2010年6月5日土曜日

【ゼミ感想0604】未来を考えるゼミ【田島】

【NC1 フェアユース】
前回の内容からの連続性があり、タイミングとしてとてもよいテーマ選択であったと思う。
最近日本の裁判について勉強したとき、「罪刑法定主義」という言葉が出てきた。「刑罰を課すことのできる『犯罪』は予め刑法に書かれている必要がある」というもので、刑法に書かれていないものは「犯罪」にはならず、それによって市民の自由な活動を促進できるという日本の法学の考え方である。反対に、欧米では刑法にあらかじめのっていなくても、司法の判断で等しい罰を受ける恐れがある。ここでも日本は個別規定で、欧米は判例を積み重ねる考え方をとっていた。そしてここでは日本の個別規定が自由を促進している。しかしフェアユースに関しては逆になる。日本は個別規定で例外としたもの以外はすべて「違法」であり、逆に欧米は司法での判断に任せられる(グレーゾーンが多い)ので、欧米の企業が自由に著作物のビジネスを行うことができる。訴訟によって決める方法は個別のケースへの柔軟性が高いが、同時に「司法の判断力」を信用するものである。日本に訴訟大国になれとまではいわないが、日本にはもっとフェアユースを活用できるような訴訟の土壌も必要なのではないか?特に技術革新のスピードが早い分野、また商業の分野では柔軟性の高い「司法の手を借りた民間の解決」が望ましいと考える。よって日本も著作権の範囲においてフェアユースを導入し、それに従い訴訟がもっと活発になり、権利者からの裁判のコストが下がることを期待する。
 今回のディベートはフェアユースについて深く理解するきっかけになり、NCのコンテンツとしてとても効果的だったと思う。題材が難しかったこともあるが、出来ればもっといきいきと活発に討論ができたらいいと思った。発言する人が偏りすぎているような気もする。

自分用まとめ
<個別規定>
○創作者の利益をいつでもしっかり守ってくれるので安心。(法律安定性)
○日本人は訴訟より、白黒はっきりしてた方が立ち回りしやすい。イノベーションの促進になる。
×技術革新に法整備が追いついていない(政策的タイムラグ)。日本企業のイノベーションを制限しているフェアユースのあるアメリカ企業が革新的サービスを展開し、個別規定に縛られた日本企業は何もできない。

<フェアユース>
○立法より時間的コストがかからない
○グレーゾーンから意欲的サービスは生まれる
○よって日本の国際的競争力を高める
×訴訟コストを払う余裕のない権利者は泣き寝入り?結局強者の世界。
×日本社会には訴訟の土壌がないので活用しきれない
×実は行政での立法の時間的コストより、裁判の時間的コストの方が高いのでは?
×裁判官によってバラバラの結果にならないか?(法の安定性が低い)
×権利に抵触する新規サービスは既存のビジネスモデルを破壊してしまう(有償コンテンツの損失)



【NC2 3D】
最近話題の3Dについて初めて体系的に学ぶことが出来て興味深かった。吉田君のプレゼンのSWOT分析は面白く、今度自分でもやってみようと思った。
3Dテレビは今後家庭においてどのような立ち位置をとるのだろう?現在の3Dは高齢者、幼児には適切でないとのことから、私は3Dテレビは従来の全世代に親しまれる「第一のテレビ」というよりも、テレビゲームなどのようにエンターテイメントのための富裕層向けの「オプション」になるのではないかと考えた。また、3Dテレビ開発において主導権をとる家電メーカーはどこかにも注目したい。以前見たNHKスペシャル「メイドインジャパン」で、国際市場で苦戦する日本の家電業界の現状を目の当たりにした。発表によると3Dテレビのガイドラインには韓国のサムスンが積極的に関わっているらしく、そのまま主導権を握ることが予想されるだろう。
ディスカッションでは班ごとの個性が出ていて面白かった。3Dならではの「体験」に焦点をあてたキラーコンテンツにこれから期待したい。
個人的な感想ですが、アバターを見たのですが正直3Dって想像してたほど奥行きがなく感じてしまったのは私だけでしょうか?

【電子書籍論文】
未来を予想し、社会にとって意味のある論文を書く。三田祭論文で感じた苦しみを再び思い出しました。笑
「書籍」とは文字情報の一つの形態である。電子化に伴って、「書籍」の概念はどんどんとパッケージから離れて、コンテンツの本質的な部分が注目されるようになると考えた。

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