2010年5月16日日曜日

【ホンヨミ!】0514①CGMマーケティング【田島】

投稿が遅れてすみません。


「CGMマーケティング」 伊地知晋一

元ライブドア役員で、CGMマーケティングに長期間携わってきた伊地知氏による本。2006年に書かれた本であり、twitterなど新しい例は本書には入っていないが、「体験共有型メディア」や「炎上の仕組み」など、サービスの形が変化してもCGMの基本は変わっていないことが感じられる。

CGMマーケティングをビジネスモデルとして分類(広告型、販促型、エスクロー型、データベース型)している部分は興味深かったが、しかしこの本を読んだからといってCGMマーケティングを成功させられるわけではない。この本に限らず、いかなる本でも無理である。なぜならば、CGMの本質であり、CGMマーケティング成功のコツとは「いいコミュニケーションを構築すること」であるからだ。コミュニケーションの形には明確なルールはなく、本を読んだ知識で成功させられるものではない。もっと人間的で、繊細で、「絶対」が存在しない世界である。「加ト吉」のtwitter成功例からわかるように、そこには人間的なセンスが要求される。
 しかし、「最低限満たしておく必要があるもの」は存在し、本書はそれを確かめる一助となる。(戸高さんのブランドマイセルフにあった「努力は裏切る。だが天才は必ず努力をしている」と共通することのような気がします。)「CGMプラットフォームを整備する必要性」や、「炎上しないようにする方法」(これは実生活でのマナーに似ている)などが参考になるだろう。
 なかでも、炎上しないようにする方法の中の、「双方向性を拒むようなコミュニケーション態度をとらない」という部分は本質的な議論であると感じた。CGMの肝とは「双方向コミュニケーション」であり、広告特殊の小山さんの表現を借りれば、「共感する絆を求めている」ことである。その欲求をきちんと満たしていくことで、「ブランド」ともまた違う、消費者から企業への「愛着」を形成していくことが可能になっている。
 しかし不特定多数が利用しているインターネットで顧客とコミュニケーションを計ることは、企業にとっては負担であり、少ない人数では間に合わない。(加ト吉のtwitter担当は現在では人数を
増やして行っているように。)企業側は、CGMマーケティングを単なる「Webマーケティングの一種」として生半可な気持ちで行うのではなく、「消費者との強いつながり作り」として、真剣に捉えていく必要があるだろう。

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