2010年5月24日月曜日

【0521ゼミの感想】やる方よりやらせる方が楽しんでました、実は。【岸本】

 NCでのディベートは初めてで新鮮でした。個人的に感じたのは、やはりNCでディベートを行うのであれば、全員の理解のばらつきをなくし、最低限の議論の土台を共有することが必要なのではないかとかんじました。私事で恐縮ですが、今回ustreamの具合が悪くほとんどプレゼンの内容が把握出来なかったので、なかなか議論についていくことが出来ませんでした。
 とはいえ、普段のNCより頭を使って悩んだような気がします。(知識が身に付いたかどうかはまた置いといて。)積極的に様々な試みをしていくのはアリだと思うので、今回の反省も次回に活かしてゼミ全体でより良いNCの形を探っていければと思います。
 
 インターネットは様々なビジネスでイノベーションを生んできましたが、そのイノベーションを生み出す力は政治権力の介入、あるいは法による規制でいとも簡単に失われてしまいます。(例:中国やイランでのインターネットの規制など)もちろん、インターネットの負の側面は取り除かれるべきでしょうが、その一方でいかに良い面を残していくかという問いは絶えず制度設計する者にとっての課題となっています。

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 昨年のワークショップよりも準備期間は短かったですが、よりよいものにしようという気概で準備しました。皆さんはどうだったでしょうか?運営側としてはあのお題でも抽象的で、ちゃんとしたものが仕上がるか不安でしたが、結果としてこちらの予想を遥かに上回るものが出てきてびっくりしました。

 ワークショップを終えて、自分なりに反省をするのであれば色々詰め込み過ぎたかなと感じました。ブレストのスキルがあって、プロトタイピングがあって、奥出先生の論文評価軸があって、基準軸があり、そして4Pといろいろな方法論や思考の枠組みを欲張りすぎてしまった印象があります。これはひとえに打ち合わせ不足のためです。
 
 就活を1シーズン経験してきた身からコメントすると、チームごとの雰囲気や勢いの変化などがまちまちで非常に興味深かったです。ワークショップなどのグループワークでは思っている以上にその人の「素」が出ます。今回反省点があった人は、就活までの期限を意識した上で、積極的にグループワークの「稽古」あるいは「他流試合」をしていき、徐々に自分の役割を変化させ、ファシリテーターのような立場を目指していくといいんじゃないかなと感じました。
 ちなみに、今回時間が短いと感じられた方もいるかと思いますが、就活の場では会って5分の人たちと30分で答えを出さなければならない等々、無茶振りは常ですので、決まった時間内で結果を最大化できる人を目指してください。


 そして、今回の「論理思考(logical thinking)」と「デザイン思考(design thinking)」の話の補足をば。
 まず、この2つの思考はあくまで道具なので万能ではありません。場合場合に応じて臨機応変に用いることが求められます。また、前提として目的や定義がしっかりしていないと何も出来ません。

 論理思考は3Cや4Pなど様々なフレームワークに沿って考えることが多いです。この3Cや4Pは世界の常識ってものでもないし、前述の通り万能でもないので過信しないようにしましょう。でも、思考の補助線になりえます。基本的にはこみやプレゼンにあった「MECE(もれなくダブりなく)」場合分けを行い、分析していきます。
 論理思考の入門としては『自分の答えのつくりかた』がおすすめです。(中学生でも読めるような内容ですが、内容は本格的です)
 ある程度慣れた方には『戦略フレームワークの思考法』がおすすめです。(これ某社インターンでの貰い物なのですが、「並列化」「時系列化」「二次元化」の3つにまとめてあり、フレームワークをまとめた本のなかでは比較的分かりやすいように感じます)
 
 次にデザイン思考です。これは従来の定量的なマーケティングによる商品開発では満たされない隠れたニーズを定性的にあぶり出し、訴求していく製品、サービス設計の方法論です。それまで(表層的な)デザインで用いられていた手法を製品やサービス開発に転用するため、デザイン思考と呼ばれています。
 デザイン思考には様々な方法がありますが一般的には、「ユーザーの観察」→「ブレインストーミング」→「プロトタイピング」→「ユーザーテスト」→「再プロトタイピング」…といった具合で開発するものです。
 と、言葉ではなかなか伝わりづらいところがあるので、デザイン思考の元祖とされるアメリカのデザインコンサルティング会社IDEOの映像を貼っておきます。


 デザイン思考について興味のある方は、『発想する会社!』を読む事をオススメします。またデザイン思考とは少し異なりますが、ブレインストーミングやプロトタイピングを活かした問題解決法について興味のある方は『メディチ・インパクト』をオススメします。(また毛色は少し異なりますが『凡才の集団は孤高の天才に勝る』『ゲームの変革者』、あと手前味噌ですけど一昨年の三田祭論文Designing Creative Environmentもおすすめです。)


 今回のワークショップは比較的楽しんでもらえたように見えましたが、実際の設計開発の部分ではいわゆる「生みの苦しみ」も少なからずあります。なんでもかんでも楽しいものではないので、あしからず。

1 件のコメント:

  1. >実際の設計開発の部分ではいわゆる「生みの苦しみ」も少なからずあります

    そうですよね…。はっとしました。

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