2010年5月31日月曜日

0528ゼミ感想【岡本】

【NC】
初のコメンテーター。ネット・リテラシーについては思うところがあっただけに、調べていても楽しい内容でした。
今回NCをやるにあたって話し合いの機会を設けたわけですが、ネット・リテラシーと一口に言っても筋道に色々な方向性があって、その中から「どんなアウトラインを選び取るか」「どうすれば問題が問題としてより伝わるか」には特に頭を悩ませました。これはいざ自分の担当するテーマが決まってからも同様。できるだけ分かりやすく、というのは意識してはいても実際なかなか難しいものですが、心がけとしては持ち続けたいですね。

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NCの最後にも言いましたが、「100を伝えようとするから1も伝わらない」そんな現状が今のメディアリテラシー教育にはあるように思います。だからこそシミュレーションが恐らく大事になってきて、それを通して「擬似ヤケド」を体感させる必要がある。
要は、効率追求の末の一般的なルール教育はウェブ教育には一切役に立たないのであって、「10であっても5であっても効率よく伝えること」が肝要。で、その「擬似ヤケド」というのが、個別の問題に対する対応策にはなるけれども、最も効率のいい方法だと思います。「前にこんなことやったからこれは危ないだろうな」と未知の問題に対応できるように、教育はできるだけ多くの危険を「安全に」体験させる。

結局のところ、ことネットという場において、一般性は利用者が、体験を通して自ら体系化していくことでしか得られません。逆に言えば、5や10の積み重ねが40か50くらいになったところで、後は放っておけば100になるのがウェブ教育なのかも知れません。実際のヤケドが「たとえ1回でも手遅れになる可能性がある」ネットにおいて、個別具体的にではあっても如何に多くの予防策を提示していけるかが、今後の教育の課題だと感じました。
それにしても、あれだけ全会一致みたいな形で重要視された「シミュレーション」は、今後あるべきメディア・リテラシー教育をプロトタイピングする上でも欠かせない要素なのだろうと思わずにはいられませんでした。

ではどんなシミュレーションが最も効果的か。個人的には、疑似体験を疑似体験と教えずに自然に誘導し、あくまで安全に、かつ生の恐怖を味わってもらうのが最善だと思いますが、これは倫理的にダメだろうなあ…

【福井ゼミ】
著書を一冊読んだ程度の自分のような初学者にもわかりやすい親切丁寧な説明で、大変有意義な時間でした。全体的に勉強になる話が多かったのですが、特に印象に残ったことがあります。
それは著作権の運用にあたって、「自由意思」と「明確な基準を設ける」のと「許諾の要らないモデル」(=フェアユース)にするのと、いったいどれが一番機能するかを、その都度「常に考えていかなければならない」ということ。
これはおそらく福井さんの考えで一貫していたことで、ゼミの最後のほうでも「事前に全部ルールメイクするのは急速に変化する時代においては不可能」という言い方で再度言及がありました。

とかく法律と言われると明確な基準を求めてしまう浅はかな自分がいたことを思い知らされました。「日本人はフレキシブルなルールよりはカチッとしたルールを好む」といったこと(正確な言い回しは失念しましたが…)を仰っていましたが、だとすれば自分はまさに典型的な日本人でした。

著作権は人間の「本能からくる」創作意欲を保護し、束縛もする法律であり、だからこそ明確なルールではなくて「人間の血の通った運用が必要」なのだということを実感したゼミでした。

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