「著作権の保護期間延長問題」について、私は伺いたいです。
そもそも、学部柄的にも、私は著作権について考える機会はほとんど無かった。そんな私が著作権について考えるようになったきっかけは、福井健策さん著の「著作権とは何か」を読んでからである。その時にも思ったことだが、本書を読んで改めて、著作権の保護期間延長について疑問が浮かんだ。
つまり、この50年という数字が、何を基準に設定され、更になぜ20年プラスして70年に延長されたのか、という疑問である。
保護期間延長の理由として「創作振興」が挙げられている。つまり、保護期間が長い方が、創作者の意欲が高まるし、収入の増加も見込めるということである。確かに、もし自分が著作者であると仮定したら、この文脈における創作振興の意味は理解できる。しかし、本書に示されている様に、著作者の死後、急速に売り上げが落ち、死蔵される作品が非常に多いと同時に、死蔵されずに生き残った書籍に対する人気も一部の作家に集中し、「死後40年以上経って出版される2%弱の本の内、4分の3までが上位5%の著作者に集中している」というデータがある。つまり、ほとんどの著作者は、著作権に(よって期待される)よる収益を上げていないのである。
さらに、著作権の保護期間が過ぎてパブリックドメインとなった作品を基に創作された新しい作品が、出版・映画・音楽業界といった様々な業界でヒットしているという現状がある。著作権が切れたことで、自由な流通・使用が可能になり、このような状況が実現されるようになったのである。
このような状況を俯瞰すると、確かに、著作権は著作者の創作意欲を刺激し、尊厳を守るために必要だが、過度の規制は文化・社会の発展・振興を阻害しかねないように見える。
そこで、福井さんに二つのことを伺いたいと思います。
①この50年という数字が、何を基準に設定され、更になぜ20年プラスして70年に延長されたのか
一つ目は、冒頭にも記述した質問。
②福井さんは、著作権の保護期間延長に賛成か反対か。どちらの立場にせよ、その支持する理由と、福井さんが支持する立場と逆の意見(例えば、福井さんは慎重派だが、社会の潮流は延長)が社会の大勢になった時に発生するであろう問題点など。
この二点について伺いたいと思いますので、宜しくお願い致します。
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