2010年5月16日日曜日

【ホンヨミ!0514①】クラウドソーシング【栫井】

クラウドソーシング/バリー・リバートほか

インターネットの普及によって、一般の人々が力を持つようになり、 従来の一方方向の関係が双方向的に変化した。それに伴い、 近頃いろんなところで「ソーシャル」という言葉が聞かれるようになったように感じる。
本書ではさまざまな形で力を得た一般の人々(とある本では彼らを「グランズウェル」と表現している)が企業にもたらす利益の例を挙げている。その中で感じたのは、グランズウェルを動かすマネジメントの難しさだ。ひとたび上手い方向を示してやれば全てが上手くいく、などと簡単な世界ではない。グランズウェルに潜んだクラッカーの存在、グランズウェルとの齟齬の発生など、トラブルの元も生まれてくるのがこの世界だ。
しかし、クラウドソーシングによって得られる利益が大きいのは間違いない。
顧客の自分たちの製品への愛をしっかりと捉え、サポートするという考え方は、少し前では主流ではない考え方だったのではないだろうか。だが、今も昔も人々はこだわりを持っている。そしてそのこだわりには必ずどこかの企業のなにかの製品が関わっている。人々のこだわりの力を放っておくのはもったいない。広告においてもブランディングの大切さが説かれているように、製品の表面だけを捉えたマーケティングではなく、人の心理を動かすようなマーケティングが必要とされているのだ。

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