2010年5月20日木曜日

【ホンヨミ!】0521 ②チェンジメーカー 【黄】

~社会企業家が世の中を変える~ チェンジメーカー
渡邊 奈々著

社会企業家、あるいはアントレプレナーという言葉を聞いたことがあるだろうか。
ソーシャル、つまり「社会福祉」というコンセプトと、アントレプレナーシップという「お金もうけのための企業」という全く相反する二つを組み合わせた造語である。
この造語が指し示すコンセプトとはズバリ、情に訴えるばかりであげっぱなしの社会福祉でもなく、儲けたものが勝者とされる従来型のビジネスでもない、両者を組み合わせた新たな社会問題の解決の在り方であり、ビジネススタイルである。
世の中の問題の矛盾を新たな角度から取り組み、社会を、世界を変えるアントレプレナーシップ(社会企業)。
こんな得体も知れない取り組みがどう実現されるのか、あるいはされているのか疑問におもわないだろうか。その詳細が本書では事細かに記載されている。
本書は今実際、アントレプレナーとして働いている人物18人のルポによって構成されている。
ソーシャル・アントレプレナーの先駆者であるビル・ドレイトンを始め、ヒューマン・ライツ・ウォッチのサマン・ジアザルフィなどその分野や活動内容は非常に多岐にわたる。
その中で気付いたことは、1、社会に対して常にアンテナをはってること 2、失敗を恐れず行動に移す力がずば抜けている 3、たえず考える 4、無尽蔵の情熱 をみなそれぞれが持っている点だった。
もちろん日本の方も紹介されている。
日本版社会責任投資を始めたインテグレっクスの秋山 をねさんや不登校児向け単位認定型フリースクールの校長である白井智子さんなど。
一人一人のルポに学ぶべき点が数多く潜んでいる。
今まで自分が知っていた世界とは180度違うフィールドがそこにはある。
社会企業家とはなんなのか、彼らは何故この世界に足を踏み入れたのか、そこにある共通の思いを本書を通して感じてもらえれば、と思う。

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