2010年5月6日木曜日

【ホンヨミ!0507②】電子書籍の衝撃【高橋】

電子書籍の衝撃~本はいかにして崩壊し、いかに復活するか?~ 佐々木俊尚(著)

まず冒頭でiPadとkindleの比較を行っているところがまさにリアルタイムな話題で興味をそそられた。それぞれの利点・欠点があげられていて、そのどちらを知ってもなぜ消費者が買いたいという衝動に駆られるものであるかが述べられている。
また、iTunesを例に、電子書籍のプラットフォーム化がなされていく過程が詳細に書かれていた。他の手段として、self-publishingのことも書かれていて、違った視点をもつこともできた。

読んでみて考えたことは、書籍の電子化が今後もっと進んでいってプラットフォームが確立したとき、書籍は新作・旧作など関係なくフラットに消費者からは見られ、どんな作品でもある意味「平等」に見られるようになり、書店にひっそりとある古くて人気がない本などがなくなることになるのではないだろうか、ということだ。委託出版のせいで大量に返品される本があるなか、書籍を電子化することで資源や無駄をセーブすることになるし、どんな本でも売れるチャンスをより平等に与えられる。
しかし、本著にもあるように、新聞やTVよりも長い歴史がある本という存在は簡単になくなるわけがなく、注目すべきはその流れがいつ変わるかということだと思う。徐々に電子化へと移行していくだろうとは言われていても変化は急に起きるものであり、その潮流が変わったときに果たしてプラットフォームがしっかりと確立しているか、プラットフォームと消費者を繋ぐことができているか、などまだまだ考えるべきところが山積みの状態で技術ばかりが先走ってしまっているのではないか、と本著を読み終えて率直に感じた。
常に時代の先を行って利益を生み出しているamazonやappleの今後の動向にも目が離せない。

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