2010年6月4日金曜日

【ホンヨミ!】0604②アメリカから〈自由〉が消える【斎藤】

 私が、世界で一番自由な国はどこかと訪ねられたら迷う事なくアメリカだと答えるだろう。自由の女神に象徴されるアメリカの姿はアメリカ人に限らず、世界中の人々にとってもアメリカという国家が自由をなによりも尊重しているという印象与えているだろう。

 しかし、本書ではアメリカにおいて”自由”が消えているという実態が露にされている。インターネットの検索、集会、報道、教育など様々な領域でそれが行われているというのだ。その背景にあるのが9・11のテロによってアメリカ人の心に恐怖が植付けられて事がある。そういった恐怖を利用して、政府は戦争を行った。大義名分を掲げて戦争を肯定化すること、一般市民に対して様々な規制を行うことは自由とはほど遠い行為だ。しかし、これらの暴挙が一般市民にとって目に見えない形で行われている。また、多少の規制は安全を守るためにも必要悪として容認するべきだと市民も納得してしまうのだ。

 自由に対する制限をかける際に最も有効とされるのは恐怖である事は先に述べたが、市民である私達に求められるのは、そういった恐怖に負けない事だ。具体的に述べるならば主体的に情報を集め真実を知ること。そうしてしった真実が政府などから伝えられる情報と異なるならば行動を起こす事が求められる。近年、中国での報道規制などが、アメリカや日本から指摘されていたが中国は共産主義国家であり、まだまだ発展途上であることからもしょうがない事ではないかと楽観視していたが、まさかアメリカでも同じ事が起こっているとは知らず本書の内容に衝撃を受けた。もしかしたら、日本でも同様の事態が発生しているのかもしれない。そういった事実に目を向ける姿勢を持っていたいと思う。

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