2010年5月30日日曜日

プロフェッショナルになろう

今期初のゲストスピーカーに福井健策さん(@fukuikensaku)をお招きしました。
ありがとうございました!!!

【NC:メディアリテラシー】
初の5期生NCお疲れ様でした。今までNCではサービスやコンテンツについて扱うことが多かったので、「教育」という観点から取り上げるのは新鮮だなと思いました。
プレゼンの後にグループに分かれて話してまとめて結論を出すという方法もだんだん定着してきました。短時間で共通認識まで持っていくのは大変だなといつも思いますが、その中で3グループがほぼ同じ点を指摘したのは驚きました。リテラシーを身につけるにはある程度の「経験が必要」というものです。もちろん外からの教育で知識をつけるメリットもあります。その点、携帯電話のキャリアによる教育を地域密着で行うという3班のアイディアは良いなと思いました。学校での授業では身に付かない、物足りないという意見が、実際にその教育を受け、現在ネットを頻繁に使うゼミ生にとっては共通認識だったようです。

体験が大事というのは、一方的な教育ではわかりにくいのはもちろん、インターネットは「道具」だからだと思います。怖さを知っていても使えなくては意味がありません。使う中で危機管理能力を身につけていくこと、最初は親の目の届く範囲で、というくらいの緩やかな方法がいいのではと思いました。


【福井健策さんによる2時間半!】
著書『著作権の世紀』をゼミ生全員が読み、そこでの疑問点感想を本ブログにアップしました。
今回はそれをもとに

・二次創作、対価還元
・電子書籍 Google book search
・Fair Use、実用品
・著作権保護期間延長

という軸からお話しいただきました。

私が質問したGoogle book searchについては、今まで混乱していたことをほどいて理解できました。
Googleの提案は確かに国際著作権法では予定していない内容だった。しかし、本サービスが対象にしているのは権利処理が難しく、本来なら世に出る機会がほとんどなかった本たち。これらはネット配信するには事前許諾が極めて困難で、配信収益よりもそのサーチコストのほうが高くなってしまう。よってGoogleの方法に反対したとしても、ほかの代替案はあるのか、という問題は突きつけられたまま――ということ。
もちろん孤児作品の囲い込みや情報の序列化、公共機関が担うべきではなどの具体的な問題もあります。日本の国会図書館も熱心に電子化に取り組んでいる。お勧めされた『Googleとの戦い』を読んで、論文執筆に臨みます。



ずっとゲストスピーカーとして先生にリクエストをしていた福井さんが来てくださってうれしかったです。
膨らんだ期待を裏切らない2時間半でした。
わずか数分で長い全員のブログから論点を抜き出して分類し、時間ぴったりで全部を網羅して話してくださりました。
言葉足らずな質問でもそこから整理して疑問点を明確にして、具体例を入れての返答は、まるで台本があるかのような流れでした。言葉が簡潔で難しくなくて、普段の法律の授業とは違って話を聞きながら理解しやすかったです。
印象的な言葉はいくつもありました。中でも、
「華やかに見えるこの分野でも、自分たちがやっていることは、未回収のお金の整理だったり、講演がうまくいくように複数当事者の契約だったり、という泥をはいずりまわるような作業。でも、素晴らしい作品に出会えたとき、そしてその作品に対し感動し、心の中でひれ伏し、妬みのような気持ちを抱くときこそが自分の仕事のやりがい。」
という言葉は印象的です。

「人間の生の事件を裁く現場を目の当たりにしたとき、自分には裁けないと思った、それほどの迫力、重みだった」
という感想を持つ人こそ、逆に司法で働くべきなんだろうと思いました。

きれいごとではない生の言葉は直接心に残りました。
ありがとうございました!

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