2010年5月20日木曜日

【ホンヨミ!】0521①ウェブ2.0は夢か現実か?【斎藤】

 本書の中でアメリカの検索エンジンではgoogleが独走しているのに対して、日本ではオークションなど様々なサービスを展開するポータルサイトのyahooが逆転し過半数のシェアをとっていることがあげられている。日本では一般的に、個人が自らのビジネスに利用したり情報を収集するような明確な目的を持ってインターネットを利用するのではなく、緩やかな形で他者とつながることを目的とされるのだ。このことは私自身の実感としても感じる。mixiやtwitterのように他者とつながることを目的にインターネットを利用することが多いからだ。エンドユーザー同士がつながっていくことを利用したビジネスの有効性は広く認知されている。口コミを生かした商品説明などもその典型だろう。その他、ネット掲示板上において世論が形成されることもある。
 しかし、そのようにして形成されたネット上の世論がリアルな世界にどれほど影響を与えているかは正確に計ることができない。ネットのユーザーは比較的限定された層の人々であり、現実社会の人々の多様性を全て反映してはいないからだ。しかし、そういったことが無視されてあたかもネット上の意見が全てであるように拡張されてしまうことは避けなければならない。
 産業としてはまだまだ新興のネット業界であるが、そこで活躍する代表的人物として描かれている人々も特徴的であった。あたかも、金を稼いだ者が正義であるように述べる人物や徹底的に合理的かつ論理的で身もふたもない人物など、これまで日本人の美徳とされてきた汗水たらして働き、腹をわって話せば互いをわかり合えると言うような体育会的な考え方だけではウェブ2.
0の世界では生き残れないのだ。勝者総取りの原則が働きやすいシステムに乗っている以上、無駄な人間関係を維持する為に上辺だけでも他人にあわせていくようなあり方は不要なのかもしれない。
 しかしながら、それを実行してしまえばリアルな世界での関係性が貧弱な者になってしまうだろう。ネットとリアルの関係について考えたときに、上位にあるのはあくまでもリアルな現実の人生、生活であり、ネットはあくまでもそれを補完するものであることを忘れてはいけないと感じた。

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