルトガル探検家マゼランによってフィリピンは発見され、その後スペインの植民地として300年以上苦しめられる運命をたどることに。
それまでは穀物も豊かで、奴隷もいなかったフィリピンだったが、スペインが占領したのちは、飢餓、ひどい差別を受ける奴隷が生まれる。
そのひどいスペイン統治に終止符を打ったのはほかでもないフィリピンの民衆だった。その中でもホセ・リサールはペンを持ち民衆に訴えた。その後ボニファシオが後を継ぎ「カティプナン」という秘密結社を結成。フィリピン革命を引き起こす。
その後もフィリピンは完全に独立することなく、今度はアメリカの統治下に40年強おかれることになる。民衆運動は収まることを知らず、とうとうアメリカはフィリピンの自主統治を求める。

しかしここで大東亜共栄圏の旗印の下、日本軍がフィリピンに攻め込む。
今度は約3年間日本の統治下におかれることに・・・・。
これらの困難をへたのち、1946年、とうとうフィリピン共和国を名乗るにいたるのである。
フィリピンには、日本軍の処刑された丘や慰霊碑が実は案外あったりする。
ただ単にバナナを食べるのではなくて、その国とどんなバックグラウンドを築いてきたのか知っておく必要性は十分にあると私は思う。
日本がフィリピンに攻め込んだことがあるという事実をどれだけの人が知っているんだろうか・・・。

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