2010年5月31日月曜日

【0528ゼミの感想】福井ゼミの感想【岸本】


 メディアリテラシーを扱ったNC。最初に言葉の定義をして、共通理解をつくり出した点はとても良かったと思います。教育を軸に絞って、海外との比較なども興味深かったです。

 とはいえ個人的には、教育のみで解消できる問題ではないと感じます。現に、学校教育で一定のメディアリテラシー教育が行われていたり、マスメディアでも取り上げられたり、社会的な関心は高まっていますが、効果を上げているとは言い難いでしょう。そのため今回のグループワークでは意図的に「サイト側の取り組み」を持ち出しました。
 
 私なりの考えでは、サイト側の取り組み+市場競争による裏サイト摘発+メディアリテラシー教育の3本立てが望ましいと考えます。
 
 最低限のメディアリテラシーに関しては、教育で行います。何回か議論の途中でも出たように、身近な実例を挙げて、「自分ごと」にしないとおそらく効果はないでしょう。それでもSNS、ブログ、BBSなどサイト上では揉め事が起こると考えられます。こうした事態が万が一起こった場合にその被害を最小限にするようなサイト側の取り組みが求められます。これはガイドラインを作るなど官の取り組みも必要であると考えます。(ここで過度な制限は禁物です)その一方でそうした「管理された」サイトを嫌う人もいるはずなので学校裏サイトが出てくると考えられます。これを摘発するには市場競争に任せるのが一番ではないでしょうか。これも官がガイドライン作りやライセンス付与などの最低限のルールを作る事が必要でしょう。

 NCの運営方法についてですが、やはりグループワークを取り入れてしまうと1時間という時間が短いと感じます。出来ればグループワークで共有した案を叩き台にして議論をするところまでやりたいと思うので、ここは検討してみても良いのではないでしょうか?

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 そして福井ゼミ。個人的に法律にはものすごく抵抗があったのですが、福井さんが「次の創造を生む土壌をつくるため」などの目的ベースで著作権法のお話をされていたので、わかりやすく、問題意識や論点が伝わってきました。

 今まで法律に携わる人はみな判例ベースで割と機械的に「過去にこうだったから」という参照を重ねる事で言い分や社会のルールをつくっているように感じていました。しかし、判例も見方を変えると肯定否定側からのブレストやディベートみたいなもので、社会の中で深められた議論のひとつのアウトプットなのです。そう考えると法律家がかなり人間味のあるというか有機的な仕事なのだなと感じました。

 一番印象に残ったのは「どの程度のものに対して創作性あるいは独占を認めれば社会がよくなるか」という著作権の問題意識でした。そして、明確な線引きは難しく、機械的に分けるには重要すぎるという指摘。なるほどとなりました。

 最後の最後でUstreamはまた機材トラブルに見舞われて電子書籍のお話のところが切れてしまったのですが、理解が至らなかったところは録画を見直して深めていきたいと思います。
 
 お忙しい中、ゼミにお越し下さり貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

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