2010年5月7日金曜日

【ホンヨミ】著作権の世紀【山本】

 今まで曖昧にしか理解できていなかった“フェアユース”や“デジタル・アーカイブ問題”、“肖像権”と“パブリシティ権”の違いについてはっきり知ることができ、勉強になった。

 著作権は、何が許されて何が許されないのかという境界線がとても曖昧だという旨を述べた文章が印象的だった。グレーゾーンが多いため、時代の変化によって柔軟に変化する必要があるということだ。この点に、著作権の奥深さがあると著者は記している。

 その時代によって境界線が変わっていく著作権を考える上では、その時々で絶対的に正しいという考え方は存在しないはずなので、時代を俯瞰する力がより必要になるのだろうなと思った。

 この著書の冒頭には「この厄介な制度に魅せられ、あるべき姿を考え続けた先人たちに」という文章がる。
 社会の変化を直に受ける事象ほど、常に「どうあるべきか」を考え続け、既成概念を疑い続ける姿勢が必要なのだなと改めて感じた。

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