2010年6月3日木曜日

【ホンヨミ!0604①】ピクサー流マネジメント術【栫井】

ピクサー流マネジメント術

よりクリエイティブな組織を創るためにはどうすればよいのか?しばしば扱われる問題にとてもシンプルに答えている。
「スタッフ全員が楽しんで作業に取り組む組織を創ること」だ。
そのためには、信頼し合える組織であること、全員が楽しい作業=自分の創造性を発揮できる作業に関わることが必要である。
信 頼し合える組織なんて、簡単に言っているように見えるけれど、ピクサーではスタッフの交流が生まれやすいように会社の構造を工夫している。オフィスも個性 溢れるものになっているという。人が「交流」するところ・「人間味」が見えるところにアイディアの素があるのだ。

フィードバックの質を向上させることは盗みたい。誰かの意見を聞いて、「確かに」で終わらせるのでは、本当 にフィードバックを役立てていることにならないし、ともすれば相手に意思決定を丸投げしていることになってしまう。同等の立場で意見交換することが大事な んだろう。
それから、フィードバックのためのミニ組織がいるということは、何人かの意見、それもかなりプロフェッショナルなたちに話を聞きに行く必要があるということだ。それが自分の周りに用意されてないならば、自分から社会に向かって聞きに行かなくては。

技術に対する姿勢も面白かった。
伝 えたいヴィジョンが先にあって、技術はそれに追いつくためのもの。最新の技術をいろいろ垣間みて、「面白そう!これ活かすにはどんなサービス作れ ばいいかな?」と思ってしまいがちだが、それでは自分が先頭に立つことはないし、それじゃ問題意識の部分がどこかで飛ぶ。
創りたい何か、正に「こうしたい」っていうヴィジョンがあって初めて商品・サービスに説得力が生まれるんじゃないかな。だから創る過程のモチベーションも下がらないし、楽しくなるのか。
アッ プルの製品とかはどうなんだろう?マックはストーリーを売っているというし、実際私自身マックユーザーとしてそこが好きなのだが、それも伝えたいヴィジョン、ス トーリーが先行してるんだろうか?だが、iPhoneが販売当初なかなか受け容れられずに第二世代以後人気が出たのはConsumerが良さを発見した からか、とも思ってしまう。トップダウンでストーリーを与えるというよりもボトムアップで発見しているものなのだろうか。

面白い本ではあったが、知りたかった核心の部分、みんながワクワクするアイディアの集め方についてはあまりヒントが得られなかったので、少し物足りない思いが残った。

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