2010年5月26日水曜日

【ホンヨミ】0528①著作権の世紀【金光】

『著作権の世紀―変わる「情報の独占制度」』

この数カ月で何度も手に取った一冊になっています。
私は特に電子書籍と著作権について興味があります。なかでも、Google book searchは今度の5000字論文の自分のテーマなので気になります。

本書の冒頭には、昨今の著作権ブームを「ディジタル化とネットワーク化の影響」と書いてあります。インターネットによる急激な生活の変化によって、日本の著作権法は見直す時期に来ているのかなと感じました。

5月20日京極夏彦氏が新作小説を電子書籍で刊行するというニュースがありましたが、数年経てばそんなことは話題にならないくらい当たり前のことになっているんじゃないかな、と思います。
そのような流れができてくれば、作家や出版社は、新作刊行時に従来の打ち合わせ内容に加えて「電子書籍」という新しいオプションについても契約をすることになるのでしょう。問題は今までに発刊されている著作物だと思います。電子書籍という選択肢がなかった時代の作品の権利はどこにあるのか。
そこで、Google book searchの話になると思います。
これは2009年月までの出版物を対象にしています。和解案は修正を経て、対象作品は全世界からアメリカはじめ数カ国に狭まりました。日本が対象から外れたことで、国内での一時の騒ぎは収まりました。しかし、私はこれで一件落着とはいかないと思います。
確かに、Googleの和解案はオプトアウト方式で、一方的すぎるという印象を与えるものでした。また内容を見ても、和解案ぬ応じるほうがメリットが大きく、このサービスからの脱退するのは勇気がいるような選択肢でした。
しかし、著作物は本来多くの人に読まれるために生み出されたもののはずです。確かにひとつの私企業に自分の著作物の処遇を迫られるのは予想外だったかもしれませんが、自分の作品をどうしたいのか、という意思を作家ひとりひとりは決める権利があり義務でもあると思います。ただ作品を作って世に出してあとは出版社任せではなく、無償であってもいろんな形で読者に触れられるのが良いのか、電子化は反対なのか、Googleは半ば強硬にこの選択を迫りましたが、遅かれ早かれこの決断は直面する問題だと思います。
GoogleもAmazonも同じような電子書籍プラットフォームを作ると言われていますが、その際に日本はどうするべきなのか。
幸いにも、日本語はテキストの読み取りに手間がかかり、電子化から少し敬遠されているようです。この合間にするべきことは。
ゼミでは詳しくお聞きしたいです。

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