2010年5月28日金曜日

【ホンヨミ!0528②】インターネット新時代【高橋】

インターネット新時代 村井純(著)

本著はインターネットにまつわる話題や問題点などを広くぎっしり詰め込んだ内容となっており、ネットに関する全般的な知識を得たいと思う人に最適の入門書となっている。
例えばインターネットのフィルタリングと個人情報についての部分である。フィルタリングやGPSなどで、子どもを保護する親。しかし、何をネット見れるものには制限をかけられ、どこでいつ何をしているかが逐一親にわかってしまうことは、子どもの権利やプライバシーを侵害してしまうのではないだろうか、と懸念してしまう。何事も過剰はよくないが、親の裁量に委ねられる部分ではあるものの子どもの権利をしっかりと尊重する必要があると感じた。
デジタルサイネージやガラパゴス化、クラウドコンピューティング、IPTV、ネットの中立性…ここ1ヶ月で得た知識であるが本著ではすべての事柄にふれられていて、予備知識が少しあるだけで格段に理解しやすくなることを実感することができた。
幅広いテーマを扱っている手前、あまり深くまで言及されていないのは残念だったが、広く浅くインターネット新時代の現状と課題を知りたいと思う読者にはもってこいの本となっていて、随所に著者の体験や視点を織り交ぜていることによって読者を飽きさせない構成にもなっている。
個人的に興味をもったのは国境を越える電波を扱う制度の今後の課題についてで、あまり耳にしたことがないからこそ気になった部分である。国境を越えて利用できるようになる電波は電波行政における問題点になると著者は述べているが、具体的にどんな問題がどういった国の間で起こっているのか、または起こりうるのかについて詳しく知りたいと思った。

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