2010年6月7日月曜日

100604ゼミの感想【村山】

【フェアユース】
最近のNCは著作権など、法律を題材にするものが多いですね。学部で扱うテーマとはかけ離れているので、理解するのに時間がかかる一方で、いつも興味深く考えさせられています。
フェアユース規定によって多くのイノベーションが起こっているアメリカに比べて、個別規定によってイノベーションを誘発することが難しい日本。イノベーションという側面から見ると、フェアユースを導入した方がいいように思える。アメリカでイノベーションが頻発するのは、

1) フェアユース規定がある
2) 同時に、起こした行動が違法かどうかをフェアユース規定に照らし合わせて判断できるだけの判例があること
3) そして、何より違法かどうかのグレーゾーンはデフォルトで白(合法)であるという風土が存在している

ところに起源があると思う。日本はその逆。

1) フェユース規定がない
2) フェアユースを導入したところで、参考に出来る判例が圧倒的に少ない
3) グレーゾーンはデフォルトで黒(違法)であるという風土

このように、事前に違法かどうかを白黒つけないと行動できないからこそ、日本ではイノベーションが発生しにくい訳である。

しかし、イノベーションを肯定し過ぎることは、著作物の創造主、つまり、著作者の権利を侵害することにつながる。著作権の問題である。著作権という側面から見ると、損をするのは一方的に著作者であるように見える。なぜなら、

1) 判決までにかかる時間的コスト
2) 勝訴したとしても、裁判にかかる時間の方が長く、賠償金よりも裁判にかかるお金の方が高いという金銭的コスト
3) これら二つの要素から、泣き寝入りするしかないという精神的負担

などのような、訴訟を起こしたところで、著作者にはマイナス要素しか返ってこないからである。つまり、強者の理論が働いてしまっている。訴訟を起こすことが当たり前で、金銭的余裕がある大企業には、そのように訴訟を起こす文化を持たず、金銭的余裕もない個人の気持ちは理解できないのである。

フェアユース規定の、日本への導入、いわゆる「日本版フェアユース」には慎重な姿勢が必要だと思う。


【3D】
3Dテレビ、3Dパソコン、3D映画、3Dゲームなど、現在、我々の生活の至る所で3Dの技術が導入されてきている。
今回のNCでは、3Dとは?とか、メリットやデメリットなど、かなり基本的な内容の発表だったけど、発展してきたばかりの技術を体系的に学べる良い機会だったと思う。
個人的には、3Dの技術自体は発展するだろうが、特に3Dテレビの各家庭への普及は緩やかな増加に留まると考えている。
なぜなら、

1) 経済不況と言われる現在、利用しているテレビがあり、あえて3Dの必要性を感じない
2) 特に、低年齢層への悪影響から子供がいる家庭への普及が難しい
3) 視聴時間による、身体への悪影響
4) 3D眼鏡など、3Dを体験するために別のハードを利用しなければならないことに対する煩わしさ

などのマイナス要素が多いからである。3D自体は面白いのだが(自分も家電量販店で3Dテレビを見たときに純粋に面白いと感じた)、それによって今までの二次元のテレビとは異なる、単に映像が立体的に見えること意外の付加価値を提供できないと普及には時間がかかると思う。

例えば、森林や滝などの自然風景を立体的に見せる時に、匂いや風など、視覚以外の五感を働かせられるような、実際に自分自身が画面の中(その自然の場)にいるかのような体験をさせることが出来たら、3Dで立体的に見えていることに相乗効果を加えられるのではないかと思う。

また、外付けハードディスクの様に、3D用の眼鏡を着用しなくても、外部ハードを既存のテレビに装着するだけで、どの家庭でも3D体験が出来るようにしたら、3D対応テレビを購入するよりも低価格で抑えられて、予想される普及速度より早く普及させることが可能かもしれないとも思った。


最後に、NCにおけるGDやGWは個人的には楽しくて好きです。でも、それを必ずしも行う必要があるかどうかは考えなければならないと思います。今回で言えば、【3D対応のテレビコンテンツを考えて下さい】というテーマでしたが、

それを考えることによって、僕らは何を身につけることが出来るのか、
また、それを考える目的は何なのか。

その辺の設定が、プレゼンター側から何も発表されないのがすごく残念でした。ただ発散するだけでは何の意味もないと思います。何のために、それを考えているのかを共有できず、目的もなく思考することは、もっと意味がないと思います。というか勿体ないと思います。プレゼン側にとっても、オーディエンス側にとっても。皆が考えている間、プレゼン側は何もしてない訳ですから。

今回の例であれば、例えば、考えたコンテンツにどれだけの実現可能性があるのかとか、社会に求められているのかなどを、金先生からフィードバックを頂くなどするだけで、ずいぶん変わったGDになったと思っています。もう少し、何故、今回の議論でGWやGDという形式を採用し、その目的は何なのかという部分を真剣に考える必要があると思います。もちろん、自戒の念もこめて。

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