2010年6月4日金曜日

【0604ゼミの感想】魅力的な3D、本当にそうかな【戸高】

【NCフェアユース】
 技術革新とビジネスモデル革新が起こり、今までになかった価値を生み出し収益をきちんと生む。
 イノベーションとはこのようなものだという。今まで自分で本を読んで描いていたイノベーション像は、「新たな技術で社会に新たな価値をもたらし、しっかりとお金ももらう。」といったようなものであった(収益を生まねば意味がないというのはA・Gラフリー、ラム・チャラン著の『ゲームの変革者』を読んで得たことだったが)。まずここをしっかりと理解することができてよかった。
 
 何か議論をするとき、自分達がよく理解していないのに言葉の定義を横においておくと、あとで絶対にツケがくる。今年に入ってからそのことをよく実感する。
 まずは言葉の定義(特にカタカナ語の場合は注意な気がする)をしてからお互いの共通理解を得てフラットな場から議論を展開すべきだろう。

 技術
 ↓
 ビジネス
 ↓
 政策

 の順番でスピードが速いというのも、当たり前であるが、忘れがちな指摘の1つだった。
 イノベーションが起き、それがビジネスとして利用されるまでタイムラグがある。そして、そのビジネス、技術を国が有用だと思い、国策として利益をもたらそうとするまでもタイムラグがある。
 ビジネスから政策までのタイムラグが長ければ、政策による支援もなくなり、技術、ビジネスが育たなくなってしまうと言う指摘は最もだろう。
 
 そして、それを政策にしろ、技術にしろまずは人に知ってもらわねば意味をなさない。という指摘に繋がる。
 政治家がわけのわからないラジカルなことを言っていても、論を通ったことの言っている政治家よりも注目される。マスコミはそれをおもしろいと焚き付けるからだ。
 だからその政治家は広くは指示されなくとも、絶対に10人いれば2人には指示される様になる。そうすると、他の理路整然とした能力のある政治家がいても注目されないため、ラジカルで「おもしろい」政治家が当選してしまうという。
 
 これは実はマンガにもあてはまるおもしろい図式だと気付いた。
 週刊少年ジャンプなど、少年誌には雑誌により「アンケート制度」というものがある。自分が雑誌を読んで、気に入った作品3作に投票する。編集部側は、その投票の人気結果を見て、この連載を打ち切るかどうか、といったことを決めて行く。
 ここで、もちろんアンケートで1位、2位と上位を奪う、「超人気」マンガになるためには10人中全員や9人に投票されるような作品を書いて行く必要がある。
 しかし、連載を続けることができる「人気」マンガの水準を保つには2割の投票を獲得すればいいとのことだ。連載作品数が20もあるのだから当然と言えば当然なのだが。

 そう。だからまずは人気を得る、人に広く知れ渡るには制度が邪魔をしてはいけないのだ。広く知れ渡る機会を長く奪ってしまう可能性があるのが現行の個別規制。まず社会に出すのがフェアユース。
 この意味だけでもフェアユースを導入する意義はあるのではなかろうか。

【NC3D】
 3Dがもてはやされるのにどこかしら微妙な感じを抱いています。
 今現在、3D化されている作品はアバターといった超大作であったり、バトロワが3D化されるといったことでしたが、これも大味な作品であります。
 よくハリウッド型と日本型の映画製作と、かけるお金や権利処理などことで言いますが、3Dに向くのは大味で、お金をかけたハリウッド型の作品だと思います。
 この3Dブームで日本映画の更なるハリウッド化が進むのではないかと少し懸念してしまいます。

 また、本日のディスカッションはコンテンツに注目したものでしたが、

・コンテンツ制作側
・メーカー側
・その他プレイヤー側

 といった風にわけても議論ができたのではないかとも思います。
 コンテンツ制作側はもちろん今日話した様に、どのようなコンテンツが3Dに適しているのかといった話。

 メーカー側(デバイス)はテレビなどの映像機器を作っている、技術を持った側がどのようにエンパワーメントしていくのかといった話。
 例えばパナソニックが、3Dへの編集まで請け負うといったようなニュースもありました。技術をもつメーカーだからこそ支える必要があるのではないかと思います。

 その他プレイヤー側は広告代理店や通信側なども。特に、今日の発表を2班が言っていたのは、目線がプロモーションの方に向いていておもしろいなとおもいました。3D専用眼鏡を無料で配って3Dへの敷居を低くする。まさにフリービジネスですよね。
 あとはAR空間を用いても3Dのことを利用してもらう、知ってもらうための敷居を下げるための1つの道具になるのかもしれません。
 臨場感等の3D的特色はなくとも、立体映像が3次元の中に出てくるといったことを知るため、体験するためのいいきっかけ作りにはなるんじゃないでしょうか。


 あと、最近のNCでディスカッションなり、ディベートなりが増えてきますが、交流+自分がもっていなかった気付きをもつ等いい面もたくさんあるとは思いますが、失われている面もあるんじゃなかろうかと思います。失われていると言うか、さらに善くできるけど少しもったいない面と言いましょうか。
 ディスカッションやディベート等を行って、何か問題点や1つの解決策が出てくる。
 でも、現状ではそれが出て終わりなので(もちろんNC担当者からの意見の提示は素晴らしいと思います)、少しもったいないかなと。
 せっかく問題ないし、解決策、提案が出てきたならば、またそれにどんな問題があり、どうアプローチして行くべきなのか、他にどのような切り口があるのかと言った所まで、全体で話し合うことができればベターなものになるのかな、と個人的に思いました。

0 件のコメント:

コメントを投稿